宮川じゅん – 平成28年第1回定例会本会議 2月26日

宮川潤君(登壇・拍手)

私は、日本共産党を代表して、議案第102号一般会計補正予算案について質疑をいたします。

戦争法、すなわち安保関連法、TPP、消費税増税、人口減少による社会基盤の崩壊など、道民の不安の高まりと貧困化が進行する中、北海道こそ暮らしを守る大きな役割を発揮すべきという声が大きくなっております。道民生活をしっかりと守る補正予算でなくてはなりません。
その観点から、順次質問を行います。
初めに、TPP関連予算に関し、補正予算への具体化等についてです。

道は、今月17日、TPPによる本道の農林水産物の生産減少額を402億円ないし598億円とする試算を示しました。
政府の基準をそのまま適用し、これまでの積み上げによる影響額の10分の1となったことについて、過小評価ではないかと、疑問と批判の声が上がっています。
知事は、TPPに関する道から国への要望が、TPP関連政策大綱や、今回の国の補正予算におおむね盛り込まれたと述べています。
道が要望した、再生産可能となる対策を恒久化するための安定的な財源や、地域の産業が持続的に発展していけるための対策とは、今回の補正予算にどのように具体化されているのか、伺います。
また、その効果はどのように発揮されると見込んでいるのか、あわせて伺います。

次に、道民意見の反映等についてです。JA北海道の飛田会長は、安い米が輸入されれば、米の単価も必ず下がる、関連するほかの産業にどう波及するのかも一切盛り込まれていないと指摘しています。
知事は、17日、TPPの影響額試算で米の減少額をゼロとしたことを、妥当か判断できないと述べ、必要なら、国に対して追加対策を求める考えを示したと報じられています。
それまで、再生産可能となる対策が盛り込まれたと言ってきましたが、認識の不十分さをみずから認めた発言と言えるのではないでしょうか。

農林水産業関係者を初め、道民の声をよく聞いて、道内への影響について再検討すべきではないか、見解を伺います。
次に、知事の認識についてです。知的財産、医薬品、地方公営事業、医療や金融、共済、ISDS等に関して、特段の影響はないものと、楽観的な見通しを持たれているようです。
知事は、こうしたTPP全体の道内への影響についてどう認識されているのか、伺います。
次に、地方創生加速化交付金に関し、まず、新規就農者の見通しについてです。
酪農王国・北海道の次世代酪農モデル構築事業の重要業績評価指標 ―KPIとして、酪農分野での新規就農者は、2020年まで、毎年、40人にとどまっています。1995年の酪農家は1万1900戸、2015年は6680戸と、1年当たり261戸も減少しており、焼け石に水です。
また、2020年度における道内の農業全体の新規就農者数については、770人と併記されています。40人と770人の整合性、及び、770人の実現可能性について御答弁願います。
次に、民間企業の農業への参入についてです。
新たな担い手確保・経営体質強化対策事業では、民間企業の農業参入を促進するとしていますが、営利企業は、もうからなければ撤退します。全道各地で数十件も撤退している例があると聞き及んでいます。
これまでの企業の参入及び撤退の状況はどうなっているのか、明らかにしてください。
本道農業の発展のためには、家族経営を主体としつつ、法人化や企業の農業参入など、多様な担い手の育成確保が大事だとされています。
家族農業を柱とし、多様な農業の経営体を支援していくことが重要と考えますが、いかがですか。
次に、新幹線関連予算の波及効果についてです。
地方創生交付金の9億1000万円のうち、3億3000万円が新幹線関連経費となっています。新幹線の国内誘客プロモーションに2億円などとしていますが、新幹線の経済効果を全道にどのように波及させていくのか、伺います。

安全で安心な地方交通を初め、高齢者も障がい者も住み続けることができる生活環境を整えるためにこそ、地方創生交付金が活用されるべきと考えますが、見解を伺います。
次に、保健・福祉関連予算に関し、まず、低所得者と子育て世帯への給付金の減額、廃止の影響についてです。

65歳以上の住民税非課税者を対象とし、1人当たり3万円が支給される年金生活者等支援臨時福祉給付金が来年度に限って支給されます。その一方で、低所得者向けの臨時福祉給付金は、6000円から3000円に減額されます。また、子育て世帯を対象とした特例給付金は廃止されます。

政令市、中核市を含め、道内における廃止、減額の影響を受ける人数と影響額を伺います。
次に、特例給付金、臨時福祉給付金の延長についてです。
子どもの貧困対策が緊急の課題となっている中で、特例給付金及び臨時福祉給付金を廃止、減額するのではなく、延長を求めるべきと考えますが、いかがですか。
次に、介護福祉士等修学資金貸付事業の資金ショート問題についてです。
国は、2009年度からの3年分として20億5000万円を道に交付し、毎年、300人ないし500人が貸し付けを受けました。しかし、4年目には交付せず、資金繰りに窮したため、貸し出し人数を185人、144人、86人と絞り込み、今年度はついに事業停止に追い込まれたのです。介護離職ゼロとは正反対の実態です。修学資金が借りられない影響について、道はどのように把握しているのか、伺います。
次に、道の説明責任等についてです。

今年度、修学資金の借り入れを希望しながら、借りられなかった学生らにどのように説明し、対応したのか、道として、今年度の貸し付けの原資を用意すべきだったとは考えないのか、あわせて伺います。
次に、同貸付事業費の増額についてです。

今回、国は、5年分として7億3000万円を交付しましたが、これでは、わずか、年間100人分にしかなりません。希望者がふえれば、1人当たりの貸付額を減らすのではなく、原資を十分に確保すべきと考えますが、いかがですか。
最後に、サケ・マス流し網漁対策についてです。
ロシア200海里水域におけるサケ・マス流し網漁禁止に伴う対策費53億円が、地元の要望に基づき計上されました。漁法も漁場も、これまでと大きく転換されることとなります。
今回の対策の推移を見て、今後も適宜適切に対策を実施していく必要があると考えますが、所見を伺います。
以上で私の質問の全てを終わります。(拍手)

 

○議長遠藤連君 知事高橋はるみ君。
○知事高橋はるみ君(登壇)宮川議員の御質問にお答えをいたします。

最初に、TPPに関し、まず、TPP関連予算への要望等についてでありますが、道や農業団体等が、これまで、国に対し要請してきた経営安定対策や体質強化対策など、再生産可能となる対策を恒久化するための法制化や、対策に必要な財源の基金等による安定確保などをおおむね盛り込んだ総合的なTPP関連政策大綱に基づき、国のTPP関連予算が措置されたところであります。
道といたしましても、昨年11月と本年2月の影響中間取りまとめを踏まえ、こうした国の施策を十分に活用しながら、平成27年度補正予算案及び28年度当初予算案において、TPP関連予算を計上したところであります。
さきに成立した国の平成27年度補正予算において、農業・農村整備など、地域から強く要望が寄せられていた事業について、北海道へ重点的に予算配分が行われたことなどから、生産基盤の整備等による生産性の向上が図られるほか、多様な担い手の育成及び確保策や6次産業化の推進などにより、本道の農林水産業の生産力、競争力の一層の強化が進むものと考えております。
次に、道民意見の反映等についてでありますが、道では、TPP協定の大筋合意を受け、市町村や農業団体を初め、地域の意見をお聞きしながら、昨年11月に、農林水産業や商工業など、ルール分野等を含めた道内への影響中間取りまとめを行ったところであります。
また、昨年12月、国のTPP協定の経済効果分析結果の公表後、農林漁業者や地域の方々の不安や懸念、影響額試算を求める声などを踏まえ、今般、農林水産物の生産額への影響試算を行ったところであります。
道といたしましては、TPP協定の影響が相当な長期に及び、今後、新たな状況変化等が生ずることも考えられますことから、関係団体とも連携を図り、道内への影響について、継続的な把握や分析を行うなど、適切に対応してまいる考えであります。
次に、道内への影響についてでありますが、TPP協定の大筋合意を受け、昨年11月、農林水産業の分野での影響とあわせ、保険・医療制度や、食の安全、安心など、ルール分野においても中間取りまとめを行い、日本の制度変更が必要となる合意内容は設けられていないことなどから、特段の影響はないものとし、今般、農林水産業の生産額についての影響試算を取りまとめたところであります。
TPP協定は、長期にわたる取り組みでありますことから、関係団体とも連携を図りながら、その影響について、継続的に把握するとともに、必要に応じ、国に対し丁寧な説明を求めていくなど、適切に対処してまいります。
次に、地方創生加速化交付金に関し、まず、新規就農者の確保についてでありますが、道内の農家子弟を含めた新規就農者数は、近年、600人から700人で推移する中、道では、本年度中に策定する農業経営基盤強化促進基本方針において、本道農業の持続的な発展に必要な目標として、新規就農者数を毎年770人と設定することとしているところであります。
この目標達成に向けては、多様な担い手を道内外から広く受け入れていくことが重要であり、道といたしましては、農業担い手育成センターによる就農相談や、農業大学校における実践的な研修教育、地域の受け入れ体制づくりに対する支援などを行うこととしております。
このような中で、農外から酪農への新規参入者については、新たに実施しようとする酪農モデル構築事業の活用などにより、毎年40人を確保するとの考えのもと、本事業の評価指標を設定したところであり、今後とも、関係機関・団体との連携を強化しながら、新規就農者の確保に一層取り組んでまいる考えであります。
次に、民間企業の農業への参入についてでありますが、道内で農業生産法人及びリース方式により、民間企業が農業に参入した件数は、過去5年間で176件で、一方、この間、撤退、休止等に至ったものは44件となっております。
本道農業は、専業的な家族経営が大宗を占めており、道といたしましては、コントラクターなどの営農支援組織も活用しながら、家族経営が安定的に営まれることを基本に、法人化や企業と連携した6次産業化などに取り組む経営体も含め、多様な担い手が将来にわたり地域の農業を支えていくことができるよう、力を尽くしてまいります。
次に、新幹線関連予算の波及効果などについてでありますが、北海道新幹線の開業は、地域の活性化にとってまたとない好機であり、首都圏や東北地域において、全道各地の食や観光の情報を積極的に発信するなど、本道への誘客を促進するとともに、新幹線で来られた方々が、道内の各地に円滑に移動できるバスや航空機などの2次交通の整備を、官民が連携を図りながら進めることにより、開業効果が全道各地に波及するよう取り組んでまいる考えであります。
また、子育て中の女性が安心して働くことができる就業環境の整備や、若者の地元定着に向けたワーク・ライフ・バランスの推進などの施策も盛り込んでおり、当初予算とあわせて、政策間の連携を図りながら、市町村と一体となって、誰もが安心して暮らせる地域づくりを進めてまいる考えであります。
次に、保健・福祉関連予算に関し、臨時福祉給付金などについてでありますが、昨年10月末時点における臨時福祉給付金の道内の支給決定者数は約78万1000人、実績額は約46億9000万円となっているところであり、同じく、子育て世帯臨時特例給付金では約55万6000人で約16億7000万円となっております。
次に、子育て世帯臨時特例給付金などについてでありますが、国においては、子育て世帯臨時特例給付金は、消費税率の引き上げに伴う子育て世帯の負担軽減のため、臨時特例的な措置として、平成26年度、27年度限りのものとするほか、臨時福祉給付金は、税制抜本改革法において、軽減税率等の低所得者対策が実施されるまでの間の暫定的、臨時的な措置として実施されたものと承知をいたしております。
道といたしましては、貧困世帯に限らず、子育て支援が緊急の課題となっておりますことから、これまで、子育て世帯の経済的負担軽減に必要な財源の確保や、周産期医療体制の構築に向けた取り組みなどを講ずるよう、国に要望してきているところであり、引き続き、子育て支援の充実に努めてまいる考えであります。
次に、介護福祉士等修学資金貸付事業についてでありますが、この制度は、若い世代の福祉・介護分野への就労の促進や、定員割れが続く介護福祉士等養成施設の経営改善の観点から、国が貸付金の原資を全額負担して、平成21年度から実施してきたものであります。
国では、この制度創設に当たり、3年分に相当する規模の原資を都道府県に交付し、道では、貸付原資を考慮しつつ、昨年度まで新規貸し付けを実施しながら、この制度の継続を国に要望してきたところでありますが、追加措置がなされなかったことから、本年度、新規貸し付けを一時中止したところであります。
道では、介護福祉士養成施設等の関係機関・団体とも協議し、事業の継続、拡充のための方策について検討するとともに、介護福祉士を目指す方々の修学における影響を最小限にとどめるよう、対応を図ったところであります。
次に、介護福祉士等修学資金に係る対応についてでありますが、本年度の新規貸し付けの中止については、介護福祉士養成施設等の関係機関の協力をいただきながら、生活福祉資金や母子、父子、寡婦福祉資金など、他の貸付金の活用等を含め、介護職を目指す方々に御説明してきたところであります。
こうした中、道では、介護人材の不足が一層深刻化する中で、本事業の必要性に鑑み、関係機関等との協議や、これまでの検討を踏まえ、他県とも連携して、貸付制度の充実強化を国に強く働きかけてきたところであり、このたび、補正予算が成立したことから、道においても、関連予算を計上し、速やかに取り組むこととしたところであります。
次に、介護人材の確保についてでありますが、今後、雇用情勢の変化などに伴う介護人材不足に対応して、若い方々のみならず、多様な人材の参入の促進を図るなど、安定した人材を確保する必要があることから、道では、これまでも、潜在的有資格者等の介護事業所への派遣や、離職防止等に取り組む事業所への労働環境など処遇改善の相談支援を行ってきているところであり、来年度は、新たに、介護未経験者に対する研修支援の実施や、介護職への復職を支援する制度を創設するなど、幅広い施策を展開し、介護人材の確保に努めてまいる考えであります。
このたび提案させていただいた補正予算においては、こうした観点から、修学資金を必要とする若年層の人数を積算し、国の配分額も踏まえ、貸付人員を、毎年100人、5カ年間で500人としているところであります。
最後に、サケ・マス流し網漁業禁止への対策についてでありますが、道では、漁業対策、関連産業対策、雇用対策及び地域振興対策の四つの柱から成る対策を国に要請し、その結果、平成27年度補正予算と28年度当初予算を合わせて、総額で161億円の国費予算が措置されたところであり、道といたしましては、約53億円の補正予算案を今定例会に提出させていただいたところであります。
道では、この対策を早期にかつ着実に実施するとともに、流し網から転換するサバ棒受け網など新たな漁業や、ホタテガイなどの栽培漁業の経営が安定するまでには一定期間を要することから、今後とも、関係機関と連携しながら、対策の進捗状況に応じた対応を行うなど、道東地域の漁業者が安定した漁業を営むことができるよう取り組んでまいる考えであります。
以上であります。

226宮川潤議員本会議質疑

佐野弘美 – 平成28年第1回定例会本会議 2月26日 冒頭補正反対討論

29番佐野弘美君(登壇・拍手)(発言する者あり)日本共産党を代表して、議案第102号に対し、反対の立場から討論を行います。

226佐野議員本会議反対討論

反対理由の第1は、TPPの批准を前提とした予算が計上されていることです。

TPP大筋合意の詳細は、いまだに明らかにされていません。国会決議に反し、重要5品目の3割で関税を撤廃し、農林水産物全体の撤廃率は8割を超えるという、史上最大の自由化をしながら、国は、自給率を維持できる、農業生産も減らさないという、安直な試算を示し、道も、国の基準をそのまま適用して、道内の影響額を402億円から598億円とする試算を示しました。
北海道の現状を踏まえておらず、農業関係者を初め、道民から、過小評価との批判の声が上がるのは当然です。
本補正予算のうち、TPP関連予算は556億円に上ります。そのうち、9割以上の512億円が公共事業費です。
農畜産業の競争力の向上に必要な生産基盤の整備として487億円が計上され、農業経営の一層の大規模化が目指されています。
規模拡大一辺倒では、道自身が目指すとしている、家族経営を主体としつつ、法人化や企業の農業参入など多様な担い手の育成確保にも逆行すると、強く指摘しておきます。

第2に、農業の競争力の向上、規模拡大と一体に、地方創生加速化交付金を活用し、農業への民間企業の参入を促進する、新たな担い手確保・経営体質強化対策事業費が盛り込まれていることです。

我が会派の同僚議員の質問で、これまで、農業分野に参入してきた民間企業のうち、44件が撤退していることが明らかになりました。
もうからなければ撤退するのは、企業原理として当然ですが、農業は、それでは務まりません。
4月からは、農業に参入する民間企業の要件が緩和され、役員のうち、農業に従事する者は1人だけでも可能となりますが、企業の参入と撤退が一層激しくなり、農地、農村の荒廃にもつながり、賛成できません。
家族農業を柱とし、農業者による法人化など、多様な農業の経営体の支援こそ強化すべきであることを申し添えます。

第3に、介護福祉士等修学資金貸付事業が、介護分野の人材確保の趣旨からかけ離れていることです。

国が原資を積まなかったことにより、今年度は、希望者が借りられず、道は、生活福祉資金や母子寡婦福祉資金を紹介したとしていますが、借りた人は、わずか8人にとどまっています。こうした事態を生んだ国と道の責任は極めて重いものと言わざるを得ません。
道の説明によると、補正計上された100人分とは、道内の養成学校入学者数に子どもの貧困率の16.3%で積算したと言いますが、そもそも、本事業は、介護人材確保のための貸付事業であって、子どもの貧困率を根拠とすることは、人材育成と貧困対策を混同しているものであり、見当違いも甚だしいものです。
大学生の53%が奨学金を借りていることに照らしても、子どもの貧困率の16.3%を根拠に貸付対象数を計算することは、余りに不十分です。
修学資金を必要としている学生が借りることができる原資を確保し、介護人材の不足を解消するために、一層の財政措置を国及び道に強く求めるものです。
さきに述べましたTPPの影響に懸念を持たれている全ての道議会議員の皆さんに反対の趣旨を御理解いただき、各位の御賛同をお願い申し上げ、反対討論といたします。(拍手)

道立学校の司書教諭・学校司書の配置状況について質問 – 佐野弘美

2016年2月2・3両日は、常任委員会&特別委員会が行われました。

文教委員会所属の佐野弘美議員は、道立学校の司書教諭・学校司書の配置状況について質問しました。
佐野議員は、道立高校で「専ら学校図書館業務を担う職員」はゼロであることを告発。「全国平均では66.5%・3校のうち2校は配置されているのに、北海道はあまりにも配置が遅れている」とただし、道教委が直接責任を負う道立学校の図書館の位置付けを高め、より活用しやすい図書館にしていくための抜本的な対策を求めました。

杉本学校教育監は「今後においては、学校図書館の環境の充実と指導・助言に努めてまいる」と答弁しました。

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