2007年12月10日 予算特別委員会 知事総括質疑概要
質問者 日本共産党 真下紀子 議員
行政委員会委員の報酬につい
○真下紀子委員
行政委員会について初めに伺います。
さきの決算特別委員会において、知事は、必要に応じて、行政委員会の実態について、その全体像を把握したいと答弁されておりました。どこまで把握をされたのか、伺います。
仮に、全体把握ができていないとすれば、いつまでに把握をしようとしているのかを明らかにすべきと考えますけれども、いかがでしょうか。
○高橋知事
行政委員会委員の業務内容等についてでありますが、さきの決算特別委員会における、行政委員会委員の報酬についての議論を踏まえ、現在、それぞれの行政委員会に対し、各委員の業務内容や勤務状況について照会を行っているところであります。
現在、把握しております内容は、今定例会の一般質問及び本委員会の分科会においてお答えをしたとおりでありますが、業務内容等の全体状況については、各行政委員会から今月中に報告を受けることとしており、その後、取りまとめを行ってまいりたいと考えております。
○真下紀子委員
今月中に報告を受けるということですけれども、予算の関係もありますので、来年度から見直しをするということになれば、1定議会に間に合わせる必要があると思いますけれども、そういう認識でいいでしょうか。
○高橋知事
行政委員会の業務内容等についての重ねての御質問でございますが、業務内容等の全体状況については、今月中に報告を受けて、取りまとめを行ってまいることといたしており、その結果も踏まえて、適切な対応を考えてまいりたいと考えております。
○真下紀子委員
来年度から見直しがされるように、早急な検討をお願いしたいと思います。
花岡議員が一般質問で明らかにしました選挙管理委員会の実態と同様に、収用委員会でも、平成16年度から18年度までの3カ年における開催状況が年平均で18回程度にすぎないことがわかりました。
委員は、定例の委員会に出席するほか、裁決申請事案の審理などの業務があるようですけれども、これは委員会開催日に行われていることから、結局、委員が業務に携わる日数はほとんど変わらないということです。
予算特別委員会の分科会で明らかとなったこういう状況から考えますと、委員の月額報酬が30万円から27万円というのは高額と言えると思いますけれども、知事はいかがお考えですか。
○高橋知事
収用委員会委員の報酬についてでありますが、収用委員会につきましては、土地等の収用または使用に係る損失補償などについて審理をして裁決するなど、準司法的な任務と権限を有する行政委員会であるわけでありますが、その委員は、委員会や裁決申請事案の審理のほか、現地の調査や裁決書案の作成などの業務があると聞いているところであります。
いずれにいたしましても、委員の業務内容や勤務状況の全体を把握するため、現在、収用委員会にその詳細について照会を行っているところであります。
○真下紀子委員
知事のただいまの御答弁の中にあった裁決申請事案の審理、これが実際には年平均2件から6件程度しかないということを御存じの上での答弁と受けとめてよろしいでしょうか。
○高橋知事
収用委員会委員の報酬などについての重ねての御質問でございますが、ただいま委員が御指摘の開催状況等については、私も報告を受けているところであります。
いずれにいたしましても、現在、委員の業務内容や勤務状況など、その詳細について収用委員会に照会を行っているところであります。
○真下紀子委員
今、労働者の2割以上、1000万人以上の人が年収200万円以下のワーキングプアです。行政委員会のように、半日もかからない職務で1日15万円にもなる高額な報酬というのは、ノーワーキングリッチ状態であって、まさに、知事の任命による現職兼任のうまみのある地位ではないか。それゆえに手をつけないということになれば、まさしく聖域との批判は免れないということを指摘しておきます。
分科会の質疑で、労働委員会では、3年間で4人の委員が延べ14カ月も、1カ月の間に全く職務実態がないことがとうとう確認をされました。総務部長は初めは否定していましたけれども、12人よりも多い数が実態だったということがわかったわけです。
また、海区漁業調整委員会などの例からは、報酬額引き下げが可能であり、収用委員会の報酬が日額制とされていたことがあって、道の判断によって日額報酬への変更が可能であることも明らかとなりました。
さらに、労働委員会、選挙管理委員会、収用委員会の三つの行政委員会の報酬総額は、審議会委員の日額報酬に換算して比較すると10倍になります。日額制、すなわち1万4700円にすれば約1億円もの節約になるわけですけれども、これらのことについて知事はいかがお考えでしょうか。
○高橋知事
行政委員会委員の報酬についてでありますが、行政委員会委員につきましては、各行政分野において、独立した執行機関の委員としての行政責任を担いながら、専門的な知識、見識に基づき職務を行っているものであり、定期的に開催される委員会や諸会議への出席のほか、随時、審査事案の調査や検討などを行っていただいているところであります。
その職責や他都府県の取り扱いも踏まえますと、これまでの月額制というのは妥当なものと考えているところであります。
○真下紀子委員
知事は、妥当だと御答弁なさいますけれども、見直しを求めているのは私たちだけではありません。2007年の3月――ことしの3月ですけれども、自由民主党政務調査会司法制度調査会が出した「21世紀にふさわしい準司法手続の確立をめざして」においても、非効率さやむだが指摘をされているわけです。知事はこの点をどう認識されるのか、また、このような議論を踏まえて、道の行政委員会に照らしてどう対処されようとするのか、伺います。
○高橋知事
司法制度調査会の提言についての御質問でございますが、本年3月に、自由民主党政務調査会司法制度調査会の小委員会から、国の準司法手続の見直し、改革への取り組みに関して、準司法手続機関の組織のあり方などについて提言がなされ、その中で、処理事件数が少ないが、委員に多額の報酬を支給しているものも少なくないといった現状報告があったと承知いたしております。
国の準司法手続機関に関して、その委員報酬額等に係る詳細については承知はいたしておらないわけでありますが、今後の議論については、道における議論の参考としてまいりたいと考えております。
○真下紀子委員
委員の報酬は日額とすべきことはこれまでも主張してきましたけれども、それが可能な状況でもあるわけで、ぜひとも検討していただきたい。
そして、北海道よりも低い報酬額としている県もありますので、道の財政状況も踏まえるなら、せめて月額報酬の引き下げを検討すべきと考えます。お聞きをしても、重ねての答弁となるようですから、あえて指摘とさせていただきます。
旅費条例について
○真下紀子委員
次に、旅費条例について伺います。
7日の第1分科会の質疑において、現行の知事等の特別職職員の旅費制度では、知事及び副知事などの特別職の宿泊料や日当は、東北各県と比較しても最高額であること、実勢価格よりも高額であること、まして、国務大臣よりも高いことを明らかにいたしました。
総務部長は、来年度に向けて、知事などの日当や宿泊料、外国出張にかかわる支度料の実費支給などについて見直しをすることを明らかにいたしました。私も、見直しは当然のことと考えますが、これは大臣クラスに見直しをするという程度だというふうに伺っております。
高橋知事は、これまで、財政再建団体入りを回避するといって、特定疾患や障害のある方々、高齢者を初め、道民に負担を強いてきました。今、灯油価格が高騰して、お年寄りが、部屋でストーブをつけられずに、部屋が寒いため、訪れた人を招き入れることもできず、健康も害してせつない思いをしているというふうに伺ってまいりました。
ところが、知事を初め、特別職の道幹部の方については、こういった道民の生活状況にもかかわらず、大臣より高額な旅費規程になっています。知事はこのことをどうお考えなのか、伺いたいと思います。
また、道民や、給与カットの継続を提案されている道職員に対してはどのように御説明されるのか、伺います。
○高橋知事
特別職職員の旅費についてでありますが、道の旅費制度は、基本的に国の制度に準じたものとしておりますが、旅行形態や社会経済情勢の変化等を踏まえ、これまでも、必要に応じて道独自の見直しを行ってきているところであり、平成8年には、東京などの大都市における宿泊事情等を考慮し、日当や宿泊料の額について、現在の額としたものと承知をいたしております。
私は、旅費制度については、時代の変化に応じた不断の見直しが必要であると考えており、来年度に向けて、日当や宿泊料については国務大臣等の国の特別職職員と同額とし、さらには、外国出張に係る支度料については実費支給とするなど、所要の見直しを行うことといたしているところであります。
○真下紀子委員
私が、宿泊料なども実費支給とすることを求めたのに対して、総務部長は、事務処理が相当煩雑になる、経費も要するという理由から、定額支給が適当と答弁をいたしました。
しかし、そのような事態を回避するために、総務業務を集中管理して、行政改革局総務業務センターが支出審査を行うように行政改革をしたのではなかったでしょうか。
また、今どき、領収証を発行しないところはないと思いますし、特別職のうち、公営企業管理者以外は秘書がいるのではないでしょうか。事務処理の煩雑さは、実費支給を実施しない理由にはなり得ないと考えますけれども、知事の見解を伺います。
○高橋知事
旅費の実費支給についてでありますが、先ほどもお答え申し上げましたとおり、道の旅費制度につきましては、その支給方法も含め、基本的に国の制度に準じたものとしており、その支給水準につきましては、来年度に向けて、日当や宿泊料について国の特別職職員と同額とする見直しを行うことといたしているところであります。
○真下紀子委員
国の旅費制度を見習うということですけれども、知事の旅費などを参考にしていた後期高齢者医療広域連合の議員が、宿泊料、日当の条例案を見直しまして、1月から実施をすることになっています。その状況がどうなっているのか、御存じでしょうか。
○高橋知事
北海道後期高齢者医療広域連合の費用弁償関係条例の改正についての御質問でございますが、広域連合の特別職及び議会議員の日当や宿泊料につきましては、これまでは道の知事等の特別職相当額で設定されていたわけでありますが、人口10万人以上の市の平均額をもとに算定することとし、去る11月に開催された連合議会で改正条例案が可決され、改正されたと承知をいたしております。
○真下紀子委員
金額については、詳しいことは御存じないのだろうと思いますけれども、宿泊料については、甲地は、1万9000円であったのを1万6000円にしています。乙地は、1万4900円を1万3000円にしています。日当については、3800円を3000円にしています。いずれも、後期高齢者医療制度によって、お年寄りにこれ以上の負担はかけられないという立場から見直しをして、今、道が見直しの基準にしようとしているものよりも、三つの項目ともすべて低い額に抑えています。
私は、今の道民の暮らしを考えたとき、また、道の財政状況を考えたときに、知事がいつも言うー私が先頭に立って、幹部職員が一丸となって、一体感を持って、十分意を用いるとおっしゃったのかな、そうお話をされているけれども、実際はそうなっていないのじゃないか、幹部職員のところでは、こういった高額な旅費、宿泊料が今も継続をされている状況じゃないかというふうに私は思うわけです。
後期高齢者医療広域連合議会議員がそういった形で見直しをしたということは、一つ学ぶべきことがあるのではないかと私は思います。そのことを指摘して、質問を終わります。
※人名・地名等、コンピュータの機種によって表示できない旧字、異字等は通用字体に改めているものがあります。
[日本共産党道議団編集]
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