2007年北海道議会第3回定例会 一般質問
日本共産党 真下 紀子 議員
- 1.知事の政治姿勢について
- (1)地方交付税削減と自治体財政について
- (2)天下りと談合疑惑について
- (3)米軍の再編及び矢臼別演習について
- 2.道民生活について
- (1)後期高齢者医療制度について
- (2)経済の活性化について
- (3)最低賃金の改定について
- (4)季節労働者対策について
- (5)アイヌの先住権について
- (6)橋梁の安全対策について
- 3.公安問題について
○30番真下紀子君(登壇・拍手)(発言する者あり) 私は、知事、教育長、公安委員長及び道警本部長に質問いたします。
初めに、知事の政治姿勢についてお聞きします。
まず、交付税の削減など、自治体財政の問題についてです。
今年度の普通交付税額の決定において、道内の35市町村において予算割れが生じました。予算提出時に交付税額を厳しく算定しながらも、旭川市は18億円の不足が生じ、既決予算が執行停止に追い込まれています。このような交付税額の予算割れは本来あってはならないことであり、原因は、国による交付税の縮減以外に考えられません。この交付税縮減について、知事の認識を伺います。
国において、ことし8月、高金利の地方債に対する繰り上げ償還等の実施要綱を定め、各自治体に通知しました。道の場合、繰り上げ償還の対象となる金利5%以上の道債はどのくらいあるのか、また、繰り上げ償還についてどう取り組もうとしているのか、お伺いします。
宮城県の知事は、大企業における法人事業税の超過課税を実施すべく、審議会での議論を経て、議会に提案するに至っています。
大企業への税率の引き下げにより、トヨタの法人事業税等の減税総額は、この4年間で約1兆円にも及んでいます。また、経常利益はバブル期の2倍以上の1兆5000億円を超えているのに、税負担はほとんど変わっていません。
道の法人事業税は1200億円にすぎませんが、税制度の不備、欠陥を補完するためにも、資本金等が1億円を超す大企業の法人事業税に係る超過課税の導入を知事は真剣に検討する考えをいまだお持ちにならないのか、お聞きいたします。
道幹部の脱法的天下りの状況 |
※の企業は、指名業者と同じ住所 |
05年退職時の役職 | 退職直後に再就職した指名業者関連会社・役職 | 07年に再々就職した指名業者・役職 |
公営企業管理者 | ナラサキスタックス顧問 | ナラサキ産業道支社特別顧問 |
経済部長 | つうけんアクト副社長 | つうけん顧問 |
建設部次長 | アクアテック代表取締役 | アクアソーケン社長 |
建設管理室長 | イーシーシステム※顧問 | 北紘建設副社長 |
建設部参与(石狩湾新港管理組合派遣) | 栄光通商※副社長 | 松谷建設副社長 |
小樽土木現業所長 | ユニオン副社長 | 小針土建副社長 |
留萌土木現業所長 | 玉川商事副社長 | 玉川組副社長 |
網走土木現業所長 | 東海商事札幌営業所長 | 東海建設専務 |
次に、道の幹部職員の天下りについて伺います。
道の天下り要綱に基づいて、ことしもまた幹部職員の多くが関与団体や道の指名登録業者に天下りしたと聞きます。昨今の厳しい経済・雇用状況を考えると、道が天下りに関与して高い報酬を保障し続けることは道民の理解を得られるものではありません。
ことし、道の幹部職員104人のうち、要綱の適用団体に天下りしたのは何人で、また、昨年と比べてどうなのか、お聞きいたします。
密接な関係のある企業への2年間の天下り禁止の要綱を逃れるために、指名登録業者の関連企業や子会社に2年間雨宿りして、今年度、晴れて本命の指名登録業者に再々就職をした次長級以上の幹部職員は昨年度に比べてどれだけふえたのか、伺います。
2年間静かに雨宿りしていれば、2年後に大手を振って指名業者に天下りできるような道の再就職要綱は欠陥要綱です。せめて制限の対象を関連会社や子会社などに拡大するなど、要綱を至急見直すべきと考えますが、知事のお考えを伺います。
次に、米軍の矢臼別での演習についてです。
沖縄の県道越え実弾射撃訓練の分散実施とした矢臼別演習に対し、米軍は、ことしから、小火器を使用し、部隊の移動に関して事前通告をせず、訓練公開も議会開会日に設定しました。住民が最も懸念する訓練拡大と固定化につながるものとして、断じて認められないことです。
私は、これら一連の経過は住民生活も地方議会をもないがしろにした傍若無人な行為と考えますが、知事はいかがお考えか、お伺いします。
米軍の矢臼別演習に対し知事が厳しく抗議すべきと考えますが、あわせてお答えください。
次に、道民生活についてです。
今、高齢者医療をめぐっては、70歳以上の方の医療費自己負担を1割から2割に引き上げ、療養型病床の大幅削減、後期高齢者医療制度の創設などによる療養難民ともいうべき苦難が高齢者を襲っています。
第91代の首相となった福田康夫氏が自民党総裁選の中で公約した高齢者2割負担の凍結が妥当な方向だと知事はお考えになるのかどうか、お聞きいたします。
来春から本格スタートする後期高齢者医療制度の保険料は、東京都の試算によると、年額は平均で15万円を超え、国保料の2倍近い負担になると、悲鳴が上がっています。
おくれていた保険料算定のための係数もようやく出されましたので、本道の場合、保険料は平均幾らになると見込んでいるのか、伺います。
後期高齢者医療制度の発足により、市町村における電算システムのカスタマイズ、つまり改修費用が膨大にかかりますが、国の補助金はスズメの涙程度です。
市町村の改修費は幾らかかるとお考えか、また、市長会や広域連合とも協力して、国に抜本的支援を要請すべきと考えますが、いかがでしょうか。
元厚生労働省老健局長である堤修三大阪大学教授は、医療費を無理に抑え込んだら、うば捨て山になってしまうと、後期高齢者医療制度の仕組みに重大な危惧と懸念の声を上げています。広域連合の準備もおくれており、道民の理解や合意も欠落している状況です。私は、この制度の実施は凍結し、根本的に見直すよう、国に対して要望すべきと考えます。知事の見解を求めます。
経済の活性化対策として道が策定した経済活性化戦略ビジョンの素案では、自動車産業やIT関連産業などに特化した企業誘致による経済の活性化を述べていますが、誘致の前提となる本道の優位性について知事はどのようにとらえているのか、また、企業誘致の効果を何をもって評価するのか、伺います。
北海道の真の自立的経済発展を目指すのであれば、補助金で企業を誘致するような思想は転換すべきです。誘致のためには、企業の立地環境にすぐれた本道の優位性を大いにアピールし、お金ではなく、知恵こそが必要と考えます。知事はいかがお考えか、お答えください。
次は、雇用をめぐる問題についてです。
非正規雇用の増大により格差は広がり、働く貧困層の拡大が大問題となっています。労働界はこぞって時給1000円以上への引き上げを求めていますが、働く人たちの暮らしを考えると、当然です。
そこで伺います。
北海道の最低賃金は10円引き上げられ、654円と改定されましたが、知事はこれが暮らしていける賃金だとお考えか、お答えください。
福岡県では、国などに対して、最低賃金を少なくとも780円以上にすることを求める意見書を提出したと聞きますが、知事はどのように受けとめたのか、お聞きします。
今回の最低賃金は、生活保護基準より低いことは明らかであり、働けば暮らしていける水準にはほど遠いと考えます。道として国に対して働きかけを強めるとともに、道としても思い切った引き上げに努力すべきではないでしょうか。知事の見解を伺います。
長年にわたって北海道の建設工事を支えてきた季節労働者が、冬期技能講習制度の廃止、雇用保険法の改悪による特例一時金の大幅な削減など、国の無理解と道の冷たい姿勢により、生存権さえも危ぶまれています。通年雇用に対し具体的な対策が今こそ必要です。
厳しい財政状況の中で独自に対策を実施している市町村に対し道は支援を行い、ひいては全道的な対策に取り組むべきと考えますが、知事の見解を伺います。
道内建設業界の仕事がないために、雇用の確保が行き渡りません。道民が求める緊急の公共事業として、例えば学校などの耐震化工事の冬場の実施は、季節労働者の雇用のためにもなる一石二鳥の施策ではないでしょうか。学校等の耐震化工事等を含めて、冬場の雇用の場の確保についてお答えください。
次に、アイヌ民族の先住権についてお聞きします。
今月13日の国連総会本会議で、先住民族の権利に関する国連宣言が日本政府も含めた賛成多数で採択されました。
知事が新聞に寄せたコメントを読みましたが、アイヌ民族先住の地である北海道知事としての主体性が伝わってきません。国に検討を期待するということではなく、御自身が国に対して積極的に働きかける主体であるとの自覚をお持ちかどうか、あわせて、宣言の採択に対する知事の認識を伺います。
私は、ここで二つの提案をしたいと思います。
第1に、アイヌ民族を日本国における北海道の先住民族と認めるよう、国に要請することです。
第2には、道内の学校において、北海道にアイヌ民族が存在し、現に居住していることを児童生徒等にわかりやすく伝えることです。
これらの提案について、知事、教育長はいかがお考えでしょうか。
次に、橋梁の安全対策についてです。
アメリカのミネアポリスで起こった橋梁崩落事故は、世界に大きな衝撃を与えました。アメリカの橋の多くは最新鋭の科学的な管理手法で維持管理されているにもかかわらず、橋梁崩落という大惨事の発生で、果たして日本の橋は大丈夫なのかと、国民から不安の声が出てきています。
日本の橋の多くは1960年代から70年代の高度成長期に建設され、50年を超えるものが多いと聞きます。道の管理する橋梁において50年以上の橋はどれくらいで、10年後に50年以上となる橋は幾つなのか、お聞きします。
また、道では橋梁の損傷や劣化状態を評価する区分を定めていると承知しておりますが、その内容について伺うとともに、ただいまお聞きしたそれぞれの経過年数の橋の中で損傷が大きい橋は幾つあるのか、伺います。
今後十数年の間に耐用年数を超える橋のことを考えると、これから計画的に補修を行うことは不可欠です。
道では、橋梁アセットマネジメントシステム導入に当たって、札幌土木現業所管内の橋梁を対象に更新費用の試算を行ったと聞いていますが、その結果について伺います。
また、それを踏まえて、今後の橋梁補修についてどのように進めるつもりなのか、伺います。
最後に、知事及び新しく就任をされた佐々木公安委員長と髙橋道警本部長に、最近の公安行政における3点の懸案事項について見解を伺います。
第1は、警察官による不祥事と、それへの対応についてです。
警視庁立川署の巡査長が、勤務中、制服のまま、貸与されたけん銃で知人の女性を射殺し、自殺した事件は、国民に大きな衝撃を与えました。近年、北海道でも一部の警察官による不祥事が多発し、道民に不安と不信を与えています。国民の命と安全を守ることが使命の警察官による不祥事の多発に対する認識及び再発防止策についてどう考えるのか、公安委員長と道警本部長の見解を伺います。(発言する者あり)
第2は、重要犯罪等に対する検挙率の低下についてです。
道警の提出資料によれば、殺人や強盗などの重要犯罪や重要窃盗犯の検挙率は昨年度から上がりつつありますが、いまだに60%にすぎません。道警本部長はどのように検挙率を上げて道民の不安を解消するつもりか、伺います。
第3に、公安委員の責務と守秘義務についてです。
ある公安委員がみずから経営する会社の定期広報紙を見て、私は大変驚きました。そこには、毎回、公安委員として見聞した事実が堂々と掲載されているのです。
その中には、明らかに公安委員の守秘義務に抵触しかねない具体的な事項が書かれています。公安委員の実名入りで、しかも、会社の宣伝と一体となって、公安委員でなければ知り得ない情報に基づく実態の報告は至急中止すべきと考えますが、知事及び公安委員長の見解を伺います。
以上、再質問を留保して、私の質問を終わります。(拍手)(発言する者あり)
高橋はるみ知事の答弁
○知事高橋はるみ君(登壇) 真下議員の質問にお答えをいたします。
最初に、私の政治姿勢に関し、まず、法人事業税の超過課税についてでありますが、全国的には景気が回復基調にある中で、本道の経済・雇用情勢は依然として厳しい状況にあります。
このような状況を踏まえますと、御指摘の超過課税については、産業振興などの面においてマイナス要因となる懸念もありますことから、慎重に対応する必要があると考えております。
次に、再就職の要綱の見直しなどについてでありますが、職員の再就職に関する取扱要綱において、民間企業への再就職については、再就職者の在職時の地位や、その権限による道に対する影響力を排除するため、その者が過去5年間に在職した所属と密接な関係のある企業への再就職を2年間制限するとともに、いかなる企業に再就職した場合であっても、道への営業活動を退職後2年間は自粛するとしているところであります。
私といたしましては、再就職者の有無にかかわらず、道と企業との関係において公務の公平性を確保することは当然のことであると考えており、現在、国において行われております再就職管理に関する検討の状況を注視するとともに、今後とも、道民の方々から御批判、誤解を受けることのないよう、指名登録業者や、その関連会社への再就職について、要綱の厳格な運用に努めてまいりたいと考えております。
次に、訓練情報などについてでありますが、矢臼別演習場における米軍実弾射撃訓練の実施に当たっては、地域住民の皆様方の不安と懸念を解消することが何よりも重要であると考えております。
このためにも、地域住民の皆様に対して事前に訓練情報などが詳しく知らされることが必要であり、今後とも、地元4町と連携しながら、機会をとらえて国に対し要請してまいりたいと考えております。
なお、高金利の道債の繰り上げ償還などについては、担当の部長が答弁をさせていただきます。
次に、道民生活に関し、まず、高齢者の医療費負担についてでありますが、このたびの医療制度改革では、急速な高齢化の進展に伴い、国民医療費が増大する中で、国民皆保険制度を堅持しつつ、現役世代と高齢者世代の負担を明確化し、公平でわかりやすい制度とするため、新たな高齢者医療制度が創設されることとなったところであります。
この制度においては、現役並みの所得を有する70歳以上の高齢者については、窓口負担を現役世代と同じ3割負担とするとともに、それ以外の70歳未満の高齢者は3割、70歳から74歳は2割、75歳以上は1割というように、年齢が高くなるに従って負担割合が低くなる仕組みとされているところであります。
最近、高齢者医療費の一部負担の見直しについて議論がなされていることを承知しており、今後、その方向性が出るものと考えているところでありますが、いずれにいたしましても、医療保険制度が将来にわたって安定的に運営され、高齢者の方々が安心して医療を受けられることが重要であると考えているところであります。
次に、後期高齢者医療制度の実施についてでありますが、この制度は、高齢者の増加等により、老人医療費が今後も増大することが見込まれる中で、このたびの医療制度改革において、国民皆保険制度を堅持するとともに、国民の高齢期における適切な医療を確保するため創設されたものであります。
道といたしましては、この制度の実施により医療費の適正化と国民負担の均衡が図られ、安定的な医療制度運営が行われるものと考えており、このためには、被保険者の方々を初め、広く道民の方々の理解を得ることが重要であることから、国はもとより、広域連合や市町村と緊密に連携し、来年4月からの円滑な実施に向け、さまざまな広報手段を効果的に用いて制度の周知に万全を期してまいりたいと考えております。
次に、企業立地における本道の優位性などについてでありますが、本道は、整備された広大な産業用地、港湾や空港の近接性などのほか、豊富で質の高い人材、また、最近では、地震や台風など自然災害のリスクが少ないことも注目されるなど、生産活動にとって有利な立地環境を有していると考えているところであります。
また、新たな企業の立地により、本道の厳しい雇用情勢のもとで新たな雇用の場が提供されるとともに、地場企業との取引拡大が見込まれるなど、企業立地による本道経済の波及効果は大きいものと考えているところであります。
次に、最低賃金の引き上げについてでありますが、国会では、最低賃金法の一部を改正する法律案が継続審議となっており、この法律案の要綱によりますと、地域の労働者の生計費及び賃金実態並びに通常の事業の賃金支払い能力を考慮して、地域別に最低賃金を定めなければならないこととされ、この生計費の考慮に当たりましては、生活保護に係る施策との整合性に配慮するものとされておりますことから、今後における国会での審議の状況を見守っていく必要があると考えております。
いずれにいたしましても、私といたしましては、経済的に困難な状況にある勤労者の方々の底上げを図るべく、最低賃金制度がセーフティーネットとして十分に機能すべきものであると考えているところであります。
次に、冬期の雇用の場の確保などについてでありますが、道といたしましては、これまで、学校施設などの耐震化促進に向けて、市町村に対し、情報の提供や技術的な支援を行ってきたところであり、今後とも、道教委と連携し、機会あるごとに市町村における耐震化工事の取り組みを促してまいりたいと考えております。
冬期間における公共工事については、道といたしましては、これまで、冬期増嵩経費措置事業などを実施するとともに、市町村に対しても、冬期工事の拡大による公共工事の平準化が図られるよう要請してきているところであり、今後とも取り組んでまいる考えであります。
次に、国連宣言に対する認識についてでありますが、先般、国連において採択された先住民族の権利に関する国連宣言は、先住民族の人権など、さまざまな権利に関する国際的な基準となるものであります。
私といたしましては、先住民族の権利が国際社会において承認されたことは、先住民族の権利を尊重し、推進する第一歩となるものであり、大変意義があるものと認識をいたしております。
次に、国への要請などについてでありますが、私といたしましては、国に対し、この宣言におけるアイヌ民族の位置づけや、盛り込まれた権利を審議する機関の設置などを要請するとともに、これを契機として、これまで以上にアイヌの人たちの人権が重んじられ、その権利が尊重されるよう働きかけてまいりたいと考えております。
また、次の世代を担う児童生徒がアイヌの人たちの歴史や文化を学び、その理解を深めることが大切であると考えております。
このため、道といたしましては、アイヌ文化振興・研究推進機構が行う副読本の作成や学校への講師の派遣などに支援をしておりますが、今後とも、道教委はもとより、関係機関や団体と連携し、アイヌの人たちへの理解が一層深まるよう努めてまいる考えであります。
なお、後期高齢者医療制度に係る保険料の算定などについては、担当の部長から答弁をさせていただきます。
最後に、公安問題に関し、公安委員の守秘義務についてでありますが、公安委員は、警察法第42条第1項により、地方公務員法の秘密を守る義務に関する規定が準用され、職務上知り得た秘密を漏らしてはならないこととされているところであります。
この職務上知り得た秘密とは、人事委員会が使用を予定している試験問題や、市町村が作成、保管している犯罪人名簿、課税台帳の内容など、一般的に公表されていない事実であって、それを公表することが一定の利益の侵害になると客観的に考えられるものであると解されております。
今回、議員が御指摘の広報紙に掲載された内容につきましては、職務上知り得た秘密には該当せず、守秘義務違反とはならないものと考えております。
いずれにいたしましても、今後とも法律の趣旨に沿って適切に対処してまいらなければならないものと考えております。
以上でございます。
○総務部長宮地毅君(登壇) まず、高金利の道債の繰り上げ償還についてでありますが、平成19年度から3年間とされておりますこのたびの繰り上げ償還制度の対象となりますものは、金利5%以上の公的資金となっておりまして、今年度末の残高見込みは700億円程度であります。
これらの公的資金の繰り上げ償還に当たりましては、一定の要件に該当する団体が、行政改革、経費節減に関する計画を国に提出し、承認された場合に認められることとなっておりますことから、道といたしましても、この制度の積極的な活用により公債費負担の軽減に努めてまいりたいと考えております。
次に、職員の再就職の状況についてでありますが、今年度、職員の再就職に関する取扱要綱の適用団体に再就職した課長級以上の職員は27人となっており、昨年度の19人と比較すると、8人の増加となっているところでございます。
次に、職員の再々就職についてでありますが、道の再就職要綱において、退職前5年間に在職した所属と密接な関係にある指名登録業者への再就職については、退職後2年間制限をしているところでございます。
こうした要綱の制限のもと、平成16年度における次長級以上の退職者のうち、指名登録業者の関連会社とされている企業に就職をし、今年度、指名登録業者に再々就職した者は、現時点で8名となっているところであり、昨年度の同時期と比べ4名の増加となっているところでございます。
以上でございます。
○企画振興部長佐藤俊夫君(登壇) 今年度の普通交付税についてでありますが、全国的には景気回復に伴う地方税収の増加が見込まれますことから、今年度の地方財政計画における普通交付税の総額は約14兆2900億円で、前年度に比べ4.4%の減額となっております。
また、7月に決定された道内市町村の普通交付税は、総額で7103億円、前年度に比べ2.9%の減額であり、全国に比較しますと、減少率は小幅となっておりますが、税収の伸びが全国並みには期待できないなど、市町村財政は極めて厳しい状況が続いております。
地方交付税は、市町村が自律的で安定的な財政運営を行っていくため必要不可欠な財源でありますので、引き続き、関係団体とも連携しながら、交付税総額の確保が図られるよう、国に強く求めてまいります。
以上でございます。
○保健福祉部長髙橋教一君(登壇) 後期高齢者医療制度に関しまして、まず、保険料の算定についてでございますが、北海道後期高齢者医療広域連合におきましては、医療費や保健事業に要する経費を調査いたしますほか、市町村からの情報により取りまとめた被保険者の所得の分布状況などをもとに、先般、国から示された保険料算定のための仮の所得係数を用いて保険料の試算を行ったところでございます。
歳入として見込むべき国からの調整交付金の額が変動するため、試算額には幅がございますが、広域連合の試算によりますと、本道における1人当たりの平均保険料は、年額約8万7000円から9万7000円と見込まれているところでございます。
なお、広域連合におきましては、被保険者の保険料を算出するための具体的な保険料率の案を10月中旬から下旬には市町村へ示した上で必要な調整を行い、11月の第1回広域連合議会定例会において保険料条例の制定を行うこととしているところでございます。
次に、市町村の電算システムの改修についてでございますが、このたびの改修は、後期高齢者医療制度が平成20年度にスタートすることに伴い、その被保険者の資格管理や保険料賦課に関する情報を整備いたしますほか、国保保険料の特別徴収などに関する情報処理システムの改修を行うものでございます。
平成18年度に道内市町村が国庫補助金の交付決定を受けたもののうち、後期高齢者医療制度の創設に伴うシステム開発分の総事業費は、51市町村で約9億9000万円であり、これに対する国庫補助予定額は約2億2000万円となっているところであります。
また、国民健康保険分のシステム改修に係る総事業費は、49市町村で約7億8000万円であり、国庫補助予定額は約1億4000万円となっているところでございます。
道としましては、総事業費と国庫補助予定額に大きな開きがありますことから、北海道市長会や町村会、広域連合とも連携して、本年3月に国に対し、十分な財政措置を講ずるよう要望書を提出いたしましたほか、7月にも重ねて要請を行ったところでございます。
国におきましては、今後、市町村の契約額を調査することとしており、国庫補助基準額との乖離が大きいところについては財政支援を検討すると聞いているところでございますが、道といたしましては、今後とも、さまざまな機会をとらえて、国に対し、十分な財政支援が行われるよう強く働きかけてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○経済部長渡辺健君(登壇) 初めに、経済の活性化に関し、企業誘致の手法についてでありますが、一般的に、企業が立地先を選定する際には、交通アクセスや人材確保の面などのほか、自治体による助成措置も含め、総合的に検討した上で決定しているものと承知しております。
このため、道といたしましては、自動車産業や電子機器産業など、経済波及効果や雇用創出効果の高い産業を重点分野として明確化し、北海道のすぐれた立地環境を積極的にPRすることはもとより、他地域に対し競争力のある助成措置を講ずることにより、今後とも戦略的な企業誘致活動を展開してまいる考えでございます。
次に、最低賃金の改定についてでありますが、最低賃金については、最低賃金法に基づき、国の機関である北海道労働局長が公労使三者構成の北海道最低賃金審議会の意見を聞いて決定するものとされており、改定最低賃金が9月19日に公示されたところでございます。
審議会の先般の答申においては、中央最低賃金審議会の答申を参考に、地域の労働者の生計費及び賃金実態や企業の賃金支払い能力を考慮し、現下の最低賃金を取り巻く状況を踏まえ、慎重な審議を重ねた結果、結論が出されたものと承知しております。
道といたしましては、その履行確保に向け、国と連携を図りながら、周知、啓発に努めてまいる考えであります。
次に、福岡県における意見書についてでありますが、福岡県では、生活保護基準と最低賃金について一定の条件のもとで比較を行った上で、本年6月、国などに対し最低賃金の大幅引き上げを行うことを求めるなどの意見書を提出したものと承知しております。
現行法制下では、最低賃金を定めるに当たっては、労働者の生計費のほか、賃金実態や企業の賃金支払い能力が考慮されるものと認識しているところでございます。
最後に、季節労働者対策に関し、市町村に対する支援などについてでありますが、季節労働者の雇用の安定を図るためには、国及び道、さらには市町村や関係団体がそれぞれの立場で季節労働者対策に努める必要があると考えているところでございます。
道といたしましては、各地域において、国と地域の連携により、雇用確保や就職促進のための事業に取り組む通年雇用促進支援事業について、地域の取り組みに対し、経費の一部を負担するとともに、協議会の構成員として、事業の実効が上がるよう積極的に取り組み、通年雇用化に向けた地域の取り組みを支援してまいる考えであります。
これに加え、冬期増嵩経費措置事業、機動職業訓練など、本年7月に策定した季節労働者対策に関する取組方針に基づく諸対策を実施し、国や市町村などの対策との連携を図りながら、季節労働者の通年雇用化の促進に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○建設部長猪俣茂樹君(登壇) 橋梁の安全対策に関して、初めに、北海道における橋梁の現状についてでありますが、道の管理する橋梁は約5100橋で、そのうち、建設後50年を超える橋梁は85橋あり、10年後に50年以上となる橋梁は約750橋あるところであります。
また、道では、平成16年度に、専門家などから成る委員会におきまして、全国の事例を参考に、損傷の程度に応じて5段階で評価する橋梁点検マニュアルを定めたところであります。
このマニュアルに基づき、全道の橋梁を対象として平成18年度までに点検を行った結果、50年を超える橋の中で、速やかに補修などが必要とされる損傷度Ⅰの橋梁は1橋、補修などを前提とした調査が必要とされる損傷度Ⅱの橋梁が52橋となっており、また、10年後に50年以上となる橋のうち、損傷度Ⅰの橋梁は2橋、損傷度Ⅱの橋梁が約470橋となっております。
これらの中で、損傷度Ⅰの橋梁については既に対策を講じており、また、損傷度Ⅱの橋梁については順次調査を進めることとし、対策までの間はパトロールや定期点検を重点的に実施することとしております。(発言する者あり)
次に、今後の橋梁補修についてでありますが、道では、札幌土木現業所管内の橋梁を対象に、平成17年度までのデータをもとに、今後60年間の更新費用について試算したところ、計画的に補修対策をして予防保全を行う場合は、その概算費用は1300億円程度でありますが、単にかけかえなどを行う場合は約3500億円と見込まれることから、計画的な補修対策の方が長期的には大きなコスト縮減を図ることができるという結果を得たところであります。
道といたしましては、更新費用の平準化やライフサイクルコストの低減を図るため、補修の優先順位づけなどが可能な橋梁アセットマネジメントシステムを札幌土木現業所において試験的に運用し、補修計画を立てており、今後、順次、全道に拡大を図っていくこととしております。
以上でございます。(発言する者あり)
○教育長吉田洋一君(登壇) 真下議員の御質問にお答えいたします。
アイヌ民族に関する児童生徒への指導についてでございますが、学校教育におきましては、児童生徒に対して、アイヌ民族の歴史や文化などについて正しく理解させ、認識させることが大切であると考えております。
現在、小・中・高等学校などにおきましては、社会科などにおいて、教科書はもとより、副読本や指導資料を活用することや、博物館、資料館などを活用した体験学習を行うなどして、アイヌの人たちの生活や文化、歴史などに関して指導してきているところでございます。
また、道教委のホームページにも、児童生徒向けに「アイヌの人たちの文化や歴史について」を掲載するなどして、幅広く啓発を図っているところでございます。
道教委といたしましては、今後とも、初任者研修の手引に実践例を紹介したり、アイヌ教育相談員の積極的な活用を促すなどして、地域や学校の実態及び児童生徒の発達段階に応じて、アイヌ民族に関する指導が適切に行われるよう努めてまいりたいと考えております。
なお、国連の宣言にかかわりまして、知事から、アイヌ民族の位置づけなどについて審議する機関の設置を国に要請されるとのことでございまして、私としても、国において、こうした機関を設置し、アイヌ民族の歴史や伝統、文化などを踏まえ、十分御検討いただきたいと考えているところでございます。
以上でございます。
○公安委員会委員長佐々木亮子君(登壇)(発言する者あり) 真下議員の質問にお答えいたします。
初めに、警察官の不祥事への認識と再発防止策についてでありますが、道警察においても、近年、警察情報の流出事案や万引き事案等の、一部警察官による不祥事案が発生しているところであり、法を執行する立場にある者として、このような事案を起こすことは極めて遺憾であります。
こうした不祥事は、警察に対する道民の信頼を大きく損なうものであり、断じてあってはならないものと受けとめております。
道公安委員会としましては、道警察を管理する立場から、道警察に対し、職員に対する職務倫理教養の充実、職員に対する身上把握の強化、幹部による指導監督や業務管理の徹底などについて、再発防止に向け督励してまいる所存であります。
最後に、会報についてでありますが、私は、公安委員としての役職とともに、民間会社の役員やNPO法人カルチャーナイト北海道の副理事長、財団法人北海道体育文化協会理事長等の役職についております。
平成10年以降、それぞれの活動について紹介する「あい・まい・みー通信」という会報を年4回程度発行しているところであり、その中に「公安委員日記」として、これまで5回にわたって掲載しているところであります。
私といたしましては、警察の仕事について余り知られていないことを地域社会に紹介していきたいという思いや、公安委員として、その活動状況を道民の皆様にわかりやすく伝えていくことも役割の一つと考えており、当然のことながら、今後も、掲載内容につきましては、誤解を招くことがないように十分配意してまいります。
以上でございます。(発言する者あり)
○警察本部長髙橋清孝君(登壇) 真下議員の質問にお答えいたします。
初めに、警察官による不祥事についてでありますが、もとより、国民の生命、身体、財産の保護を責務とする警察官が非違事案を起こすことがあってはならないことは言うまでもないところであります。
しかしながら、一部の警察官による非違事案が発生し、道民の皆様の警察に対する信頼を損ねていることは、まことに残念であり、厳しく受けとめているところであります。
再発防止対策についてでありますが、これまで、職員個々の倫理意識を高めるための職務倫理教養の充実、幹部による職員個々に対するきめ細かな業務管理及び指導監督の徹底、職員が誇りと使命感を持って職務に邁進できる職場環境の整備などを重点として取り組んでいるところでありますが、今後とも、必要な対策を講じて再発防止に努め、道民の皆様の期待と信頼にこたえてまいりたいと考えております。
最後に、重要犯罪及び重要窃盗犯の検挙率についてでありますが、本年8月末における道内の重要犯罪の検挙率は63.7%で、前年同期に比べ3.8ポイント上昇しており、全国平均の58.1%を5.6ポイント上回っております。
また、本年8月末における道内の重要窃盗犯の検挙率は59.5%で、前年同期に比べ15.2ポイント上昇しており、全国平均の47.4%を12.1ポイント上回っているところであります。
このように、かつて低下していた道内の重要犯罪等の検挙率はいずれも上昇しており、指数治安の面では確かな改善が見られているところであります。
道警察といたしましては、重要犯罪及び重要窃盗犯の検挙を徹底するため、事件発生時における迅速的確な初動捜査の徹底、DNA型鑑定やプロファイリング等の科学捜査の活用、道民からの情報提供の促進などを推進しているところであります。
以上でございます。
真下紀子議員の再質問
○30番真下紀子君(登壇・拍手)(発言する者あり) 再質問いたします。
天下りについてです。
税金や医療費の負担増、障害者への負担増など、道民への痛みの押しつけ施策については文字どおり聖域なく徹底的に見直す高橋知事が、道職員幹部の天下りに関しては殊のほか甘い態度と言えます。
そこで伺います。
要綱の適用団体への課長級以上の天下りは、昨年の19名から27名へ、実に8人増で、次長級以上は昨年の2倍になっています。これは、民間への天下りポストが昨年より13も少なくなり、道の関与団体への紹介をふやしたためではありませんか。いかがですか。
2年前に雨宿りをして、2年たち、晴れて指名登録業者に再々就職した次長級以上の元幹部は、人数が、今回、過去最高になったばかりではありません。経歴が実に多彩になっております。これまでの建設部中心から、経済部長、元特別職までに広がり、光栄にも雨宿り部隊に抜てきをされています。しかも、8名中1人は代表取締役社長、3名が副社長、2名が専務に就任しています。
再々就職先ではいまだ何の実績も上げていないはずにもかかわらず、道職員幹部OBということで、雨宿りが解禁されるや否や、直ちに、指名登録企業のナンバーワン、ナンバーツーになるなどということは、道庁天下りマシン・できレースの証拠ではないでしょうか。談合の温床をつくっているようなものです。それでも、知事は、雨宿りに問題なしというこれまでの態度に固執されるのか、お答えいただきたいと思います。
あわせて、高橋知事が全国一厳しい天下り要綱と言うのなら、なぜ、雨宿りのような抜け道が許され、天下りが増加するのか、わかりやすく御説明ください。
米海兵隊の矢臼別演習について伺います。
今回の矢臼別移転訓練計画の説明時に、米軍の移動の日程、経路などについて、アメリカ側から、公表しないよう強い要請があったと聞きますが、知事は御存じかどうか、お答えください。
また、情報秘匿の理由は、テロの危険を回避するためと言われていることから、米海兵隊の実弾射撃訓練に関する情報を米軍が公表を差しとめるほど危険を伴う段階となっていると考えざるを得ません。地元に著しい不安を抱かせるものです。知事はいかがお考えか、伺います。
道が北海道防衛局に対し、夜間訓練の中止を求めて要請しましたが、その翌日から、過去最大規模で砲撃訓練とあわせて夜間訓練が行われています。余りにも地元の要請を無視した許しがたい態度ではありませんか。知事御自身が中止を求めて強く要請すべきと考えますが、あわせて見解を伺います。
最低賃金についてです。
知事は全く質問に答えていません。
そこで、私は、福岡県知事の意見書が根拠とするデータを独自に計算し、北海道の現状と比較してみたいと思います。
一般労働者とパート労働者の時給賃金の格差は2.42倍で全国水準ですが、北海道のパート求人時の時給賃金は2006年度平均で786円となっており、最低賃金よりも実に134円も高い賃金実態となっているのです。
また、福岡県の例に倣って、札幌市における生活保護基準と、最低賃金の644円で働いた場合を比較してみますと、最低賃金での年収の方が33万7000円も少ない、これが北海道の実態です。
北海道の最低賃金がいかに低い水準であるのか、知事は感じていただけたでしょうか。どうですか。知事はお聞きになっていないようです。(発言する者あり)
生活保護基準より23万円少なかった福岡県で、最低賃金を引き上げるように意見書を出したのです。
私は、この数字を単純に比較するわけではありませんが、北海道の最低賃金は、実態としてまだ引き上げることが可能な水準になっており、また、引き上げなければ、憲法で保障された最低生活にも及ばない、つまり、生存権を侵害している事態と言わざるを得ません。知事はいかがお考えになるのか、認識を伺うとともに、高橋知事も国に対して意見書を上げることを検討するよう求めます。いかがでしょうか。
次に、公安委員の責務と守秘義務についてです。
残念ながら、知事も公安委員長も、今回の事態が公安委員長としての見識と責任の重さが問われる問題なのだという十分な認識をお持ちでないようです。
たとえ守秘義務に抵触しないまでも、以下の記述は適切でしょうか。
2006年秋季号には、「暴力団員で離脱の意思がある者が4割強」と明記し、離脱の障害となっている要因についての具体的な3項目の掲載は、まるで相手に手のうちを見せるようなものではありませんか。
また、2007年春季号では、札幌市内の一警察署で扱う変死体の数など、詳細に記載されています。この数字はこれまで公開されたことはありませんでした。今回、私どもが資料要求して初めて明らかとなりました。しかし、なぜ、みずからの社内報にそこまで詳細な記述が必要でしょうか。しかも、数字が間違って掲載されているのです。
この社内報を見た方からは、公安委員という特別な役職にあることをアピールして、みずからの会社を売り込もうとしているとしか考えられないとの訴えが寄せられています。
新たに公安委員長になられた以上、少なくとも、公安委員として知り得た情報を社内宣伝とリンクさせて広報するようなことは、今後、厳に慎むべきと考えますが、知事及び公安委員長の見解を伺います。
最後に、指摘をします。
先住民族の権利宣言についてです。
当時の町村外務大臣が、先住民族であると結論を下せる状況ではないと発言したように、国はいまだアイヌ民族を先住民族として認知していません。知事は、アイヌ民族の権利審議機関を国に求め、アイヌ民族の人権を尊重するよう働きかけると答弁をされましたが、先住民族としての人権を含めて認めるよう、政府を翻意させるかたい決意で取り組んでいくように求めて、私の再質問を終わります。再々質問を留保します。(拍手)
高橋はるみ知事の再答弁
○知事高橋はるみ君(登壇) 真下議員の再質問にお答えをいたします。
最初に、私の政治姿勢に関し、まず、職員の再就職についてでありますが、道職員として長年培ってきた知識や経験、技術力などの能力を生かすという面などを考慮いたしますと、企業等への再就職について一概に否定されるべきではないと考えているところであります。
しかしながら、再就職に当たっては、道民の皆様方から御批判や誤解を受けることのないよう、その手続やルールを再就職要綱として定め、その厳格な運用に努めているところであります。
次に、職員の再々就職についてでありますが、道職員として長年培ってきた知識や経験、技術力などの能力面はもとより、再就職した企業における勤務実績などがそれぞれの企業において個別に評価された結果として、このような再々就職につながったものと考えているところであります。
次に、再就職要綱の見直しなどについてでありますが、今年度の再々就職の状況につきましては、過去の退職者の能力や勤務実績などが企業の求める人材として個別に評価された結果であると考えているところでありますが、いずれにいたしましても、指名登録業者やその関連会社などへの再就職については、公務の公平性を確保するため、再就職や営業活動についての制限を設けている再就職要綱の厳格な運用に努めていくとともに、今後とも、道民の方々から御批判や誤解を受けることのないよう注視してまいりたいと考えております。
次に、矢臼別における米軍の訓練についてでありますが、米軍の移動に関する詳細な情報が事後公表となったことは、セキュリティー上の理由から事前に公表しないよう米軍から要請があったためであると北海道防衛局から聞いているところであります。
私といたしましては、住民の皆様方の不安や懸念を考えますと、訓練に関する情報は事前にできるだけ詳細に公表されることが必要であると考えております。
また、米軍の夜間の実弾射撃訓練につきましては、これまでも、地元関係4町とともに、これを行わないよう国に要請してまいりました。
私といたしましては、全国有数の酪農地帯であるこの地域の実情を考えますと、夜間の実弾射撃訓練の中止を求める地元の意向が十分尊重されなかったことについては、まことに残念なことと思っております。
今後とも、地元4町と連携をしながら、訓練情報の早期通知や夜間訓練の中止などについて粘り強く国に要請をしてまいります。
次に、道民生活に関し、最低賃金についてでありますが、生活保護費と最低賃金の比較につきましては、生活保護費は世帯員の年齢や人員などにより決定されますが、最低賃金は年齢などにかかわらず、労働者の生計費のほか、賃金実態、企業の賃金支払い能力が考慮されること、また、生活保護費は市町村単位で決定されますが、最低賃金は都道府県単位で決定されること、さらには、生活保護費は状況に応じ住宅扶助が算定されますが、最低賃金は住宅手当などの諸手当が含まれていないことなどの違いがあり、手法などによっては最低賃金が生活保護費を上回る場合があるなど、単純比較はできないものと考えております。
いずれにいたしましても、国会では最低賃金法の一部を改正する法律案が継続審議となっており、この法律案の要綱によりますと、生計費の考慮に当たりましては生活保護に係る施策との整合性に配慮するものとされておりますことから、国会での審議の状況を見守っていくことが必要であると考えており、今後、必要に応じ適切に対応してまいりたいと考えております。
最後に、公安問題に関し、公安委員の守秘義務についての重ねてのお尋ねでありますが、議員が御指摘の、暴力団員の離脱の障害となっている要因や変死体数などの公表につきましては、警察法が準用しております地方公務員法における職務上知り得た秘密の公表には当たらないものであると理解をいたしております。
いずれにいたしましても、今後とも、公安委員長としてのお立場に十分留意され、佐々木公安委員長におかれては適切に職務の遂行に当たっていただきたいと考えております。
以上でございます。
○公安委員会委員長佐々木亮子君(登壇) 真下議員の再質問にお答えします。
会報の発行についてでありますが、会報につきましては、私が携わる活動状況を掲載したものであり、これを会社の宣伝のためとは一切考えていないところであります。
また、公安委員としての活動状況等をいろいろな場でお知らせすることも私の役割と考えているところであり、その掲載に当たっては、今後も誤解を招くことのないよう十分配意してまいりたいと考えております。
以上でございます。
真下紀子議員の再々質問
○30番真下紀子君(登壇・拍手) 指摘を交えて再々質問いたします。
天下りについてです。
そもそも、雨宿りの実態が不明瞭だと指摘せざるを得ません。雨宿りした会社と再々就職をした親会社である指名登録企業が全く同じ住所というのが3例あります。どちらの会社のために働いているのか全くわからない、確かめようがありません。指名登録企業のための仕事をしていないと言い切れるのかどうか、確かめることができますか。知事のお考えを伺います。
この天下りの実態を知れば、多くの道民が不信と怒りを抱くことになるでしょう。また、知事が要綱の厳しさを強調するのなら、次長級から課長級も対象に拡大する見直しが必要ではないでしょうか、いかがでしょうか。
繰り返しの答弁ではなく、質問に誠実に答えていただきたいと思います。特に、名誉ある雨宿りにノミネートされる予定の方々がつくった答弁ではなく、知事御自身の率直なお考えをお聞かせください。
矢臼別演習についてです。
一度訓練移転を受け入れてしまうと、北海道がどんどんと米軍の作戦に組み込まれていくではありませんか。道民に情報は公開されず、説明会では1自治体1人1質問などという枠まではめているのが米軍です。さらにテロの危険まで抱えて、なぜ米軍訓練を受け入れ続けなければならないのでしょうか。これでは、沖縄の負担緩和ではなく、第2の沖縄となってしまいます。
一方的に協力を求められる関係から、せめて、大分県日出生台のように、小火器は使用できないように、また、夜間訓練は行わないとする実効ある協定を結ぶべきではありませんか。そうでなければ、知事は訓練の受け入れを拒否すると明言すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
最低賃金について指摘しておきます。
最低賃金は、格差拡大、貧困の固定化の象徴です。麻生福岡県知事の意見書では、就業形態の違いにより処遇面で大きな格差がある中で多様化を進めても、低賃金のまま自立した安定した生活ができない者が増加するだけであり、就業形態による格差を是正することが必要との認識を示し、生活保護と比較しても低い状況にあると明快に表明をしています。だからこそ、最低賃金の思い切った引き上げと社会保険の適用拡大の必要性を求め、並行して、中小企業の生産性向上と経営強化策を進めることが不可欠とする福岡県の意見書の提案だけに、説得力と重みがあるのだと思います。
行き過ぎた構造改革は生存権をも奪う社会につながっていきます。今こそ、行き過ぎを是正するために、みんなで頑張らなければならないときです。しかし、知事の姿勢では、道民を貧困から脱しさせる手だてにつながらないと私は厳しく指摘し、行き過ぎた構造改革を是正すべく政策転換を求めておきます。
公安問題について、公安委員長に申し上げます。
何ら問題がないような答弁ですが、このようなことが問題になること自体、現場職員から見るとどうとらえられるでしょうか。日夜現場で働く警察官の士気を公安委員長の言動によって下げるようなことにつながってはならないと指摘して、私の質問を終わります。(拍手)(発言する者あり)
高橋はるみ知事の再々答弁
○知事高橋はるみ君(登壇) 真下議員の再々質問にお答えをいたします。
初めに、職員の再々就職についての重ねての御質問でございますが、子会社や関連会社につきましては、親会社とは別の法人格を有し、独自の業務を行っているものと認識いたしておりますが、指名登録業者やその関連会社などへの再就職につきましては、再就職者の在職時の地位やその権限による道に対する影響力を排除することにより、公務の公平性を確保することを目的として、要綱において、再就職が可能となる時期や営業活動についての制限を設けているところであります。
先ほどもお答えを申し上げましたとおりでありますが、現在の要綱の厳格な運用に努めるとともに、今後とも、道民の方々からの御批判や誤解を受けることのないよう注視してまいりたいと考えております。
次に、矢臼別における米軍の訓練についての重ねての御質問でございますが、この移転訓練は沖縄の負担軽減のために全国5カ所の演習場で分散実施されているものであり、将来にわたって訓練が固定化されないためには在日米軍基地全体の整理縮小が必要であり、国においてそのための努力がなされるよう、今後とも地元4町とともに要請をしていきたいと考えているところであります。
また、訓練の実施に当たっては、夜間の射撃訓練を行わないことや規律の維持、情報の事前通知などについても繰り返し要請を行ってきているところでありますが、今後とも、地元4町と連携をし、粘り強く国に要請してまいりたいと考えております。
以上でございます。
※人名・地名等、コンピュータの機種によって表示できない旧字、異字等は通用字体に改めているものがあります。
[日本共産党道議団編集]
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