菊地 葉子委員(日本共産党)
1.JR北海道と地方交通について
1.奨学金制度について
1.夕張再生について
1.東日本大震災の避難者支援について
by 事務スタッフ
菊地 葉子委員(日本共産党)
1.JR北海道と地方交通について
1.奨学金制度について
1.夕張再生について
1.東日本大震災の避難者支援について
by 事務スタッフ
by 事務スタッフ
by 事務スタッフ
by 事務スタッフ
菊地葉子君(登壇・拍手)
私は、日本共産党道議会議員団を代表して、議案第103号及び第108号に対する反対討論を行います。
議案第103号は、知事及び特別職の期末手当について、昨年の6月にさかのぼって、0.05カ月分を引き上げるというものです。
人事委員会の勧告に従って、一般職の手当を引き上げることは当然であり、賛成ですが、これまで、長期間にわたって給与削減を実施してきた道の財政運営の責任の重さに鑑み、特別職である知事や副知事らの期末手当を遡及して引き上げることには賛成できません。
一方で、今定例会には、道立看護学院や農業大学校、高等技術専門学院の授業料等の引き上げなど、負担増が提案されています。
知事などの手当の引き上げよりも、こうした人材育成にかかわる道民負担を抑制、低減することこそ、優先すべきです。
次に、議案第108号平成27年度北海道一般会計補正予算についてです
反対理由の第1は、国の交付金に基づく雇用創出事業における、道及び市町村の委託事業で不適切な事務処理が発生したため、緊急雇用交付金事業に返納が生じたことです。
返納額は、ふるさと雇用再生特別対策推進事業と緊急雇用創出事業の、合わせて17事業、1794万円に上り、そのうち、8事業、534万円が道の委託事業によるものです。
雇用拡大が期待される事業において、道によるチェックが機能しなかったことは重大だと指摘せざるを得ません。
今後は、こうしたことを繰り返すことなく、国民の税金による交付金事業が適正に執行されるよう求めておきます。
反対理由の第2は、特別養護老人ホームの入所待機者の解消に道が極めて消極的なことです。
2013年度で、特別養護老人ホームの入所待機者は2万6731人で、それに対して、2013年度から2015年度までに、特別養護老人ホームのベッド数の増加は2171床で、入所希望者の8%にとどまります。
国は、給付費の抑制のために、サービスつき高齢者住宅などの整備に重点を移してきましたが、利用料は、1カ月で10万円から15万円かかります。
国に対して、国庫負担の抜本増額を要望するとともに、低所得、低年金の高齢者も利用できる特別養護老人ホームの整備を進めるよう求めるものです。
以上をもって反対討論とします。(拍手)
by 事務スタッフ
宮川潤君(登壇・拍手)通告に従い、順次質問をいたします。
初めに、新しい総合計画についてであります。
明後日の3月11日で、東日本大震災と福島原発事故から5年になります。 3・11の大震災の最大の教訓は、原発安全神話は虚構であり、一たび大事故が起きれば、人の命も暮らしもふるさとも奪われてしまうということです。 しかし、新しい総合計画では、原子力に依存しない北海道を目指すことを将来の課題としています。 新聞の世論調査でも、道民の過半数が泊原発の再稼働に反対しています。 総合計画に、泊原発を再稼働させず、廃炉にすることを盛り込むべきと考えますが、いかがか、伺います。
次に、包括外部監査結果についてです。
先週末に公表された今年度の包括外部監査結果では、道住宅供給公社における32億円の経理ミスについて厳しく指摘されています。具体的には、14億円の不明な未収金と、18億円の含み損ですが、その金額の大きさに、ただただ驚くばかりであります。 振り返れば、2004年に、228億円もの多額の税金の投入により特定調停が成立した道住宅供給公社については、知事の監督責任が厳しく問われることは言うまでもありません。 また、調停成立後、道の監査が3回も行われているにもかかわらず、今回の不適切な会計処理がなぜ見過ごされたのかについても、その実施内容が問われるところです。 公社については、知事も監査委員も、これまで特別な注意を払って見守ってきたと思いますが、なぜ今回のような事態に陥ったのか。 知事と監査委員は、この合計32億円にも上る経理ミスを自覚していなかったのですか。仮にそうだとすれば、なぜ気づかなかったのか、伺います。 外部監査結果では、14億円の経理ミスに至った理由について、当時の書類がなく不明とされていますが、不明なままで済まされる問題ではありません。 指導監督責任者である知事として、また、道の監査委員として、経理ミスの原因究明にどう取り組むつもりか、伺います。 外部監査人は、記者会見で、計画に影響が出て、最終的に返済できない危険もあるとまで述べています。言いかえれば、道からの300億円近い貸付金も返済されない危険があるということで、これは大変な事態です。 知事と監査委員は、外部監査人と同様に、返済されない危険があるとの認識がおありかどうか、伺います。 今回の経理ミスに伴い、公社の欠損金は90億円に膨らみました。したがって、返済計画を変更しなければならなくなったことは明白です。 知事は、返済計画の変更をいつまでにするつもりか、伺います。 このたびの重大ミスを長年にわたり見過ごしてきた知事と歴代の監査委員の責任は極めて重いものです。 知事及び監査委員は、本件に対する御自身の責任をどのように認識し、どのように責任をとるおつもりか、伺います。
次に、公務員倫理についてです。
国会では、甘利氏など、政治と金をめぐる問題が相変わらず続発しており、政治と金の問題が後を絶たず、繰り返されていることについて、知事はどう思われますか。 また、政治と官僚とのかかわりの問題も指摘されています。 言うまでもなく、全ての公務員は、全体の奉仕者として、公共の利益のために全力で職務に専念しなければならず、国民に疑念を持たれるような行為は決して許されないと考えますが、改めて、知事はいかがお考えか、伺います。 国において、政と官との接触の記録については、国家公務員制度改革基本法や、閣僚懇談会の申し合わせである「政・官の在り方」に基づき、記録の作成や保存、公開が行われることになっています。 しかし、国会議員との接触の記録について、法律の規定どおり取り扱われていないことが明らかとなり、実効性にはまだまだ疑問が残るものの、政官の接触に関する規定として重要だと認識しています。 道においても、こうした政と官あるいは財と官といった接触があると思いますが、こうした関係は健全でなければなりません。それらを担保するものは、公文書の記録の作成や保存、公開のルールと、その適切な運用であると私は考えます。 道では、知事の所掌事務に係る公文書の管理に関する規則、北海道文書管理規程により、公文書の管理を行っていると承知していますが、これらの現行規程に基づく運用だけでは、関係の透明性を確保することはできず、行政への不当な介入を防ぐためにも、全ての政官の接触を公平、正確に記録し、開示することを定めたルールが必要であると考えますが、知事の見解を伺います。 道で、過去の不正経理問題への反省を踏まえた再発防止対策として、全国で初めて、北海道職員の公務員倫理に関する条例が制定されてから、間もなく20年を迎えます。 倫理条例では、管理職員等は、業者等から1件につき5000円を超える金銭などの贈与等を受けた場合は報告しなければならないとされており、平成26年度分として681件の報告があり、うち、金銭、物品等の供与が224件、飲食の提供が93件、報酬が364件となっていますが、これだけでは全体像はわかりません。 部局ごとの傾向はどうなっているのか、金額の傾向はどうかといった、贈与等の報告の概要について具体的にお答えください。 職員の職務に利害関係を有する者との接触や、その他、道民の疑惑や不信を招く行為の防止のため、条例に基づき、倫理規則が設けられています。そこには、利害関係者との禁止行為として、金銭の贈与を受けることや、供応接待、旅行に行くことなど8項目が定められています。 最近3年間における、道職員によるこうした禁止行為の発生件数及びその内容についてどう把握しているか、伺います。
次に、地域医療についてです。
医師、看護師の不足のために、病棟閉鎖や診療科の削減、夜間、休日を含めた救急受け入れをやめるということが起こっており、北海道にとって、地域医療を充実させることは緊急で重要な問題だと思いますが、いかがですか、知事の認識をお示しください。 各2次医療圏ごとに、地域医療構想調整会議が行われています。夏ごろには、道としての地域医療構想が策定され、入院機能別の病床数が現状よりも削減されて発表されるものと思われます。 医師、看護師の不足のために病棟閉鎖をしているところもあり、入院したくてもできない人がたくさんいます。 したがって、現状の稼働病床数をもって医療ニーズをはかることはできないと思いますが、いかがか、知事の認識を伺います。 道内で出産することができるのは、わずか30市町で、初産の場合は28市町です。 今後、出産できる病院をふやしていくべきですが、知事は、その必要性についてどうお考えですか。幾つの市町村で出産できるようにしていくのか、具体的に数値目標をお示しください。 地域の医療体制は、入院機能別病床数をもって整うものではありません。例えば、脳外科がなければ、脳卒中で倒れた場合に、救急車は遠くのまちまで搬送しなくてはならないのです。 各地域別に、どの診療科が不足しているのか、実態を把握する必要があると思いますが、いかがか、伺います。 また、それをもとにして、医療体制の整備を進めていくべきと考えますが、あわせて伺います。 地域枠を設けた奨学金を受けたことにより、医育大学卒業後に全道各地の医療を担う若手医師の役割が期待されています。 今後、この奨学金制度によって、地方の医療過疎がどう解消されていくのか、閉鎖されている病床を再開できるのか、今後の見通しをお示しください。 国が示している病床数の計算方法は、その地域の入院受療率に一定の率を掛けて、機械的に病床を削減する方向を出そうとするものです。 国の計算式そのままで病床数を決めることは適切でないと思いますが、いかがですか、伺います。
次に、介護人材の育成確保等についてです。
北海道高齢者保健福祉計画・介護保険事業支援計画では、介護人材が、2014年度で200人の不足ですが、2025年には1万2000人不足すると推計されています。 しかし、道は、介護人材を、どのように、どれだけ、いつまでにふやすのか、具体的な計画は一切示していません。 創生総合戦略では、介護人材を安定的に確保するとしていますが、目標もなく、どうやって確保するのですか。 介護職員の安定的確保に向けて、目標年次と獲得目標を持って取り組む姿勢はあるのか、伺います。 道内の介護福祉士養成施設・養成校の入学者は、年々減少し、2015年度には、定員の1259人に対して、入学者は603人で、5割にも達していません。 大幅な定員割れの原因と、道内の介護人材の確保にかかわる影響をどのように認識し、定員確保のため、具体的にどのような方策を講じるのか、伺います。 栗山町の北海道介護福祉学校には、道内の30の事業所が、人材確保のために修学資金貸し付けを申し入れているそうです。 そこで伺いますが、道内の21の介護福祉士養成施設・養成校の全体で、介護事業者等からの修学資金の申し出件数は新年度で何人分か、明らかにしてください。 私は、さきの2015年度補正予算に関する質疑で、道が計上した介護福祉士等修学資金貸付事業費が年間100人分では足りないと指摘しましたが、不十分だという認識はないのか。道内の市町村や事業所と連携するなどして、貸付原資を拡充すべきと考えますが、いかがか、あわせて伺います。 国は、昨年4月、介護職員の処遇改善として、介護報酬で、1.65%、月額で1万2000円を加算しました。しかし、介護報酬全体は2.27%引き下げたため、介護職員の賃金引き上げに必ずしも結びついていません。全産業との比較で、介護職は月額で12万円も低くなっています。 知事は、介護職員の賃金を引き上げる必要があるという認識をお持ちか、伺います。 介護職員の賃金改善が行われないまま推移するなら、本道の介護は、質の低下と人手不足で重大な事態を迎えることになります。 知事として、実効のある処遇改善を独自に導入すべきと考えますが、今後の対処方針をお示しください。 また、国に対して、実効性が担保された処遇改善策を要求すべきだと思いますが、いかがか、伺います。
次に、観光バス事業の安全対策等についてです。
深夜のスキーツアーバスの事故で、7人の若者が死亡する事故が起きました。つい先日も、道内でバス火災があり、ことしに入って4件になりました。参入基準の規制緩和に伴う低価格競争の結果として、低賃金や、車両更新のおくれによる老朽化、安全性が置き去りにされている現状などが指摘されています。 知事は、道内のバス事業の安全性についてどのように認識しているのか。道内のバスの重大事故件数の推移とともに、お答え願います。 観光客が道央圏内に集中していますが、北海道各地の食と景観、温泉、体験型観光と住民との触れ合いなど、豊富な観光資源を生かすために、また、道内各地の活性化のためにも、観光客受け入れの全道展開を促進すべきです。新千歳空港や札幌から道内各地への2次交通の整備充実が求められています。 2次交通として、バスや航空機の役割は大きなものであると思いますが、いかがか。JRローカル線等の位置づけについてもあわせて伺います。 外国人観光客300万人を目標とする中で、道内では、バス1台当たりのドライバーが0.8人で、深刻なドライバー不足が労働環境悪化につながる負のスパイラルとなっているのではないでしょうか。 私は、安全なバス運行のために、バス協会に加盟していない事業者も含めた関係の各機関・団体と協力して、協議会などを設置し、バスドライバーの苛酷な労働環境、処遇を改善し、安全強化対策に尽力することを提案したいと思いますが、いかがか、伺います。 知事は、2種、3種の旅行業の登録権限を持っており、道内には240社ほどあるとお聞きしております。 ところが、立入検査は、2人体制で年間に5件程度で、これでは、違法な運賃引き下げや安売り競争などの回避について指導などできようがありません。 行政にしかできない指導を強化すべきではないでしょうか、いかがか、伺います。
次に、子育て支援住宅等についてです。 道営子育て支援住宅は、現在までに、15カ所の団地で192戸が整備されています。この住宅は、原則として、年齢の高いほうの子どもが小学校を卒業する年の3月末までしか入居できないとしています。 最初の道営子育て支援住宅の入居以来、10年になりますが、子どもの年齢によって明け渡しが求められた例があるのか、伺います。 また、来月以降、入居が継続できなくなる世帯があるのか、あわせて伺います。 2010年の内閣府の子育て費用に関する調査では、6年生が126万9053円ですが、中学校1年生では152万7873円とはね上がり、2年生、3年生ではさらに上がり続けるのです。 つまり、子育て支援住宅は、子育てに一番お金がかかるときに退去させられることになるのです。 また、現在の子育て世代の多くが非正規・不安定雇用であり、入居中に、解雇や倒産、離婚して母子世帯になることなどによって、収入が減少し、民間賃貸住宅への転居ができない場合も出てくるはずです。 道は、他の道営住宅に住みかえができるものとしていますが、同じ団地内に空き住戸があるとは限らず、他の団地に移ると、転校など、子育て環境が一変します。 小学校卒業後も継続入居を希望する場合、退去を強制せず、その住宅の位置づけを子育て住宅から一般住宅に振りかえるなど、柔軟な対応をすべきと思いますが、いかがか、伺います。 道営住宅全体の応募倍率は、旭川市で28.8倍、札幌市で22.6倍、小樽市で19.7倍、全道平均で8.4倍と高くなっています。 老朽住宅の建てかえや計画的修繕も積極的に行うとともに、道営住宅が不足している現状に照らし、大量に建設を進めるべきと考えますが、いかがか、伺います。
最後に、ヘイトスピーチについてです。 近年、さっぽろ雪まつり会場や札幌市中心部等において、右派系団体などが、特定の国籍や人種、民族などに対して差別的言動を行うヘイトスピーチが繰り返されています。 このような行為は、明白な人権侵害行為であり、海外からの観光客を温かく迎え入れようとしている本道と全く相入れないものと考えますが、ヘイトスピーチが本道にどれだけ悪影響を及ぼすと認識しているのか、伺います。 ヘイトスピーチは許されないと、知事がこの場で明言してください。 先月のさっぽろ雪まつりでは、ヘイトスピーチに反対する市民が、法務省が作成した「ヘイトスピーチ、許さない。」と記したポスターを、札幌市中心部の飲食店やホテルなど約300カ所に掲示してもらう取り組みを行いました。 市民の良識に応えるためにも、道として、ヘイトスピーチの根絶に向けて、どのような取り組みを行うのか。 全国で初めて、ヘイトスピーチ規制条例が大阪市で制定されました。本道でも、条例制定の検討を行うべきと考えますが、いかがか、伺います。 以上、再質問を留保して、私の質問を終わります。
(拍手) ○議長遠藤連君 知事高橋はるみ君。 ○知事高橋はるみ君(登壇)宮川議員の御質問にお答えをいたします。
最初に、新しい総合計画に関し、エネルギー政策についてでありますが、暮らしと経済の基盤である電力については、社会経済の変化への柔軟な対応が図られるよう、安全性、安定供給、経済効率性、環境適合を基本的視点としながら、天然ガスなど、環境負荷が低く、経済性にすぐれたエネルギーや、本道が高いポテンシャルを有する新エネルギーなど、さまざまな電源の特性が生かされた多様な構成とすることが必要であります。 道といたしましては、こうした考えのもと、将来、原発に依存しない北海道を目指した取り組みを進めていくことが重要と考えるところであり、今後とも、新エネルギーが主要なエネルギー源の一つとなるよう、道内のさまざまな資源を生かし、その導入拡大を図ってまいります。
次に、包括外部監査に関し、まず、返済計画の見直しについてでありますが、住宅供給公社は、平成16年の特定調停の成立後、残された債務の着実な返済に努め、26年度末までに、市町村への債務や、道からの新たな長期貸付金を完済したほか、国や住宅金融支援機構への返済も含め、総額で約290億円を返済してきており、道の短期貸付金についても、可能な範囲で返済に努めているところであります。 道といたしましては、公社が資産の売却や賃貸資産の活用等による現金収入の確保と、経費の削減に一層努めるよう指導監督をするとともに、返済計画については、公社と協議をし、消費税増税後の分譲動向などを踏まえ、見直しについて検討してまいります。
次に、包括外部監査報告への対応についてでありますが、住宅供給公社は、特定調停の成立後、新たな事業には着手せず、決定されたスキームに従い、債権者に対して着実に返済を続けてきたところであります。 しかしながら、このたびの包括外部監査において、公社が、これまで、事業資産を過大に計上し、不適切な決算を報告していたことが明らかになったことは遺憾であります。 道では、これまで、副知事をトップとする公社運営監理委員会を設置し、特定調停後の公社が健全な経営を維持し、債務の返済が着実に実行されるよう、全庁的な連携を図りながら、指導監督をしてきたところでありますが、その責任を果たすことができず、会計の不適切な処理を見過ごしていたことについては、申しわけなく、私といたしましても重く受けとめており、このたびの包括外部監査での指摘や意見も踏まえ、公社に対しての指導監督を強化するほか、これまでの対応について、適切に対処してまいる考えであります。 なお、包括外部監査に係るその他の項目については、担当の部長から答弁をさせていただきます。 次に、公務員倫理に関し、まず、政治とのかかわり方などについてでありますが、政治活動にかかわる資金のあり方については、透明性が確保されるなど、国民の皆様の信頼を得られることが何より大切であると考えるところであります。 また、全ての公務員は、公務を民主的かつ能率的に運営すべき責務を深く自覚し、全体の奉仕者として、誠実かつ公正に職務を遂行しなければならないものであり、公務員倫理の高揚に努めるとともに、国民との信頼関係を築き上げていかなければならないものと認識いたします。 なお、公務員倫理に係るその他の項目については、担当の部長から答弁をさせていただきます。
次に、本道の地域医療についてでありますが、本道においては、医師や看護師などの医療従事者の偏在が続いているところであり、地域における医師不足の解消は喫緊の課題であります。 そのため、道では、道医師会や3医育大学などと連携をし、常勤医師の確保や短期的な医師派遣など、さまざまな医師確保対策を実施しているところであり、救急医療体制の整備や在宅医療の充実などとあわせて、今後とも、道民の皆様が、住みなれた地域で安心して暮らし続けることができるよう、地域医療の確保に努めてまいる考えであります。
次に、道の地域枠制度についてでありますが、道では、道医師会や自治体病院関係者などと連携をし、北海道医療対策協議会を設置して、地域への医師派遣や地域枠制度の運営などについて協議してきているところであります。 そうした中、平成20年度に創設をした地域枠制度により、その1期生である札医大卒の7名の方々が本年4月から地域勤務を開始し、29年度には、旭川医大の卒業生も含め、19名が新たに加わる見込みであり、38年度以降は、常時、160名程度の医師に、道が指定する道内の公的医療機関において勤務していただくこととなっているところであります。 こうしたことから、今後は、医育大学に設置する地域医療支援センターからの医師派遣など、道のさまざまな施策を含めた柔軟な対応を図り、地域における医師確保に一層努めてまいる考えであります。 なお、地域医療に係るその他の項目については、担当の部長から答弁をさせていただきます。
次に、介護人材の育成などに関し、まず、人材の確保に向けた取り組みについてでありますが、道内では、今後、労働力人口の減少と介護ニーズの増加が見込まれ、介護現場における人材不足の拡大が懸念されるところであります。 このため、道では、長期的な視野に立ち、離職の防止に向けた労働環境の改善に関する相談支援など、人材確保に向け、積極的に取り組むこととしているところであります。 また、現行の介護保険事業支援計画では、平成29年度における人材不足を約700人と推計しており、その解消を図るため、本年度から、介護事業所へ有資格者を派遣するといった即効性のある取り組みを進めるとともに、新年度は、介護職を希望する障がいのある方々や、復職を希望する潜在的な有資格者に対する支援を行うこととしており、これらの取り組みの効果を検証しながら、介護分野の人材確保に努めてまいります。
次に、介護職員の処遇改善についてでありますが、道では、これまで、介護従事者の処遇改善について国に強く要望してきたところであり、昨年4月の介護報酬改定により、介護職員処遇改善加算が拡充され、現行の加算に月額1万2000円相当が上乗せされたことから、引き続き、処遇改善加算の適正な活用について、事業者への周知徹底を図ってまいる考えであります。 また、現在、国では、次期介護報酬改定に向けた、処遇改善加算の影響や給与等の処遇についての調査結果を年度内にも取りまとめる予定であると承知いたします。 道といたしましては、この調査結果を踏まえながら、広域分散で積雪寒冷な本道の地域特性や小規模な市町村等にも十分配慮した介護報酬が設定されるよう、国に対して一層働きかけるなど、積極的に取り組んでまいります。 なお、介護人材の育成などに係るその他の項目については、担当の部長から答弁をさせていただきます。
次に、観光バスに関し、まず、道内におけるバス事故の状況などについてでありますが、北海道運輸局によりますと、車両事故や車両火災など、道路運送法等の規定により重大事故とされている道内のバス事故の件数は、平成26年の速報値で269件と、24年以降、増加傾向にあるところであります。 特に、ことしに入り、車両火災事故が相次いで発生したことから、道では、バス事業者の指導監督を行っている道運輸局に対し、事故等の未然防止に向けた指導の徹底を申し入れるとともに、本年度開始した、観光貸し切りバス運転者を対象とした道の人材育成事業の中で、安全意識の向上や運行管理に関するスキルアップセミナーを開催するなど、安全運行に向けた取り組みを進めているところであります。 道といたしましては、全ての事業者が、保守管理の徹底など、確実な安全対策を講ずるよう、国や道バス協会等と連携しながら、利用者の安全、安心の確保に努めてまいる考えであります。
次に、旅行業者への対応についてでありますが、国及び道においては、旅行業法に基づき、旅行の安全確保や旅行業の適正な運営を図るため、定期的に旅行業者への立入検査を行っているほか、全国旅行業協会など、同法の指定を受けた団体においても、日ごろから、旅行業者に対する指導や研修を行っているところであります。 また、このたびの大変痛ましいスキーバスの事故を受け、国が、旅行業関係団体を通じて、加盟業者に対し、旅行業務における安全確保及び事故防止を徹底するよう指導を行っているところであり、道においても、非加盟の旅行業者に同様の指導を行ったところであります。 道といたしましては、安全で安心な観光地づくりを進める上で、今後とも、国や旅行業関係団体との連携を一層密にし、旅行業者に対して、適正な運営を指導するとともに、立入検査の実施回数の増加や実施手法なども含め、国とも協議しながら、旅行者の安全確保に向け、適切に対応してまいります。 なお、観光バスに係るその他の項目などについては、担当の部長から答弁をさせていただきます。
最後に、ヘイトスピーチについてでありますが、特定の民族や国籍などを理由に差別的な言動を行う、いわゆるヘイトスピーチは、人としての尊厳を傷つけるものであり、多様な文化や価値観を認め合い、平和で安定した社会を築くという理念と相反するものであると考えるところであります。 私といたしましては、北海道を訪れる外国のお客様を温かくおもてなしをし、また、道内に暮らす外国人の方々を地域の一員として受け入れるなど、開かれた地域社会づくりを進めるためにも、ヘイトスピーチはあってはならないものと考えるところであります。 以上であります。
○議長遠藤連君 建設部建築企画監宮内孝君。 ○建設部建築企画監宮内孝君(登壇)
初めに、包括外部監査の結果についてでありますが、このたびの包括外部監査により、住宅供給公社の平成26年度決算におきまして、資産計上をしていた割賦債権の総額と、個別の債権の積み上げで計算した総額の差額が約14億円あり、少なくとも17年度から同額が計上されていたことが明らかになったところでございます。 これは、特定調停後の平成15年度決算から、割賦債権に、それまでの元本に加え、利子も計上することとした際、当時の公社では、職員が大幅に削減する一方、限られた期間の中で1000件を超える個別の債権を算定する必要があったため、その処理過程において過誤が発生した可能性がありますが、当時の書類が不存在のため、原因の特定には至らなかったところでございます。 また、南幌町みどり野団地の評価額につきましては、平成15年度の時価評価によっており、公示価格が、毎年、小幅に下落していたことから、見直しを行う機会を失い、15年度と26年度の評価額に約18億円の差が生じたところでございます。 次に、包括外部監査による調査についてでございますが、このたびの包括外部監査は、昨年8月から、現地調査を含め、住宅供給公社から提出された書類をもとに、資産の評価や管理、割賦債権の一覧、その他業務全般について調査をしていただき、割賦債権の不明残高が明らかになったところであります。 また、監査人からの依頼により、道が当時の関係者へのヒアリングを行ったものの、当時の書類も不存在であり、原因の特定には至らなかったところでございます。 道といたしましては、再発防止に向け、公社運営監理委員会の機能強化を図り、公社の指導監督を徹底してまいる考えでございます。
次に、債務の返済についてでございますが、住宅供給公社は、これまで、平成16年の特定調停で決定されたスキームに従い、新たな事業に着手せず、債権者に対して返済を続けてきており、市町村への債務の58億円や、道が新たに貸し付けた長期貸付金の114億円を完済したほか、国や住宅金融支援機構に対して、これまで約118億円を返済したところでございます。 また、依然として分譲用地の販売が厳しいことに加えまして、債務の返済は住宅金融支援機構を優先させることとなっておりますことから、道からの短期貸付金につきましても、可能な範囲で返済に努めており、道といたしましては、今後とも、債務の返済が着実に実行されますよう、指導監督を強化してまいる考えでございます。
次に、子育て支援住宅における入居期限についてでございますが、道では、子どもが健やかに成長できる環境づくりを進めるため、子どもの成長に合わせて間取りの変更が可能となる可動間仕切りなどの設備を備えた道営住宅や、授乳室、子育て相談室などを設けた集会所を整備し、あわせて、市町村が子育てを支援するサービスの提供を行う子育て支援住宅の整備を進めているところでございます。 この住宅は、未就学児がいる世帯を対象とし、入居期限を、子どもが小学校を卒業するまでとしておりますことから、子育て支援住宅の整備を始めました平成17年度以降、54件の退去がございましたが、振興局から退去の理由を聞き取ったところ、転勤や自宅の新築などであり、入居期限の到来を理由に明け渡しを求めた事例はなかったところであります。 また、今月末に入居期限が到来する世帯は、全道で2世帯ありますが、現在、継続入居の手続を進めているところでございます。
次に、子育て支援住宅の入居者への対応についてでございますが、子育て支援住宅は、子育てに配慮した設備を設けるほか、市町村によるソフト面でのサービスを提供する住宅でありますことから、入居要件に合致する新たな子育て世帯を持続的に受け入れることができますよう、入居期限を、子どもが小学校を卒業するまでとしているところでございます。 このため、道では、入居期限が到来する2年前から意向確認を行い、住みかえを希望される場合には、新たな道営住宅をあっせんすることを基本としておりますものの、入居者の方の事情によりましては、入居中の住宅に継続して住むことができる取り扱いも行っているところでございます。 最後に、道営住宅の整備についてでございますが、道では、平成25年度に策定いたしました道営住宅整備活用方針に基づきまして、老朽化が著しく、面積が一定の水準に満たない住宅、または、階数が3以上でエレベーターが未設置の住宅を対象に、建てかえや用途廃止を行うこととし、それ以外の住宅につきましては、長期間、維持管理をしていくため、耐久性や居住性の向上などの改善工事を行うこととしているところでございます。 道といたしましては、整備活用方針に基づき、限られた財源の中で、引き続き、効率的に事業を実施してまいります。 以上でございます。
○議長遠藤連君 総務部長笠置隆範君。 ○総務部長笠置隆範君(登壇)
公務員倫理に関し、道における公文書管理などについてでございますが、道においては、職員が議員の方々や団体などから要請等を受けた場合には、文書管理規程に基づき、文書等で報告することとしており、報告文書は、行政の一貫性、継続性などを保つため、意思決定の内容や経緯を一連のものとして、行政分野、業務分野ごとに分類保存をしているところでございます。 道政運営の公正性や透明性を確保するためには、こうした文書管理規程や情報公開条例を適切に運用していくことが重要であると考えており、お話のございました点につきましては、道議会の皆様の御意見もお伺いしながら、その必要性を含め、検討すべき課題と認識しております。 以上でございます。
○議長遠藤連君 総務部職員監田尻忠三君。 ○総務部職員監田尻忠三君(登壇)
公務員倫理に関し、まず、倫理条例に基づく贈与等の報告についてでございますが、過去の報告書の提出状況につきましては、平成21年度に763件だったものが、平成22年度以降、500件から600件程度で推移をしておりまして、平成26年度は681件となっているところでございます。 平成26年度の部局別の件数は、知事部局が384件、教育庁が67件、道警本部が230件となっておりまして、知事部局と教育庁につきましては、講演や刊行物への原稿執筆に対する謝金などが全体の8割程度で、道警につきましては、業務多忙時期や行事等への食料品の差し入れなどが9割以上となっております。 報酬の価額等につきましては、贈与等の形態が、毎年度、異なりますことから、一概にその傾向はお示しできませんが、知事部局におきます過去3年間の飲食の提供につきましては、1件当たり、平均で8000円程度となっております。
次に、倫理規則に基づく禁止行為についてでありますが、道では、倫理条例の規定に基づき、職員の公務員倫理の保持を図るために必要な事項を倫理規則に規定しているところでございます。 倫理規則におきましては、職員の禁止行為としては、利害関係者から金銭の貸し付けを受けること、利害関係者から供応接待を受けること、利害関係者とともに遊戯またはゴルフをすることなど、八つの行為を規定しております。 過去3年間におきまして、本規則や倫理条例に反する行為により懲戒処分を行った事例はないところではございますが、道民の皆様から疑惑や不信を招くことがないよう、倫理条例の制定の趣旨などについて、職員一人一人に徹底してまいります。 以上でございます。
○議長遠藤連君 保健福祉部長村木一行君。 ○保健福祉部長村木一行君(登壇)
初めに、地域医療に関し、まず、病床数の推計についてでございますが、道が行った病床数の推計は、2025年において必要とされる医療の規模として算出をしたものでございまして、病床を直ちに削減していくためのものではなく、地域医療構想の策定に向けた議論の基礎となるものとしてお示しをしたものでございます。 推計におきましては、国の地域医療構想策定ガイドラインに基づき、2013年において実際に入院していた患者数や診療行為を、医療費の請求に用いるレセプトや、DPCデータと呼ばれる疾病のグループごとにまとめた診療情報に基づいて推計し、これをもとに、高齢化や地域ごとの人口構造の変化などを踏まえて推計したものであり、各地域の医療ニーズの実態を可能な限り踏まえたものと考えているところでございます。
次に、周産期医療体制の確保についてでございますが、道では、できるだけ身近な地域で安心して出産できる体制を確保するために、北海道周産期医療体制整備計画に基づきまして、ハイリスク分娩にも対応する周産期母子医療センターを、地域の医療資源や出生数などを勘案し、市町村より広域な2次医療圏域を単位として整備しておりますが、現在、産婦人科医師の不足によりまして、小樽や遠軽などにおいて分娩を休止しており、こうしたセンターの機能回復を図る必要があると考えております。 現在、国では、平成30年度からの新たな都道府県計画の策定に向けた指針の検討が行われておりまして、道といたしましては、今後出される予定の国の指針を見据え、医育大学や医師会等で構成をいたします周産期医療検討委員会におきまして、新たな計画の策定に向けた課題の検討を行い、産婦人科医師の確保や助産師の活用の促進なども含め、周産期医療体制の確保に努めてまいります。
次に、診療科別の医療提供体制についてでございますが、道では、各地域における医療機関の診療科目について、毎年度報告される病床機能報告や医療施設調査などにより把握をいたしますとともに、具体的な疾病ごとの受療動向につきましても、全国の医療機関から出されている診療報酬等の情報に基づきまして、国から提供されたデータ等により、把握をしているところでございます。 道といたしましては、各地域に設置いたしました地域医療構想調整会議におきまして、疾病の状況も含め、こうしたデータを利用しながら検討を行うこととしており、地域の実情を踏まえた医療提供体制の構築に取り組んでまいる考えでございます。
次に、必要となる病床数の推計についてでございますが、地域医療構想は、各地域における人口の増減などの人口構造の変化や、慢性疾患の増加などの疾病構造の変化に対応し、患者の状態に即した適切な医療や介護が適切な場所で受けられる、バランスのとれた医療提供体制の構築を進めていくことを目的としております。 将来必要となる病床数の推計に当たりましては、現在、各地域において行われている医療サービスの量をもとに、地域ごとの人口構造の変化などを踏まえて算出しておりまして、これらのデータをもとに、各地域の医療ニーズに対応した医療提供体制の構築に向け、関係者で議論を行っているところでございます。
次に、介護人材の育成などに関し、介護福祉士養成施設等の入学者などについてでございますが、近年の少子化や雇用・経済動向に伴い、学生の進路選択が多様化していることなどにより、介護分野での就労を目指す若い方々が減少していることが、養成施設等において定員割れが発生している要因と考えております。 このため、道では、福祉や介護の仕事に興味を持っていただくため、中学生や高校生などを対象として、北海道介護福祉士会等の関係団体と連携をし、体験学習や講習会などの啓発イベントを行うなどの取り組みを行っておりますほか、来年度からは、国家資格である介護福祉士資格を取得するための貸付金のメニューを追加し、修学資金制度の充実を図るなど、介護職を目指す学生の増加につながる環境整備に努めてまいります。 最後に、修学資金制度についてでございますが、介護福祉士養成施設等に通学する学生のための修学資金の貸し付けを行う予定となっている道内の32介護事業所等に、貸付人員を確認いたしましたところ、来年度におきましては82人と聞いております。 また、道の修学資金は、これまでも、家庭の経済状況等を勘案して、貸し付けが必要と認められる方を対象としており、この考え方に基づき積算するとともに、国の予算配分額も踏まえて、貸付枠を100人と設定したところでございます。 道といたしましては、経済的理由によって介護分野への進学を断念することがないよう、今後の貸し付け状況を注視いたしますとともに、介護福祉士養成施設を初め、介護事業所団体等で構成する北海道介護人材確保対策推進協議会における御意見を伺い、必要に応じ、国に対し、貸付原資の拡充など、制度の充実について働きかけてまいる考えでございます。 以上でございます。
○議長遠藤連君 保健福祉部少子高齢化対策監内海敏江君。 ○保健福祉部少子高齢化対策監内海敏江君(登壇)
介護人材の育成確保に関し、介護職員の賃金についてでございますが、厚生労働省が実施した平成26年賃金構造基本統計調査によりますと、全国の常勤労働者の、賞与を除いた月額平均賃金は、産業全体で32万9600円であるのに対し、介護従事者の月額平均賃金は24万円であり、単純に比較はできませんが、8万9600円低い状況になっております。 こうした介護従事者の処遇の改善を図るため、昨年4月の介護報酬の改定におきまして、介護職員処遇改善加算を拡充し、月額1万2000円相当が上乗せされたところであり、道といたしましては、介護従事者の処遇の状況や介護報酬改定の影響等を詳細に評価、検証した上で、引き続き、介護従事者のさらなる処遇改善について検討される必要があるものと考えております。 以上でございます。
○議長遠藤連君 総合政策部交通企画監渡邊直樹君。 ○総合政策部交通企画監渡邊直樹君(登壇)
観光バス事業の安全対策などに関しまして、観光地などへの交通網の整備についてでございますが、本道観光のさらなる発展に向けては、観光客の方々が道内各地に円滑に移動できる交通環境の整備を図ることが重要であります。 こうした中、道では、観光地を効率よく周遊できる重要な交通手段であるバスについて、道央から道東、道北をめぐる広域観光周遊ルートの形成に向け、新たなツアーバスの実証実験などに取り組むこととしております。 また、遠隔地を結ぶ航空路線につきましては、新幹線開業を契機に、現在、民間事業者において、函館空港と旭川空港などとを結ぶチャーター便の運航に向けた検討がなされていると聞いているところでございます。 一方、鉄道は、住民の方々の身近な交通手段であるとともに、地域の特色を生かした観光列車を含め、観光振興の面でも大きな役割が期待できると考えております。 道といたしましては、今後とも、バス事業者、JR北海道など民間事業者の方々や自治体などと連携しながら、全道の各地域への誘客の拡大に向け、移動環境の充実を図ってまいります。 以上でございます。
○議長遠藤連君 経済部観光振興監神姿子君。 ○経済部観光振興監神姿子君(登壇)
観光バス事業の安全対策に関し、バスの安全運行などについてでありますが、国においては、貸し切りバス事業者の労働環境の改善や輸送の安全確保を図るため、長距離運行の際の交代運転手の配置を見直したほか、雇用面や安全面のコストを反映した、時間と走行距離を併用する新運賃・料金制度に移行する取り組みを進め、こうした制度の周知などを図っているところであります。 また、道では、観光貸し切りバス乗務員や管理者層を対象とした、安全管理を含めた研修会などを実施しているほか、北海道運輸局や労働局、道、関係団体で検討会を設置し、バス運転手等の確保育成に向けた実態把握や課題の整理などを進めているところであります。 道といたしましては、今後とも、国はもとより、関係団体などと連携しながら、各バス事業者に対して安全運行の徹底を図るなど、本道を訪れる観光客の皆様が安心して快適に道内を周遊できる環境づくりに努めてまいる考えであります。 以上でございます。
○議長遠藤連君 環境生活部長宮川秀明君。 ○環境生活部長宮川秀明君(登壇)
ヘイトスピーチに関する対策についてでありますが、国においては、人権侵害に当たるものとして、こうした行為を繰り返さないよう勧告するとともに、インターネット上の動画などにつきましては、サイト管理者に削除するよう要請するなどの措置を講じております。 道におきましては、人権に関する道民一人一人の意識を高めるため、法務局や人権擁護委員連合会、市町村などと連携しながら、シンポジウムの開催などを通じた啓発活動に取り組んでおり、ヘイトスピーチに関しましては、昨年、国会において議員提案がされ、継続審議となっております人種差別撤廃施策推進法案の動向も注視しながら、特定の民族や国籍などを理由とする偏見、差別の解消に向けて、啓発ポスターを積極的に活用するなど、家庭や地域、学校など、さまざまな機会を通じ、人権尊重の取り組みを進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長遠藤連君 代表監査委員職務代理者竹谷千里君。 ○代表監査委員職務代理者竹谷千里君(登壇)
宮川議員の御質問にお答えいたします。 最初に、包括外部監査に関し、北海道住宅供給公社に対する監査についてでございますが、住宅供給公社におきましては、特定調停後の平成15年度決算から会計処理方法を変更した際、個別債権を算定する過程において過誤が発生した可能性があると聞いているところでございます。 その後、道の監査といたしましては、3回実施しているところでございますが、監査方法については、前年度の数値等と比べて大きな変化が生じた部分を中心に、抽出監査を実施しており、個々の債務との詳細な突合までは行わなかったことから、過誤に気づかないまま、現在に至っているところでございます。 次に、住宅供給公社の決算についてでございますが、住宅供給公社の決算における事業資産の不明残高につきましては、原因の特定には至っていないと承知しており、監査委員といたしましては、平成28年度に予定している住宅供給公社の実地監査において、会計基準にのっとって適正に処理されているかなど、詳細な監査を行ってまいります。
次に、債務の返済についてでございますが、住宅供給公社は、これまで、市町村への債務や道の長期貸付金を完済したほか、短期貸付金についても、可能な範囲で返済に努めており、道としても、債務の返済が着実に実行されるよう、指揮監督を強化していくと聞いておりますので、監査委員といたしましては、返済の状況について、今後、公社への監査等を通じて確認してまいる考えでございます。 最後に、今後の対応についてでございますけれども、住宅供給公社の事業資産の過大計上につきましては、道の監査時に詳細な突合まで行わず、結果として見過ごしてきたことについて、監査委員として重く受けとめているところでございます。 平成28年度には、住宅供給公社の監査を予定しておりますことから、監査に当たりましては、事務事業が法令や予算などに基づいて適正に執行されているかどうかということはもちろん、経済性、効率性、有効性の視点を踏まえた事業の成果についても、これまで以上に配意するなどして実施することにより、道民の皆様の信頼に応えられるよう、一層努力してまいる考えでございます。 以上でございます。
○議長遠藤連君 宮川潤君。 ○30番宮川潤君(登壇・拍手)
再質問を行います。 包括外部監査の結果については、代表監査委員、知事部局のそれぞれから答弁をいただきましたが、まずは、代表監査委員に対して再質問を行います。 監査人の責任についてただしたところ、結果として見過ごしてきたとの答弁でありました。 2004年に特定調停を行い、その後の会計処理に過誤が発生した可能性があるともされています。
しかし、その前の2002年に監査を行い、既に、そのとき、含み損や未収金も増加し、極めて厳しい状況、業者選考などの手続が適切でない、価格の市場調査を行っていないなど、今回の外部監査の指摘にもつながる厳しい指摘が5カ所もあります。その指摘が生かされなかったことが、特定調停という結果につながったのです。 実地監査に入る頻度は、その団体への道の出資割合によるそうですが、住宅供給公社のような、問題があり、しかも改善されない団体については、毎年連続して監査を行う必要があります。 今後、監査に入る頻度は、出資割合だけでなく、監査結果とその後の対応も含めて検討すべきと思いますが、いかがか、伺います。
次に、同じく包括外部監査についてですが、知事に再質問を行います。 経理ミスの自覚についてです。 建築企画監の答弁は、南幌町みどり野団地の評価額について、毎年、小幅に下落していたから、見直しを行う機会を失ったということですが、11年間で18億円、すなわち毎年1億6000万円ずつ失い続けたことを、小幅ということで済まそうとする感覚は、公金を預かる資格に欠けると言わざるを得ません。 高橋はるみ知事の任期中に起きた問題です。知事も、小幅と思っているのですか。率直な考えをお聞かせください。 また、割賦債権の差額の14億円と合わせ、32億円に上る資産を減額することについて、責任と反省をどう感じているのですか。知事に伺います。
次に、未返済の危険性についてであります。 外部監査では、道からの短期借入金の返済計画の16億6300万円に対し、1億500万円しかなく、大幅に未達、返済計画の見直しも必要として、記者会見で、返済されない危険があるとしているにもかかわらず、この件についての答弁は、返済していることばかりを強調しているのであります。 知事は、外部監査人の意見を尊重していないのではないですか。返済されない危険についての認識とあわせてお答えください。
次に、知事の責任についてです。 知事は、遺憾である、重く受けとめると言いながら、結論的には、指導監督を強化すると、従前の延長のような対応を表明しています。 外部監査人は、存在意義を含めた今後のあり方について再検討を求めています。指導監督を強化するという認識は、外部監査人の意見から大きくずれていると思うのですが、いかがですか。 特別監査を実施すべき大重大事態ですけれども、知事として、代表監査委員に求める考えはないのか、伺います。
次に、公務員倫理に関して、利害関係者との禁止行為についてです。 実は、我が党には、ある業者が複数の道職員とたびたび飲食している、泊まりがけで道職員と会食しているなどの情報が来ております。 私は、現在の倫理規則で本当に職員の倫理が守られるのか、疑問を感じています。今後、全国の都府県の状況も踏まえながら、道民から疑惑や不信を招かないような実効ある倫理条例の制定に努めるように求めておきます。
次に、地域医療に関して、医療ニーズの把握についてです。 医療ニーズをはかる基準が、患者数、レセプト点数、人口構造とのことですが、比較的容易に数値化できるものを当てはめるやり方だから、一律、機械的になるのです。 各地の医療ニーズの実態を可能な限り踏まえたものとも答弁されましたが、可能な限りというのは、弁明にすぎないと思うのであります。 そこで、知事に伺います。 多くの病院では、診療報酬の関係から、平均在院日数を短くするために懸命です。 そこで、不本意ながら退院する患者もいるのですけれども、そういう、在宅だけれども、本当は入院したい、あるいは入院が適切だという方のニーズは、医療構想策定ガイドラインではどのように反映されますか、明らかにしてください。 2次医療圏ごとの病床数の検討に当たり、人口だけでなく、面積や交通事情も検討することについてです。 私は、地域医療構想で、2次医療圏ごとの病床数を検討するに当たり、人口だけでなく、面積や交通事情も検討することが必要だと考えておりますが、国の考え方は、入院受療率に一定の率を掛けて病床数を決めるというものです。 私は、道内各地で、その地域の医療要求を聞かせてもらいました。 日高では、浦河赤十字病院には脳外科と心臓血管外科はないので、脳梗塞や心筋梗塞で倒れた場合に対応できず、苫小牧市立病院まで129キロメートル、2時間半程度、市立札幌病院までなら186キロメートル、3時間もかけて搬送することになります。夜の救急対応の場合、浦河赤十字病院に一旦搬送し、翌日、苫小牧や札幌に搬送ということもあるようです。 北海道医療計画では、脳卒中の医療連携体制として、来院後1時間以内に専門的治療を開始するとし、急性心筋梗塞については、30分以内に心臓カテーテル検査を実施すると書かれています。日高を初め、道内のほとんどの地域で不可能なのではないですか。知事の見解を伺います。 また、十勝圏域は、1万平方キロメートルを超える広大な面積で、日本で7番目に広い県である岐阜県の面積に匹敵します。 そこの調整会議で、ある委員が、都会であれば一つの医療機関で10件の在宅医療をやるのは難しくないが、十勝の人口密度が極端に少ないところで10件の訪問診療を行うことはほとんど不可能に近い、人口当たりのベッド数だけではなく、面積の要素も考慮しないと正確なことはできないと述べており、もっともな意見だと思うのですが、いかがか、知事の見解を伺います。 日高と十勝の例を挙げましたが、やはり、病床数を検討するに当たり、人口だけでなく、面積や交通事情についても検討すべきなのではありませんか。改めて伺います。 介護福祉士等修学資金の貸し付けについてです。 介護福祉士を養成するための修学資金については、今定例会の冒頭の先議でも指摘をいたしましたが、この修学資金を利用した学生数は、2009年度から、365人、459人、498人とふえていったのですが、4年目から貸出枠を絞り込んだために、185人、144人、86人と減り続け、今年度はゼロでした。 新年度は100人分を復活させるとのことですが、過去の貸出実績から見ても、また、介護職の需要から見ても、100人の枠で不十分なのは明白です。 そこで、貸し付けを希望する学生が何人いるのか、把握すべきと考えますが、いかがか、伺います。 また、その結果をもとにして、貸付原資の拡充を国に求めるべきと考えますが、いかがか、伺います。 道独自の介護職員処遇改善策についてです。 介護職員の低賃金についての答弁がありました。 介護報酬で、介護職員処遇改善加算として、月額1万2000円が上乗せされました。しかし、それが介護労働者に届いていないのです。 北海道労働組合総連合が昨年行った調査によりますと、昨年4月から1カ月の収入が上がったと回答した介護職員は18.6%だけで、変わらないというのが58.2%、下がったというのが7.2%です。さらに、仕事をやめたいといつも思うと、時々思うという回答の合計が61.0%です。 知事は、介護職員の処遇について、このままでよいとお考えですか。賃上げを実施するよう、事業者に周知と支援をすべきですけれども、そのおつもりがあるのか、伺います。 以上で、再々質問を留保し、私の再質問を終わります。(拍手)
○議長遠藤連君 知事。 ○知事高橋はるみ君(登壇)
宮川議員の再質問にお答えをいたします。
最初に、包括外部監査に関し、まず、分譲用地の評価額についてでありますが、住宅供給公社においては、南幌町みどり野団地の評価額について、公示価格が毎年少しずつ下落していたことから、平成15年度の時価評価を見直す機会を失い、これまで評価額の見直しを実施しておらず、15年度と26年度の評価額に約18億円の差が生じたところであります。 公社が、このような不適切な決算を報告していたことが明らかになったことは遺憾であり、指導監督の立場にある監理委員会が会計の不適切な処理を見過ごしていたことは、重く受けとめており、このたびの包括外部監査での指摘や意見を踏まえ、公社に対しての指導監督を強化するほか、これまでの対応について、適切に対処してまいります。
次に、監査結果への対応についてでありますが、住宅供給公社は、これまで、平成16年の特定調停で決定されたスキームに従い、新たな事業に着手せず、債権者に対して返済を続け、26年度までに約290億円を返済いたしたところであります。 このたびの包括外部監査結果において、短期貸付金の確実な返済のため、より積極的に公社経営の指導監督に努めていくべきであるとの意見があったところであり、道といたしましては、今後とも、債務の返済が着実に実行されるよう、公社運営監理委員会を通じて、全庁的な連携を図りながら、指導監督を強化してまいる考えであります。
次に、住宅供給公社への指導監督についてでありますが、このたびの包括外部監査は、昨年8月から、現地調査を含め、公社から提出された書類をもとに、資産の評価や管理、割賦債権の一覧、その他業務全般について調査をしていただき、割賦債権の不明残高などが明らかになったところであります。 道では、これまで、副知事をトップとする公社運営監理委員会を設置し、特定調停後の公社が健全な経営を維持し、債務の返済が着実に実行されるよう、全庁的な連携を図りながら、指導監督をしているところであります。 道といたしましては、監査結果における指摘や意見を踏まえ、監理委員会に、専門家も参加する部会を設置するなど、その機能強化を図り、公社の指導監督を一層徹底してまいります。
次に、地域医療に関し、まず、病床数の推計についてでありますが、このたびの地域医療構想の策定に当たって道が行った推計は、国から示されたガイドラインに基づき、レセプトデータ等を活用し、現在、各地域において提供されている医療サービスの量をもとに行ったものであり、各地域の医療ニーズの実態を可能な限り踏まえたものと考えるところであります。 本道の地域医療を取り巻く環境は大変厳しいものがあり、地域医療構想の策定においては、推計した病床数などをもとに、各地域の実情を踏まえながら、議論を進めてまいります。 次に、地域事情を踏まえた構想の検討についてでありますが、道では、2次医療圏ごとに設置した地域医療構想調整会議において、医療機関の分布や在宅医療の実施状況など、本道の広域性や交通事情を踏まえ、医療機関や市町村等の関係者の方々と、地域における連携のあり方などについて議論を深めていくこととしているところであり、引き続き、地域の実情を踏まえた構想の策定とその実現に向けて取り組んでまいる考えであります。
次に、介護福祉士等修学資金についてでありますが、道の修学資金は、家庭の貧困など経済状況等を勘案して、貸付金を必要とする若年層の人員を積算するなどして、貸付人数を設定したものであり、実行に当たっては、貸付窓口となる介護福祉士養成施設等も構成員となっている北海道介護人材確保対策推進協議会の中で、貸し付けの希望や実態を十分に把握、検証し、必要に応じて、国に対して貸付原資の拡充などについて働きかけてまいります。 最後に、介護職員の処遇改善についてでありますが、道といたしましては、年度内にも取りまとめられる、処遇改善加算の影響や給与等の処遇についての国の調査結果を踏まえながら、定期的に実施している集団指導や実地指導などを通じ、引き続き、処遇改善加算の適正な活用について、事業者への周知徹底を図ってまいる考えであります。 以上であります。
○議長遠藤連君 代表監査委員職務代理者。 ○代表監査委員職務代理者竹谷千里君(登壇)
宮川議員の再質問にお答えいたします。 包括外部監査に関し、今後の監査のあり方についてでございますが、道内における財政的援助団体、出資団体等は約3000団体あり、監査につきましては、援助等の金額や態様に応じて、おおむね2年から5年の周期で実施しているところでございます。 監査の結果、指摘等を行った団体からは、当該指摘事項等について、処理状況の報告を受けているところであり、これまでも、その処理状況を勘案して、必要に応じた監査を実施しているところでございます。 今後とも、監査の結果が効果的に生かされ、適正な団体運営に資する監査となるよう一層努めてまいります。 以上でございます。
○議長遠藤連君 宮川潤君。 ○30番宮川潤君(登壇・拍手)
まず、包括外部監査について、知事に再々質問を行います。 消えた32億円のうちの18億円 ― 南幌の土地の問題です。 再質問で、知事に、南幌の土地の評価額の下落は小幅なものではないということで、責任を問いましたところ、小幅から、少しずつに答弁を変えましたが、それほど評価が変わったとは思えないのです。 評価額は少しずつ変化していくものですけれども、それが積もり積もって11年間で18億円という大穴をあけたことを、少しずつ下落と言って済ませようとすることは、責任感の問題として、道民の新たな怒りを巻き起こすことになり、道政への信頼を損なうことになります。 南幌の問題でも、割賦債権の問題でも、知事に求められるのは、厳しい総括と反省の姿勢を道民に示すことだと思いますが、いかがか、伺います。 知事から監査委員に対して、特別監査を実施するよう求めるべきではないかと質問しましたが、明確な答弁は示されませんでした。特別監査を求めないのであれば、道民の信頼を失うことにつながり、特別監査を行うべきであります。 今後は、債務の返済が行われるよう、公社運営監理委員会を通じて指導監督するとの答弁でした。つまり、これまでとやり方は変わらないということではないですか。 2006年から、監査で、理事会は形骸化している、役職員の現状認識は不十分、自力で経営することは困難、そして、存在意義を含めた今後の公社のあり方について再検討されることを提案するなど、50項目を超える極めて厳しい指摘をされ、その上で、今回の包括外部監査となったのであります。 道の幹部職員を派遣しながら、抜本的な解決を図ってこなかった知事の責任は重いものであります。 第三者委員会を設置し、これまでの延長線上とは一線を画す厳しい監査のもとで、今後の組織のあり方を再検討すべきですが、そのお考えはないのか、伺います。
次に、地域医療についてですが、医療ニーズの把握について、入院したくてもできない人のニーズは、地域医療構想策定ガイドラインで、どのように病床数の推計に反映されるのかと伺いましたら、可能な限りとはおっしゃいましたが、明確な答弁はありませんでした。 ガイドラインでは、レセプトのデータから、医療が提供されている量を集計し、それをもって必要な医療の量と推計する仕組みになっています。 現実に提供されている医療が十分であり、必要な医療が全て供給されているというのであれば、供給されている医療の量、イコール、必要な医療の量となるでしょう。 しかし、現実は違うのです。入院したい患者がいても、医師、看護師の不足で病棟が閉鎖されている事実があるのです。 平均在院日数の関係や、他に重症な患者を入院させなくてはならないために、退院を迫られることもあるのです。 お金がないために、入院が必要でもできないとか、通院も控えている人がいます。仕事を休めなくて、病院に行けない人もいるのです。 改めて伺います。 必要な医療の量は、現実に供給されている医療の量よりも大きいのですけれども、知事は、この点についていかがお考えか、明確にお答えください。 また、ガイドラインでは、現に供給されている医療の量を必要な医療の量とする、すなわち現状追認型の考え方であり、ガイドラインで数値化できない医療要求を踏まえるべきだと思いますが、いかがか、伺います。 以上、再々質問といたします。(拍手)
○議長遠藤連君 知事。 ○知事高橋はるみ君(登壇)
宮川議員の再々質問にお答えをいたします。 最初に、分譲用地の評価額についてでありますが、住宅供給公社においては、南幌町みどり野団地の評価額について、平成15年度の時価評価を見直す機会を失い、15年度と26年度の評価額に約18億円の差が生じたところであり、私といたしましても重く受けとめているところであります。 次に、住宅供給公社への指導監督についてでありますが、このたびの包括外部監査は、昨年8月から、現地調査を含め、公社から提出された書類をもとに、資産の評価や管理、割賦債権の一覧、その他業務全般について調査をしていただき、割賦債権の不明残高などが明らかになったところであります。 道といたしましては、監査報告における指摘や意見を踏まえ、公社運営監理委員会に、専門家も参加する部会を設置するなど、その機能強化を図り、公社の指導監督を一層徹底してまいる考えであります。 最後に、医療ニーズの把握などについてでありますが、地域医療構想の検討に当たり道が行った病床数の推計は、各地域の医療ニーズの実態を可能な限り踏まえたものと考えているところであり、今後とも、医療機関や市町村等の幅広い関係者の方々と議論を深め、医療と介護の連携といった視点も含め、本道の実情を踏まえ、道民の皆様が安心できる構想の策定とその実現に向けて取り組んでまいる考えであります。 以上であります。
○議長遠藤連君 宮川潤君の質疑は、同一議題について既に3回に及びましたが、会議規則第57条ただし書きの規定により、この際、特に発言を許します。
宮川潤君。 ○30番宮川潤君(登壇・拍手)
地域医療構想について、ガイドラインの計算方法では、必要な医療の量は算出できないのだということを述べましたけれども、その点について、直接の答弁はありませんでした。 しかし、必要な医療の量について、きちんと算出するようにということは求めておきたいと思います。 住宅供給公社の問題ですが、幹部職員を派遣してきたにもかかわらず、指導監督が全く不十分だった知事の責任と、この問題が重大であるとして反省の姿勢を求めましたけれども、答弁は道民の期待に応えるものではないと改めて指摘をしておきたいと思います。 公社の問題は、2004年の特定調停前から指摘をされながら、抜本的解決を避けてきたものであります。どのような経過で、長期事業未収金の不明残高の存在及び評価額の過剰算定が判明しなかったのか、粉飾は本当になかったのか、知事は証明しなくてはなりません。 知事は、公社運営監理委員会に、専門家を迎えた部会を設置して対応するとのことですけれども、これでは不十分であります。 監査委員には特別監査を求め、知事部局においては第三者を交えた調査委員会を立ち上げ、徹底的にうみを出すことを強く求めるものであります。 高橋知事が2003年に就任後、2006年の包括外部監査で、住宅供給公社の存在意義にまで言及をされていたという、知事在職中の重大問題であります。 この問題について、2003年、我が党の代表質問に、知事はこう答えていました。指導監督をしてきた道の対応も十分ではなかったと受けとめており、道の責任のあり方についても検討しなければならないものと考えていると、知事はその当時からこういう御答弁をしてきたにもかかわらず、結局、特定調停に至ったということであります。 特定調停前からの関係性も含めて、徹底的に調査し、どこに問題があったのか、改めて道民に説明しなくてはならないということを厳しく指摘しまして、私の発言を終わります。(拍手)
by 事務スタッフ
真下紀子君(登壇・拍手)(発言する者あり)私は、日本共産党道議団を代表して、知事、教育長、選挙管理委員長及び警察本部長に質問いたします。
まず、知事の政治姿勢についてです。
知事は、道政執行方針の中で、人口減少・危機突破、世界に輝く北海道を重点に掲げ、人口減少による危機を何度も強調されています。
4期目に至って、いまだ危機だと言わなければならないことに対する知事御自身の責任と認識についてまず伺います。
結婚や子育ての最も障害となっているのは、安定した雇用につけないこと、所得を増加できないことと考えます。各種調査でも指摘をされているところです。
しかし、知事は、少子化対策として、結婚支援を最重点政策として、北海道創生総合戦略でも婚活支援に重きを置いています。最も必要とされている対策を重点化せず、先送りしてきた知事の姿勢こそが、人口減少の危機を招いた大きな要因ではないでしょうか。
今後、どのようにして実効性を担保し、危機を突破しようとされるのか、見解を伺います。
次に、安倍政権に対する評価についてです。
私は、2014年第2回定例会で、自衛隊と留守家族支援の協定を結んでいる道内の自治体が27の市と町に上っていたことを明らかにしました。
その後の、道内各地の自衛隊駐屯地と災害・海外派遣等に伴う留守家族支援協定を結んでいる自治体数の推移についてお示しください。
また、そのうち、海外派遣や国際貢献が盛り込まれた協定の締結自治体はどのような状況となっているのか、お示しください。
私は、まるで現代版「銃後の守り」ではないかと指摘をしましたが、事態の進行を知事はどのように受けとめているのか、あわせて伺います。
改定されたPKO協力法では、従来の自己保存のための武器使用から、任務遂行のための武器使用が認められました。
2月19日、国連安保理が断定した、南スーダン政府軍による住民への攻撃は、国連PKOの危険性を一層増すだけではなく、南スーダン政府軍との交戦の可能性を示唆するものです。これは、憲法第9条が明確に禁じている国等への武力行使に当たるのではないでしょうか。
知事は、戦闘状態にある国に、なし崩し的に自衛隊員を送っても構わないというお考えか、見解を伺います。
アベノミクスを掲げる第2次安倍政権の発足から4年目となりましたが、非正規雇用率が4割を超えた北海道の労働者の現金給与額は減少し、増税と社会保障負担の増加等により、子どもや高齢者、障がい者の貧困も顕著となっております。また、1次産業や中小企業の事業承継にも困難が生じています。
そもそも、投資余力がなく、株の取得が少ない北海道で、トリクルダウンなど、実感のしようがありません。
知事は、北海道にとってのアベノミクスをどう評価されるのか、また、来年4月に予定されている消費税の10%への増税がどのような影響を及ぼすとお考えか、見解を伺います。
安倍首相は、施政方針演説で、TPPについて、我が国のGDPを14兆円も押し上げ、80万人もの雇用を生み出す、関税撤廃の例外を確保し、国益にかなう例外を確保したと述べて胸を張りましたが、TPPの大筋合意を受けた道の試算では、農林水産業及び全産業での就業数の減少については全く見込まれていません。
知事は、就業数の減少をどのように見込んでいるのか、また、関連する影響について、どの時点で明らかにされるのか、見解を伺います。
知事は、TPPの影響が長期に及び、状況の変化等により、道内への影響について継続的な把握や分析を行うと、さきの本会議で答弁されましたが、試算方法について検討する必要があると考えます。北海道より農業規模が小さい県でも、独自に影響試算をしています。
前回と同様の方法や、他県のJA、研究者等の試算方法を参考に、国の基準以外の方法で影響試算をし直すべきと考えますが、見解を伺います。
次に、職員の懲戒処分等についてです。
さきの第4回定例会で、警察本部長は、連続して起こっている警察職員の不祥事の再発防止について、極めて深刻な現状を踏まえ、不祥事等の防止に努めると答えました。
しかし、その後、職員の処分の公表について、道警みずからが定めた指針に基づき、公表すべきものと公表しないものがあることが、新聞等の報道で明らかになりました。プライバシー保護等を名目にした例外規定に基づく取り扱いだということですが、不祥事を隠しているのではないかという声も道民からは上がっています。
そこで伺います。
知事部局においても、道警と同様、公表に係る例外規定を設けていると承知しておりますが、この規定により非公表とした事案はあるのか、あるとすれば、どのような理由で非公表としたのか、伺います。
また、北海道警察においては、懲戒処分の公表基準に基づき、過去5年で非公表としたものが何件あり、その非公表とした具体的な理由は何か、伺います。
知事部局と道警の公表基準では、職務外のことによる懲戒処分については、停職以上しか公表の対象とされていません。
しかし、道教委や札幌市では、職務に関連するか否かにかかわらず、全ての懲戒処分を公表しています。
また、同様の取り扱いをしている県も多いと聞いていますが、どのように把握をしているのか、伺います。
道においても、より透明性が高く、不祥事に対する抑止効果の高い公表となるよう、全ての懲戒処分を公表すべきと考えますが、知事及び警察本部長の見解を伺います。
これまで知事が重きを置いてきたはずの女性幹部職員の登用が全国最低となっています。知事の記者会見を見ると、ショックを隠せないようでしたが、長きにわたって女性の登用を応援してきた私も同じ気持ちです。
この事態をどう受けとめ、なぜ、知事の意気込みのある取り組みが功を奏していないのか、伺います。
北海道の課題を解決しながら、目標設定を高い水準に見直し、取り組むべきと考えますが、いかがか、伺います。
次に、道民生活について伺います。
本道の子どもの貧困は、全国と比較しても厳しい状況であり、山形大学の戸室健作准教授によると、北海道の子どもの貧困率は19.7%と試算されています。子どもの貧困対策は火急を要します。
道は、子どもの貧困対策計画の中で、子どもと保護者の生活支援に取り組むとしていますが、残念ながら、施策の達成年次と目標、財源の確保については明らかにされていません。
子どもの貧困対策にこそ、重要施策目標を示し、達成年次を明らかにし、PDCAサイクルで、精魂を傾けて取り組むべきではないでしょうか。なぜ、知事の姿勢が消極的なのか、お答えください。
道の貧困対策の対象は、生活保護、就学援助、児童養護施設等で社会的養護を受けている子どもたちに限定され、高校、大学等の進学率の目標を全道平均以下に設定しています。子どもの貧困の捉え方が狭い上に、目標も低いのではないでしょうか。
これまでも指摘をしてきましたけれども、なぜ、対象を限定し、全道平均以下の目標値としたのか、理由を伺います。
また、子どもの命と健康を守る上で重要な医療費助成事業の拡充に踏み出さないのはなぜか、全国的には拡充の流れにある中で、知事が先駆的に取り組まない理由を伺います。
次に、地域医療についてです。
産科・婦人科医師の不足を補完する医師派遣は、名実ともに生命線とも言え、相当の処遇は当然と考えます。
しかし、公的な意味合いから、北海道医療対策協議会による医師派遣は派遣業の対象外ですが、それ以外は派遣元の言い値となっており、相場が上昇していると聞いています。医師不足で苦しむ地方の困難に拍車をかける事態ではないかと、懸念の声が寄せられました。
道は、実態をどう把握し、どのように受けとめるのか、伺います。
市場原理に任せて、医師不足を背景に報酬が上昇することになれば、常勤医師の確保などに困難を来すことが懸念されます。
医師確保とともに、市場任せにしない派遣のあり方を検討する必要があると考えますが、いかがか、伺います。
出産ができない自治体が全道で119自治体、初産ができないのは二つ多い121の自治体にも上り、安心な出産にはほど遠い、深刻な事態が改善されていません。
私は、せめてもの支援として、7年以上前から、妊婦健診時や出産時の交通費助成等を求めてきました。妊婦健診時、出産時の交通費、宿泊費の助成が新年度予算に5300万円計上されたことは朗報と言えます。知事、本当によかったと思います。
この決断に至った経過と、期待される効果を伺います。
今回の補助対象には、距離制限が設けられています。私は、妊産婦や、休暇をとって付き添われている御家族の皆さんの負担を勘案すると、今後、距離制限の緩和などが必要と考えます。
今後の事業の推移を踏まえ、充実を検討していくことが必要と考えますが、いかがか、伺います。
次に、地方交通についてです。
JR北海道は、道内で唯一の鉄道事業者として、公共交通を支える立場にありながら、経営の厳しさを口実に、地方ローカル線の合理化や、利便性を無視したダイヤ改正など、道民の願いに逆行し、公共交通機関の責任を放棄するかのような姿勢であり、到底看過できません。
昨年末、JR北海道の函館本線の嵐山トンネルで火災が発生し、乗降客に多大な影響を及ぼしました。JR石勝線の火災事故を思い起こされた方もいらっしゃったと思います。
ケーブル損傷や、旭川市内の変電所設備の爆発、小樽市の張碓トンネルの補修材の剝離など、安全上のトラブルが相次いでいます。これらは、安全な運行を脅かす事態であり、利用者に大きな不安を与えています。
トンネル点検では、道と同様の打音検査等は行われているのか、まず伺います。
1月18日、私は、黒煙の跡が生々しい嵐山トンネルの事故現場を調査しましたが、嵐山トンネルでの避難訓練は一度も実施されていないことがわかりました。これで、本当に安全だなどと言えるのでしょうか。
全道で実効性のある避難訓練を実施するよう求めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
こうした中、JR北海道が、道北の中川駅と幌延駅から保線社員を撤退させるとの報道がありました。
稚内駅と音威子府駅の間は130キロメートルにも及んでいます。暴風雪により、列車の立ち往生がありましたが、こうした事態に即応できるのかと、不安を覚えます。
常駐の保線社員が全くいなくなることは、安全対策の後退ではないでしょうか。
また、駅の無人化や無人駅の廃止に加え、JR北海道は、3月のダイヤ改正で、ローカル線で79本もの普通列車の減便など、次々と、利便性の向上に反する信じがたい施策を発表しています。
知事は、新幹線の波及効果を全道に広げると言いますが、道民は、これでどうしてその効果を実感できるとお考えなのでしょうか。
利便性の向上に逆行するこのようなJR北海道のやり方をどう受けとめるのか。道は、JR北海道が公共交通機関としての役割を果たすよう、実効ある取り組みを強く求めるべきではないでしょうか、お答えください。
また、被災から1年が過ぎたJR日高線の復旧のめどが示されないままです。この間のJR北海道の対応は、条件を追加し、みずからの責任と負担を回避しているかのような無責任さがあるのではありませんか。
沿線自治体、道、JR北海道による協議会も、2月28日に、ようやく2回目の協議が行われましたが、全く進捗が見られません。
協議会での議論を進展させるために、知事は、これまで以上に積極的な調整に努めるべきと考えますが、いかがか、伺います。
昨年、私ども日本共産党道議団が取り上げた銭函駅のエレベーター設置の着工が決定するなど、バリアフリー化に向けて一歩前進と評価します。
一方、市長を初め、地元を挙げて要望が強い深川駅などでは、今後の対応が懸念されています。
国や関係機関に対して働きかけを行ってまいると力強く答弁された知事として、国やJR北海道に対して、バリアフリー化の働きかけをさらに強めるべきと考えますが、見解を伺います。
次に、最低賃金についてです。
昨年の第3回定例会の代表質問で、知事は、最低賃金額の上昇は多くの働く方々の生活の向上に寄与すると答弁されました。
また、石破地方創生担当大臣は、地元の鳥取県と東京都の最低賃金を比べ、賃金の格差ほど物価に格差があるわけではない、賃金を上げていくことが地方創生のために不可欠とまで答弁されています。
しかし、以前にも指摘したように、地域別最低賃金のままでは、都市と地方との格差は広がるばかりです。既に、北海道と東京では143円もの差があり、その差は拡大しています。
格差是正のためには、全国一律の最低賃金の実現は不可欠であり、知事の重点政策である人口減少の克服と持続可能な北海道づくりのためにも欠かせないと考えますが、知事の認識を伺います。
秋田県は、国に、地域間格差の是正を図るために、地域別最低賃金の見直しを求めています。福岡県知事は、毎年、最低賃金の引き上げを求めていますが、高橋知事はどう受けとめるのか、伺います。
実質、いまだ最低賃金が生活保護基準を下回る北海道においては、なおのこと、北海道知事として、中小企業支援とあわせて、最低賃金の大幅引き上げと全国一律の最低賃金制度を求めるべきと考えますが、いかがか、伺います。
次は、これも私が第2回定例道議会で取り上げた厚幌ダムの問題です。
水道の取水量は減るにもかかわらず、総事業費が90億円もふえ、当初は340億円だった事業費が450億円にも膨れ上がる、極めてずさんな計画だと指摘をしました。
ところが、わずか8カ月もたたないというのに、総事業費がさらに30億円も増額になるとのことです。2回で120億円もの巨額な上乗せです。
30億円といえば、知事が渋っている、子どもの医療費助成事業における中学生までの通院分への拡充に匹敵する金額です。それだけの予算があれば、どれだけ福祉や教育の充実に役立つことでしょうか。
90億円増額した前回の計画変更から、わずか8カ月しかたっていないのに、今回、30億円もの道民の血税を投入するのは、誰が考えても納得できないと思いますが、知事の認識を伺います。
また、いま一度立ちどまって見直すつもりはないのか、あわせて伺います。
次に、経済産業政策についてです。
レベル7の福島第一原発事故から5年がたちますが、いまだに原子炉内の状況もわからず、高濃度の放射線量の中での廃炉作業は困難をきわめ、先を見通すことすらできません。10万人近くの避難者は、いまだ苦難の状況に置かれています。
しかし、安倍政権は、事故原因の検証や避難計画の実効性なども真摯に検討することなく、国民の反対の声にも背を向け、原子力規制委員会の新規制基準の審査のみで、川内と高浜の原子力発電所の4基を再稼働させ、プルサーマル発電まで再開させました。
知事は、安倍政権の原発再稼働の判断をどう受けとめているのか、また、福島原発事故の検証は十分に行われたとお考えか、伺います。
巨大津波が来ることは2年半前に社内で承知しながら、対応をとならなかった東京電力が、福島第一原発事故当時、炉心溶融 ― メルトダウンの判断基準があったにもかかわらず、5年間も公表しなかったことが明らかとなりました。
日経新聞は、「東電の説明には不可解な点がある。第三者を入れて早急に原因や経緯を調査し明らかにすべきだ。」と、異例の社説を掲載しました。このような東電が原発再稼働に走ることは許されません。
知事は、こうした隠蔽体質をどう受けとめたのか、伺います。
原発再稼働の地元判断について、知事は、地元の範囲を明らかにしていません。
これまで、1984年 ― 昭和59年から、約1415億円もの、原発関連の立地交付金、補助金と給付金等を受けている道と立地4自治体のみに再稼働の判断が委ねられることは、道民からどのように受けとめられるとお考えでしょうか。
全国で、新電力の購入が最低クラスだった北海道が、電力自由化を前に、やっと新電力会社との契約をふやしたやさき、契約先の日本ロジテック協同組合が契約を廃止することになるという重大な事態が起きました。
今回の入札により、道民生活に直結する道の出先機関である振興局の庁舎などの電力需給の安定性が損なわれかねない結果となったことをどう受けとめているのか、知事の見解を伺います。
次に、中小企業支援についてです。
道内の企業の9割が小規模企業であり、地域の経済や雇用を支えているところですが、人口減少や消費の低迷等による需要の減少などで、その経営環境は非常に厳しく、約7割の企業が赤字経営となっています。
こうした中で、赤字であっても納めなければならない消費税や地方税、国民健康保険料・税などが重くのしかかっており、困窮した実態を訴える声もお聞きしております。
北海道の小規模事業者については、直近3年で1万社以上も企業数が減少し、また、後継者不在率が全国一であり、休廃業、解散が10年前と比べて倍増しており、この対策は喫緊の課題となっています。
道では、こうした課題に対応するため、小規模企業振興条例を本定例会に提案しており、大いに期待しているところです。
さきの12月議会において、削減し続けた中小企業予算について指摘した私の質問に対して、知事は、予算確保も含めて、中小企業支援に努めると力強く答弁をされました。
当然、予算案に反映されているはずですが、中小企業振興条例に基づき、どのような施策を展開していくのか、伺います。
最後に、教育問題についてです。
私たち日本共産党道議団は、標茶町を訪ね、全国一の敷地を有し、酪農を初め、さまざまな実習施設を持つ標茶高校への釧路養護学校分校の設置を求めている方々から直接お話を伺ってきました。
標茶町では、障がいのある子どもたちの保護者を中心に、子どもたちの成長に合わせて、放課後の居場所づくりや学習支援、発達相談などに積極的に取り組んできた先進的経過があることがわかりました。
ところが、高等部に入学となりますと、今は、40キロメートル離れた寄宿舎で生活するしかありません。子どもたちが、自宅から身近な高等部に通学し、卒業後も、地元で働き、暮らしたいと強く願っていることを伺ってきました。
教育長は、12月に分校設置等の要望を直接受けておりますが、保護者の皆さんの思いと期待をどのように受けとめたのか、伺います。
近年、高等学校における特別支援教育の推進が重要な課題になっているのに対し、現行制度上、高等学校においては、教育課程の弾力的運用を行うことはできますが、小中学校の通級による指導や、特別支援学級のような特別な教育課程の編成を行うことができません。
このため、中教審等においても、特別な教育課程の編成に関する検討の必要性が指摘をされており、現在、文科省では、高等学校における通級による指導の制度化を見据えて、特別な教育課程の編成について検討されていると承知をしておりますが、このような国の動きを踏まえ、本道における高等学校の特別支援教育のあり方について、道教委としてどのように考えているのか、教育長の見解を伺います。
私たち日本共産党は、党創立以来、一貫して、18歳選挙権の早期実現を訴え続けてきました。18歳選挙権の実現により、さらに広い民意が反映されることは、民主主義の発展にもつながるものであり、若者の政治参加を広げる大きな転機にもなります。
18歳選挙権制度が実施される意義について、教育長、選挙管理委員長の見解を伺います。
18歳選挙権制度が実施されることにより、若者を初めとした投票率の向上や投票機会の拡大に向けて、より一層の取り組みが求められます。
熊本県では、全国で初めて、県立高校に期日前投票所を設置することとしました。県選管が、各市町村選管に対して、手挙げ方式による公募を行い、県立高校の2校に設置することを決めたとのことです。
県選管のイニシアチブを発揮したこのような取り組みは大変意義深いと考えますが、18歳選挙権制度が実施されるもとで、若者の投票率の向上や投票機会の拡大に向けて、道選管として、具体的にどのような取り組みを行うのか、選挙管理委員長に伺います。
文科省の通達では、高校生の政治的活動は必要かつ合理的範囲で制約を受けるとしています。
しかし、主権者としての政治活動の自由は最も尊重されるべきものであって、決して法律で禁止されるものではありません。
道教委では、高校生の政治活動を学校への届け出制にすることについて、各校ごとに判断すると報道されておりますけれども、主権者としての政治活動の自由が抑圧されたり、萎縮が生まれるようなことがあってはなりません。
主権者たる高校生の思想信条の自由や政治活動を行う自由を道教委としてどのように保障していくのか、教育長に伺います。
以上、再質問を留保し、私の質問を終わります。(拍手)(発言する者あり)
○議長遠藤連君 知事高橋はるみ君。
○知事高橋はるみ君(登壇)日本共産党、真下議員の代表質問にお答えをいたします。
最初に、私の政治姿勢に関し、まず、道政運営についてでありますが、我が国全体が2008年には人口減少の局面に入ったと指摘されている中、一昨年、日本創成会議から、若年女性の減少などの影響も含めた新たな人口推計が示されたことから、道といたしましては、改めて、これまでの取り組みの進捗状況や課題の検討を踏まえて、昨年10月、本道の人口の将来展望を提示する人口ビジョンと、施策の基本的な方向性などを示す創生総合戦略を策定いたしたところであります。
今回の国勢調査では、本道の人口は約538万人となっているところであり、道の人口ビジョンの見通しとほぼ同水準となっているところでありますが、私といたしましては、改めて危機感を持ってこれを受けとめ、現実を直視し、道民の皆様方と課題や目標を共有し、将来にわたり安心して暮らし続けられる地域社会をつくっていくため、人口減少の進行を抑制する施策に、総力を挙げて取り組んでまいる考えであります。
次に、予算編成などについてでありますが、人口減少を抑制し、豊かな地域社会をつくっていくためには、生活基盤の中核をなす、安定的な所得が得られる就業の場の確保や就業環境の整備は大変重要であります。
このため、戦略産業雇用創造プロジェクトなど、産業振興と雇用対策の一体的な展開による、良質で安定的な雇用の創出のほか、若者などの就業促進、正社員化や賃金の引き上げなどといった処遇の改善に加え、基幹産業である農業や水産業にあっては、6次産業化への取り組みや、サケ・マス流し網漁禁止に伴う乗組員等の雇用確保対策など、さまざまな取り組みを進めることといたしているところであります。
道といたしましては、今後とも、こうした雇用対策を初め、少子化対策、生活環境の整備などの総合的な施策を展開し、若い人たちが、希望を持って、地域で暮らし、地域をつくり上げることができるよう、全力で取り組んでまいります。
次に、PKO活動などについてでありますが、長年にわたる内戦を経て、分離、独立した南スーダンでは、その平和と安定を実現するため、国際社会が協力してPKO活動を展開しているところであり、我が国においては、平成23年から、自衛隊員による活動を行っていると承知いたします。
昨年成立した安全保障関連法により追加された業務を、南スーダンに派遣されている自衛隊が担うかについては、政府において、その要否等も含めて、慎重に検討を進めていくとの認識が示されていると理解いたしております。
次に、国の経済政策の本道経済への影響などについてでありますが、最近の本道経済の状況は、商業販売額や来道者数が増加しているほか、有効求人倍率が高い水準となるなど、生産活動や個人消費などの一部に弱い動きがあるものの、全体としては、緩やかながら回復傾向にあるというふうに認識をいたします。
我が国が厳しい財政状況や少子・高齢化の進行に直面する中、持続可能な社会保障制度の確立は、いつまでも先送りできない課題と認識をするところでありますが、今後、消費税率を引き上げた場合、消費者の買い控えや駆け込み需要の反動による売り上げの減少などで、本道経済への影響が懸念されるところでもあります。
このため、道では、全国知事会とともに、経済状況の好転を図った上で消費税率を引き上げることや低所得者対策などについて、国に対して要請してきているところであり、今後とも、地域の実情などについて、しっかりと訴えてまいる考えであります。
次に、TPPによる地域への影響についてでありますが、国では、GDPや就業者数の算出に当たっては、国家間の国際経済分析モデルであるGTAPを使用して経済効果分析を行ったところでありますが、これを用いて都道府県別の算出を行うことは困難との説明を受けているところであります。
道といたしましては、農林水産物への影響について、国の試算を参考に取りまとめたところでありますが、農林漁業者、地域の方々の御不安や懸念を払拭し、本道の農林水産業が持続的に発展していくことができるよう、関係団体とも連携をし、道内への影響について、継続的な把握や、必要に応じて分析を行いながら、各般の施策を着実に推進してまいる考えであります。
次に、懲戒処分の公表基準についてでありますが、道においては、開かれた道政の推進や職員の綱紀保持を図るといった観点などから、国の取り扱いなどを踏まえ、平成19年に公表に係る基準を策定し、職員の処分について公表をいたしているところであります。
しかしながら、東京都、大阪府、神奈川県など七つの都府県で全ての懲戒処分を公表していることや、基準を策定して以来、一定の期間が経過していることなどから、改めて他府県の状況も把握した上で、不祥事の発生防止や、道民の皆様の道政に対する信頼の確保といった観点から、社会情勢の変化に即した効果的な公表のあり方について検討し、職員の服務規律がより一層確保されるよう取り組んでまいる考えであります。
次に、女性職員の登用についてでありますが、道では、国の女性活躍推進法の制定に先駆けて、昨年6月、初めて、女性登用に係る数値目標を掲げ、積極的な登用を行っているところではありますが、転居を伴う広域の異動が多く、育児などで転居が困難なことによる昇任のおくれなどの要因から、女性の幹部職員への登用割合は、他の都府県と比べて低い状況にあるところであります。
現在、課長級以上の職員に占める女性の割合は、道全体で、一昨年の3.5%から、昨年6月の人事異動後は4.3%となり、知事部局では5.3%となったところであり、策定中の、女性活躍推進法に基づく行動計画では、平成31年度までに、課長級以上の職員に占める女性の割合を8%に高める数値目標を設定いたしているところであります。
道といたしましては、これまで以上に、仕事と家庭の両立支援に向けた取り組みや、女性職員支援室により人事管理の総合調整を図るなど、女性職員の意欲と能力を引き出し、活力ある道庁づくりを進めてまいる考えであります。
なお、家族支援の状況など、その他の項目については、担当の副知事から答弁をさせていただきます。
次に、道民生活に関し、まず、子どもの貧困対策の推進についてでありますが、道では、平成27年度から5カ年を期間とする子どもの貧困対策推進計画を昨年12月に策定し、教育支援、生活支援、保護者に対する就労支援、経済的支援の四つを柱とする施策に重点的に取り組むことといたしたところであります。
また、道民の皆様方と、計画の目指す姿を共有するため、進学率や就業率などの目標値を設定し、毎年度、施策の効果を検証、評価するなどして、適切な進行管理を行っていくことといたしているところであります。
道といたしましては、新年度において、新たに、子どもが安心して過ごせる居場所づくりのほか、一人親の資格取得の促進のための貸し付けや、児童養護施設退所者等の進学、就職に向けた支援策を講じるとともに、児童扶養手当の拡充を図るなど、全ての子どもたちが夢と希望を持って成長していける社会の実現に向け、積極的に取り組んでまいります。
次に、子どもの医療費についてでありますが、道では、結婚、妊娠・出産、子育て、自立のライフステージに応じた切れ目のない支援を行うため、新年度、子育て世帯の経済的負担の軽減も含めた施策をパッケージとして実施することといたしたところであります。
子どもの医療費助成については、地域で格差が生じていることや、市町村国保財政に対するペナルティーなど、国において見直すべき事項がありますことから、これまでも、あらゆる機会を通じて、全国一律の制度の創設を強く求めてきているところであり、現在、国では、子どもの医療制度について議論されていると認識をするところであります。
道といたしましては、こうした国の動きを注視するとともに、今後とも、子育て世帯の負担軽減に効果的な施策を検討し、できることから速やかに取り組む考えであります。
次に、産婦人科医師の確保についてでありますが、派遣される医師の報酬については、勤務条件や医師の経験年数など、個別の条件により決定されるため、一律に定めることは困難であります。
このため、道では、北海道周産期医療体制整備計画において、総合周産期母子医療センターを中心に、産婦人科医師の確保に向け、医育大学への派遣要請や産婦人科医師の養成に対する支援、ドクターバンク事業など、道外の医師の招聘などの仕組みづくりに取り組むとともに、医育大学の地域医療支援センターからの医師派遣や緊急臨時的医師派遣事業などを活用して、地域における産婦人科医師の確保に一層努めてまいる考えであります。
次に、妊産婦安心出産支援事業についてでありますが、広大な北海道において、分娩が可能な医療機関がない地域の妊産婦の方々が、健診や分娩のため、不安を抱えながら遠方の医療機関を受診することは、心と体だけではなく、経済的な負担も大きく、私といたしましては、母子ともに健康で、元気な赤ちゃんを産んでいただくためには、こうした負担を少しでも軽くすることが大切であると考えるところであります。
このため、新年度から、地域の保健師や助産師などによる、妊娠期から出産後までの切れ目のない支援や、妊産婦健診と出産のために要する交通費や宿泊費の助成に取り組むこととしたところであり、経済的・精神的負担を軽減し、安心して出産や子育てができる環境の整備を推進してまいる考えであります。
次に、JR北海道の減便等への道の対応についてでありますが、JR北海道は、厳しい経営状況を背景に、利用の少ない駅や列車の運行本数の見直しなどを進めてきているところでありますが、こうした業務の見直しに当たっては、沿線自治体や住民の皆様方の御意見に十分配慮した対応が求められるものと考えているところであります。
このため、道では、JR北海道に対して、利用者への影響を最小限に抑えるよう、道議会の皆様方と合同での要請を行うなど、これまでも働きかけを行ってきたところであります。
道といたしましては、JR北海道による業務見直し等の動向の把握に努めるとともに、市町村との連携を強めながら、地域の実情や意向を踏まえた慎重な対応について、引き続き、JR北海道に強く求めてまいります。
次に、JR日高線についてでありますが、被災から1年が過ぎ、運行再開を願う地域の皆様方の声は、一層切実なものとなってきていると理解をいたします。
こうした中、国、道、JR北海道によるJR日高線検討会議、いわゆる3者協議においては、復旧を目指すという共通認識のもと、議論を重ねてきているところであります。
これまでの協議において、JR北海道から、運行再開に向けた、継続的な運行のための仕組みづくりが必要との提案があったところであり、道といたしましては、今後、JR北海道から示される具体案について、沿線自治体協議会での議論を深め、一日も早い復旧を目指してまいる考えであります。
次に、駅のバリアフリー化についてでありますが、深川など、階段が多い駅は、お年寄りやお体の不自由な方々にとって御負担が大きいことから、誰もが安全で快適に利用できるバリアフリー化の推進は大変重要であると認識をいたします。
このため、道では、深川など、バリアフリー化が未整備の駅における取り組みが着実に進められるよう、JR北海道に対し、早期の対応について要請するとともに、道府県等で構成する全国鉄道整備促進協議会を通じて、国などに対し、支援制度の充実強化を求めてきたところであります。
道といたしましては、引き続き、駅のバリアフリー化の推進に向けて、市町村等と連携を図りながら、国やJR北海道など関係機関に対し、粘り強く働きかけを行ってまいる考えであります。
次に、地域別最低賃金の改善についてでありますが、最低賃金については、国において、地域における賃金の実態や企業の賃金支払い能力などを踏まえて、地域別に決定しているものであり、北海道の最低賃金についても、平成22年の最低賃金引き上げに関する政労使合意の目標設定に配慮して決定されていると承知をいたします。
道といたしましては、最低賃金の大幅な引き上げは、働く方々の生活の安定に寄与する一方で、道内の中小企業の経営基盤に少なからず影響を与える懸念がありますことから、中小企業、小規模企業が賃金の支払い能力を高めることができるよう、引き続き、企業への助成制度の拡充を要望してまいる考えであります。
なお、道民生活に係るその他の項目については、担当の副知事から答弁をさせていただきます。
次に、経済産業施策に関し、まず、国の原発再稼働の判断についてでありますが、国は、エネルギー基本計画において、原子力規制委員会で新たな規制基準に適合すると認められた原発については、その判断を尊重し、再稼働を進め、立地自治体を初め、国民の理解が得られるよう丁寧に説明を尽くすとしており、原発の安全性やエネルギー政策上の必要性などに関する説明については、国が行ってきているところであります。
また、新たな規制基準は、福島原発事故の教訓や最新の技術的知見、IAEA等の国際機関の安全基準を含む海外の規制動向などを踏まえて策定したものと承知いたしているところであり、今後、新たに得られる知見についても、いわゆるバックフィット制度により取り入れていくなど、安全性の向上に向けて、不断の取り組みがなされることが重要と考えるところであります。
次に、福島原発事故についてでありますが、東京電力においては、当時の社内マニュアルで炉心溶融の判定基準を明記していたにもかかわらず、事故当時の経緯を説明する中で、これを十分に確認せず、炉心溶融を判断する根拠がなかった旨の説明を行っていたとの事実を認め、謝罪したものと承知をいたしております。
原子力施設の異常事態に関する情報について、国及び地方公共団体に迅速かつ正確に通報することは、事業者として果たさなければならない責務であり、重大な事象が通報されなかったことは極めて遺憾であると認識をするものであります。
最後に、小規模企業の振興についてでありますが、今般制定を目指す小規模企業振興条例では、経営体質の強化や円滑な事業承継、創業等の促進を施策の基本方針として掲げ、さらには、これらを支える取り組みとして、地域における支援体制の整備と円滑な資金供給を掲げているところであります。
道といたしましては、今後、この基本方針に沿って、企業や地域のニーズを踏まえた施策の展開に努めるとともに、商工団体や金融機関はもとより、弁護士、税理士などの専門家や先輩起業家など、地域ごとに支援する方々の顔が見える、きめ細やかな支援体制の構築を進めていくほか、道の融資制度の充実やクラウドファンディングの普及を図るとともに、新たな資金供給手法の検討を進めるなど、地域の経済と雇用を支える小規模企業の振興に全力で取り組んでまいる考えであります。
なお、経済産業に係るその他の項目については、担当の副知事から答弁をさせていただきます。
以上であります。
○議長遠藤連君 副知事荒川裕生君。
○副知事荒川裕生君(登壇)初めに、自衛隊の派遣に関し、自治体と自衛隊との留守家族支援に関する協定についてでありますが、この協定は、東日本大震災の発生をきっかけとして、大規模災害時などに被災地に派遣される自衛隊員の御家族に対し、子育て、健康、福祉などに対する不安感を少しでも軽減することを目的として、駐屯地と地元自治体との間で締結されているものと承知をしております。
道内では、平成26年6月末で27団体が協定を締結しておりましたが、本年2月現在では36団体となっておりまして、このうち、災害時に加え、国際平和協力活動等による海外派遣について記述があるのは5団体となっているところでございます。
こうした協定は、人命救助や復興支援などのための派遣に伴い、長期間にわたり地元を離れることとなる自衛隊員の御家族に対し、地元の自治体として支援を行うために締結されているものと受けとめております。
次に、地方交通に関し、JR北海道におけるトンネルの安全対策についてでありますが、JR北海道では、平成23年5月に発生したJR石勝線の列車脱線火災事故を受け、同年9月以降、安全教育の一環として、全社員を対象に、トンネル火災に関する習熟訓練を行うとともに、管理する176カ所のトンネルのうち、これまで、14カ所で計35回、現地での避難訓練を実施してきており、今後とも、訓練内容の充実を図っていく方針であると聞いております。
また、トンネルの定期点検につきましては、国が定める基準により、全てのトンネルで2年ごとに目視検査を行い、必要な箇所については打音検査も行っているものと承知しております。
道では、これまでも、JR北海道に対し、安全対策について重ねて要請を行ってきておりますほか、昨年12月の嵐山トンネルの火災の際にも、早期の復旧と原因究明を含めた再発防止に取り組むよう申し入れを行ったところであり、引き続き、安全対策の徹底を求めてまいる考えでございます。
最後に、経済産業対策に関し、原発の再稼働についてでありますが、再稼働については、国が前面に立ち、立地自治体等、関係者の理解と協力を得るよう取り組むとしているところであり、関係自治体の範囲も含め、国が責任を持って、具体的な手続を明確に示すとともに、安全性やエネルギー政策上の必要性などに関する説明を行うべきものと考えます。
道としては、そうした内容が具体的に示された場合には、道民の代表である道議会の御議論などを踏まえながら、適切に対応していかなければならないと考えております。
以上でございます。
○議長遠藤連君 副知事山谷吉宏君。
○副知事山谷吉宏君(登壇)まず、TPPの影響試算についてでありますが、影響額につきましては、関税のみならず、セーフガードの発動状況や国際市況、為替レートなど、さまざまな変動要因が複雑に絡み合いますことから、単純な積み上げ方式による算出は難しいものと考えております。
こうしたことから、道といたしましては、昨年12月に公表されたTPP協定の合意内容や、体質強化対策及び経営安定対策などを考慮した国の試算方法を品目別に検討して、今回、その手法により影響額を算出するとともに、特に、本道の主要な農林水産物であるタマネギやスケトウダラなどについては、独自に影響額の試算に加えたところであります。
TPP協定の影響は相当な長期に及びますことから、今後、状況の変化や新たな課題が生じた場合において、国における算定方法の条件などが前提条件と合致しなくなることも考えられますことから、関係団体とも連携を図り、道内への影響について継続的に把握するとともに、必要に応じて分析を行うなど、適切に対応してまいります。
次に、職員の懲戒処分に関し、懲戒処分の公表についてでありますが、道におきましては、懲戒処分の公表指針に基づき、職務遂行上や職務に関連する行為に係る懲戒処分のほか、職務に関連しない行為に係る停職以上の懲戒処分について公表することとしておりますが、被害者または関係者の権利、利益を侵害するおそれがある場合などについては、その内容の一部または全部を公表しないこともできるとしているところであります。
懲戒処分の公表に当たりましては、この指針に基づき、厳正に運用しているところであり、過去5年間の150件の懲戒処分のうち、指針に基づき公表の対象とならなかったものが78件で、指針に基づく公表の例外として取り扱ったものは、叙勲に関する不適正事務に関し、個人が特定されるため、非公表としてほしい旨、関係者から申し出があった1件のみとなっているところであります。
次に、道民生活に関し、子どもの貧困対策推進計画の対象等についてでありますが、道では、子どもの将来が、その生まれ育った環境によって左右されることがないよう、貧困の状況にある全ての子どもを対象とする計画として策定いたしたところであります。
また、この計画における目標値のうち、生活保護世帯や児童養護施設の子どもに係る高等学校への進学率につきましては、傷病などで進学が困難な者を除き、面談等により、進学を希望する全ての子どもが高校に進学することを目標とした数値であり、大学等への進学率については、学費や生活資金の貸付制度の活用のほかに、その子どもの適性や世帯の状況に応じた自立方策も十分勘案しながら、一人一人に合った進路指導が必要でありますことから、一律の目標値の設定を行わず、きめ細やかな相談対応や学習支援に努めることとしたところであります。
こうした目標値については、道民の皆様と、この計画の目指す姿を共有し、貧困が世代を超えて連鎖することのない環境づくりを目指すため、毎年度、検証、評価を行ってまいる考えであります。
次に、産婦人科医師の派遣についてでありますが、全道的に産婦人科医師が減少する中、地域においては産婦人科医師の確保が困難となっており、北海道医療対策協議会に対しては、多くの医療機関から、産婦人科医師を含めた派遣要請が寄せられておりますが、派遣医師の報酬については、一般的には、派遣に係る当事者間の協議により、派遣先医療機関の給与規程や、派遣される医師の経験年数等に応じて決定されているところであります。
こうした中、産婦人科医師の報酬については、これらに加えて、派遣期間中、昼夜を問わず待機状態にあることや、分娩や救急対応が多いなどの多忙な勤務実態を踏まえた報酬が設定されているものと聞いているところでありますが、地域における産婦人科医師の確保に、なお一層取り組んでまいらなければならないと考えるところであります。
最後に、妊産婦安心出産支援事業の対象についてでありますが、2次医療圏ごとの周産期母子医療センターにおきましても医師確保が困難となっているなど、地元で出産できない地域が増加していることを踏まえ、今回、交通費の助成を行うこととし、出産が可能な病院から各市町村までの距離をきめ細かく把握するとともに、妊産婦が通院する際に、移動に要する時間が30分を経過するころから不安が増大する傾向があるといったアンケート調査の結果なども参考に、助成対象を、25キロメートルを超える地域としたところであります。
道といたしましては、今後も、地域における、分娩を取り扱う医療機関や公共交通機関の状況など、妊産婦を取り巻く環境の変化を踏まえながら、適切に事業を実施してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長遠藤連君 副知事辻泰弘君。
○副知事辻泰弘君(登壇)道民生活などについてお答えします。
まず、地域別最低賃金についてでありますが、最低賃金制度は、労働者の生活の安定や雇用のセーフティーネットとしての機能を果たすものであり、道としては、最低賃金が確実に遵守されることが何より重要と考えているところでございます。
なお、地域別最低賃金の改定に当たりましては、最低賃金法に基づき、公労使から構成される地方最低賃金審議会が、地域における労働者の生計費や賃金の実態、企業の賃金支払い能力などを総合的に勘案し、慎重な検討の結果行う答申を踏まえて、国において決定するものであります。
次に、ダム事業についてでありますが、道では、公共事業の効果的、効率的な実施と、実施過程の透明性の一層の向上を図ることを目的とした公共事業再評価を実施してきており、ダム事業についても、節目節目で、その必要性や妥当性を検証しながら、事業を進めてきたところでありますが、厚幌ダムについては、工事の進捗に伴い、想定より強固な岩盤が出現したことによる掘削工法の変更や、不安定な掘削のり面への対策工の追加など、新たな総事業費の変更が生じてきているところであります。
一方で、地元からは、地域住民が安全で安心して生活するための治水対策や、安定した水道用水、かんがい用水の供給などが強く要望されており、その必要性は変わっていないことから、ダムの整備については、引き続き、早期完成に向け、着実に推進してまいりたいと考えております。
最後に、電力自由化等に関し、新電力会社の事業停止による影響などについてでありますが、道では、電力コストの節減を図るため、振興局庁舎など77施設で使用する電力について、新電力会社を含め、入札により調達することとし、日本ロジテック協同組合と契約したところでございます。
このたび、同組合が、小売電気事業者の登録申請を取り下げ、電力事業を停止することとなりましたが、この場合においても、電気事業法に基づき、一般電気事業者により、最終的な電気の供給が保障されることとされており、電力の調達には支障が生じないところであります。
道といたしましては、今後とも、コスト縮減を図りつつ、電力の安定的な確保に進める必要があると考えており、今回の施設に係る電力の調達に当たっても、この考えに沿いながら検討してまいる考えでございます。
以上でございます。
○議長遠藤連君 教育長柴田達夫君。
○教育長柴田達夫君(登壇)日本共産党、真下議員の代表質問にお答えをいたします。
教育問題に関しまして、まず、特別支援学校高等部の設置についてでございますが、昨年12月に、標茶町の住民の方々や関係団体などから、標茶高校への釧路養護学校高等部の分校の設置を求める要望を、署名とともにいただいたところでございます。
標茶町では、障がいのある子どもに対する早期からの一貫した相談支援体制の充実に取り組んできており、このたびの要望につきましては、義務教育を終えた後も、生まれ育った地域で子どもたちを学ばせたいという保護者や地域の方々の強い思いのあらわれであると受けとめているところでございます。
特別支援学校の配置に当たりましては、できるだけ身近な地域において専門的な教育を受ける機会を確保するとともに、効果的な学習や集団活動を行うための教育環境を確保することも重要でありますことから、道教委といたしましては、今後とも、児童生徒の在籍状況やその推移、さらには地域の実情などを十分踏まえ、検討を行ってまいる考えでございます。
次に、高等学校における特別支援教育についてでございますが、国においては、インクルーシブ教育システムの理念を踏まえ、児童生徒等、それぞれの教育的ニーズに的確に応える、多様で柔軟な仕組みを整備することが重要であるとの考え方のもとで、現在、高等学校における特別な教育課程の編成の制度化について、検討が進められているところでございます。
道教委といたしましては、こうした国の動向を注視しつつ、本道の高等学校における特別支援教育のあり方を検討するため、昨年4月に、外部有識者等で構成する検討委員会を設置し、地域特性を踏まえたインクルーシブ教育システムの構築、通級指導教室の必要性とその役割などにつきまして、検討を進めているところであり、今後は、こうした検討や高等学校における調査研究の状況なども踏まえ、生徒の自立や社会参加に必要な力を育成するという観点から、高等学校における特別支援教育のなお一層の充実に取り組んでまいる考えでございます。
次に、選挙権年齢の引き下げについてでございますが、選挙権年齢を18歳以上に引き下げることとしたこのたびの法改正は、将来、我が国を担っていく世代である若い人々の意見を、国のあり方を決める政治に反映させていくことが望ましいという考え方に基づくものであると認識いたしております。
道教委といたしましては、生徒が、有権者として、みずからの判断で権利を行使することができるよう、各学校に対し、政治参加の重要性や選挙の意義について理解を深め、さまざまな課題を多面的、多角的に捉え、根拠を持って自分の考え方を主張しつつ、他人の考えに耳を傾け、合意形成を図っていくという政治的教養を育む教育の一層の充実を図るよう指導してまいる考えでございます。
最後に、高校生による政治的活動等についてでございますが、このたびの法改正により、18歳以上の生徒が、有権者として選挙権を有し、選挙運動を行うことが認められることとなりましたことから、国の通知におきましては、放課後や休日等に学校の構外で行われる高校生による政治的活動等については、家庭の理解のもと、生徒が判断して行うものとしておりますが、生徒の学業や生活などに支障があると認められる場合や、学校教育の円滑な実施に支障があると認められるなどの場合には、学校において適切に指導を行うことが求められているところでございます。
道教委といたしましては、こうした考え方を十分踏まえ、生徒の政治的教養が適切に育まれるよう、家庭や地域と連携しながら、各学校において適切に指導を行うことが必要であると考えております。
以上でございます。
○議長遠藤連君 選挙管理委員会委員長高橋一史君。
○選挙管理委員会委員長高橋一史君(登壇・拍手)(発言する者あり)日本共産党、真下議員の代表質問にお答えをいたします。
初めに、選挙権年齢の引き下げについてでありますが、今回の選挙権年齢の引き下げは、少子・高齢社会の中で、若者の声がより政治に反映される必要があることや、諸外国の多くでは選挙権年齢を18歳以上としていることが、その背景にあるものと承知をしております。
最近の各種選挙においては、特に、若い世代の投票率が極めて低く、政治への無関心や政治離れがうかがわれる中での改正でありまして、今回の選挙権年齢の引き下げを契機といたしまして、若者を初め、有権者の政治意識の向上につながることを強く期待しているところであります。
次に、投票率の向上、投票機会の拡大に向けた取り組みについてでありますが、昨年6月の公職選挙法の改正により、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられたことを踏まえまして、道選管といたしましては、選挙の仕組みや投票参加の意義について、高校生に理解を深めてもらうことを目的に、今年度から、高校生出前講座を実施しておりまして、これまで66校で実施をし、今年度中には80校を超える高校での実施を予定しているところであります。
また、昨年11月に、18歳選挙権をテーマとした北海道政治講座を開催するなど、選挙権年齢の引き下げや、投票参加への周知、啓発に取り組んでいるところであります。
国においては、現在、投票環境の向上対策といたしまして、投票機会の拡充や利便性の観点から、共通投票所の設置や、期日前投票における投票時間の弾力的な設定、投票所に入ることができる子どもの範囲の拡大などの制度改正が予定をされているところであります。
私ども道選管といたしましては、若年層の投票率の向上を図るため、引き続き、効果的な啓発事業に取り組むとともに、制度改正の内容について、有権者や市町村に対しまして広く周知徹底するなど、市町村選管を初め、関係機関・団体との連携を深めながら、公正な選挙の管理執行と投票機会の拡大に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。(拍手)(発言する者あり)
○議長遠藤連君 警察本部長北村博文君。
○警察本部長北村博文君(登壇)日本共産党、真下議員の代表質問にお答えいたします。
初めに、懲戒処分の公表基準の運用についてでありますが、道警察では、警察庁の懲戒処分の発表の指針を参考とし、職務執行上の行為及びこれに関連する行為に係る懲戒処分と、私的な行為に係る懲戒処分のうち、停職以上の処分について発表を行うこととしているほか、行為の態様、行為の公務内外に及ぼす影響、職員の職責等を勘案し、国民の信頼を確保するために発表することが適当であると認められる懲戒処分について発表を行うこととしております。
ただし、発表の例外として、被害者、その他関係者のプライバシー、その他の権利、利益を保護するため、やむを得ない場合には発表を行わないこととしております。
道警察において過去5年間に懲戒処分を受けた127人の処分を確認しますと、82人の処分は、原則発表を行う対象となる処分に該当し、残る45人の処分は、発表を行う対象に該当しない処分でありました。
なお、過去5年間において、被害者、その他関係者のプライバシー、その他の権利、利益を保護するため、異性関係信用失墜事案や強制わいせつ事案において発表を控えた処分が4件あったと承知いたしております。
次に、懲戒処分の公表基準の見直しについてでありますが、道警察では、引き続き、警察庁の懲戒処分の発表の指針を参考に、適時適切な懲戒処分の発表を行うとともに、同種事案の再発防止のため、必要な諸対策を推進してまいります。
以上でございます。
○議長遠藤連君 真下紀子君。
○75番真下紀子君(登壇・拍手)(発言する者あり)それぞれ答弁をいただきましたが、指摘を交えて、具体的に再質問をいたします。
知事は、安全保障法制による、南スーダンでのPKO活動に係る自衛隊の危険性については、みずからの見解を示さず、政府の見解を述べたにすぎません。
2月29日の衆議院予算委員会で、我が党の議員の質問に、防衛省が、PKOの駆けつけ警護で、人質救出のために、武装集団に対する狙撃、射殺はおろか、文民まで死亡させるリスクを検討していることについて、中谷防衛大臣がそれを認める重大発言をしました。
安全保障法制の戦争法たる姿が一層明らかになり、戦慄すら覚えます。知事はそう受けとめないのでしょうか。
海外派兵の危険の増大とともに、道内で留守家族支援協定を結んでいる自治体が27から36自治体に広がり、海外派遣を協定に記述した自治体が2から5自治体にふえている実態が明らかとなったことは重大です。
戦時のように、家族や住民を動員し、戦闘地域へ送り出す現代版「銃後の守り」とならないよう、知事として、憲法遵守の立場を明確にし、安保法制を行使することなく、あくまで憲法に沿った非軍事の貢献に徹することを国に求めるべきではないでしょうか、お答えください。
アベノミクスについてです。
日経新聞とテレビ東京の調査によりますと、「評価する」が31%に対して、「評価しない」は50%に上っています。また、日経新聞の世論調査では、消費税の10%への増税に賛成は33%、反対は58%と、反対が断然多くなっており、安倍内閣のブレーンでもある内閣参与が、公然と、消費税増税時期の延期を求めています。
知事は、消費税増税による影響について懸念を示しながら、道内は全体として緩やかな回復傾向にあると答えましたが、前提となる経済状況の好転に至っていると判断をされているのか、伺います。
私ども日本共産党は、消費税に頼らない財源を示しながら、社会保障の確立を求めており、消費税の引き上げに反対の立場ですが、知事、今は、せめて、消費税増税は延期せよと声を上げるべきときではないでしょうか、いかがですか。
TPPによる影響について、道は、GDPも就業者数の減少も算出できていないと答えました。安倍首相が言う80万人の雇用を生み出す根拠はないということです。
秘密交渉で、何が決められたのかもわからず、やみくもな対策の効果を評価できようはずがありません。
道において、今後、関係者や有識者の意見も取り入れ、総合的な試算として道民に示すことを求めますが、いかがか、伺います。
今回の、懲戒処分の公表に関する私の質問で、知事部局における過去5年間の懲戒処分の150件のうち、約半数の78件が、道の指針によって非公表となっていることが明らかとなりました。
その中には、窃盗や住居侵入、セクハラ等々、一般社会では当然犯罪として処分されるべき案件が含まれていたことには驚きを隠せません。
道は、今後、職務上、職務外を問わず、全ての懲戒処分の公表を目指すとのことですから、知事が、他都府県並みの透明性の高い公表基準の策定にスピード感を持って取り組むよう、強く指摘しておきます。
同様に、道警でも、過去5年間で127人の懲戒処分者のうち、指針により45人が非公表となっています。
処分理由の中には、ひき逃げや万引き、デジタルカメラを使用した卑わいな言動、あるいは不適切異性交際等事案など、本来取り締まるべき立場の道警において、取り締まりの対象となるような事案が並んでいます。
一般市民であれば、逮捕、送検されてもおかしくないケースが含まれているとの指摘もあります。道民が知るべき情報が知らされていないと言えます。
警察本部長は、警察庁の指針を参考として、適時適切に公表を行うと答弁されましたが、公表基準を見直すことなく、道民からの信頼を回復することができるでしょうか。再発防止のために、今後、知事部局と同様、抑止効果と公開性を高めるように見直すことを求めておきます。
次ですが、JR北海道が管理する176カ所のトンネルのうち、青函トンネルを除きますと、わずか13カ所で23回の避難訓練しか行われていないことがわかりました。
トラブルが連続している嵐山トンネルは、積雪時には救急車が入るのが精いっぱいで、消防車は、ワゴンタイプのものしか入れないと聞いております。にもかかわらず、避難訓練は一度も行われていません。
それだけでなく、嵐山トンネルで、漏水対策のために可燃性被膜が使われていることも、旭川消防には事前に知らされていなかったというではありませんか。
列車脱線火災事故を起こしたJR石勝線では、事故直後の2012年に避難訓練が1度実施されただけで、避難ルートの確保が困難な張碓トンネルでは、一度も避難訓練は行われていません。
JR北海道の安全軽視の姿勢は甚だしく、道からの安全を求める申し入れが、残念ながら、功を奏しているとは言いがたいのが現状です。
知事は、こうした事実を今回初めて知ったと思いますが、今後、JR北海道の実効ある安全対策に向けて、知事のイニシアチブをどう発揮するのか、伺います。
知事、JRの利便性の後退については、減便だけではございません。JR北海道は、突如、特急列車の割引切符のSきっぷフォーやRきっぷの廃止を発表しました。実質値上げにもかかわらず、利用者の意見も全く聞いていないのです。
利用者からは、利便性の後退どころか、事実上の値上げだと、不満の声が寄せられ、出張などが多い経済界にも波紋を広げています。
私は、2月19日、日本共産党旭川市議団とJR北海道本社に出向いて、直接、見直しを求めてきました。
道内の利用者に不利益を押しつけるJR北海道の経営姿勢は、これまでJR北海道を利用してきた道民に対する背信行為ではないでしょうか。到底容認できません。知事はどうお考えでしょうか。
道民の声をしっかり聞き、利用拡大と利便性の向上に努めるよう、知事はJR北海道に毅然と求めるべきと考えますが、認識を伺います。
また、JR日高線の早期復旧、駅のバリアフリー化については、一層の努力を求めておきます。
厚幌ダムの事業費は、昨年、90億円もの大幅な増額があったばかりだというのに、わずか8カ月余りで、さらに30億円、総額で120億円もの増額です。こうした例はこれまでもあったのか、伺います。
今回の計画変更に当たっては、公共事業評価専門委員会の委員からも、現地が急峻な斜面であることは設計段階でわかっていたはず、事業を実施する前にしっかりと調査し、対応しておくべきではなかったのか、前回の見直しのときに予算の変更をしておくべきではなかったのかなど、余りにずさんな道の対応に疑問を呈する声が上がっています。
また、このような見通しのない計画変更を求める事業者が道の入札業者として適切かという厳しい声もあります。道民は全く納得できないと思います。
知事は、ずさんな計画変更に対する評価専門委員会の委員の意見を重く受けとめるべきではないでしょうか。
これ以上、事業費をふやすような計画変更は認められないと道民に約束できるのか、あわせてお答えください。
原発についてですが、私は、国や道議会にげたを預けるような答弁を求めたのではありません。
関西電力高浜原発4号機は、原子炉補助建屋での1次冷却水漏れに続き、2月29日、プルサーマル発電を再開する発送電開始を前に、原子炉が緊急停止しました。
知事が極めて遺憾と答弁された、東京電力のメルトダウンの隠蔽などが厳しく検証されなければなりません。
知事は、国が、道議会がと繰り返すことなく、道民の原発ゼロを願う声に応え、廃炉工程を明らかにすべきではないですか。
4月の電力自由化を前に、全国の自治体でさまざまな動きが広がっており、山形県では、昨年、やまがた新電力を設立し、高校などへの販売を始めるとお聞きいたしました。
最大出力が8万4000キロワットの道営水力発電所を有している道としても、いろいろな取り組みが考えられるのではないかと思います。
先ほどの答弁で、電力供給の安定は保たれるとのことでしたが、新電力会社の大半は本州の大手資本であり、77施設の電力受給契約に係る入札参加者については、道内の事業者は1事業者のみです。
今後の契約に当たっては、道が進めるエネルギー自給・地域循環システムの方向性に沿い、再生可能エネルギーの活用と、地域の新電力会社の参入機会も確保できるよう検討すべきと考えますが、いかがですか。
昨年、私ども日本共産党道議団が視察した美深町では、山口信夫町長が、胸を張って、2014年度に全道に先駆けてつくったと紹介してくれた商工業担い手支援制度が効果を上げています。対象は、道の小規模企業振興条例と同じ事業者の規模です。
人口が4600人の町で、2年間で、新規開業が6件、親族以外も含む事業承継が7件、人材育成奨励金が13件、研修・調査助成金が9件、異業種進出が1件など、37件、約5000万円の利用があったと報道されました。
私は、まさしく地方の力強い取り組みだと考えるところです。ほかの市町村でも同様の取り組みが進んでいると承知をしております。
道の小規模企業振興条例についても、こうした取り組みなどによく学ぶべきところがあると考えますが、知事は、実効ある対策にどのように取り組むお考えか、伺います。
最後に、教育長、私は、地元・標茶町でお聞きをしたお母さんたちの言葉をお届けしたいと思います。
お母さんのお一人は、家族でこの町で一緒に生きていきたい、この町のために、この子と一緒に生きていきたいと話されていました。
また、障がいを持つ子どもは、自分自身の生きづらさや自分の気持ちを伝えられないつらさを持っている、親は後ろめたさも持ち、隠したいとも思っている、でも、標茶のお母さんたちが何度も壁を取り払って頑張ってきたのを見て、頼ってもいいのかなと思えるようになったと、涙を拭いながら話していらっしゃいました。
私は、胸がぐっと詰まる思いで受けとめました。
あふれる思いは、それにとどまりませんでした。
お母さんたちが立ち上げたNPO法人には、若い専門職の職員が何人も雇用され、移住してきて、結婚し、子どもも生まれています。一人一人の住民が主役になって、この土地にとどまって、家族で生活を営んでいきたいとお話しされていました。
教育長と道教委の皆さん、そうした親御さんたちの気持ちをしっかり受けとめ、一日も早くその期待に応えられることを強く求めておきます。
以上、再々質問を留保し、私の質問を終わります。(拍手)(発言する者あり)
○議長遠藤連君 知事。
○知事高橋はるみ君(登壇)真下議員の再質問にお答えをいたします。
最初に、平和の考え方についてでありますが、憲法が示す、国民主義、基本的人権の尊重、平和主義といった考え方は、国民の間に広く定着をし、普遍的かつ重要な理念であり、こうした憲法の理念は最大限尊重すべきと考えるところであります。
国際平和の実現のためには、世界の国々や地域が、さらに連携と協力を強めて取り組んでいくことが何より重要であり、我が国においても、国際協調や平和をとうとぶ考え方に基づき、平和を守っていくための努力を積み重ねていくことが大切であると考えるところであります。
次に、消費税率についてでありますが、最近の本道経済の状況は、生産活動や個人消費の一部などに弱い動きが見られるものの、商業販売額や来道者数の増加、有効求人倍率の上昇など、全体としては、緩やかに回復傾向にあると認識をするところであります。
持続可能な社会保障制度の確立は、いつまでも先送りできない課題と認識しているところでありますが、消費税率の引き上げに当たっては、低所得者層を初め、国民、道民の皆様方の暮らしや、中小企業など、地域経済への影響についても十分考慮する必要があるものと考えるところであります。
次に、TPPによる影響についてでありますが、地域や関係団体の御意見をお伺いするとともに、今回、国の考え方を参考に、生産額への影響を試算したところでありますが、TPP協定の影響は相当な長期にわたり、前提条件の変化なども考えられますことから、今後とも、道内への影響について、継続的に把握、分析を行うなど、対応してまいる考えであります。
次に、地方交通に関し、まず、JR北海道における安全対策についてでありますが、JR北海道では、JR石勝線の列車脱線火災事故を受けた国の事業改善命令及び改善指示に基づき、避難誘導マニュアルの作成やトンネル内の照明設備の充実、車両への避難はしごの搭載など、ソフト、ハードの両面で改善に取り組んできているところであり、また、運転士や車掌等、避難誘導に当たる全ての乗務員を対象に、実際の車両を用いた習熟訓練や、トンネルでの実地訓練を実施してきていると承知いたします。
JR北海道においては、今後とも、訓練内容の充実などに取り組む予定と聞いておりますが、私といたしましては、不断の改善を図りながら、安全対策の徹底がなされるよう求めてまいります。
次に、JRの利便性の向上についてでありますが、JR北海道においては、商品体系の簡素化等を図るとして、割引切符の見直しを予定しているところでありますが、利用者の皆様方からは、利便性の低下を指摘される声もあるものと承知いたします。
広い本道において、鉄道は重要な公共交通機関であることから、JR北海道においては、その業務の見直しに当たり、より利用者のニーズに配慮した対応が求められるものと考えるところであります。
道といたしましては、引き続き、地域の実情などを踏まえた、利便性やサービスの向上に向けた取り組みをJR北海道に求めてまいります。
次に、厚幌ダムについてでありますが、昨年、東日本大震災の影響などに伴う労務費や資材価格の高騰などにより、総事業費の変更を行ったところでありますが、その後、工事の進捗に伴い、事前の調査では想定できなかった強固な岩盤の出現などにより、総事業費の増額が見込まれ、このたびの、有識者で構成する公共事業評価専門委員会において、確認、了承されたところであります。
厚幌ダムの整備については、地域の方々が安全で安心して生活するための治水対策や、安定した水道用水、かんがい用水の供給など、その必要性は変わっていないことから、今後とも、早期完成に向け、適時適切に必要な対応をしながら、着実に推進してまいる考えであります。
次に、原発の安全対策についてでありますが、高浜発電所4号機の一時冷却水漏れや原子炉の自動停止などのトラブルについては、極めて遺憾であります。
原発は何よりも安全性の確保が最優先であり、事業者の責務として、規制基準を満たすことはもとより、保安体制の充実に努めるなど、安全対策の徹底が不可欠と考えるところであります。
私といたしましては、道民の安全を守る知事として、国や事業者に対し、その責任において安全対策に万全を期すよう、今後とも強く求めるとともに、原子力防災対策については、その充実や強化に不断に取り組んでまいる考えであります。
次に、電力に係る今後の契約のあり方についてでありますが、ことし4月からの電力の小売全面自由化により、さまざまな分野から電力市場に参入する新電力会社が、地域の事業者も含め、増加しているものと承知をいたしております。
道といたしましては、庁舎等で使用する電力の調達に当たって、電力の安定的な確保とともに、適正な競争によるコストの節減を図っていく必要もあると考えるところであります。
このため、今後とも、道内を供給地域とする新電力会社について、営業形態、料金メニュー、電源構成といった事業特性や、電力取引の動向などを注視しながら、電力受給契約が適切かつ効率的なものとなるよう努めてまいる考えであります。
最後に、小規模企業の振興についてでありますが、今般制定を目指す小規模企業振興条例では、経営体質の強化や円滑な事業承継、創業等の促進を施策の基本方針として掲げているところであります。
道といたしましては、今後、この方針に沿って、国や市町村、関係団体との緊密な連携を図りながら、きめ細やかな施策の展開に努めるなど、地域の経済や雇用を支える小規模企業の振興に全力で取り組んでまいる考えであります。
ただいまの、平和の考え方に関する私の答弁の中で、憲法が示す国民主義と申し上げましたが、国民主権の誤りでありますので、訂正させていただきます。
以上であります。
○議長遠藤連君 真下紀子君。
○75番真下紀子君(登壇・拍手)(発言する者あり)知事に再々質問をいたします。
まず、安保法制と自衛隊の危険性の高まりについてですが、国民主権を国民主義と言い違えるなど、非常に危機感のない答弁に驚きました。(発言する者あり)
知事、南スーダンでのPKO活動のリスクの高まりだけではなく、国内では別の危険が高まっています。
安倍首相は、公然と、参議院選挙の公約に任期内の憲法改正を掲げるとし、中谷防衛大臣は、軍隊を保有するのは常識だなどと、まるでたがが外れたように、大臣に課せられ憲法遵守義務を忘れた傍若無人な発言をしています。
民主主義の根幹である立憲主義に真っ向から反し、暴走に拍車をかけていますが、道内の自衛隊員が犠牲になることを、私たちは力を合わせてとめなければなりません。
私は、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることがないように決意をした日本の国の主権者の一人として、これまでも、これからも、国際貢献については非軍事の立場を貫くために力を尽くしたいと、改めて決意するものです。
知事は、平和を守る努力を積み重ねることが大切と答弁されましたが、その手法は、あくまで憲法にのっとった非軍事の立場を貫くべきとお考えになるのかどうか、明確にお答えください。
次に、地方交通についてですが、知事が、トンネルの安全対策の不断の改善、地域の実情に応じた利便性の向上について答弁されたことは重要です。ぜひ、その実現を確認するように求めておきたいと思います。
さて、知事は北海道150年と言っていますが、忘れてはならないのは、北海道の歴史は、アイヌの歴史と、1880年に開通した鉄道とともにあったということです。
本州との鉄道の開通で本格的な発展を遂げたわけですが、本州とは違って、まちからまちをつなぐのではなく、鉄道が道内各地に敷かれ、その先にまちができたのが北海道の歴史と言われています。知事は、その歴史に思いをはせたことがあるでしょうか。
また、今、新幹線開業を間近に控え、訓子府町の菊池一春町長は、新幹線を心からは喜べませんと言っていることを知事は御存じですか。
菊池町長は、池田町と北見市の間の第三セクター鉄道のふるさと銀河線が、道に、これ以上応援できないと突き放され、存続を求めていた沿線地域では廃線を決断せざるを得なかった、1世紀近い歴史を刻んだ鉄道の最後の日、北見に向かう最終列車を見送った、今、JR北海道があの悲しみを繰り返そうとしていると述べています。それは単なるノスタルジーではありません。
国は、地方創生だといって、人口をふやす努力を迫っていますが、地域の努力を本当に理解しているのでしょうか。鉄路がなくなり、通院や通学ができなくなって、母校である学校がなくなり、病院がなくなっています。効率優先で切っていくと、北海道の鉄道も人も地域に残れなくなってしまいます。
4期目を迎えた知事が、地域を回り、声を聞いたというのであれば、今は、ない袖は振れないと言った当時とは違う決断をされるのではないかと思います。
新幹線開業と同時に、まるで、毎年約50億円の新幹線の赤字の穴埋めのように、ローカル線の安全や利便性が後退するのでは、道内を挙げて、喜びを心から共有することはできないのではないでしょうか。
野々村仁幌延町長は、利便性が悪くなり、さらに合理化の対象となるJR宗谷線の活性化について、JR北海道は自治体と一緒に考える姿勢を示してほしいと述べたとも報じられています。
また、2月20日の北海道新聞の「読者の声」には、JR北海道は乗客増へ努力不足だとの声が寄せられました。
知事は、海外観光客と新幹線にばかり目を奪われず、北海道の鉄道の長大路線が持つ重要な意味をいま一度考え、乗客増に向けた取り組みをしっかりとJR北海道に求めるとともに、鉄道を生かした観光商品開発に業界としてもしっかり取り組むよう発信していくべきではないでしょうか。時間があれば、ローカル線にもお乗りになってはいかがでしょうか、お答えください。
厚幌ダムに関して伺います。
知事は、胸を張って、着実に進めるとお答えになりました。しかし、8カ月の間に2回で120億円もの事業費の増額は異例なことですよ。公共事業評価専門委員会の委員の方々が問題視するのも当然です。
確かに、庁内手続は済んでいるかもしれません。しかし、水需要も減少する厚幌ダムについて、計画の見直しもせず、言われるがまま、340億円の当初予算を480億円にまで膨らませることを、給料も減り、やりくりに苦しむ多くの道民はどう見るでしょうか。
長年にわたって給与を削られながら、道財政が厳しいため、何万円、何十万円の予算をやりくりして、道民の暮らしを支えようとしている道職員の目には、120億円の増額はどのように映るとお考えになっているのか、お聞きします。
道民の目線に立った事業執行を求めたいと思いますが、いかがか、伺います。
最後に、原発とエネルギーについてです。
原発は、新規制基準をクリアして再稼働したものの、トラブル続きです。泊原発では、北電が安全対策として2000億円以上を費やし、泊3号機の停止以降は、年間で812億円の維持管理費と、冷却費用が4年間で約3200億円など、合計で5000億円を超える費用が、総括原価方式で電気料金として道民負担となるわけです。道民生活、道内経済の不利益は非常に大きいと言えます。
さらに、先ほど申し上げましたように、1415億円もの補助金などの原発マネーは国民の負担であり、原発は、莫大な国民の費用負担を前提にしなければ成り立たない電源であることは明らかです。
これだけの予算を再生可能エネルギーや廃炉に投じれば、道民が、原発事故のリスクを心配し、延々と安全対策費用を負担することなく、安心してエネルギーを使うことができるのではないでしょうか。
知事、原発の危険を回避し、高い電気料金の負担から道民を解放するためにも、もう原発を諦めるべきではないですか。
泊原発の再稼働という苦渋の選択などをせずに、再生可能エネルギーに大きくシフトしていく、廃炉を含めた現実的スケジュールを示すべきではないでしょうか、お答えください。
以上、知事に率直な答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手)(発言する者あり)
○議長遠藤連君 知事。
○知事高橋はるみ君(登壇)真下議員の再々質問にお答えをいたします。
最初に、国際平和についてでありますが、私といたしましては、平和で争いのない世界を実現していくことが何よりも大切であり、憲法の理念の一つである平和主義を最大限尊重し、擁護すべきものであると考えるところであります。
我が国においても、憲法が示す平和主義や国際協調主義のもと、世界の国々や地域と連携協力しながら、国際平和の実現に向けて取り組んでいくことが重要であると考えます。
次に、JR北海道への対応についてでありますが、道といたしましては、JR北海道の業務の見直しについて、市町村との連携を強めながら、地域の実情や意向を踏まえた慎重な対応とともに、観光事業者との連携による魅力ある商品の開発なども含め、利便性やサービスの向上に向けた取り組みなど、公共交通機関として果たすべき役割を踏まえた対応をJR北海道に求めてまいります。
次に、厚幌ダムについてでありますが、東日本大震災の影響などに伴う労務費や資材価格の近年にない高騰などにより、発注に際し、昨年度、総事業費の変更を行い、その後、工事の進捗に伴い、事前の調査では想定できなかった強固な岩盤の出現などにより、総事業費の増額が生じたところでありますが、地域住民が安全で安心して生活できるための治水対策や、安定した水道用水、かんがい用水の供給など、その必要性は変わらないものと考えるところであります。
こうしたことから、ダムの整備につきましては、地元からの整備促進への強い要望を踏まえ、コスト縮減にも十分配慮しつつ、早期完成に向け、着実に推進をしてまいります。
最後に、新エネルギーについてでありますが、暮らしと経済の基盤である電力については、それぞれの電源の特性が生かされた多様な構成としていくことが必要であります。
私といたしましては、こうした考えのもと、将来、原発に依存しない北海道を目指し、新エネルギーが主要なエネルギー源の一つとなるよう、道内のさまざまな資源を生かし、その導入拡大を図ってまいります。
以上であります。
by 事務スタッフ
宮川潤君(登壇・拍手)
私は、日本共産党を代表して、議案第102号一般会計補正予算案について質疑をいたします。
戦争法、すなわち安保関連法、TPP、消費税増税、人口減少による社会基盤の崩壊など、道民の不安の高まりと貧困化が進行する中、北海道こそ暮らしを守る大きな役割を発揮すべきという声が大きくなっております。道民生活をしっかりと守る補正予算でなくてはなりません。
その観点から、順次質問を行います。
初めに、TPP関連予算に関し、補正予算への具体化等についてです。
道は、今月17日、TPPによる本道の農林水産物の生産減少額を402億円ないし598億円とする試算を示しました。
政府の基準をそのまま適用し、これまでの積み上げによる影響額の10分の1となったことについて、過小評価ではないかと、疑問と批判の声が上がっています。
知事は、TPPに関する道から国への要望が、TPP関連政策大綱や、今回の国の補正予算におおむね盛り込まれたと述べています。
道が要望した、再生産可能となる対策を恒久化するための安定的な財源や、地域の産業が持続的に発展していけるための対策とは、今回の補正予算にどのように具体化されているのか、伺います。
また、その効果はどのように発揮されると見込んでいるのか、あわせて伺います。
次に、道民意見の反映等についてです。JA北海道の飛田会長は、安い米が輸入されれば、米の単価も必ず下がる、関連するほかの産業にどう波及するのかも一切盛り込まれていないと指摘しています。
知事は、17日、TPPの影響額試算で米の減少額をゼロとしたことを、妥当か判断できないと述べ、必要なら、国に対して追加対策を求める考えを示したと報じられています。
それまで、再生産可能となる対策が盛り込まれたと言ってきましたが、認識の不十分さをみずから認めた発言と言えるのではないでしょうか。
農林水産業関係者を初め、道民の声をよく聞いて、道内への影響について再検討すべきではないか、見解を伺います。
次に、知事の認識についてです。知的財産、医薬品、地方公営事業、医療や金融、共済、ISDS等に関して、特段の影響はないものと、楽観的な見通しを持たれているようです。
知事は、こうしたTPP全体の道内への影響についてどう認識されているのか、伺います。
次に、地方創生加速化交付金に関し、まず、新規就農者の見通しについてです。
酪農王国・北海道の次世代酪農モデル構築事業の重要業績評価指標 ―KPIとして、酪農分野での新規就農者は、2020年まで、毎年、40人にとどまっています。1995年の酪農家は1万1900戸、2015年は6680戸と、1年当たり261戸も減少しており、焼け石に水です。
また、2020年度における道内の農業全体の新規就農者数については、770人と併記されています。40人と770人の整合性、及び、770人の実現可能性について御答弁願います。
次に、民間企業の農業への参入についてです。
新たな担い手確保・経営体質強化対策事業では、民間企業の農業参入を促進するとしていますが、営利企業は、もうからなければ撤退します。全道各地で数十件も撤退している例があると聞き及んでいます。
これまでの企業の参入及び撤退の状況はどうなっているのか、明らかにしてください。
本道農業の発展のためには、家族経営を主体としつつ、法人化や企業の農業参入など、多様な担い手の育成確保が大事だとされています。
家族農業を柱とし、多様な農業の経営体を支援していくことが重要と考えますが、いかがですか。
次に、新幹線関連予算の波及効果についてです。
地方創生交付金の9億1000万円のうち、3億3000万円が新幹線関連経費となっています。新幹線の国内誘客プロモーションに2億円などとしていますが、新幹線の経済効果を全道にどのように波及させていくのか、伺います。
安全で安心な地方交通を初め、高齢者も障がい者も住み続けることができる生活環境を整えるためにこそ、地方創生交付金が活用されるべきと考えますが、見解を伺います。
次に、保健・福祉関連予算に関し、まず、低所得者と子育て世帯への給付金の減額、廃止の影響についてです。
65歳以上の住民税非課税者を対象とし、1人当たり3万円が支給される年金生活者等支援臨時福祉給付金が来年度に限って支給されます。その一方で、低所得者向けの臨時福祉給付金は、6000円から3000円に減額されます。また、子育て世帯を対象とした特例給付金は廃止されます。
政令市、中核市を含め、道内における廃止、減額の影響を受ける人数と影響額を伺います。
次に、特例給付金、臨時福祉給付金の延長についてです。
子どもの貧困対策が緊急の課題となっている中で、特例給付金及び臨時福祉給付金を廃止、減額するのではなく、延長を求めるべきと考えますが、いかがですか。
次に、介護福祉士等修学資金貸付事業の資金ショート問題についてです。
国は、2009年度からの3年分として20億5000万円を道に交付し、毎年、300人ないし500人が貸し付けを受けました。しかし、4年目には交付せず、資金繰りに窮したため、貸し出し人数を185人、144人、86人と絞り込み、今年度はついに事業停止に追い込まれたのです。介護離職ゼロとは正反対の実態です。修学資金が借りられない影響について、道はどのように把握しているのか、伺います。
次に、道の説明責任等についてです。
今年度、修学資金の借り入れを希望しながら、借りられなかった学生らにどのように説明し、対応したのか、道として、今年度の貸し付けの原資を用意すべきだったとは考えないのか、あわせて伺います。
次に、同貸付事業費の増額についてです。
今回、国は、5年分として7億3000万円を交付しましたが、これでは、わずか、年間100人分にしかなりません。希望者がふえれば、1人当たりの貸付額を減らすのではなく、原資を十分に確保すべきと考えますが、いかがですか。
最後に、サケ・マス流し網漁対策についてです。
ロシア200海里水域におけるサケ・マス流し網漁禁止に伴う対策費53億円が、地元の要望に基づき計上されました。漁法も漁場も、これまでと大きく転換されることとなります。
今回の対策の推移を見て、今後も適宜適切に対策を実施していく必要があると考えますが、所見を伺います。
以上で私の質問の全てを終わります。(拍手)
○議長遠藤連君 知事高橋はるみ君。
○知事高橋はるみ君(登壇)宮川議員の御質問にお答えをいたします。
最初に、TPPに関し、まず、TPP関連予算への要望等についてでありますが、道や農業団体等が、これまで、国に対し要請してきた経営安定対策や体質強化対策など、再生産可能となる対策を恒久化するための法制化や、対策に必要な財源の基金等による安定確保などをおおむね盛り込んだ総合的なTPP関連政策大綱に基づき、国のTPP関連予算が措置されたところであります。
道といたしましても、昨年11月と本年2月の影響中間取りまとめを踏まえ、こうした国の施策を十分に活用しながら、平成27年度補正予算案及び28年度当初予算案において、TPP関連予算を計上したところであります。
さきに成立した国の平成27年度補正予算において、農業・農村整備など、地域から強く要望が寄せられていた事業について、北海道へ重点的に予算配分が行われたことなどから、生産基盤の整備等による生産性の向上が図られるほか、多様な担い手の育成及び確保策や6次産業化の推進などにより、本道の農林水産業の生産力、競争力の一層の強化が進むものと考えております。
次に、道民意見の反映等についてでありますが、道では、TPP協定の大筋合意を受け、市町村や農業団体を初め、地域の意見をお聞きしながら、昨年11月に、農林水産業や商工業など、ルール分野等を含めた道内への影響中間取りまとめを行ったところであります。
また、昨年12月、国のTPP協定の経済効果分析結果の公表後、農林漁業者や地域の方々の不安や懸念、影響額試算を求める声などを踏まえ、今般、農林水産物の生産額への影響試算を行ったところであります。
道といたしましては、TPP協定の影響が相当な長期に及び、今後、新たな状況変化等が生ずることも考えられますことから、関係団体とも連携を図り、道内への影響について、継続的な把握や分析を行うなど、適切に対応してまいる考えであります。
次に、道内への影響についてでありますが、TPP協定の大筋合意を受け、昨年11月、農林水産業の分野での影響とあわせ、保険・医療制度や、食の安全、安心など、ルール分野においても中間取りまとめを行い、日本の制度変更が必要となる合意内容は設けられていないことなどから、特段の影響はないものとし、今般、農林水産業の生産額についての影響試算を取りまとめたところであります。
TPP協定は、長期にわたる取り組みでありますことから、関係団体とも連携を図りながら、その影響について、継続的に把握するとともに、必要に応じ、国に対し丁寧な説明を求めていくなど、適切に対処してまいります。
次に、地方創生加速化交付金に関し、まず、新規就農者の確保についてでありますが、道内の農家子弟を含めた新規就農者数は、近年、600人から700人で推移する中、道では、本年度中に策定する農業経営基盤強化促進基本方針において、本道農業の持続的な発展に必要な目標として、新規就農者数を毎年770人と設定することとしているところであります。
この目標達成に向けては、多様な担い手を道内外から広く受け入れていくことが重要であり、道といたしましては、農業担い手育成センターによる就農相談や、農業大学校における実践的な研修教育、地域の受け入れ体制づくりに対する支援などを行うこととしております。
このような中で、農外から酪農への新規参入者については、新たに実施しようとする酪農モデル構築事業の活用などにより、毎年40人を確保するとの考えのもと、本事業の評価指標を設定したところであり、今後とも、関係機関・団体との連携を強化しながら、新規就農者の確保に一層取り組んでまいる考えであります。
次に、民間企業の農業への参入についてでありますが、道内で農業生産法人及びリース方式により、民間企業が農業に参入した件数は、過去5年間で176件で、一方、この間、撤退、休止等に至ったものは44件となっております。
本道農業は、専業的な家族経営が大宗を占めており、道といたしましては、コントラクターなどの営農支援組織も活用しながら、家族経営が安定的に営まれることを基本に、法人化や企業と連携した6次産業化などに取り組む経営体も含め、多様な担い手が将来にわたり地域の農業を支えていくことができるよう、力を尽くしてまいります。
次に、新幹線関連予算の波及効果などについてでありますが、北海道新幹線の開業は、地域の活性化にとってまたとない好機であり、首都圏や東北地域において、全道各地の食や観光の情報を積極的に発信するなど、本道への誘客を促進するとともに、新幹線で来られた方々が、道内の各地に円滑に移動できるバスや航空機などの2次交通の整備を、官民が連携を図りながら進めることにより、開業効果が全道各地に波及するよう取り組んでまいる考えであります。
また、子育て中の女性が安心して働くことができる就業環境の整備や、若者の地元定着に向けたワーク・ライフ・バランスの推進などの施策も盛り込んでおり、当初予算とあわせて、政策間の連携を図りながら、市町村と一体となって、誰もが安心して暮らせる地域づくりを進めてまいる考えであります。
次に、保健・福祉関連予算に関し、臨時福祉給付金などについてでありますが、昨年10月末時点における臨時福祉給付金の道内の支給決定者数は約78万1000人、実績額は約46億9000万円となっているところであり、同じく、子育て世帯臨時特例給付金では約55万6000人で約16億7000万円となっております。
次に、子育て世帯臨時特例給付金などについてでありますが、国においては、子育て世帯臨時特例給付金は、消費税率の引き上げに伴う子育て世帯の負担軽減のため、臨時特例的な措置として、平成26年度、27年度限りのものとするほか、臨時福祉給付金は、税制抜本改革法において、軽減税率等の低所得者対策が実施されるまでの間の暫定的、臨時的な措置として実施されたものと承知をいたしております。
道といたしましては、貧困世帯に限らず、子育て支援が緊急の課題となっておりますことから、これまで、子育て世帯の経済的負担軽減に必要な財源の確保や、周産期医療体制の構築に向けた取り組みなどを講ずるよう、国に要望してきているところであり、引き続き、子育て支援の充実に努めてまいる考えであります。
次に、介護福祉士等修学資金貸付事業についてでありますが、この制度は、若い世代の福祉・介護分野への就労の促進や、定員割れが続く介護福祉士等養成施設の経営改善の観点から、国が貸付金の原資を全額負担して、平成21年度から実施してきたものであります。
国では、この制度創設に当たり、3年分に相当する規模の原資を都道府県に交付し、道では、貸付原資を考慮しつつ、昨年度まで新規貸し付けを実施しながら、この制度の継続を国に要望してきたところでありますが、追加措置がなされなかったことから、本年度、新規貸し付けを一時中止したところであります。
道では、介護福祉士養成施設等の関係機関・団体とも協議し、事業の継続、拡充のための方策について検討するとともに、介護福祉士を目指す方々の修学における影響を最小限にとどめるよう、対応を図ったところであります。
次に、介護福祉士等修学資金に係る対応についてでありますが、本年度の新規貸し付けの中止については、介護福祉士養成施設等の関係機関の協力をいただきながら、生活福祉資金や母子、父子、寡婦福祉資金など、他の貸付金の活用等を含め、介護職を目指す方々に御説明してきたところであります。
こうした中、道では、介護人材の不足が一層深刻化する中で、本事業の必要性に鑑み、関係機関等との協議や、これまでの検討を踏まえ、他県とも連携して、貸付制度の充実強化を国に強く働きかけてきたところであり、このたび、補正予算が成立したことから、道においても、関連予算を計上し、速やかに取り組むこととしたところであります。
次に、介護人材の確保についてでありますが、今後、雇用情勢の変化などに伴う介護人材不足に対応して、若い方々のみならず、多様な人材の参入の促進を図るなど、安定した人材を確保する必要があることから、道では、これまでも、潜在的有資格者等の介護事業所への派遣や、離職防止等に取り組む事業所への労働環境など処遇改善の相談支援を行ってきているところであり、来年度は、新たに、介護未経験者に対する研修支援の実施や、介護職への復職を支援する制度を創設するなど、幅広い施策を展開し、介護人材の確保に努めてまいる考えであります。
このたび提案させていただいた補正予算においては、こうした観点から、修学資金を必要とする若年層の人数を積算し、国の配分額も踏まえ、貸付人員を、毎年100人、5カ年間で500人としているところであります。
最後に、サケ・マス流し網漁業禁止への対策についてでありますが、道では、漁業対策、関連産業対策、雇用対策及び地域振興対策の四つの柱から成る対策を国に要請し、その結果、平成27年度補正予算と28年度当初予算を合わせて、総額で161億円の国費予算が措置されたところであり、道といたしましては、約53億円の補正予算案を今定例会に提出させていただいたところであります。
道では、この対策を早期にかつ着実に実施するとともに、流し網から転換するサバ棒受け網など新たな漁業や、ホタテガイなどの栽培漁業の経営が安定するまでには一定期間を要することから、今後とも、関係機関と連携しながら、対策の進捗状況に応じた対応を行うなど、道東地域の漁業者が安定した漁業を営むことができるよう取り組んでまいる考えであります。
以上であります。
by 事務スタッフ
29番佐野弘美君(登壇・拍手)(発言する者あり)日本共産党を代表して、議案第102号に対し、反対の立場から討論を行います。
反対理由の第1は、TPPの批准を前提とした予算が計上されていることです。
TPP大筋合意の詳細は、いまだに明らかにされていません。国会決議に反し、重要5品目の3割で関税を撤廃し、農林水産物全体の撤廃率は8割を超えるという、史上最大の自由化をしながら、国は、自給率を維持できる、農業生産も減らさないという、安直な試算を示し、道も、国の基準をそのまま適用して、道内の影響額を402億円から598億円とする試算を示しました。
北海道の現状を踏まえておらず、農業関係者を初め、道民から、過小評価との批判の声が上がるのは当然です。
本補正予算のうち、TPP関連予算は556億円に上ります。そのうち、9割以上の512億円が公共事業費です。
農畜産業の競争力の向上に必要な生産基盤の整備として487億円が計上され、農業経営の一層の大規模化が目指されています。
規模拡大一辺倒では、道自身が目指すとしている、家族経営を主体としつつ、法人化や企業の農業参入など多様な担い手の育成確保にも逆行すると、強く指摘しておきます。
第2に、農業の競争力の向上、規模拡大と一体に、地方創生加速化交付金を活用し、農業への民間企業の参入を促進する、新たな担い手確保・経営体質強化対策事業費が盛り込まれていることです。
我が会派の同僚議員の質問で、これまで、農業分野に参入してきた民間企業のうち、44件が撤退していることが明らかになりました。
もうからなければ撤退するのは、企業原理として当然ですが、農業は、それでは務まりません。
4月からは、農業に参入する民間企業の要件が緩和され、役員のうち、農業に従事する者は1人だけでも可能となりますが、企業の参入と撤退が一層激しくなり、農地、農村の荒廃にもつながり、賛成できません。
家族農業を柱とし、農業者による法人化など、多様な農業の経営体の支援こそ強化すべきであることを申し添えます。
第3に、介護福祉士等修学資金貸付事業が、介護分野の人材確保の趣旨からかけ離れていることです。
国が原資を積まなかったことにより、今年度は、希望者が借りられず、道は、生活福祉資金や母子寡婦福祉資金を紹介したとしていますが、借りた人は、わずか8人にとどまっています。こうした事態を生んだ国と道の責任は極めて重いものと言わざるを得ません。
道の説明によると、補正計上された100人分とは、道内の養成学校入学者数に子どもの貧困率の16.3%で積算したと言いますが、そもそも、本事業は、介護人材確保のための貸付事業であって、子どもの貧困率を根拠とすることは、人材育成と貧困対策を混同しているものであり、見当違いも甚だしいものです。
大学生の53%が奨学金を借りていることに照らしても、子どもの貧困率の16.3%を根拠に貸付対象数を計算することは、余りに不十分です。
修学資金を必要としている学生が借りることができる原資を確保し、介護人材の不足を解消するために、一層の財政措置を国及び道に強く求めるものです。
さきに述べましたTPPの影響に懸念を持たれている全ての道議会議員の皆さんに反対の趣旨を御理解いただき、各位の御賛同をお願い申し上げ、反対討論といたします。(拍手)
by 事務スタッフ