消費生活相談が急増支庁相談所 廃止するな党道議団が北海道に申し入れ
日本共産党道議団の大橋晃、花岡ユリ子、真下紀子の各議員は8月3日、道に対し、道の消費生活相談体制について、支庁相談所の廃止などの縮小に反対し、拡充するよう申し入れました。
前田部長(右端)に申し入れる(左から)真下、花岡、大橋の各議員=8月3日、道庁
市町村まかせにしないで
申し入れは、道が2日の道議会の環境生活委員会のなかで、消費生活の相談体制について、石狩支庁以外の13支庁に設置されている相談所を廃止し、札幌市にある道立消費生活センターに一元化する方針を示したことに対するものです。
架空請求やリフォーム詐欺など悪質商法のトラブルが増え、支庁相談所への相談件数は、2000年の1,545件から04年の8,221件へと5倍以上に激増しています。
道の設置する消費生活審議会の7月の答申でも、「支庁相談所の機能強化」「広大な道内の地域事情に十分配慮」するようにいわれています。
花岡議員は、「機能強化を打ち出しながら、縮小は考えられない。複雑な契約書類を見てもらうなどは、支庁相談所がなくなれば難しい」と語りました。
大橋議員は、「問題解決には、電話での相談でも、来てもらうことも必要になる。地方では、札幌まで来られない」と指摘しました。
真下議員は、「すべてを市町村まかせにしてはいけない。被害に遭うのは情報弱者。相談をITで受け付けているからいいとも言えない。多様な受け皿が必要」と強調しました。
前田晃環境生活部長は、「私どもの案に固執するものではない。よりベターな案があれば検討する」と答えました。
北海道の消費生活相談体制の見直しに関する申し入れ
2005年8月3日 日本共産党北海道議会議員団
団長 大橋 晃
北海道知事
高橋はるみ様
北海道はこのほど「道の消費生活相談体制の見直しの方向(案)」を示しました。これによると、13支庁で行っている地域相談所を廃止し、札幌市にある道センターに一元化をはかるというもので、道民サービスの大幅な低下になります。道のセンターは相談員の増員や電子メール相談窓口の開設など一定の措置がとられるものの、指定管理者制度への移行により、いっそうのコスト削減が予定されており、相談体制の後退が心配されます。
北海道の道センターと支庁相談所の消費生活相談件数はここ数年激増を続けており、平成16年度は22,434件で15年度比40.7%増となっています。このうち、支庁で受けている相談件数は8,221件で4年前に比べ5.3倍と全道各地に相談事例が広がっていることがうかがえ、支庁相談所の役割が大きくなっています。いま、消費相談件数の増加、内容の悪質化からいっても道の相談体制の充実が強く求められており、支庁の窓口廃止は道民の期待に反するものです。
市町村との役割分担が必要と言われますが、市町村では職員の兼務を含めて努力を強めているところです。しかしながら、小規模な町村では専門的な知識をもち、相談に即座に対応できる相談員を配置するのは困難な状況にあります。支庁の相談窓口はこうした町村の住民に頼りにされています。
道は北海道消費生活審議会に消費生活相談処理のあり方について諮問し、7月にその答申が示されました。審議会は冒頭から道が支庁窓口の集約を方針としているのではないかが議論になり、それを前提とした審議としないことが道から表明されました。また、審議会の答申には支庁窓口を廃止して道センターへの一元化などどこにも提言されていません。このような審議会の答申や道民の意思をふみにじる今回の案はとうてい容認できません。
日本共産党は、支庁窓口の廃止は撤回し、道の相談体制の拡充のため以下の点を求めるものです。
記
1、支庁の相談所の廃止と道センターへの一元化は絶対行わないこと。
2、道の消費生活相談の相談員と予算を増やすこと。
3、札幌のセンターで土日の相談を実施し、また、支庁の相談日数を増やすこと。
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