北電が“やらせ”認める/本紙が指摘の泊原発08年シンポ | 11.08.26 |
北海道電力の阪井一郎原子力部長は26日、泊原発3号機へのプルサーマル導入について住民意見を聞く2008年10月の道と地元自治体主催のシンポジウムで、社員に参加と推進意見の表明を促す文書をメールで送っていたことを明らかにしました。この問題は、本紙が入手した内部資料と関係者への取材にもとづいて、26日付でスクープしたもの。
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文書には、「プルサーマル計画を確実に進めるためにも、数多くの方にご参加いただき推進意見を」などとありました。
北電は同日夜の記者会見で、本紙報道について、「報道されたとおり、(08年)10月3日付で泊原子力事務所渉外課から泊原子力事務所・泊発電所・泊原子力発電所建設所の各課に対して、当該依頼を行う文書がメールにて発送された事実が判明した」と全面的に認めました。
「今回の件を重く受け止め」るとしたうえで、メールが発送された経緯や出席者数、意見表明の有無、シンポジウムヘの影響などについて詳細な調査の実施をする、としています。
また、問題のシンポジウムだけでなく、同時期に開催された道や地元町村主催の他のシンポジウムについても、同様の事例がないか、調査するとしました。
シンポジウムは北電と安全協定を結ぶ岩内町で開かれました。道によると381人が出席。出席者によると、プルサーマル導入に反対意見が多く出され、発言希望者がいるにもかかわらず、司会者が「時間切れ」と言って、発言を打ち切ったといいます。
会場で道が集めたアンケートでは、賛否が桔抗(きっこう)する結果が出ていました。社員への参加動員と推進意見の表明依頼とのかかわりが注目されます。
九州電力に始まり、“北電おまえもか”という事態であり、むしろ原発推進のための「やらせ」が電力会社の常とう手段だということが明らかになりました。
九電の「やらせ」発覚を受けた調査で、北電は国主催のシンポについては「やらせ」はないとしながら、結局同時期の道主催のシンポでの「やらせ」は「しんぶん赤旗」によって事実が突き付けられるまで隠ぺいしていたのです。
中部電力や四国電力のように保安院からの「やらせ」指示があったのかも含め、徹底的に調査して明らかにすべきであり、「やらせ」なしに原発の安全性を説得できないことが明らかになった以上、泊原発3号機の営業運転はきっぱり中止すべきです。
(11年08月27日付「しんぶん赤旗」より)
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