私は、日本共産党北海道議会議員団を代表して、真下議員提出の動議に関する賛成討論、並びに、議案第33号、第35号、第37号ないし第39号、第42号、第46号ないし第50号、第52号ないし第56号、第60号ないし第64号、第67号、第68号、第70号ないし第72号、第74号、第77号、第78号、第80号ないし第83号、第85号、第98号及び第99号に対する反対討論を行います。
最初に、真下紀子議員が提出した組み替え動議についてであります。
その内容の第1点目の、子どもの貧困対策と子育て、教育、医療、福祉の拡充についてです。
子どもの貧困率は、1994年に12.1%でしたが、上昇を続けて、16.3%に達し、特に一人親世帯の相対的貧困率は、OECD加盟国の中でも最悪の50.8%に上っています。
そこで、全国各地で、子どもの医療費助成制度の対象を中学校卒業までなどに拡充することや、児童養護施設から大学に進学する際に支援を実施するなどの動きが起こっています。
入院、通院とも、中学校卒業までの子どもの医療費無料化を実現するには、33億円あれば可能です。長野県や沖縄県は、大学や短大等への進学を支援する給付型奨学金を制度化しています。
ことしの夏には地域医療構想を策定するとしていますが、機械的な病床削減が行われるのではないかと、道民の不安が高まっています。広域分散、積雪寒冷という条件や、地域の医療機関の診療科目ごとに充足を図るなど、きめ細やかな検討が必要です。
第2点目の、良質で安定した雇用環境の拡大と、中小企業と農林水産業の担い手対策についてです。
特に、非正規雇用の比率が約4割の若者や女性が正規雇用に転換されるよう、関係機関や道内経済界と強力に具体策を進めることです。
2000年当時、13万2160人だった基幹的農業従事者は、2014年には9万1800人にまで減っています。本道の基幹産業である農林水産業の担い手育成に本腰を入れて取り組むべきです。
新潟県や福井県など、少なくとも5県がTPPによる米への影響を試算していますが、道として、農業を初め、道内の各産業へのTPPの影響を試算すべきであります。
第3点目の、どこにいても安心して暮らせる地方交通の整備についてです。
地方創生のためにも、JR北海道の地方線の維持と、路線バスの利便性の向上、デマンド交通への支援等が欠かせません。
第4点目の、不要不急の公共事業の見直しについてです。
我が会派の質問で、厚幌ダムや開発道路など、公共事業の無駄と浪費が温存されていることを明らかにいたしました。橋梁やトンネル、水道などのライフラインの老朽化・耐震化対策や、道営住宅、特別養護老人ホームや認可保育所の増設など、暮らしと安全のための公共事業に切りかえることが必要です。
第5点目の、再生可能エネルギーを大規模に普及し、原発に依存しない北海道を目指すことについてです。
福島第一原発事故から5年、福島県では、浪江町など5町村を初めとして、いまだに人が住めない状況が続いています。
原発のない北海道は、安全で安心して暮らせる北海道の大前提です。地産地消、地域循環型の再生可能エネルギーを普及していくことで、地域の新たな産業と雇用の創出にもつなげていけます。
この組み替え動議は、道民の暮らしと雇用、産業を応援するものであり、多くの道民の賛同が得られるものであります。
次に、議案についてであります。
議案第33号北海道立道民活動センター条例の一部を改正する条例案外24の議案は、いずれも、道立施設の使用料、手数料等の引き上げであり、道民や中小零細事業者の負担増となることから、反対です。
そのうち、農業大学校の授業料は、今回の引き上げにより、全国一高くなります。高等技術専門学院も全国で3番目に高くなります。教育や人材育成にフルコストの考え方を持ち込むべきではありません。
議案第35号地方公務員法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部改正に伴う関係条例の整理に関する条例案についてです。
この条例案は、道職員の勤務評定を廃止し、人事評価制度を導入することに伴う条例改正案です。能力評価と業績評価の二つの要素による人事評価制度は、公務への成果主義の導入であり、反対です。
議案第37号北海道職員等の分限に関する条例の一部を改正する条例案は、分限などの人事管理に、人事評価制度を反映させるというものであります。これでは道職員を任命権者の言いなりにさせかねません。
憲法がうたう全体の奉仕者として、公正中立な立場に立って、国民の権利と福祉の実現のために、その能力を発揮することが求められている公務員の役割を大きく変質させるおそれがあります。
また、議案第38号北海道職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例案、議案第82号北海道学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案、議案第83号市町村立学校職員給与負担法に規定する学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案、議案第85号北海道地方警察職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案は、勤勉手当の根拠に人事評価制度を用いるという内容が含まれています。これらの条例案は、議案第35号と同様の問題があり、反対です。
議案第39号北海道職員等の定数に関する条例の一部を改正する条例案は、公立学校の教職員定数を定める条例改正です。
道立高校と道立特別支援学校で合わせて209人を削減し、市町村立小中学校も89人減らすものであり、反対です。
少子化の今こそ、少人数学級を進めるとともに、地域から高校をなくさずに、小規模校として生かす方策を検討すべきであると申し添えます。
議案第54号北海道指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例案、議案第55号北海道指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例案は、介護の小規模な通所施設を、道の所管から市町村の所管に移すものです。
移管された市町村の意向とは無関係に事務が移されることから、特に、小規模な自治体にとって、事務量の負担増も懸念されるため、賛成できません。
議案第56号北海道指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例案も、同様の問題があり、賛成できません。
最後に、議案第99号北海道道州制特別区域計画の変更に関する件は、北海道道州制特別区域計画の期間の延長です。
この計画にある道道美唄富良野線と名寄遠別線の総事業費は、計画変更により、2路線を合わせて131億円の増額、道負担金の増額分が26億円と、当初比で約1.8倍にもなっています。
このような無駄と浪費の大型公共事業を継続する本議案に反対であります。
以上で私の討論を終わります。(拍手)