北海道立江差高等看護学院に関する緊急要請
北海道知事
鈴 木 直 道 様
日本共産党北海道議会議員団
団 長 真 下 紀 子
北海道立江差高等看護学院の学生と保護者から、「複数の教師によるパワーハラスメントで留年や休学、退学に追い込まれた」と道に対して訴えがあり、実際に、留年や休学、退学を余儀なくされる事態が発生している。知事は4月9日の記者会見で、他の高等看護学院よりも退学率が高いことを認めた。
こうした訴えは、昨年9月の時点で、道が把握していたにもかかわらず、担当課である医務薬務課が学生及び教員への聞き取りを実施したのは、今年3月17日になってからのことである。極めて対応が遅いと言わざるを得ない。以前から学生や保護者より複数の教員からパワハラを受けているとの相談があり、新学期を迎えてもなお解決に至っていないことによる学生への影響は甚大であり、道は重く受けとめるべきである。
また、4月7日に開催された道による学生と保護者に向けた説明会で、パワーハラスメントの訴えに対して、道から誠意ある対応がなかったことを理由に「江差高等看護学院の正常化を求める父母の会」の保護者から、抗議と教育現場の正常化・信頼回復を求める文書が知事に提出された。道は、当事者の声を重く受け止め、一刻も早い解決にむけ、誠意ある対応を行うべきである。
いま何よりも求められるのは、パワハラの実態解明と背景にある問題を洗い出すことと同時に、コロナ禍の厳しい医療環境の中において、看護師を志して入学・進学を果たした学生の思いを受け止め、この問題によって看護師への道を諦める学生を一人も生み出さないことである。
道立の教育・養成課程においてこのような事態が容認されるということになれば、その影響は計り知れない。事の重大性をしっかりと受け止め、早急に対応するよう、以下、緊急に要請する。
記
- 学生、保護者らが訴えている複数の教師によるパワーハラスメントの実態解明を早期早急に行うこと。第三者委員会の設置など客観的調査と原因の解明を行うこと。調査結果に基づきパワハラ事実の認定と、関係教員には厳正に対処すること
- これまで問題を長期化させた道の責任を重く受け止め、問題の検証と再発防止策を早期に示すこと
- 学生が安心して引き続き学院で学ぶためにも、パワハラを行ったとされる教職員は学生と関わる授業等から外すこと。パワハラ疑惑がもたれている副学院長が教員の指導育成にあたるということは到底容認できない。早急に是正すること
- 留年や休学をしている学生を救済する方策を早急に講じること
以 上