2007年11月9日 決算特別委員会第1分科会 質疑概要(1)
質問者 日本共産党 真下紀子 議員
1 公安委員会所管の問題
(1)交通安全対策について
○真下紀子委員
道道東川東神楽旭川線では、一昨年、わずか4キロの区間で33件ものスリップ事故が起こりました。道道管理者である道は、道路改良と標識などを設置いたしました。道警の調査で、昨シーズンは、実にこの33件が8件に減少したということになっております。
初めに、事故発生や事故対策について道警の認識を伺います。
○藤井交通規制課長
事故防止対策等についてでありますが、スリップ事故の原因につきましては、気象条件の変化による路面凍結や速度の出し過ぎ等により発生したものと考えております。
道警察といたしまして、路線上にある交通情報板を活用したスリップ事故防止の呼びかけやレッド警戒活動を実施して、現場付近を走行する車両に対し、安全運転の注意喚起を図ったところであります。
また、道路管理者に対しましては、道路パトロールの強化や、路面凍結時における砂、凍結防止剤の散布のほか、現場の道路診断を実施し、路面改良についても要請したところであります。
○真下紀子委員
この区間での事故が続いた中で、お一人の方が命を落とすという犠牲が出てしまったことは大変残念だというふうに悔やまれますけれども、交通事故対策として道路改良や標識などの設置が効果を上げていることに驚きの声が地元から上がっております。
交通情報、道路情報に最も詳しい道警と道路管理者との情報交流や連携を図っていく必要があるのではないかと考えますけれども、いかがでしょうか。
○藤井交通規制課長
道路管理者との連携についてでありますが、例年、全道で600回程度の打合会議等を行っているところであります。
特に、降雪前には、冬型交通事故防止対策会議等を開催しているほか、重大事故等発生時には、事故原因に基づいた合同による道路診断を実施して、冬期間におけるスリップ事故の発生状況やスリップ事故防止対策についての情報交換や協議を行っているところであり、今後とも、道路管理者との連携を一層密にしてまいりたいと考えております。
○真下紀子委員
北海道の道路では、凍上という冬期に起こる道路の変化というものがあって、それが今回の事故が多発したところでは大変大きな原因になっていたようですけれども、ぜひとも、こういった情報も含めて、皆さんの方でも引き続き御努力されるよう、お願い申し上げたいと思います。
次ですが、お年寄りの事故も多くなっていることが問題になっていますけれども、そのほかに、自転車を巻き込んだ事故が多いとも聞いております。日没も早まる中で、自転車走行時に点灯していないために非常に危険な場面に遭遇することを経験している方もたくさんいらっしゃると思いますけれども、私は、自転車走行時に点灯する啓発に力を入れていただきたいと考えるところですけれども、いかがでしょうか。
○新谷交通安全教育課長
自転車のライト点灯についてでございますが、道警察といたしましては、現在、関係機関・団体と連携して取り組んでおりますサイクル・セーフティーキャンペーンなどを通じ、自転車利用者に対し、ライト点灯を励行するよう、各種啓発活動を実施しているところでございます。
○真下紀子委員
この点では、道警の取り組みがテレビや新聞でも報道されたようですけれども、ぜひとも啓蒙活動に励んでいただきたいと思います。
(2)監査委員の指摘について
○真下紀子委員
平成18年度の監査委員の定期監査において、道警の各部署の会計処理でさまざまな問題があることが判明いたしました。
まず、指摘事項は何点あって、主なものはどのようなものであったのか、伺います。
○安部総務部参事官兼会計課長
平成18年度の監査委員の指摘事項についてでありますが、平成18年度の監査委員の監査における監査結果の指摘事項は10件となっておりますが、その主なものといたしまして、庁舎の設備点検等の業務委託において、年度前に契約事務を行っていたもの、庁舎機器点検業務委託の積算において、予定価格が割高な算定となったもの、運転免許試験場の除雪業務において、閉庁日も含めた除雪作業員を配置した契約であるとの指摘を受けたものでございます。
○真下紀子委員
答弁の最後にあった、運転免許試験場の除雪業務について伺います。
この運転免許試験場の敷地除雪業務の委託契約で、業務に必要なトラクターショベルと特殊車両運転手を常時配置するとしておりましたけれども、除雪する必要のない閉庁時にも作業員を配置することとしていたために、委託料を多く払っていたことが指摘されております。なぜこのような契約が行われたのか、伺います。
○安部総務部参事官兼会計課長
閉庁日における作業員の配置についてでございますが、運転免許試験場においては、公平かつ厳格な運転免許試験を行わなければならないことから、運転免許試験コースの除雪につきましても、試験コースの白線を明瞭にするとともに、コース周辺の環境保持のための除雪が不可欠となっており、閉庁日であっても、多量の降雪があった場合には除雪を行い、運転免許試験に支障を来さないように作業員を常駐させる必要があるとして、このような契約を行っていたものでございます。
○真下紀子委員
しかしながら、道の厳しい財政状況を考えるまでもなく、道民の税金の適切ではないような使用は許されないわけです。監査委員の指摘どおりに、委託料は不経済な支出ではなかったかと思いますので、今後改める必要があると思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
○安部総務部参事官兼会計課長
委託契約の改善についてでございますが、運転免許試験場の除雪業務につきましては、それぞれの降雪量や積雪の状況などの気象条件、その地方の除雪体制、除雪業者の実態などを考慮し、業務内容を十分検討の上、運転免許試験に支障を来さないよう、適切な契約事務に努めてまいります。
○真下紀子委員
こういった契約が道内1カ所だけではなくて、ほかのところでも同様に行われているという指摘を受けてはならないわけです。
なぜなら、函館、旭川の二つの方面本部で起こったわけですから、こういうことがほかの方面本部でも行われていなかったのかどうか、確認だけさせてください。
○安部総務部参事官兼会計課長
他の方面本部における委託契約についてでございますが、道内には六つの運転免許試験場がございまして、函館、旭川を除く4運転免許試験場においては、閉庁日における作業員の配置は行ってございません。
各運転免許試験場の除雪業務につきましては、それぞれの降雪量、それから積雪の状況などの気象条件、その他、地方の除雪体制、除雪業者の実態などによって異なることから、これらの条件を勘案し、各方面本部において契約を行っているところでございます。
○真下紀子委員
いずれにしても、不経済な支出を改めていく方向でぜひ御努力をお願いいたします。
(3)捜査用報償費の執行について
○真下紀子委員
道警中央警察署の捜査用報償費の執行において、捜査協力者に協力謝礼として現金を交付した際に、領収書に氏名だけを記入させて、あて名、金額、日時、住所などを捜査員が記入するという不適切な事務が行われていたことが今回も判明いたしました。なぜこのようなことになっていたのか、伺います。
○安部総務部参事官兼会計課長
捜査用報償費の執行についてでございますが、捜査協力者に現金を交付し、領収書の記載を依頼しましたところ、捜査協力者からの申し入れにより、捜査員が、領収書のあて名、金額、それから月日及び協力者の住所を記載し、捜査協力者が署名し、押印したものでございます。
このような場合には、支払い報告書を作成し、その事実を明らかにすべきところでありましたけれども、本件につきましては、これを作成していなかったものでございます。
なお、支払い事実につきましては、監査において、直接、幹部職員や捜査員本人から聞き取りが行われ、確認されているところでございます。
○真下紀子委員
今の御答弁では、本来の手続を踏まずに行われていたということをお認めになったのだと思いますけれども、いまだにこのようなことが行われていることに驚きを禁じ得ません。さきの道警裏金問題の反省はどこに行ったのかというふうに思いますが、この点はいかがでしょうか。
○安部総務部参事官兼会計課長
捜査用報償費の執行についてでございますが、さきにお答えいたしましたとおり、監査において、直接、幹部職員や捜査員本人からの聞き取りが行われ、支払い事実が確認されているところでございます。
捜査用報償費の執行に関しましては、あらゆる機会をとらえ、今後も、指導・教養を徹底し、適正な事務手続に努めてまいる所存でございます。
○真下紀子委員
今の答弁では、幹部職員や捜査員本人から確認したので問題がないかのように聞こえたのですけれども、やはり、それではちょっと認識が違うのではないか。道警裏金問題の反省の意思というのは伝わってこないと思います。
監査委員は、捜査協力者には直接確認できないわけですよね。そこに直接携わっているのは道警なわけです。道警がこのような不適切な対応を繰り返していては、道民からの信頼が崩れていってしまうと思います。せっかくの反省は何だったのかということになってしまうと思います。たとえ1枚であったとしても、不適切だったということをきちっと認めた上で、再発防止をするということが大事ではないかと思いますけれども、改めて伺います。
○安部総務部参事官兼会計課長
支払い報告書の作成の部分について、支払い報告書を作成すべきところでありましたけれども、それを作成していなかったことについては、今後も、指導・教養を徹底しまして、適正な事務手続に努めてまいりたいというふうに考えております。
○真下紀子委員
適切ではなかったということで、これからは改善していくということだったと思いますけれども、せっかく現場の職員の方たちが努力されていることが無にならないように、信頼回復にこれからもぜひ努めていただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。
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[日本共産党道議団編集]
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