2008年北海道議会第1回定例会 一般質問
日本共産党 真下 紀子 議員
- 1.知事の政治姿勢について
- (1)地球環境問題と北海道洞爺湖サミットについて
- (2)米軍訓練移転と日米安保条約について
- (3)道路整備の中期計画について
- (4)行政委員会について
- (5)旅費条例について
- (6)選挙における公費の使途について
- 2.道民生活について
- (1)新たな行財政改革の取組みについて
- (2)食の安全・安心と食糧自給率の向上等について
- (3)地域医療について
- (4)障がい者の認定等について
- 3.経済・産業対策について
- 4.教育問題について
○30番真下紀子君(登壇・拍手)(発言する者あり) 私は、通告に従い、知事、選挙管理委員長および教育長に質問いたします。
[地球環境問題と北海道洞爺湖サミットについて]
初めに地球環境問題についてですが、10年前に採択された京都議定書により、日本は、2012年までに、温室効果ガスの排出量を90年比で6%削減しなければなりません。
ところが、現状は、削減どころか、逆に、2005年度で7.7%、2006年度速報でも6.4%も上回っています。
知事はこの日本の現状をどう認識しているのか伺います。
温暖化ガス削減の目標の達成のためには、①国内の排出量の半分以上を占める発電所、鉄鋼を初め、政府の責任で経済界と具体的な削減協定を締結すること、②自然エネルギー目標量の抜本的引き上げ、電力会社に対して買い取り価格の引き上げおよび買い取り量の拡大を指導すること、③既存のエネルギー税制の見直しと、温暖化ガスの排出量を考慮した環境税の導入、④排出量取引を進めることなどの検討、以上の4点が緊急の課題と考えます。知事の認識はいかがでしょうか。私は、これらについて国に強く要望すべきと考えますが、お答え願います。
サミットの開催地として、知事が温暖化対策に具体的にどう取り組むのかが問われています。
具体的に申し上げますと、①道として自然再生エネルギー目標を引き上げ、北電に対し、買い取り枠の拡大を強く求めること、②北電や新日鉄、王子製紙や日本製紙など、排出量の多い企業に削減計画をつくらせること、③世論調査でも国民の8割が我慢できるという自動販売機の撤去、コンビニの24時間営業の見直しなど、この3点を提案いたします。
知事はどう取り組むおつもりか伺います。
[米軍訓練移転と日米安保条約について]
米軍問題、自衛隊問題についてです。
沖縄での米海兵隊員による女子中学生暴行事件、海上自衛隊のイージス艦の漁船衝突事件など、この間の米軍や自衛隊が引き起こした事件に、国民の大きな怒りが集中しています。
イージス艦衝突事件では、漁船を12分前に発見しながら、2分前とうそをつき、衝突直前まで全く回避措置をとらなかったばかりか、捜索ヘリを幹部の移動に使うなど、日本国民の命と安全よりも軍事優先の防衛省、自衛隊のゆがんだ体質が浮かび上がりました。
米軍、自衛隊の相次ぐ暴挙に対して、国民からは、基地がある限り事件は無くならないと、厳しい批判が上がっていますが、知事はこれらの事件をどのように受けとめているのか、伺います。
北海道では、米軍再編に伴う道内初の日米合同訓練が、先日、千歳航空自衛隊基地で行われました。沖縄の負担軽減が目的だったにもかかわらず、沖縄の現状は変わらずに、米軍訓練の全国への拡大が実態です。
許されないのは、2月に、米兵が釧路入りする際の日程変更で、事前通告期限を破って入港したことです。
これは日米地位協定違反の疑いもある重大問題であり、知事としても厳重に抗議すべきと考えますが、いかがでしょうか。
[道路特定財源について]
道路特定財源は国道と都道府県道の舗装率が5%しかなかった半世紀前の制度です。
国も地方もかつてないほど財政が厳しい中、国民生活に本当に必要な予算を積み上げるのではなく、道路中期計画を前提として、まず59兆円の総額を確保し、使い切るという、旧態依然としたやりかたには、経済財政諮問会議のメンバーからさえも批判の声があがっています。
知事は採算性や住民にとっての必要性を度外視した計画にあくまで賛成をするのか、伺います。
最近のマスコミの世論調査で、道路特定財源を道路整備以外の目的に使える一般財源にする考え方に、賛成が59%、反対の2倍となっています。
北城恪太郎前経済同友会代表幹事は、道路特定財源を一般財源にして地方に移し、そのうえでそれぞれの地方が教育か介護か、それともやはり道路に使うのかを決めるべきと、一般財源化を主張しています。
知事はそれでも一般財源化に反対するお考えなのか、伺います。
道路財源を使ってミュージカルを上演したり、高額な米兵の将校住宅を建設していたことや、最近では、北海道開発局の宿舎をつくっていたことが判明しましたが、道にもそのような実例があるのか明らかにしてください。
[行政委員会報酬について、旅費条例について]
私は、昨年の決算特別委員会と第4回定例会で、行政委員の実態に応じた報酬への改善を求め、知事は、適切な対応を考えてまいりたいと答弁をされました。
また、大臣より高い出張旅費規程についても見直しを明言されていましたが、その後の検討経過と改善策、および見直しの効果について、それぞれ明らかにしてください。
[選挙における公費の使途について]
昨年の4定議会での私たち日本共産党の質問で、公費で賄われている選挙ポスターの作成費や選挙カーの燃料代の水増し請求疑惑が初めて明らかとなり、道民から大きな批判を受けました。
北海道選挙管理委員会は、再発防止に向けて、できるだけ早く適切な対応ができるように努力したいと約束をいたしました。
改善策の具体的内容およびこれまでの道議等の公費の返還状況がどうなっているのか、また、そのことについての選挙管理委員長の認識を伺います。
[道路・河川占用料値下げについて]
知事は徹底した行財政改革を掲げ、自主財源の確保に必死で取り組んでいると表明されています。
ところが、驚いたことに、今回、北電、NTTなどが主な対象である、道路および河川等の占用料において、大幅な減額となる条例の改正案を提案しています。
北電などの電柱は、道路の除雪の障害になり、景観を損ない、交通事故を大きくする場合さえあることを考えると、その社会的費用は膨大なものです。
道財政が危機的状況であり、道民、道職員に痛みを押し付けているこのときに、大企業が主な対象である道路等の占用料を引き下げるのは、なんらの合理性がないと考えますが、いかがでしょうか。
また、道は、今回の引き下げは国の単価の引き下げに準拠しているといいます。国が下げたのに道が下げない場合に生じる国道と道道との格差が不都合であると知事自身が考えているとすれば、地域主権を掲げるトップリーダーとしてはいかがでしょうか。
地域主権を掲げる知事の立場から、今回の改定についてどのような検討を行ったのか、お聞かせください。
聖域なき改革というのであれば、日経新聞の2月19日付で、「改革論議の視点を変え、大企業から家計へ経済政策の軸足を移せば、海外からの投資もついてくる。」と述べているように、まず、大企業が社会的責任を果たすようなシステムづくりを図る考えが必要です。
資本金1億円以上の大企業への事業税の超過課税を実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。
[食の安全・安心と食糧自給率の向上等について]
農業、食の問題についてです。
飼料用穀物の高騰で、酪農家から1トンの牛乳を生産するごとに1万円の赤字になるという悲鳴が上がっています。
また、政府は、減反達成のために、水張り減反や青刈りを復活させ、新たに727億円もの予算を投じようとしています。
せっかく米から転作しても、小麦の生産者販売代金は1俵1650円、大豆生産者が受け取った代金は概算で1俵3000円です。
穀物を初めとした世界の食糧生産動向のもとで、国と道は、酪農経営の安定を図る上から、農家の所得補てんのためにこそ予算を使うべきと考えますが、いかがでしょうか。
食の安全の確保と農業経営の維持は、39%まで落ち込んでいる食料自給率を向上させる問題と表裏一体です。知事の所見を伺います。
現在、ハウス農家は燃料の高騰に大変苦しめられています。ハウス内のトラクター運転には免税の軽油が使えますが、ハウスの除雪については対象外です。
本道農業の振興のため、ハウスの除雪にかかる燃料についても免税対象となるよう、国に働きかけていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
[地域医療について]
北海道の地域医療は、絶対的医師不足、交付税と診療報酬の削減により、瀕死の状態であり、出産の空白地を広げています。
自治体病院等広域化・連携構想の道提案の問題点は、財政面では経営形態の見直しにまで言及しながら、肝心かなめの、地域医療に果たすべき道の責任、役割の明言を避けていることです。
また、今後どのように地域医療を構築しようとしているのかが見えず、医師、助産師、看護師など、医療スタッフの目標を明示していません。
今後、この構想に基づき地域で検討するに当たり、道としてどのような役割を果たすのか、お考えを伺います。
都市部や中核病院でも、医師不足による診療科の閉鎖や縮小がドミノ倒し状態になっており、人工透析治療を行っている医療機関でも、医師不足などにより、医療の確保が困難になっている実態があると聞きます。
道は、絶対的医師不足を認めた上で、医師確保対策に乗り出すべきではないでしょうか。お考えを伺います。
[障がい者の認定について]
聴覚障害者の認定について、障害の程度に疑義がある身体障害者手帳の交付が大量に発覚し、道は調査を行っていますが、その進捗状況について伺います。
また、この問題では、滝川の生活保護費不正受給と同様、障害認定における行政の責任が問われると考えます。
平成16年度以降、疑義ケースには却下事案もありますが、それまでの疑義ケースの有無、疑義ケースに対する支庁からの問い合わせの有無、さらに、道はこれらの問い合わせにどのように対応されたのか、あわせて伺います。
特に、昨日、芦別市議会で、平成12年以前の段階で芦別市が異常に気づいており、道の空知支庁にも伝えていたとの答弁がなされたと報道されていますが、そのことの事実関係についてもあわせて伺います。
[非正規雇用について]
経済、雇用についてですが、構造改革という名の規制緩和が進む中で、雇用のルールはバケツの底が抜けた状態になり、不安定雇用が激増しています。厚生労働省の調査によれば、本道の非正規雇用者の割合は31%から39%に激増しています。
福田総理は、日雇いという形が決して好ましいものではないと答弁していますが、知事の認識を伺います。
派遣労働は、人間を物扱いし、貧困の根源にあります。人間らしい雇用を破壊するもので、放置できません。公明党の中にも派遣法改正の動きが出てきています。
私たちは派遣法を改正し、労働者保護法に改正すべきと提案していますが、知事はいかがお考えか伺います。
具体的に伺います。
トヨタ北海道への、道の企業立地促進条例の雇用増を基準とする助成は、この12年間で980人、4億8千万円を超えていますが、いずれも正社員への補助金なのか、期間工への補助金なのか判然としていません。道の助成基準があいまいであり、雇用保険加入、130万円以上などの3要件がきわめて甘いためです。
トヨタの期間工はなお1100人もいます。これらについて速やかに正社員化を図るよう働きかけるつもりがないのかどうか、伺います。(発言する者あり)
近年は、コールセンターの立地拡大の中で、雇用助成が激増しています。しかし年間給与が130万円以上であればよいという道の要件であれば、青年は、職に就けたとしても、とても結婚できる条件にはなり得ず、これが続けばワーキングプアの再生産になることは明らかです。
今、道では規則の改正を行っていますが、例えば、200万円以上にするなど、雇用増に係る道の助成要件を、自立した生活が保障される水準に変更すべきと考えますが、いかがでしょうか。
[特別支援教育について]
教育問題について伺います。
昨年4月、特殊教育から特別支援教育に移行しました。障害者権利条約に基づく理念は良くても、人員、設備、予算いずれの裏付けもないスタートのために、矛盾と課題が鮮明になっています。
私は、国が障害者権利条約を早期に批准し、どのような障害があっても教育の確立が大切と考えますが、教育長の見解を求めます。
特別支援教育支援員の学校への配置は、特別なニーズのある子供たちへの対応や学校の支援に当たり、とても歓迎されていますが、本道においては、昨年12月1日現在で565人、学校数に対する配置率は33.7%にすぎません。この原因と、今後の市町村における配置予定と、道教委の取り組みについて伺います。
また、高校についても、岩手県では5人、滋賀県は3人を、平成20年度から新たに県単独で配置しています。本道においても実施を提案しますがいかがでしょうか。
中学校での不登校が急増していますが、現状はいかがですか。
また、LDなど、発達障害のある児童生徒へのいじめや不登校もあると思います。
こうした不登校児をなくすためには、別室登校や支援員の配置なども有効な対策と考えます。障害のある児童生徒の不登校の未然防止にどう取り組むのか伺います。
最近の養護学校における児童生徒数の増加は著しく、知的障害のある児童生徒を教育する札幌養護学校で241名、星置養護学校で183名となっており、また肢体不自由の拓北養護学校で134名など、大規模化していると聞きますが、現状と、分離独立や本校化をどのように進めようとしているのか、伺います。
知的障害を対象とする高等養護学校へのニーズの高まりは、近年、出願者数が急増したことにもあらわれています。
知的障害のある生徒の高等部教育保障をどうするのか、大きな課題になっています。5間口を適正規模とされていたのに、6間口校、7間口校が続出していますが、新設校をもっと整備していくべきではありませんか。
また、例えば、流通、サービス系などへの学科の見直しを進めることが必要と考えますが、いかがでしょうか、あわせて伺います。
以上、再質問を留保して、私の質問を終わります。(拍手)(発言する者あり)
高橋はるみ知事の答弁
○知事高橋はるみ君(登壇)(発言する者あり) 真下議員の質問にお答えをいたします。
最初に、私の政治姿勢に関し、まず、温室効果ガスの排出状況についてでありますが、わが国における温室効果ガスは、民生部門、運輸部門からの排出量が増加したことなどにより、基準年に比べ増加していることから、本年2月に取りまとめられた京都議定書目標達成計画の見直しに関する最終報告では、第1約束期間の削減目標を確実に達成するためには、温室効果ガスの削減に向けたこれまでの対策の強化に加え、追加的対策の導入が不可欠とされているところであります。
私といたしましては、わが国が世界に約束した目標を達成をし、未来を担う子供たちに豊かな環境をしっかりと受け継いでいくためには、民生部門を初めとした各部門における温室効果ガス排出削減に向け、国民全体が一丸となって取り組んでいく必要があるものと考えております。
次に、米兵による事件などについてでありますが、沖縄県で起きた米軍人による女子中学生暴行事件は、あってはならないものであり、決して許されるものではないと考えております。
そのため、先日の千歳基地への訓練移転にあたっても、このような事件が発生することのないよう、防止対策の徹底を国に対し特に強く申し入れたところであります。
道といたしましては、今後とも、国に対し、機会あるごとに、米軍人の規律の保持と再発防止を求めてまいりたいと考えております。
また、海上自衛隊のイージス艦と漁船の衝突事故につきましては、現在事故原因などを捜査中と承知しておりますが、私といたしましては、このような事故が二度と起こることがないよう、徹底した原因究明がなされ、再発防止策がとられることが何より重要であると考えております。(発言する者あり)
次に、米艦船の釧路港への入港についてでありますが、先日、日米共同訓練のため、米軍がチャーターした輸送船が、予定された期間内に入港せず、翌日に通常の手続きが行われないまま入港したことについては、港湾の安全や円滑な港湾機能の維持確保の観点からも遺憾であると考えており、道といたしましては、この事態を受け、米軍において手続きを遵守するとともに、適切な情報提供を行うよう、国に対して申し入れを行ったところであります。
また、国においても、丁寧な手続きを踏んだ通告がなされるべきである旨、米側に申し入れたと聞いているところであります。(発言する者あり)
次に、道路整備の中期計画についてでありますが、道路は医療、福祉、教育などの道民生活や、農業などの産業振興を支える社会基盤として重要な役割を果たしていることから、私といたしましては、積雪寒冷地でもある北海道の地域特性を踏まえ、国へ意見を提出したところであります。
今回の素案では、北海道の高規格幹線道路について、これまで整備方針が定められていない全ての区間の整備の進め方が示されたほか、防雪対策や維持管理などが取り組むべき課題として掲げられており、この中期計画の推進は北海道の将来の発展を支えるものと考えております。
次に、道路特定財源の一般財源化についてでありますが、本道の道路整備はまだまだおくれており、道民が安全で安心して生活するためには、高規格幹線道路から、住民に最も密着した市町村道に至る道路の整備や維持管理が不可欠であることから、その財源の確保が必要であると考えております。
次に、行政委員会委員の報酬、および特別職職員の旅費についてでありますが、行政委員会の非常勤委員に対する報酬に関し、昨年12月以降、各行政委員会委員の業務内容などについて把握を行ったところでありますが、各委員の業務は委員会や総会に出席して審議を行うだけでなく、事案調査等のための出張や打ち合わせなど、その活動は多岐にわたっていることを確認をいたしたところであります。(発言する者あり)
報酬については、委員の高い専門性や識見をもとに、法に基づく権限行使に当たっての職責や、その活動が、総会等での審議のほか、さまざまな業務に対応していることも考慮すべきであり、このようなことから、現行どおりの取り扱いが適当であると考えておりますが、今後は、私ども特別職職員の給与と同様に、民間有識者や学識経験者のご意見も伺うこととしてまいりたいと考えております。
次に、旅費についてでありますが、旅行形態や社会経済情勢の変化などを踏まえ、特別職職員の旅費について、出張した際の日当や、東京など大都市での宿泊料の額を国の特別職職員の水準に引き下げるなど、所要の見直しを行い、一般職も含めた旅費制度の改正について、本定例会に条例案を提案をいたしたところであります。
見直しの効果につきましては平成18年度における知事、副知事にかかる出張について日当および宿泊料見直し後の額に置き換えますと、概算ではありますが、30万円程度の旅費の減額が図られることとなるところであります。
なお、温室効果ガス削減にかかる国への要望などについては、担当の部長から答弁をさせていただきます。
次に、道民生活に関し、まず法人事業税の超過課税についてでありますが、全国的にも景気の回復が緩やかになっている中で、本道の経済・雇用情勢は依然として厳しい状況が続いているところであります。
このような状況を踏まえますと、ご指摘の超過課税については、産業振興などの面においてマイナス要因となることもあることから、慎重な対応が必要なものと考えます。(発言する者あり)
次に、農業経営の安定についてでありますが、小麦や大豆などの主要畑作物や、北海道が主に生産をしている加工原料乳やチーズ、生クリーム原料乳については、品代だけではその再生産を図ることが難しいことから、生産者の所得を確保するため、既に、小麦、大豆等については、水田・畑作経営所得安定対策が、加工原料乳については、生産者補給金を初めとする畜産物価格関連対策が講じられているところであり、今後とも、道といたしましては、これらの制度を活用して担い手の経営安定に努めてまいりたいと考えております。
また、食料自給率の向上に寄与していく上から、担い手の、良質で安心、安全な農畜産物づくりに対する、技術、経営面からの指導について、引き続き、農業団体とも連携を図りながら取り組んでまいる考えであります。
次に、医師確保についてでありますが、本道における人口10万人あたりの医師数は全国平均を上回っているものの、医師数の約半数が札幌圏に集中するなど、医師の地域偏在が顕著であり、多くの地域におきまして医師不足が深刻化している状況にありますことから、医師の養成数を増やす必要があると考えております。
このようなことから、国の緊急医師確保対策を踏まえ、道内の医育大学の入学定員につきまして、札幌医科大学におきましては、平成20年度は5名増員をし、定員を105名としたところであり、さらに、平成21年度からは札幌医科大学は定員108名、旭川医科大学は定員107名とする予定でいるところであります。
道といたしましては、今後とも道州制特区提案をも活用しながら、医育大学のさらなる定員増を図るなど、将来にわたり地域医療を担う医師の安定的な確保に努めてまいりたいと考えております。
なお、地域医療の確保などについては、担当の部長から答弁をさせていただきます。
最後に、産業経済対策に関し、非正規労働者についてでありますが、企業間競争の激化や就業意識が多様化している中で、非正規労働者が増加をしているところでありますが、私は基本的に安定した雇用形態が望ましいものと考えております。
国においても、平成20年度において、有期契約労働者の雇用管理の改善を図るためのガイドラインの策定や、正社員に転換する奨励金が新設されるほか、日雇い派遣労働者の雇用の安定などを図るための省令や指針が本年4月に施行されるものと承知いたしております。
道においても、平成20年度から始まる次期雇用創出基本計画において、非正規労働者への対応などを含めた就業環境の整備を位置づけ、重点的に取り組むことといたしており、今後とも、国などと連携を図りながら、労働関係法令や各種支援制度の普及啓発などの取り組みを積極的に推進をしてまいりたいと考えております。
なお、労働者派遣制度などにつきましては、担当の部長から答弁をさせていただきます。
以上でございます。
○環境生活部長高井修君(登壇) 地球環境問題に関しまして、温室効果ガス削減に係る国への要望についてでありますが、産業部門の温室効果ガスの削減については、製造業やエネルギー産業などを初めとした各部門において、経団連の自主行動計画に基づき取り組みがすすめられている一方、国においても、省エネ法や温暖化対策推進法による事業者の温室効果ガス削減に関する計画の策定や、排出量報告の義務付けなどを通して、産業部門の排出量の削減促進に努めているところであります。
また、国におきましては、平成15年に電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法、いわゆるRPS法を施行し、新エネルギー等の利用を義務づけ、さらに、全国知事会では、国に対し、電気事業者の買い取り量の拡大について要望してきており、平成19年3月には利用目標量が見直され、導入拡大が図られたところであります。
また、環境税や国内排出量取引、新エネルギー対策の抜本的強化などについては、京都議定書目標達成計画の見直しに関する最終報告において、今後速やかに検討すべき課題とされているところでありますが、道としては、積雪寒冷などといった地域特性への配慮や、産業競争力を阻害しない公平な視点に立った検討が必要であると考えているところであります。
道としては温室効果ガスの排出削減に向けた国における今後の取り組み状況などを踏まえながら、適切に対処してまいりたいと考えております。
次に、温室効果ガス削減に向けた取り組みについてでありますが、道としては、RPS法に基づく新エネルギーなどの基準利用量を超える状況にある北海道電力株式会社に対しても、今後とも買い取りの拡大を要請してまいる考えであります。
また、温室効果ガスの排出量が一定規模以上の事業者については、省エネ法に基づき、省エネ目標達成のための中長期計画の提出などの義務づけにより、計画的、自主的なエネルギー管理の徹底が求められているところであり、コンビニについてもその対象となるよう、現在、法改正が検討されているところであります。
さらに、省エネ法により、エネルギーの消費性能の向上を図ることが必要な機器として指定された自動販売機については、関係団体における計画のもと、2010年には、1台あたりの消費電力量を1990年比で半減するよう、取り組みが進められているところであります。
道としては、今後とも、国や関係機関などと連携を図りながら、温室効果ガスの排出削減に向け、積極的に取り込んでまいります。
以上でございます。
○保健福祉部長髙橋教一君(登壇) 道民生活に関しまして、まず地域医療の確保についてでございますが、道が策定いたしました自治体病院等広域化・連携構想は、自治体病院を一律に再編するものではなく、それぞれの地域の実情を踏まえながら、地域みずからが主体となって検討していただきたいとの考えから、市町村や住民の皆さんへの道の考え方としてお示しするものでございます。
このため、今後、各区域ごとに設置する検討会議におきまして、地域で確保すべき医療提供体制を初め、医師や看護師等の医療スタッフの確保対策、広域的な運営や費用負担、さらには救急搬送体制と患者の通院手段の確保など、地域の実情に応じた幅広い事項について検討していただくこととしているところでございます。
道といたしましては、保健所がこの検討会議の事務局を担うことを初め、必要に応じて本庁やさらには支庁の地域振興部門も参画し、患者の通院や入院の状況、病院の経営状況といった地域実態に関するデータなど、地域検討に当たって必要な情報を提供するとともに、適切な助言を行なうなど、積極的に対応してまいる考えでございます。
次に、身体障害者手帳についてでございますが、現在、市町村におきましては、特定の医師が関与した聴覚障害者に係る身体障害者手帳の交付に関し、身体障害者福祉法に基づき調査を実施しているところであり、3月7日の段階で、札幌市、函館市および旭川市の3市を除く、道内の当該調査の対象者584名のうち、既に222名から手帳の返還がなされているところでございます。
また、今回のような事案につきましては、本道におきましては初めてのケースではありますが、平成12年当時の事実関係について、昨日、芦別市から提供を受けた情報をもとに、当時の文書などを確認したところ、平成12年10月に、道立心身障害者総合相談所が開催した研修会におきまして、芦別市から、特定の医師が診断したケースで、実態と手帳の等級に乖離がある事例があるが、他の市町村でのこうした事例の有無はどうかが質疑事項として提出され、これに対し、障害の程度に疑義がある場合、法に基づき、市町村が診査をし、その通告に基づいて知事が手帳の返還を命ずることが可能である旨の回答をしていることを確認いたしましたが、その際の詳細なやりとりや、その後の対応については、現時点では明らかになっていないところであります。
なお、道といたしましては平成16年12月の段階で、渡島保健福祉事務所からの報告を受け、これを契機として、道としての対応に着手し、平成17年2月に道が開催した保健福祉事務所の担当者会議におきまして、関係者に注意喚起を行なうとともに、当該医師が関与した事案につきましては道立機関において確認のための検査を行なうなど、通常の審査よりも慎重な対応を行なうなどの対策を講じてきたところでございます。
以上でございます。
○経済部長渡辺健君(登壇) 経済産業対策に関し、まず労働者派遣制度についてでありますが、国の労働政策審議会においては、平成15年の労働者派遣法改正後の施行状況を踏まえた検討などが行われてきたところでありますが、労使間に、労働者派遣が原則自由であるべきと考えるのか、本来は限定的なものであると考えるのかといった根本的な意見の相違があることから、先般、厚生労働省に、学識経験者による研究会が設けられたところであり、今後、専門的な検討が進められるものと承知しております。
道といたしましては、派遣労働者の雇用の安定や、安心して働ける環境の整備が図られることは重要であると考えており、国における議論を注意深く見守ってまいりたいと考えております。
次に、雇用形態についてでありますが、企業立地促進条例に基づく補助金においては、企業誘致の目的や補助の規模などにかんがみ、一定数以上の、雇用期間の定めのない常用雇用者の増加を助成要件とし、常用雇用への誘導を図っているところでございます。
国においては、平成20年度において、有期契約労働者の雇用管理の改善を図るためのガイドラインの策定や、正社員に転換する奨励金が新設されるものと承知しております。
今後とも、国などと連携を図りながら、労働関係法令や各種支援制度の普及啓発などに取り組んでまいる考えでございます。
最後に、産業振興条例における雇用増の要件についてでありますが、現行の企業立地促進条例における常用雇用者の基準としては、雇用期間の定めのないこと、雇用保険の被保険者であること、さらには年間の給与所得が扶養家族の基準額である130万円以上を見込まれる者であることを必要要件として定め、これらをすべて満たす者を対象としているところでございます。
新たな条例においては、他県の例も参考にしつつ、この年収の要件にかえて、健康保険及び厚生年金の被保険者であることを要件とし、常用雇用者であることをより明確にする基準に見直すことを検討しているところでございます。
以上でございます。(発言する者あり)
○農政部参事監細越良一君(登壇) 食の安全、安心と、食料自給率の向上等に関し、ハウスの除雪燃料の課税免除についてでございますが、軽油取引税は、地方税法等の規定によりまして、特定の用途に供される軽油の引き取りに対しましては課税免除の措置がとられておりますが、農作業用のトラクター等による耕地と密接不可分な関係にない除雪につきましては免除措置は認められていないところでございます。(発言する者あり)
昨年来の原油価格の高騰等により、花卉生産などの施設園芸は、ハウスの加温用の燃料費が増加するなど、経営に大きな影響を受けておりますことから、道といたしましては、ハウスの多重被覆など、燃料費を低減する営農技術指導や、低利な制度資金の活用などについて取り組みを進め、施設園芸農家の経営の安定が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○建設部長猪俣茂樹君(登壇)(発言する者あり) 初めに、道路整備の中期計画に関して、道路事業の執行についてでありますが、道の補助事業におきましては、工事に要する経費と、これに係る人件費や事務的経費、現場事務所の設置費用などが対象とされており、道ではこれらの範囲の中で事業の執行に務めているところであります。
次に、「新たな行財政改革の取組み」に関して、道路などの占用料ついてでありますが、道民の生活に密接に関連しております電気事業や電気通信事業などは、公益性が大きいことから、道路法に基づき専用を許可しているところであります。
現在国において適用している占用料につきましては、平成6年度の地価水準をもとに算定されており、昨今の地価が大きく変動していることから、道路法施行令を改正し、道路占用料の改定が行われるところであります。
道といたしましても、このような認識をもとに、改定を行うこととしております。
最後に、今回の改訂についてでありますが、道といたしましては、先ほど申し上げましたように、地価の変動が大きいことから、占用料の改定を行おうとするものであります。
また、改定された占用料につきましては、法人や個人を合わせて約2800に及ぶ占用者の方々のことも考えて、国と同じく、本年4月1日から適用することとしたところであります。
以上でございます。(発言する者あり)
選挙管理委員長の答弁
○選挙管理委員長土屋良三君(登壇) 真下議員の質問にお答えをいたします。
選挙運動の公費負担についてでありますが、まず、返納の状況についてお答えをいたします。
選挙運動用自動車の燃料代につきましては、昨年執行した道議会議員選挙のほか、四つの選挙にかかわって、28件の返納がありました。総額は約134万円となっております。
また選挙運動用ポスターにつきましては、昨年執行した道議会議員選挙にかかわって6件の返納がありました。その総額は約124万円となっております。
これらの返納は、候補者や契約業者が請求した公費負担額を再度精査した結果、選挙運動用自動車以外の自動車に給油していたものや、ポスターにかかわる経費以外の費用も含まれていたなどの誤りがあることが判明したことによるものであります。
こうした誤りが生じた原因としては、候補者や契約業者において、公費負担の制度をよく理解されていなかったことや、現行の公費負担に関する提出書類の内容では、誤った請求を把握することができないことによるものと認識しております。
このため、当委員会といたしましては、公費負担制度の適切な運用が図られるよう、候補者や契約業者に対して、これまで以上に公費負担制度の周知徹底を図るほか、請求に必要な書類の様式の見直しや納品書の添付などの改善策を検討しているところであります。近日中にその方針を取りまとめていきたいと考えておる次第であります。
以上であります。
教育長の答弁
○教育長吉田洋一君(登壇) 真下議員の御質問にお答えいたします。
特別支援教育に関しまして、まず、障害のある子供たちへの教育についてでございますが、御指摘のございました、障害者の権利に関する条約につきましては、現在、国におきまして、批准に向けた検討を行っているものと承知をしております。
いずれにいたしましても、道教委としては、本道における特別支援教育を推進するための基本方針を策定し、これまで本道で培ってきた専門性を生かしながら、特別支援学校はもとより幼稚園、小中学校、高等学校などにおきましても、発達障害を含む障害のある幼児、児童、生徒一人一人の教育的ニーズに応じた適切な指導や必要な支援が行われるよう、体制を整備し、特別支援教育の一層の充実に努めることとしております。
次に特別支援支援員の配置についてでございますが、小中学校において、さまざまな障害のある児童生徒に対する学校生活上の介助や学習活動上の支援などを行う特別支援教育支援員について、札幌市を除く道内市町村における平成20年度における配置予定数は721名、学校数に対しまして約44%となっております。
市町村における配置が進まない理由としては、対象となる児童生徒がいないこと、小規模校であり、現員体制で対応が可能であること、交付税措置のため、使途が限定されていないこと、適当な人材がいないことなどが挙げられているところでございます。
道教委としては、この支援員は特別支援教育の充実を図る上で重要と考えておりまして、今後とも、さまざまな機会を通じ、支援員配置の趣旨などについて周知を図り、すべての市町村において配置され、有効に活用されるよう、積極的に働きかけてまいりたいと考えております。
また高等学校における支援員の配置につきましては、これまでも、その財源措置について国に要望してきたところであり、今後も引き続き要望してまいります。(発言する者あり)
次に、不登校への対応についてでございますが、国が実施した調査によりますと、本道の中学校における不登校生徒数は、平成13年度をピークに減少傾向にございましたが、平成18年度は3349人で、全国の状況と同様、増加に転じたところであります。
また、LD等の発達障害などの児童生徒が、いじめの対象となったり、人間関係づくりがうまくいかなくなったりするなどして不登校につながるとの指摘もあるところでございます。
このため、道教委といたしましては、各学校において、スクールカウンセラーの活用や関係機関などとの連携などにより、児童生徒一人一人に応じたきめ細かな指導や教育相談の充実はもとより、障害についての知識を深めるための校内研修の実施や、特別支援教育支援員の活用、各教育局ごとの専門家チームや巡回相談員の活用を図るなどして、障害のある児童生徒への指導や支援の充実が図られるよう努めてまいります。
次に養護学校などの現状についてでございますが、小中学部と高等部を併設しております道立養護学校29校のうち、5年前の平成14年度と比較して、平成19年度の学級数が増えている学校は、本校で11校、分校で2校となっております。
道教委といたしましては、特別支援教育に関する基本方針案において、障害のある児童生徒の良好な教育環境を確保するという観点に立って、義務校校舎の狭隘化の解消や、大規模分校の本校化の検討について盛り込んでいるところでございまして、今後、在籍者数の推移や今後の見通しなどを踏まえながら、必要な検討を行ってまいりたいと考えております。
最後に知的障害高等養護学校の整備にかかわってでございますが、近年、中学校特別支援学級在籍者の増加などに伴って、高等養護学校への進学希望者も増加傾向にあり、来年度は、特に進学希望者の増加が著しい道央地域において既存の高等養護学校の増築を行うとともに、新設校の整備に着手することとしており、今後も、特別支援学級在籍者数の推移や進学希望の動向などを十分見きわめながら、必要な受け入れ体制の整備に努めてまいりたいと考えております。
また障害のある生徒の自立や社会参加を図る上で就労は重要でございまして、高等養護学校における職業教育の一層の充実を図るため、生徒の進路状況や産業動向などを踏まえて、学科や指導内容の見直しなどを検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
真下紀子議員の再質問
○30番真下紀子君(登壇・拍手)(発言する者あり) 再質問いたします。
地球温暖化についてですが、知事の答弁からは、残念ながら、現実に進行している温暖化の問題の深刻さや、国民の抱く危機感が全く伝わってきません。
温暖化対策の進捗状況は、日本は先進国中最下位です。それなのに、知事は、なぜ、国や経済界に対して、国際公約である温室効果ガスの削減目標達成に最大限努力するよう厳しく求めないのでしょうか。
また、東京都や大阪府では、国がやらないのなら自分がやるという気概で条例をつくり、具体的な温室効果ガスの削減目標などを作成して、企業などを指導していることについてどう評価されているのか、以上2点について再度知事の答弁を求めます。
米軍のウエストパック・エクスプレスが、正式通知もなく、釧路港に入港したことは許しがたい行為です。しかし、知事は、なぜ、文書で抗議せず、またもや口頭で済ませたのか、真意を伺います。
また、当初、上陸人員は7人との連絡でしたが、実際には百数十人と言われるだけで、正確な人数の連絡もないというのでは、道民に不安を与えます。上陸人員の正確な報告を求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
私は、重大な事故を招く危険性のある重大な事態と考えます。知事は、一度、渉外知事会に出席し、発言すべきではないかと考えますが、お答えください。
土木現業所の出張所などの建設費の一部に、国の道路特定財源等のお金が使われていたことは、建設部長の答弁から初めてわかりました。
道の説明では、平成8年度以降、5ヵ所の出張所などをつくったうちの3ヵ所に、道路特定財源からの補助金が合計1800万円使われていました。
道路特定財源以外にも、砂防事業や漁港整備事業、河川整備事業までが箱物建設の費用に使われていることも判明しました。
この3ヵ所以外にも同様のケースが多数あると思いますが、道路整備という本来の目的に外れた投入には、道民の理解を得られないのではないかと考えます。知事の認識を伺います。
道路、河川の占用料を4月から率先して引き下げるのは、8大都府県では東京と北海道のみで、ほかにも3県のみと聞いています。
道内でも4月実施を提案しているのはわずかと聞きますが、道はどのように把握しているのか、伺います。
国土交通省は、国に準拠すべきとはいっていません。厳しい地方財政のおり、地方分権の観点から引き下げの判断は地方にゆだねられていると承知しております。知事はこのような認識にお立ちなのか、伺います。
また、国土交通省の考えを十分理解したうえで、高校生の授業料まで引き上げるほど厳しい北海道財政であっても、あえて北電とNTTのためには2億円近い負担軽減を行なおうとするのか、伺います。
地域によっては、安心して子供を生むこともできない北海道で、知事の言う活力ある未来が築けるでしょうか。
道内には、助産師の充実により、常勤医師一人で年間300例以上の出産を扱っている病院があります。産婦人科医師の訴訟リスクの軽減はもちろんですが、助産師の潜在力を活用することにより、正常分娩や妊産婦検診ができるだけ身近な地域で可能となるよう対策をとってはいかがでしょうか。
また、北海道の助産師外来については、全国一の水準にする決意を持って取り組むべきと考えますが、お答えください。
人工透析治療を行なっている医療機関では、昨年の夕張市立病院の廃院に続き、美唄労災病院が平成21年までに人工透析を終了することとしています。
また、道立紋別病院では、内科医の退職により、人工透析の継続が危ぶまれるなど、医師不足による透析治療の廃止、縮小が続いていますが、現状をどのように認識していますか。
また、道民が確実に透析治療を受けるために道が果たすべき役割をどのように考えているのか、お聞きします。
障がい者の認定についてですが、現在行なっている調査の対象者584人のうち、既に222人から手帳が返還されたとのことですが、返還された手帳の中には平成9年度に交付されたものもあり、この問題がかなり以前に端を発していたことがうかがえます。
道では、平成16年12月に、渡島保健福祉事務所からの報告を機に、この問題への対応に着手したとのことですが、そのときまで今回の事例がわからなかったのではなく、そういった情報がきちんと伝わるシステムとなっていなかったのが原因なのではないかとの話も聞いております。
そこで、道として、このような問題が再び起こることのないよう、過去の状況をきちんと検証し、再発の防止策を講ずる必要があると考えますが、お答えください。
北海道の非正規雇用労働者は79万人に増加しました。これは、人間らしい生き方が破壊されている結果です。
しかも、非正規労働者の割合を全国10ブロックと比較してみますと、東北31%、近畿35%などと比べても、37%と、北海道は全国最多です。この全国最多の状況をどうお考えか、伺います。
私は、せめて10年前の30%以下に減らすべきと考えますが、知事の見解を求めます。
道の規則では、賃金が130万円以上なら50万円の補助金を支出しますが、これは、最低賃金654円の低水準を意味するもので、これでは、道が最低賃金引下げのおもりの役目を果たしていると同じではありませんか。
今、公務労働のアウトソーシングが盛んですが、この弊害をなくすために、新京都市長は公契約条例の制定を打ち出し、市の仕事の一部を委託する場合、時給1000円以上にすることとしました。
道が補助金を出す要件も、せめて、時給1000円以上、年間賃金200万円以上にすることを私は提案します。知事の考えを伺います。
高等養護学校についてですが、教育長は、必要な受け入れ体制の整備に努めると答弁をされました。
道の特別支援教育に関する基本方針案には、できる限り身近な地域おいて指導、支援を受けられる体制整備をすることとなっており、道央圏での高等養護学校の新設は第一歩となります。
しかし、旭川近郊の生徒は、遠隔地の美深、雨竜、小平の高等養護学校に進学し、親元と住みなれた地域から引き離され、寮生活をしなければなりません。
情緒障害の子供を持つお母さんなどが作る旭川市ピリモの会が、旭川市あるいは近郊への高等養護学校設置を求める要望をあげていますが、道民からの要望は届いていますか。
また、教育長は、その要望をしっかりと受け止め、実態を把握し、あらゆる方策を講じて、この状況を早期に改善すべきと考えますが、教育長の見解を伺います。
教育長は、幼児、児童、生徒の一人一人の教育的ニーズに応じた適切な指導や必要な支援の整備に努めると答弁をされました。
そうであるなら、特別支援教育においても、特別支援学級担当教諭で特別支援学校免許状を持たない教諭が1611人で56%、また特別支援学校では同様に972人、35%もいると聞きますので、この解消に向けて計画を立てて取り組むよう提案しますが、教育長の熱意に満ちた答弁を求めます。
最後に1点だけ指摘をさせていただきます。
行政委員会、旅費条例について、それぞれ答弁を伺いました。
行政委員会委員が仕事をした場合、報酬とは別に、当然、日当が支給され、出張には旅費が別に支給されます。
また、ある行政委員会の業務では、郵送した書類を見た時間を30分とカウントしているとも聞きますが、これで果たして道民の理解が得られるでしょうか。
御答弁いただいたように、今後検討されるとのことなので、道民から理解を得られるべく結果を得るよう、指摘しておきます。
旅費条例については、危機的財政状況ということをあおる知事において、特別職などの出張旅費を辛うじて大臣並みにしただけでは、看板倒れではありませんか。
大臣並みの旅費規程でいいとの判断では、実は、道財政の厳しさはその程度であり、聖域なき行財政の改革の看板は道民向けのようです。私は、せめて、後期高齢者医療広域連合議会の議員並みに減額すべきと指摘をしておきます。
再々質問を留保して、再質問を終わります。(拍手)(発言する者あり)
高橋はるみ知事の再答弁
○知事高橋はるみ君(登壇) 真下議員の再質問にお答えをいたします。
最初に、私の政治姿勢に関し、まず地球温暖化問題についてでありますが、地球温暖化防止は、人類の英知を結集し、国境を越えた協力のもとに推進されるべき極めて重要な課題と考えております。
そういった観点から、先に開催されました、低炭素社会への転換を目指す地球温暖化問題に関する懇談会においても、私は、地域の代表として、我が国が世界に約束した削減目標を確実に達成するためには、国における対策の一層の強化と加速が必要であることなどを申し上げたところであります。
また、道といたしましては、これまでも、温暖化防止に向けたさまざまな観点からの取り組みを展開してきたところでありますが、他府県における先進的取り組みなども参考にさせていただきながら、新たに、環境行動診断システムの構築を初め、エコドライブの普及促進や、企業の環境への貢献を評価する制度の創設などに取り組むことといたしているところであります。
地球温暖化防止は、私たち道民一人一人に課せられた大切な使命と考えておりますことから、国を初め、各関係団体との連携を一層強化しながら、今後とも積極的に取り組んでまいります。
次に、米海兵隊の釧路港入港についてでありますが、まず、入港に関しての申し入れにつきましては、道として、釧路市など関係先に事実関係を確認し、手続きの遵守や適切な情報提供などを徹底させ、二度とこのようなことが起こることのないよう、国に対して直ちに申し入れたところであります。(発言する者あり)
今回の道からの申し入れに対しては、国において速やかに対応してくれたと承知をしており、今後とも、必要に応じて適切に対処してまいりたいと考えております。
次に、釧路港への上陸人数についてでありますが、2月20日に上陸した人数については公表されておりませんが、訓練に関する情報は、可能な限り早く、かつ具体的に提供されるべきと考えており、今後とも、適切な情報提供について国に要請をしてまいります。
次に、渉外知事会への対応についてでありますが、渉外知事会は、原則、年1回開催されており、これまで担当の副知事などが出席をいたしておりますが、今後とも、他の日程等を勘案して、適切に対応してまいります。
なお出張所庁舎については担当の部長から答弁をさせていただきます。
次に、道民生活に関し、まず、助産師の活用についてでありますが、助産師は、妊産婦の保健指導や分娩の介助を行なう職であり、こうした助産師本来の能力を活用することにより、産婦人科医師の負担軽減はもとより、同じ女性としての立場から、妊産婦の方々へのよりきめ細やかな保健指導が図られるものと考えているところであります。
これまで、道といたしましては、助産師養成数の充実や、就業していない助産師の復職に向けた支援に取り組んできたところであり、今後とも、こうした取り組みに加え、助産師外来の開設を促進するなどして、身近な地域において出産や妊産婦検診ができるよう努めてまいる考えであります。
また、道内における助産師外来については、これまでの六つの医療機関に加え、去る2月26日から道立羽幌病院に開設したところであり、道といたしましては、今後、新しい地域医療計画において目標値としている24ヵ所の開設に向け、積極的に取り組んでまいる考えであります。
次に、人工透析治療の確保についてでありますが、道内において透析治療を行なっている医療機関数は、ここ数年、ほぼ横ばいで推移しているものの、最近、一部の医療機関において、医師の退職などで透析治療の廃止あるいは廃止の検討に入っているところがあるものと承知をいたしており、道といたしましては、透析治療を取り巻く状況は厳しいものがあるものと認識いたしております。
道では、これまで、各医療機関に対して、補助制度を活用した人工腎臓装置の整備を働きかけるとともに、居住する市町村で透析治療が受けられず、やむなく他の市町村の医療機関に通院する場合には、通院負担軽減のため、交通費の一部を助成するなど、患者の方々が透析治療を受けやすくするよう努めてきたところであり、今後とも、地域において透析治療を担う医師の確保に努めるなどして、より身近な医療機関で安心して透析治療が受けられるよう取り組んでまいりたいと考えております。
次に、身体障害者手帳に関し、再発防止策についてでありますが、身体障害者手帳の適切な交付を図るためには、手帳交付に係る道内の関係機関の間で情報の共有化を図ることが重要であることから、特定の指定医について、他の指定医とは明らかに診断の状況が異なるといった、不正が疑われる情報を把握した場合などは、道や札幌市などの政令市、中核市を含めた関係者による情報の共有が図られるよう、連絡体制を整備するとともに、市町村が手帳所有者の障害の程度が基準に該当しないことを把握した場合には、身体障害者福祉法に基づき、道に対し、確実かつ速やかに報告するよう徹底するなどの措置を講じることといたしているところであります。
今後、今回の事案を十分に踏まえた上で、本庁、各保健福祉事務所、市町村など関係者の間の連携を密にするため、身体障害者手帳交付事務取扱要領を改正するなど、再発防止に向けた取り組みを徹底をしてまいります。
次に、経済産業対策に関し、まず、非正規雇用についてでありますが、企業間競争の激化や就業意識が多様化している中で、非正規労働者が増加しているところでありますが、先ほども申し上げましたとおり、私は、基本的に、安定した雇用形態が望ましいものと考えているところであります。(発言する者あり)
本年4月から施行される改正パートタイム労働法などを受け、道内でも、金融や流通業界を中心に、正社員登用制度を新たに導入するなどの動きが広がってきているところであります。
道といたしましては、国において新たに策定される、有期契約労働者の雇用管理の改善を図るためのガイドラインや、正社員に転換する奨励金などを含め、今後とも、国などと連携を図りながら、労働関係法令や各種支援制度の普及啓発などに積極的に取り組んでまいります。
最後に、産業振興条例における雇用増の要件などについてでありますが、ただいま経済部長が答弁いたしましたとおり、現行の企業立地促進条例においては、常用雇用者の基準の一つとして、年間の給与所得が扶養家族の基準額である130万円以上見込まれる者であることを必要条件として定めているところであります。
新たな条例においては、他県の例も参考にしつつ、この年収の要件にかえて、健康保険および厚生年金の被保険者であることを要件とし、常用雇用者であることをより一層明確にする基準に見直すことを検討いたしているところであります。
以上でございます。(発言する者あり)
○建設部長猪俣茂樹君(登壇) 初めに、道路整備の中期計画に関して、出張所庁舎についてでありますが、土木現業所の出張所は、地域住民の方々の安全で安心な暮らしを確保するため、道路などの整備や維持管理などを行なう地域の拠点としてたいへん重要な施設であると認識しております。
平成10年度まで、これら施設の整備に当たりましては、その費用の一部を道路や砂防、漁港といった、国庫補助事業において補助の対象とされている営繕費を充ててきたところであります。(発言する者あり)
次に、占用料の改定に関して、他の自治体の動向についてでありますが、道では、2月上旬に各都府県からの聞き取り調査を行い、その結果、東京都ほか3県が本年4月から、大阪府ほか11県が平成20年度中または平成21年4月に、また、残りの京都府ほか29県が平成21年4月からを予定していると聞いております。
また、道内の自治体の札幌市や旭川市などからは、道の動向について照会があったところであります。(発言する者あり)
最後に、占用料の改定についてでありますが、繰り返しになりますが、道といたしましては昨今の地価が大きく変動していることから、改定するものであり、約2800に及ぶ占用者の方々のことも考え、国と同じく、本年4月1日から適用することとしたものであります。
以上でございます。(発言する者あり)
教育長の再答弁
○教育長吉田洋一君(登壇) 真下議員の再質問にお答えいたします。
まず、高等養護学校の設置にかかわってでございますが、道教委におきましては、特別支援教育に関する基本方針案の中で、特別支援教育を推進するに当たっての基本的な考え方として、一人一人の教育的ニーズに応じた専門性の高い教育を推進すること、できる限り身近な地域において指導や支援を受けられる体制を整備し、きめ細かな教育を推進することの2点をお示しをしたところであり、特別支援学校はもとより、幼稚園、小中学校、高等学校などにおいても適切な指導や必要な支援が行なわれるよう、体制を整備することとしております。
御指摘のございました旭川市の保護者の会からは、上川教育局を通じて、高等養護学校の設置などの御要望をいただいているところでございますが、特別支援学校の配置につきましては、ただいま申し上げた基本的な考え方を踏まえ、新北海道総合計画の連携地域を基本として、既存の学校の設置状況や、障害のある児童生徒の状況などを十分考慮し、検討することとしております。
いずれにいたしましても、高等養護学校につきましては、今後も、特別支援学級在籍者数の推移や進学希望の動向などを十分見きわめながら、必要な受入れ体制の整備に努めてまいります。
次に、障害のある子供たちへの教育についてでございますが、障害に応じた適切な教育を進めるためには、特別支援学校教諭の免許状を有する教員を確保することが重要なことであると考えております。
このため、道教委といたしましては、これまでも、小中学校の特別支援学級担当教諭や特別支援学校教諭を対象とした免許法認定講習を開設するなど免許状取得者の拡大を図ってきたほか、平成19年度実施の教員採用選考検査からは、養護学校教諭への志願者について、特別支援学校教諭の免許状の所有または所有見込みを受験資格に加えたところでございます。
今後とも、免許状取得のための認定講習の計画的な実施や、特別支援学校教諭の免許状所有者の積極的な採用を行い、できる限り免許状の保有率を高め、子供たち一人一人の教育的ニーズに応じた適切な指導や必要な支援が行なわれるよう努めてまいります。
以上でございます。
真下紀子議員の再々質問
○30番真下紀子君(登壇・拍手)(発言する者あり) 指摘を交え再々質問をいたします。
地球温暖化防止についてです。
知事は、ただいま、地球温暖化防止について、優等生のような模範的な答弁をされましたが、他方、同じ懇談会の場で、次のような驚くべき大胆な発言をされています。
排出権取引の議論が出ている中で、企業誘致を一生懸命やっている。ライバルは、国内であると同時に、海外である。国内での産業競争力をゆがめるような、いろいろなルールづくりによって、日本国内から産業が海外に流出するような、そういった事だけはぜひ避けていただきたい。これは地域それぞれの総意である、と、まるで全国の地域が同じ考えだと言わんばかりです。
私の再質問への答弁と、いま引用した国の懇談会での企業代表のような発言のどちらが本心なのでしょうか。道民にはっきりと説明すべきと考えますがいかがでしょうか。(発言する者あり)
道路整備の中期計画についてです。
今、国民は、道路財源の使い道に注目し、道路特定財源のあり方に意見を上げています。道においても、道路以外に道路財源が使われていることがわかりました。
建設部長の答弁のように、営繕費として認めてきたとはいえ、道路財源の使途を特定した特定財源としてはふさわしいとは考えない国民との間に大きなギャップがあると言わざるを得ないと指摘をしておきます。
道路、河川の占用料の引き下げについてです。
この質問には全く答えていません。この占用料引き下げの動機は、規制改革・民間開放推進計画を受けた調査検討会の報告書にあります。
しかし、答弁のように、ほとんどの府県も、道内の政令市、中核市も、厳しい財政状況を踏まえ、拙速な判断をせず、4月から実施はしません。今回の高橋知事の判断は勇み足であるといわざるを得ません。(発言する者あり)
繰り返し建設部長が改定理由を答弁しましたが、財政との関連については全く答えていません。
これでは、知事が幾ら道財政は危機的だと言っても、いたずらに財政危機をあおっていたことになります。危機的財政との関連についての知事のお考えを道民への説明としてしっかりお答えください。
また、道の判断が市町村に対する圧力ともとられかねません。占用料引き下げについては、あくまで自治体の判断によることと考えますが、知事の認識も同様かどうか、お答えください。
地域医療についてです。
御答弁のように、社会の継続を保障する出産もできず、広域化・連携構想の中核となる道立紋別病院でさえ、生存に不可欠な透析医療が受けられなくなる事態です。まして、きょうの報道では、「救急指定を返上」と出ています。
これでは、中核医療機関としての道立病院の機能が危ういと考えられ、道の広域化・連携構想に疑心暗鬼が生まれるのは当然です。
ところが、知事は、昨年、月刊誌の「人生の心意気対談」において、「それぞれの自治体の首長さんは、実はおらが町に病院というのは政治家として是非、掲げたい柱ではあるかと思います。だからこそ道が(中略)ある意味、悪者になるというか、道が言うから仕方がないんだという形で我々が仲介役になり、(中略)地域ごとの広域的な拠点化を(中略)やっていかなければならない。」と述べていました。
これは、自治体病院つぶし宣言であり、地域医療確保に真剣に取り組む市町村長さんたちに向けた余りに心ない発言ではありませんか。(発言する者あり)
そもそも、知事は、道立病院経営の責任者として、御自身が全道立病院に出向いたことがありますか。
広域化・連携構想を提案するのであれば、医師確保に加え、まず、道立病院の経営責任者として、知事は、現場を回り、実態を見て、道立病院が役目を果たすことに責任を持つべきではありませんか。いかがでしょうか。
障害認定についてです。
今回のことが、本当に障害を持ち、福祉的支援の必要な方々を制度から遠のかせてしまってはならないと考えています。
また、必要な申請を遠慮したり、障害者の方に不可欠な代行も含めて、申請に対する必要以上の厳しい規制につながってはならないと考えます。
私は、現場では、疑義が生じながら対策をとれなかったじくじたる思いがあったとも察します。
この制度が有効かつ適正に活用されますよう、答弁にあった再発防止策を早急にとるべきと考えます、いつまでとお考えか、見通しについて知事に伺い、質問を終わります。(拍手)(発言する者あり)
高橋はるみ知事の再々答弁
○知事高橋はるみ君(登壇) 真下議員の再々質問にお答えをいたします。
最初に、私の政治姿勢に関し、地球温暖化問題についてでありますが、先ほどもお答えを申し上げましたとおり、京都議定書目標達成計画の見直しに関する最終報告においても、今後速やかに検討すべき課題とされている国内排出量取引などについては、温室効果ガスの排出削減を推進する上で、産業競争力を阻害しない公平な視点に立った検討がなされる必要があるとの考え方を懇談会の場で申し上げたところであります。
いずれにいたしましても、私といたしましては、地球温暖化防止に地域から積極的に貢献してまいりたいと考えているところであります。
次に、紋別病院における医師確保などについてでありますが、地域における医師不足が深刻化する中、紋別病院におきましても、多くの常勤医の欠員を抱える中で、この春からの、人工透析や救急医療の体制の確保が喫緊の課題となっているところであります。
道といたしましては、紋別病院が地域に必要な医療機能を発揮するため、医師の確保に向け、引き続き、医育大学や民間医療機関に協力を要請していくほか、民間における医師等の人材紹介事業者も活用するなど、あらゆる手だてを講じながら、必要な医師の確保に努めているところであります。
今後とも、紋別病院を含め、道立病院が、地域医療の確保のため、その役割や機能を果たすことができるよう、医師確保も含め、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。(発言する者あり)
最後に、身体障害者手帳に関し、再発防止策についてでありますが、早急に作業を進め、今月中には、各保健福祉事務所や市町村などに通知する文書で趣旨の徹底を図りたいと考えているところであります。
いずれにいたしましても、関係者の連携を密にして、再発防止に向け、万全を期してまいりたいと考えております。
なお、道路河川の占用料の改定などについては、担当の部長が答弁いたします。
以上でございます。(発言する者あり)
○建設部長猪俣茂樹君(登壇) 道路等の占用料の改定についてでありますが、道といたしましては、厳しい財政状況の中ではありますが、今回の改訂は、地価水準の変動により、引き下げを行なうものであり、北電などの企業から個人まで、合わせて約2800にも及ぶ占用者の方々のことも考えて、この4月から適用を行なうこととしたところであります。
以上でございます。(発言する者あり)
真下紀子議員の特別発言
○30番真下紀子君(登壇・拍手)(発言する者あり) 議長のお許しを得て、特別発言をさせていただきます。
私は、特別発言までするつもりはございませんでした。しかし、知事の答弁を聞いて、本当に誠意がないということで、残念ながら発言させていただきます。(発言する者あり)
一つは、道立病院の経営責任者としての自覚もまるで感じられません。地域の実情に心が届いていないと言わざるを得ません。この点については厳しく指摘をしておきます。
また、もう一点は、道路、河川の占用料についてですが、財政危機及び地方分権の観点から知事に説明を求めたのに、なぜ知事はお答えになろうとしないのでしょうか。
道民負担については容赦なく、道民の理解を得ると繰り返し話す知事ですけれども、北電、NTTの負担軽減を率先する知事の姿勢は、ほとんど奇異に見えて仕方がありません。
なぜ御自身で道民に説明しようとしないのか、部長ではなく、知事の説明を求めて、特別発言を終わります。(拍手)(発言する者あり)
※人名・地名等、コンピュータの機種によって表示できない旧字、異字等は通用字体に改めているものがあります。
[日本共産党道議団編集]
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