日本共産党北海道委員会と北海道議会議員団は、台風被害の早急な実態把握と被害対策に関する緊急申し入れを行い、辻副知事が応対しました。
申し入れでは、行方不明者の捜索に引き続き全力をあげることはもとより、激甚災害への指定を急ぐように国に申し入れること、ライフラインの早期復旧に向けて思い切った支援を強めること、農林水産被害の把握と支援を強めること、災害対策・避難対応についての検証を求めました。
この後、北海道庁地下の災害対策本部を訪れ、職員を激励。現状の説明を受けました。
9月7日 少子高齢社会対策特別委員会「認知症高齢者グループホームの災害対策について」菊地葉子議員
9月6日保健福祉委員会「医療機関、障がい者施設の防災について」宮川潤議員
9月6日 保健福祉委員会「国保都道府県化について」宮川潤議員
9月6日 文教委員会「8月の台風等大雨の被害について」 佐野弘美議員
宮川潤 – 2016年第1回定例会本会議 3月24日
私は、日本共産党北海道議会議員団を代表して、真下議員提出の動議に関する賛成討論、並びに、議案第33号、第35号、第37号ないし第39号、第42号、第46号ないし第50号、第52号ないし第56号、第60号ないし第64号、第67号、第68号、第70号ないし第72号、第74号、第77号、第78号、第80号ないし第83号、第85号、第98号及び第99号に対する反対討論を行います。
最初に、真下紀子議員が提出した組み替え動議についてであります。
その内容の第1点目の、子どもの貧困対策と子育て、教育、医療、福祉の拡充についてです。
子どもの貧困率は、1994年に12.1%でしたが、上昇を続けて、16.3%に達し、特に一人親世帯の相対的貧困率は、OECD加盟国の中でも最悪の50.8%に上っています。
そこで、全国各地で、子どもの医療費助成制度の対象を中学校卒業までなどに拡充することや、児童養護施設から大学に進学する際に支援を実施するなどの動きが起こっています。
入院、通院とも、中学校卒業までの子どもの医療費無料化を実現するには、33億円あれば可能です。長野県や沖縄県は、大学や短大等への進学を支援する給付型奨学金を制度化しています。
ことしの夏には地域医療構想を策定するとしていますが、機械的な病床削減が行われるのではないかと、道民の不安が高まっています。広域分散、積雪寒冷という条件や、地域の医療機関の診療科目ごとに充足を図るなど、きめ細やかな検討が必要です。
第2点目の、良質で安定した雇用環境の拡大と、中小企業と農林水産業の担い手対策についてです。
特に、非正規雇用の比率が約4割の若者や女性が正規雇用に転換されるよう、関係機関や道内経済界と強力に具体策を進めることです。
2000年当時、13万2160人だった基幹的農業従事者は、2014年には9万1800人にまで減っています。本道の基幹産業である農林水産業の担い手育成に本腰を入れて取り組むべきです。
新潟県や福井県など、少なくとも5県がTPPによる米への影響を試算していますが、道として、農業を初め、道内の各産業へのTPPの影響を試算すべきであります。
第3点目の、どこにいても安心して暮らせる地方交通の整備についてです。
地方創生のためにも、JR北海道の地方線の維持と、路線バスの利便性の向上、デマンド交通への支援等が欠かせません。
第4点目の、不要不急の公共事業の見直しについてです。
我が会派の質問で、厚幌ダムや開発道路など、公共事業の無駄と浪費が温存されていることを明らかにいたしました。橋梁やトンネル、水道などのライフラインの老朽化・耐震化対策や、道営住宅、特別養護老人ホームや認可保育所の増設など、暮らしと安全のための公共事業に切りかえることが必要です。
第5点目の、再生可能エネルギーを大規模に普及し、原発に依存しない北海道を目指すことについてです。
福島第一原発事故から5年、福島県では、浪江町など5町村を初めとして、いまだに人が住めない状況が続いています。
原発のない北海道は、安全で安心して暮らせる北海道の大前提です。地産地消、地域循環型の再生可能エネルギーを普及していくことで、地域の新たな産業と雇用の創出にもつなげていけます。
この組み替え動議は、道民の暮らしと雇用、産業を応援するものであり、多くの道民の賛同が得られるものであります。
次に、議案についてであります。
議案第33号北海道立道民活動センター条例の一部を改正する条例案外24の議案は、いずれも、道立施設の使用料、手数料等の引き上げであり、道民や中小零細事業者の負担増となることから、反対です。
そのうち、農業大学校の授業料は、今回の引き上げにより、全国一高くなります。高等技術専門学院も全国で3番目に高くなります。教育や人材育成にフルコストの考え方を持ち込むべきではありません。
議案第35号地方公務員法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部改正に伴う関係条例の整理に関する条例案についてです。
この条例案は、道職員の勤務評定を廃止し、人事評価制度を導入することに伴う条例改正案です。能力評価と業績評価の二つの要素による人事評価制度は、公務への成果主義の導入であり、反対です。
議案第37号北海道職員等の分限に関する条例の一部を改正する条例案は、分限などの人事管理に、人事評価制度を反映させるというものであります。これでは道職員を任命権者の言いなりにさせかねません。
憲法がうたう全体の奉仕者として、公正中立な立場に立って、国民の権利と福祉の実現のために、その能力を発揮することが求められている公務員の役割を大きく変質させるおそれがあります。
また、議案第38号北海道職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例案、議案第82号北海道学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案、議案第83号市町村立学校職員給与負担法に規定する学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案、議案第85号北海道地方警察職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案は、勤勉手当の根拠に人事評価制度を用いるという内容が含まれています。これらの条例案は、議案第35号と同様の問題があり、反対です。
議案第39号北海道職員等の定数に関する条例の一部を改正する条例案は、公立学校の教職員定数を定める条例改正です。
道立高校と道立特別支援学校で合わせて209人を削減し、市町村立小中学校も89人減らすものであり、反対です。
少子化の今こそ、少人数学級を進めるとともに、地域から高校をなくさずに、小規模校として生かす方策を検討すべきであると申し添えます。
議案第54号北海道指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例案、議案第55号北海道指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例案は、介護の小規模な通所施設を、道の所管から市町村の所管に移すものです。
移管された市町村の意向とは無関係に事務が移されることから、特に、小規模な自治体にとって、事務量の負担増も懸念されるため、賛成できません。
議案第56号北海道指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例案も、同様の問題があり、賛成できません。
最後に、議案第99号北海道道州制特別区域計画の変更に関する件は、北海道道州制特別区域計画の期間の延長です。
この計画にある道道美唄富良野線と名寄遠別線の総事業費は、計画変更により、2路線を合わせて131億円の増額、道負担金の増額分が26億円と、当初比で約1.8倍にもなっています。
このような無駄と浪費の大型公共事業を継続する本議案に反対であります。
以上で私の討論を終わります。(拍手)
真下紀子 - 平成28年第1回定例会 3月24日
私は、日本共産党道議団を代表して、議案第1号平成28年度北海道一般会計予算については撤回し、組み替えの上再提出を求めるとともに、議案第5号平成28年度北海道苫小牧東部地域開発出資特別会計予算、議案第6号平成28年度北海道石狩湾新港地域開発出資特別会計予算、議案第10号平成28年度北海道公共下水道事業特別会計予算、議案第12号平成28年度北海道営住宅事業特別会計予算、議案第13号平成28年度北海道住宅供給公社経営健全化資金貸付事業特別会計予算、及び、議案第17号平成28年度北海道工業用水道事業会計予算については撤回を求める動議の提案説明を行います。
議案第1号平成28年度一般会計予算案は、2兆8246億円と、前年度比で0.8%の増加となっています。
法人2税のたび重なる制度改正により、道の税収は、黒字の企業からの税収はほぼ横ばいとなっています。
しかし、外形標準課税の拡充により、7割が赤字と言われる中小企業では、赤字であっても課税され、経営が成り立たなくなっています。 また、8%に増税された消費税の負担は、最低賃金の引き上げにもかかわらず、現金給与額が減少している労働者や、所得の低い道民、中小企業にとって重い負担となる構造であり、消費税の持つ逆進性のため、格差を拡大する要因となっています。
2割に近いと言われる本道の子どもの貧困率は、健全な成長を阻害し、食べ物、成長に適した靴や衣類にも事欠き、貧困の連鎖が子どもたちを苦しめています。 こうした格差を是正する対策にこそ重点配分する予算編成が道の役割ではないでしょうか。 ところが、高橋道政の2016年度予算案では、こうした分野に背を向け、外国人観光客の増加などによる外需頼みが際立ち、公共事業費が前年度比で20.4%増の642億円もの増加となる予算を計上し、不要不急の大型公共事業を見直す姿勢が全く見られないことは、まことに残念であります。 道民所得の向上と地域産業の支援によって内需を温め、深刻な子どもの貧困対策など、道民が希望を持つことができる予算にこそ、抜本的に組みかえることが必要であります。
また、東日本大震災、福島第一原発事故から5年がたちましたが、いまだに、事故原因そのものが解明されず、道民の多くが原発のない北海道を求めています。
今こそ原発に依存するエネルギー政策から脱却し、北海道の持つ再生可能エネルギーの高いポテンシャルを最大限に活用し、再生可能エネルギーの拡大と普及を進められる予算への切りかえが必要です。
よって、日本共産党道議団は、次の五つの柱に沿って、予算案の抜本的組み替えを求めるものです。
第1に、子どもの貧困対策と子育て、教育、医療、福祉の拡充を行うことです。
妊産婦安心出産支援事業として、遠隔地からの妊産婦健診、出産時の交通費や宿泊費の助成が、新年度予算に5300万円計上されたことは一歩前進ですが、北海道子どもの貧困対策推進計画に達成年次を定め、予算規模を拡充することが急がれます。 命と健康を守る立場から、子どもの医療費助成事業を入院、通院ともに中学校卒業まで拡充することが必要です。 また、貧困の連鎖を断ち切り、教育の機会確保のために、道独自の給付型奨学金制度を創設し、幅広く若者の進学を支援することも必要です。
第2に、良質で安定した雇用環境の拡大と、中小企業と農林水産業の担い手対策を行うことです。
限定正社員など多様な正社員を名目にした不安定雇用ではなく、本来の正社員化の目標と、その実現に向けたロードマップを策定し、正社員化と処遇改善の具体的対策をとることが必要です。特に、介護・保育・福祉分野の処遇改善が図られる予算を計上すべきです。 中小企業と農林水産分野において、担い手の所得を保障し、きめ細かい対策を予算化することが必要です。
第3に、どこにいても安心して暮らせる地方交通の整備を行うことです。
道民の生活交通としての鉄道、バスの利用を促進する事業を行うことが必要です。
第4に、不要不急の公共事業を見直すことです。
私ども日本共産党道議団が代表質問で厳しく指摘した厚幌ダムでは、わずか8カ月の間に、2回で120億円の事業費増額、開発道路では131億円の事業費増額、道負担で26億円の増額を盛り込んだ予算となっております。 これを厳しく見直し、事業費を絞り込み、事業の中止も含めて、大幅なコスト削減を決断することです。
第5に、再生可能エネルギーを大規模に普及し、原発に依存しない北海道へとかじを切ることです。
地域の経済循環を高めるために、エネルギーの地産地消をダイナミックに進め、地域の経済循環の可視化を図るプログラムをつくるべきです。
道の消費税収入は、税率5%では、年間で760億円から867億円だったものが、今年度予算では、2倍近い1360億円規模となっています。 こうした財源を用いて組み替え予算を実現することは十分可能であり、格差の是正、貧困対策など、社会保障の充実のためにこそ使うべきであります。 以上、組み替えの五つの柱により、財政の再建と経済の再生が図られ、道民が切実に求める医療、福祉、教育などに予算を手厚く振り向け、道民の支えになる道政への新たな一歩につなぐことができます。 議案第13号平成28年度北海道住宅供給公社経営健全化資金貸付事業特別会計予算についてです。
一般会計からの税金投入が続いている北海道住宅供給公社では、不明瞭な会計処理の実態が包括外部監査報告において明らかになりました。債務超過は92億円を超え、さらにふえる見込みもあります。 これまでも、副知事をトップとする公社運営監理委員会があったにもかかわらず、このような重大問題を見逃し続け、包括外部監査で指摘されるまでわからなかったということは、ずさんきわまりないものであり、知事の責任は免れません。
公社の債務返済計画の見直しが必要であり、道への債務についても、計画的に、確実に返済する指導が必要です。 以上、議員各位におかれましては、御賛同を心よりお願いいたしまして、組み替え動議の提案説明を終わらせていただきます。(拍手)