暴風雪による線路下の土砂流出のため今年1月から不通になっている北海道のJR日高線で、今月11、12日の台風17号の高波の影響などで、崩落箇所が増え、範囲も広がっていることが明らかになりました。日本共産党北海道議団は23日、日高町を訪れ、現場の調査を行いました。宮川潤、佐野弘美両道議が現地に入り、菊地日出夫、本宮幹夫、真壁悦夫の各町議が同行しました。
同町豊郷(とよさと)の日高線豊郷-清畠(きよはた)間の線路地盤崩落現場では、11、12日の高波で土砂が高さ3m、幅80mにわたって流出。JR北海道は、さらなる波の侵食によって、レールや枕木が流失しないよう、土砂の流出によって宙づりになっていた線路を約90mにわたって切断しました。
さらに、防波のため海岸に打ち込まれていた鋼矢板(こうやいた・高さ3m)も高波で倒壊し、JRが幅10mにわたって撤去したため、波が流れ込み土砂の崩落が拡大しています。
現場を視察した宮川道議は「明らかに浸食は広がっている。大きな高波を受ければ、国道にも被害が及び、国道が寸断されることも考えられる。放置すれば、さらに深刻な状況になる」と警鐘を鳴らしました。
日高町議会では、9月議会で「JR日高線の早期運転再開を求める意見書」を賛成多数で可決しています。菊地町議は「高齢者は通院で利用しているし、高校生の通学にも影響している。崩落していない区間は早期に運行再開はできるはずだ」と話します。
宮川、佐野両道議は「道議会の代表質問、一般質問で早期の復旧を道に求めてきた。さらに予算特別委員会で、今日の調査をうけて取り上げることにしている」と表明。「地域住民の足を確保する公共交通の役割を果たさせるため、JRに早期の復旧を求め、国、道にも働きかけていく」とのべました。
(15年09月26日付「しんぶん赤旗」北海道・東北のページより)