2007年11月8日 決算特別委員会 質疑概要(1)
質問者 日本共産党 真下紀子 議員
1 企業局所管の問題について
(1)工業用水道事業について
○真下紀子委員
企業会計決算のうち、工業用水道事業について質問してまいります。
私たち日本共産党は、ダム建設と一体となった過大な事業という指摘を行ってきましたし、反対の声も上げてきました。そういう中で、道財政の大きな足かせとなってきたのが工業用水道事業ではなかったかという認識でおります。
そういった中で、平成18年度――2006年度末に、苫東工水、石狩工水の経営健全化対策によって、一般会計からの長期借入金の大部分が返済をされ、石狩工水の収支不足などによって33億円は残っているものの、未稼働資産等整理債という形で、新たな起債、つまり借金で借りかえられたものではないかというふうに思っています。
工業用水道事業の健全化対策が道財政に与える影響について、また、経営健全化計画における一般会計の負担についてどう考えているのか、伺いたいと思います。
○須藤工業用水道課長
工業用水道事業と道財政との関連についてでございますが、工業用水道事業の建設費の財源は、国庫補助金、起債、受益者負担金等を基本として、料金の適正化等も図りながら、室蘭、苫1、苫2の各工水におきましては健全な経営を続けてきているところでございます。
しかしながら、苫東工水及び石狩工水につきましては、平成11年度の営業開始から、企業誘致のおくれ等によりまして、工水需要が伸び悩み、多額の収支不足が生じることとなったところでございます。
こうした建設改良費や営業資金不足に係る収支不足につきましては、これまで、一般会計からの長期借入金により解消を図ってきたところでございますが、抜本的な経営健全化を図るため、経営健全化計画を策定しまして、平成18年度末に、苫東工水の二風谷ダムの使用権及び石狩工水の過大となりました資産につきまして、未稼働資産として整理をしたところでございます。
この経営健全化対策によりまして、苫東工水では、未稼働資産等整理債への借りかえに伴う支払い利息の軽減や、二風谷ダムの維持管理費が削減されるほか、石狩工水におきましても、同様に、支払い利息の軽減や減価償却費の削減、ダム建設費負担金の減額など、工水会計の負担軽減が図られるものでございます。
なお、健全化計画期間におきましては、毎年度、未稼働資産等整理債の元利償還金等のうち、苫東工水につきましては約16億円、石狩工水につきましては約5億円につきまして、国及び一般会計からの支援を受けながら、償還をしていくこととしているところでございます。
○真下紀子委員
未稼働資産等整理債ということで、経営健全化に向けて一歩を踏み出したということですけれども、そもそも、その前の計画自体が大変なバブリーなものだったのだということは言わずもがなと思います。
そういう中で、経営健全化計画が、こうした多額の税負担を前提として、国と道から毎年21億円ですか、この支援がずっと続くわけですよね。私は、やっぱり、経営健全化計画が抜本的なものであるとおっしゃいましたけれども、抜本的な経営健全化計画の名前に本当に値するのだろうかと。こういった負担を国と道におんぶにだっこのような形で続ける計画だということは指摘せざるを得ないと思います。
こうした税金を多額に投じるということを前提としてスタートしていますけれども、これがまた、すぐにとんざするようなことになっては大変困るわけです。計画と実績に既に乖離が生じていないのかどうか、また、今後生じることはないのかどうかを伺っておきます。
○須藤工業用水道課長
健全化計画の実施状況についてでございますが、石狩工水の契約水量につきましては、平成19年11月1日現在、2879トンとなっておりまして、既に本年度の契約水量の目標は達しているところでございます。
また、苫東地区におきましても、バイオエタノール関連企業の進出に伴いまして、約1万トンの工水需要が新たに見込まれるところでございまして、計画どおりの受水が実現しますと、契約水量が2万7000トンということで、当面の健全化計画内における計画水量に達することとなります。
ということで、両工水とも、今のところ、計画と実績に大きな乖離は生じていないというふうに考えているところでございます。
なお、経営健全化計画の実施状況につきましては、毎年度、国への報告が義務づけられておりまして、計画と実績に基づく収支計画の見直し等につきましても国と協議することになっているところでございます。
今後とも、健全化計画達成に向けまして、需要拡大に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○真下紀子委員
経営健全化計画で今のところ乖離はないと。
計画内の平成25年度に工水事業全体としての単年度収支の黒字を目指しているということになっていますけれども、そのめどは立っているのかどうか、伺います。
○須藤工業用水道課長
収支見通しについてでございますが、経営健全化計画におきましては、事業規模の適正化等によりまして、未稼働資産を整理し、国及び一般会計の支援を受けながら、経費の節減、需要の開拓、料金の適正化等を行って健全化を図っていくということにしているところでございます。
苫東工水につきましては、二風谷ダムの使用権等につきまして、また、石狩工水につきましては、給水量を3万5000トンから1万2000トンに見直して、過大となりました資産につきまして、本年3月、未稼働資産ということで整理をしたことによりまして、今後の企業債償還費や減価償却費などの節減を図ったところでございます。
また、企業誘致担当部の経済部及び石狩開発株式会社を構成員として加えました需要開拓促進委員会におきましても官民一体となった需要開拓を進め、先ほども申し上げましたとおり、両工水とも当面の目標を達成する見込みでございまして、さらに、本年4月に石狩工水の料金改定を行うなど、経営健全化計画の着実な推進に努めているところでございます。
今後とも、こうした取り組みをさらに進め、健全化計画期間内での工水会計の単年度収支黒字の達成に向け努力してまいる所存でございます。
○真下紀子委員
石狩工水について、給水量が1万2000トンへ減らされたということですけれども、私たちは、これはまだ過大であるという指摘をしておりました。
先ほど、総務省の方に、毎年、計画の実施状況を報告するということでしたので、計画との乖離が大きくなる前に柔軟に見直しが行われるという認識でよろしいでしょうか。
○須藤工業用水道課長
今後とも、十分協議して、計画の達成に向けて努力してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○真下紀子委員
違うけれども……。
柔軟に見直しをしていくということでいいのだと思いますけれども、ちょっと、答弁がそのようになっていませんけれども、そういうふうに認識をさせていただきます。
○須藤工業用水道課長
はい、ありがとうございます。
○真下紀子委員
それで、今後の見通しについてなのですけれども、苫東、石狩工水の経営再建は、北海道の厳しい経済状況や、これまでの実績を考えますと、本当に可能なのかは疑わしいーー疑り深いと思われては困るのですけれども、疑わしいと考えているところであります。
企業局のトップである公営企業管理者においては、この経営健全化計画の今後の見通しについてどのようにお考えか、伺っておきます。
○青木公営企業管理者
今後の見通しについてでございますが、先ほども御答弁申し上げておりますが、経営健全化計画に基づき、未稼働資産の整理を本年3月に実施したことによりまして、今後、企業債償還費や減価償却費などが大幅に軽減され、工水会計の経営健全化に大きく寄与するものと考えているところでございます。
近年の道内の景気の状況のもとでは、短期間に大幅な新規需要の開拓や使用水量の増加を図ることはなかなか難しい面もあるところではございますが、本年度に入りまして苫東地区にバイオエタノール関連企業の新規立地が決まりまして、既に工場建設に向けて準備が着々と進められているところでございます。
バイオエタノール工場が本格的に稼働することになれば、日量約1万トンの工水需要が新たに見込まれ、これは工水供給能力の1割に及びますので、工水事業の経営健全化を進める上で大きな助けになるものと考えております。
また、石狩工水におきましても、経済部や石狩開発株式会社の協力、さらには、地元・石狩市、小樽市等の協力もいただきながら取り組んできました新規需要の開拓によりまして、本年度の目標を達成することができました。
今後とも、企業局職員が一丸となりまして、石狩工水はもとより、苫小牧地域におきましては苫東地域を重点に、新規需要の開拓に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
また、現在、安定的な供給がなされている室蘭工水を含めまして、工業用水道事業会計全体にわたって一層の経費の節減に取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
また、委員が御指摘のとおり、時々の情勢の変化に応じまして、道の関係部、国等、関係機関とも協議しながら、柔軟な対応をしていきたいというふうに考えておりまして、今後、経営健全化計画の着実な推進に努めていきたいと考えております。
○真下紀子委員
公営企業管理者の方から、先ほどの質問にもあわせて御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
市場の動向によって工水事業も大変左右されるのだと思いますけれども、皆さんが経営改善に努められることが道民の財政負担が軽減される方向にもつながることになりますので、その点では頑張っていただきたいというふうに申し上げまして、次の電気事業会計等についての質問に移ってまいります。
(2)電気事業について
○真下紀子委員
まず、電気事業会計における企業債の残高、利息及び元金償還額について、これまでの過去5年間の推移を含めて伺っておきます。
○佐伯発電課長
企業債の償還状況についてでありますが、道営電気事業における過去5年間の企業債残高、利息及び元金償還額についてでありますが、企業債残高は、平成14年度は184億円、平成15年度は174億5000万円、平成16年度は162億7000万円、平成17年度は151億4000万円、平成18年度は140億円となっており、毎年度、11億円から13億円程度の元金の償還を行っているところでございます。
また、企業債の支払い利息につきましては、平成14年度は11億3000万円、平成15年度は10億9000万円、平成16年度は9億9000万円、平成17年度は9億2000万円、平成18年度は8億3000万円となっており、支払い利息も、徐々にではありますが、毎年少なくなっている状況であります。
○真下紀子委員
企業債の利息についてなのですけれども、調べてみましたところ、電気事業の方の企業債の平均金利が5.6%ということがわかりまして、非常に高いなという印象を持ちました。
最高のものは、いまだに8%のものまであるわけですけれども、現行の市場金利から見ますと、かなりの高金利です。なぜ低利への借りかえを行わないのかということが自然な疑問だと思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○佐伯発電課長
企業債の借りかえについてでありますが、公営企業金融公庫資金においては、高金利な企業債の借りかえについては、資本費負担などが高い事業を対象としておりまして、上水道、工業用水道、地下鉄、下水道事業を対象としております。
なお、電気事業については、経営に必要な営業費用や減価償却費、利息などのほか、利潤を加えた総括原価方式により料金を算定する制度となっており、このことから、基本的に安定した経営が維持できるものとして、借りかえ制度は認められておらず、政府資金についても借りかえ制度が設けられていない状況にあります。
こうしたことから、道営電気事業では、高金利な企業債の支払い利息などにより、発電コストに占める資本費の割合が高く、健全な経営の大きな障害となっているものであります。
○真下紀子委員
本当にそのとおりですよね。
結局、健全経営の大きな障害となるほど高い金利の利息を払い続けなければならない。利息の過払いが行われているのが電気事業ではないか。国の政策によってそういうことになっているというふうに私も認識をしております。これは、やっぱり、借りかえをぜひ実現させるために、道にも頑張っていただきたいということです。
公営企業金融公庫資金については借りかえの対象外ということですけれども、公営企業金融公庫は、国の政策金融改革で平成20年10月に廃止されることになっているというふうに伺っております。その際、新たな組織が立ち上げられますけれども、その新たな組織はどのようなものか、また、これまでの公庫からの借入金がどのように取り扱われ、今後、借り入れる場合はどのようになるのかを伺います。
○宮森総務課長
公営企業金融公庫についてでありますが、ことし5月に成立した地方公営企業等金融機構法では、明年の10月に公営企業金融公庫を解散することとしており、その一切の権利及び義務は、国が承継する資産を除きまして、新たに設立されます地方公営企業等金融機構に承継するということとなっております。
この新機構は、これまでの公庫と同様に、住民生活に不可欠な地方公共団体の事業にとって必要な長期低利の資金を安定的に供給することや、地方公共団体の市場からの資金調達をサポートする等の業務を行うものであります。
また、市場の信認を得て、より低利の資金を安定的に調達するためには、確固たる財務基盤を確立する必要がありますことから、地方自治体が出資することとされております。
次に、公庫廃止後の企業債の取り扱いについてでございますが、これまでの借入金については、新機構は、承継する公庫の貸付債権の回収が終了するまでの間、当該債権の管理及び回収の業務を行うものとしておりまして、その経理については、一般勘定と区分するため、管理勘定を設けることとされておりまして、新機構に引き継がれるものとされています。
今後の借り入れについてでございますけれども、具体的な取り扱いにつきましては、まだ決まっておりませんで、今後、政令により決定されるものと承知しているところであります。
いずれにいたしましても、地方が共同して、主体的、自律的に運営する新たな組織となりますので、企業局といたしましても、設立の趣旨を踏まえして、新組織の安定的な運営、市場の信頼の確保に向けて寄与してまいりたいと考えております。
○真下紀子委員
御答弁にもありましたけれども、新機構では、市場の信認を得て、より低利の資金を安定的に供給するということです。
しかしながら、平成19年度から、電気事業については、民間等資金による資金調達が原則となっていて、市場金利にゆだねていく方向で、公営企業金融公庫等からは借り入れができないわけですけれども、ここに電気事業の方では問題が生じないのかどうかを伺います。
○宮森総務課長
資金調達についてでありますが、まず、これまでの企業局における企業債の調達状況についてでありますが、建設的事業に係る企業債につきましては、これまで、主に財政融資資金及び公営企業金融公庫から資金を調達しているところであり、また、18年度における未稼働資産等整理債などにつきましては、国による経営健全化対策により、民間資金を活用して企業債の発行を行ったものであります。
しかしながら、平成19年度から、国において、電気事業とガス事業については、原則、民間等資金として、公的資金の縮減、重点化を図ったことから、民間金融機関等からの調達となるものであります。
このため、現在の一般会計における発行条件などから、長期にわたる固定金利での借り入れは難しい状況が考えられる反面、短期的には、現状の低金利による調達が望めますほか、運営状況を踏まえた繰り上げ償還などが期待できるものであります。
いずれにいたしましても、施設の新設や大規模改修など建設的事業の財源である企業債につきましては、中長期的かつ計画的な事業運営を踏まえ発行してまいりたいと考えております。
○真下紀子委員
短期的には今の低金利政策で調達がうまくいくかもしれないということですけれども、やはり、長期的に展望しますと、市場の金利変動に左右されていくのではないか、不安定化につながるのではないかということを懸念しております。
私は、4年前の平成15年決算特別委員会で、企業会計についての私の質問に対して御答弁をいただいたのですけれども、高金利の企業債の借りかえ措置が早期に実現できるよう、引き続き国に粘り強く要望する、このように御答弁をいただいておりました。
これまでも、企業局の方は、そのとおりに国に対して高金利企業債への対応を求めてきたというふうに認識をしておりますけれども、これまでの公営企業金融公庫は新組織へ衣がえをして、さらに、電気事業にあっては民間資金の活用が義務づけられていまして、民間資金の活用をしなければならないという新しい状況を踏まえる必要があるというふうに考えております。
これまでの取り組み状況と、今後どのように取り組んでいくのか、新しい状況展開の中でのお考えを伺います。
○大橋企業局長
高金利の企業債の借りかえなど、公債費の負担軽減対策についてでございますが、国においては、平成19年度から平成21年度までの間に、政府資金や公営企業金融公庫資金の繰り上げ償還及び借りかえの措置を講じてきているところでありますが、電気事業につきましては、この対象外となっているところでございます。
これは、国の対策が、公営事業の健全化により最終的な住民負担を避けることを目的としていることから、全国的に堅調な経営状況にある公営電気事業につきましては、公債費の負担軽減対策の対象外としているものと考えられるところでございます。
このような状況のもとにあって、国などに対する要望については、これまでに、全国の公営電気事業者で構成されます公営電気事業経営者会議の協議に参加しまして、同会議から国などの関係機関に要望してきたほか、全国知事会や、全国の公営事業者で構成されます公営企業連絡協議会を通じまして、借りかえ制度について特段の措置を講ずるよう要望してきたところでございます。
今後とも、公営企業連絡協議会や他の公営電気事業者と連携を図りながら要望を行うほか、高金利の企業債の借りかえ措置が早期に実現できますよう、引き続きあらゆる機会を通じまして粘り強く要望してまいりたいと考えております。
○真下紀子委員
現状の電気事業会計は、近年、4億円から5億円の純利益を計上するなど、黒字決算であり、これを生かした事業経営を検討するべきであると私は考えております。
しかし、道は、これまでも道民サービスを次々と切り捨ててきておりまして、さらに道営の電気事業まで民間譲渡するという方向を模索しているようですけれども、なぜ民間譲渡をするのか、伺っておきます。
○佐伯発電課長
民間譲渡についてでありますが、平成17年の決算特別委員会では、「道営電気事業については、電力自由化の流れの中で、その位置づけが変化することを考慮し、民間への移譲を含め、そのあり方について早急に検討を行うべきである。」との意見が付されております。
また、企業局では、昨年の3月に外部有識者による道営電気事業のあり方検討委員会を設置し、道営電気事業のあり方を審議していただいた結果、本年の1月に、当委員会から、これまで道営電気事業は水力発電等の電源開発や電力の安定供給を通じて公共の福祉の増進に寄与してきたことは十分評価すべきと考えるが、将来的に厳しい経営見通しであること、新たな電源開発が経済性の面から難しいことなどから、総合的に検討した結果、道が継続して運営する論拠は弱いと考え、民間譲渡すべきとの提言を受けたところでございます。
このようなことから、現在、民間譲渡について、関係機関との事前打ち合わせや具体的な課題の検討を進めているところでございます。
○真下紀子委員
この電気事業会計には道民の税金を使って資本投資をして、借金も返しながら、電気事業から出た利益はそこに充てられてきていたわけですよね。それが民間に移譲されるということになりましたら、借金だけは道民に押しつけておいて、身を軽くして民間移譲するということが考えられるわけです。道民だけが負担を強いられて、本来であれば、毎年毎年4億円から5億円の利益が上がっているものが、そのまま民間の方には行くけれども、道民には還元されないという状況になるのではないかというふうに思うわけです。
税金が投資をされてきた経過から見ても、民間に安く手放すことは認められないというふうに思います。このことについてはどう認識されているのか、伺います。
○大橋企業局長
民間譲渡についてでございますが、民間譲渡を検討するに当たっては、先生が御指摘の企業債の一括償還なども必要でありますが、老朽化した清水沢、滝の上の発電施設や、旧北炭が残置しました電気機器、鉄塔などの取り扱いを初め、多くの課題の整理や検討が必要でありますほか、河川管理者や利水管理者などの関係機関と十分な協議が必要でありますことから、多くの時間を要する場合もあろうかと考えております。
委員が御指摘のとおり、電気事業については、道民の貴重な財産でありますことから、譲渡に際しては、これらの課題の整理や譲渡条件などについて慎重に検討を進めてまいりたいと考えております。
○真下紀子委員
私は、そもそも、民間譲渡については反対です。先ほどから、民間譲渡をすべきだという質問も続いていますけれども、私は反対です。
公共性、公益性のある道営電気事業を責任を持って引き継ぐことや、小規模の発電、循環可能エネルギーの利用など、道としてもこういう分野で頑張っていただきたいという思いでいるわけです。
こういった中で、公益性、公共性を持った道営電気事業を責任を持って引き継ぐことができる企業が果たしてあるのかどうか、企業局としてはどのような考えを持って取り組もうとしているのか、伺っておきます。
○青木公営企業管理者
民間譲渡についてでございますが、道営電気事業は、道内における電力の総出力のシェアとしては1%程度でございますが、これまでも、道民生活に必要不可欠な電気の安定供給に努めてきているとともに、水力発電の特性でございます二酸化炭素を排出しない再生可能なクリーンエネルギーとして環境保全にも貢献しているものと考えております。
また、発電所の運転に当たりましては、適宜、治水や農業用水等の他の利水者と綿密な調整を行うなど、委員が御指摘のとおり、公共性、公益性の高い事業として実施しているところでございます。
このようなことから、あり方検討委員会の報告書の提言におきましても、譲渡する相手方は、公共性、公益性を有し、水力発電所の運転管理の経験のある信頼できる民間企業とする必要があるとされているところでございます。
今後の民間譲渡に当たりましては、老朽化した清水沢、滝の上の発電施設、旧北炭の残置した電気機器、鉄塔などの取り扱いを初めとする多くの課題の整理や検討が必要であり、また、知事部局はもとより、河川管理者、地元市町村、土地改良区など、関係機関との十分な協議を行う必要があるものと考えております。
今後、あり方検討委員会の提言の趣旨を踏まえ、道営電気事業が果たしてきた役割の継続性や地域経済に配慮した事業運営が可能かどうかなどの検証を行うとともに、手続上の透明性、公平性の確保を図りながら、民間譲渡につきまして、スピードも上げなければなりませんが、諸課題の解決に向けて慎重に検討を進め、関係機関との協議を進めてまいりたいと考えております。
○真下紀子委員
今の御答弁の中にありましたように、北炭が残置した施設が老朽化していると。皆さん、何か民間譲渡が最高のものであるようにおっしゃいますけれども、北炭自体はもともと民間ですよね。そこが残していった施設を道が運用してきているわけです。民間万能ではなくて、民間にはそういうこともあり得るということです。民間に譲渡する際には、そういったことが起きないような、公共性、公益性を担保したものでなければならないということを申し添えて、質問を終わります。
※人名・地名等、コンピュータの機種によって表示できない旧字、異字等は通用字体に改めているものがあります。
[日本共産党道議団編集]
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