保安院・エネ庁 関与7件/経産省第三者委が最終報告 | 11.09.30 |
原発関連シンポジウムの「やらせ」問題を調査してきた経済産業省の第三者委員会は30日、最終報告書をまとめ、これまでの原子力安全・保安院の関与3件に加え、新たに資源エネルギー庁と保安院の関与を4件認定しました。エネ庁の関与が認定されたのは初めて。電力会社と国が一体となって「やらせ」を常態化していたことになり、保安院の規制機関とはほど遠い実態が改めて浮き彫りになりました。
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新たに認定したのは、2006年10月にあった東北電力女川原発の耐震安全性に関する住民説明会3件と、08年8月に実施された北海道電力泊原発のプルサーマル・シンポジウム1件。
報告書によると、東北電力の説明会担当者は説明会(3回)の開催に向け、保安院を訪問。保安院の原子力安全広報課の課長は「東北電力の関係者もどんどん参加して、意見を言いなさい」とのべ、積極的に参加して賛成意見を発言するよう要請しました。また、会場フロアの各ブロックから賛成意見が満遍なく出るよう、東北電力関係者をブロックごとに一定数配置することも求めていました。
エネ庁の原子力発電立地対策・広報室の室長は、訪れた北海道電力の担当者に、「推進の側で発言いただくことも準備をお願いしたい」と要請。後日、同室職員が対応状況についての報告を求めると、北電担当者は、原発を推進する各種団体などの所属者を中心に12人を人選し、その12人に北電が作成した質問をするよう現地と調整しているとの報告文書を質問集とともに提出したといいます。
報告書は、「電力会社とエネ庁、保安院との間に相互にもたれあう関係があったことが国による電力会社に対する不適切な行為の大きな一因」としました。
(11年10月01日付「しんぶん赤旗」より)
【参照】→経済産業省「原子力発電に係るシンポジウム等についての第三者調査委員会」最終報告書について
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