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道議会での取り組み


2007年決算特別委員会

【真下紀子道議、小児総合保健センター事業について高橋知事にただす】 07.12.12

2007年12月12日 決算特別委員会 知事総括質疑概要

質問者 日本共産党 真下紀子 議員

小児総合保健センター事業について

○真下紀子委員

 私は、小児総合保健センター事業について伺います。
 道立子ども総合医療・療育センターは、重篤な疾病や重篤な障害を抱える子供たちに対して高度な専門医療と療育を提供する施設として、この9月から事業を開始いたしました。
 知事は、旧小児総合保健センターの状況については、直接足をお運びになって、入院しているお子さんの状況もごらんになったり、保護者の方々からいろいろなお話を聞く機会もお持ちになったと伺いました。
 初めに、そのときの感想や思いを含めて、このセンターの意義や役割について知事のお考えを伺いたいと思います。

○高橋知事

 コドモックルの役割などについての御質問でございますが、私は、昨年の1月に少児総合保健センターを訪問し、直接、担当する医療スタッフの方から、重い合併症のある乳幼児の治療の状況などについてお聞きするとともに、新生児集中治療室などを見せていただき、小さな命が懸命に生きようと頑張っている姿を目の当たりにし、御家族の御苦労も伝わってきて、胸が熱くなったことを覚えているところであります。
 また、この訪問の以前ではありますが、小児総合保健センターと札幌肢体不自由児総合療育センターに入院している子供たちの御家族の方々と懇談の機会を持たせていただき、コドモックルに対する期待の大きさを改めて実感したこともございました。
 コドモックルは、全道域を対象とした高度で専門的な小児医療機関として、医療と療育を一体的に提供する中で、子供たちの疾病や障害の除去、軽減を図るための治療や訓練を継続的かつ総合的に行うことを目的といたしているところであり、私といたしましても、コドモックルが北海道の将来を担う子供たちの命を守り、健やかな成長、発達を支援する施設として、その役割や機能が十分に発揮できるよう努めてまいりたいと考えております。

○真下紀子委員

 小児総合保健センターに勤務していた看護職員の時間外勤務の状況について、昨日の委員会で私は質問いたしました。
 17年度から時間外勤務の減少が極端でありまして、19年4月以降は、新しく病院を開設していく準備が不可欠な時期であったにもかかわらず、目立った増加が見られず、実態に沿った時間外勤務手当が出されていたのかどうか、そのことに疑問がわいたわけです。
 労働の対価として時間外勤務手当は当然保障されるべきでありますけれども、道財政が厳しいという理由で、実態に即していないのではないかという声も私どものところには届いております。
 コドモックルの機能を十分に発揮するためには、職員が安心して働くことができる労働環境づくりが重要であると考えますが、今後どのように取り組まれるのか、知事のお考えを伺います。

○高橋知事

 職員の労働環境についてでありますが、コドモックルは、高度で専門的な医療と療育を提供する施設であり、その役割や機能を十分発揮していくためにも、子供たちに直接接する看護師などの職員が意欲を持って仕事に励むことができるよう、働く条件や環境を整えることは重要だと考えております。
 このため、コドモックルにおいて、会議や研修会をできるだけ勤務時間内に行うなど、時間外勤務の縮減に努めるとともに、職員の悩みなどにつきましては、企画総務課に相談窓口を設けて対応し、コドモックルの中に組織している安全衛生・福利厚生委員会などを通じて職員に周知するなど、相談体制の充実にも努めているところであります。
 今後におきましても、職員の安全や健康に留意しながら、適正な時間外勤務の管理や職員への相談体制の充実など、職員が意欲を持って仕事に励むことができる労働環境づくりに向け、適切に対処してまいりたいと考えております。

○真下紀子委員

 知事は、現場にも足をお運びいただいて、胸を熱くするような思いをされた中で、そこで働く人たちの適正な労働環境を保っていくということでの御答弁だったと思います。
 知事の政治姿勢として、私は予算特別委員会の知事政策部の質疑におきまして質問をいたしまして、就業環境の整備については、その推進にしっかりと取り組んでいく方向で検討されていると答弁されておりましたので、あえて知事には伺わないということで、総括質疑に上げませんでした。そして、今の御答弁をいただいたわけですから、私は、申しわけないですが、安心はできないけれども、知事がそういう方向で決意をされているという受けとめをさせていただきたいと思います。
 ただ、財政状況の厳しさということを前面に出しますと、現場から声が出ているような、時間外勤務命令を出しづらいですとか言い出しづらいという状況になり、現場の士気を低下させるだけではなく、医療の安全性を担保できない原因となり得るわけです。効率的で職員の健康に配慮した業務は当然のことながら、サービス残業とならないよう、御答弁にありました適正な管理を改めて求めておきます。
 次に、コドモックルにおける、重篤な疾病や重度の障害を抱える子供たちの看護についてです。
 この特殊性の認識について昨日の委員会で伺ったわけですけれども、看護業務に従事する看護師が働き続けられるように、そしてノウハウを蓄積していけるように、資質の向上に向けた継続した現場での取り組みが重要であると考えますけれども、知事のお考えを伺います。

○高橋知事

 看護師の資質の向上についてでございますが、コドモックルにおきましては、重篤な疾病や重度の障害を抱える子供に対して、高度かつ専門的な医療や療育を提供しているところであり、看護に当たっては、高い看護技術のもとに、常に細心の注意を持って、感染防止や事故防止など、安全管理に万全を期すとともに、子供たちへの精神的ケアや御家族へのきめ細やかな対応が求められているところであります。
 こうしたことから、看護師につきましては、年次研修計画に基づいた内部での研修会を開催するとともに、国や北海道看護協会などが主催する外部の研修会への参加などを通じ、常に時代の要請に応じた知識、技術の向上に努めており、特に、新人看護師に対しては、新人教育計画に基づいたきめ細やかな教育研修、指導を行ってきているところであります。
 今後とも、こうしたさまざまな研修に参加する機会を確保するなどして、その資質の向上を図りながら、道民の方々に安心して信頼される医療サービスの提供に努めてまいりたいと考えております。

○真下紀子委員

 そういった状況の中ですけれども、現実には、看護師養成の看護教育課程というのが変わってきておりまして、どこの病院でもそうなのですけれども、看護師の短期間での退職ということがふえておりまして、コドモックルにおいても同様のことが懸念されるところだというふうに思います。
 そして、今も欠員が補充されずにいる事態を懸念するわけで、これから、新卒の看護師、一定の経験を持った看護師がコドモックルに就職した場合、その方たちの継続した仕事を保障するべく、努力が必要だというふうに思います。
 そういった点で、3点について指摘をさせていただきたいと思います。
 一つは、ちょっと専門的になって恐縮なのですけれども、新規採用職員のオリエンテーションに関して、小児センターの看護業務基準や看護手順をお持ちいただきまして、私も見せていただきました。
 コドモックルなどでは高度で専門的な小児看護を行うために準備されて活用されているとは考えますけれども、工夫の余地がまだあるのではないかというふうに私には映りました。ですから、実践的に使えて、そのことによって看護師が自信を持って看護に当たり、この分野では北海道のリーダー的役割を果たしていただきたい。そのために、こちらの具体的なマニュアル等についてももう少し工夫を重ねていただきたいことを一つは申し上げます。
 もう一つは、御家族に対してもきめ細やかな対応をされるということでしたけれども、特に、子供が障害を持って生まれた場合、日本の医療や社会保障の現状を考えますと、大変厳しい受けとめになるのではないかというふうに思います。
 そういったときに、日常のケアに当たっている看護師が、チームナーシングのもとで、家族との愛着形成に非常に大きな役割を果たさなければならないわけです。この点については一層の努力をお願いしたいと思います。
 最後ですけれども、道内の療育の拠点としてのコドモックル、そして道立の旭川療育センターと、これまで私も質問をさせていただきましたけれども、経営形態は違うのですけれども、渡島の療育センターの役割は、北海道にとってはかけがえのないものだというふうに考えているところです。
 経営的には、こういった障害を持った子供たちの専門的で高度な医療というのは不採算になる分野です。これからもそういったことは当然予想されるわけですけれども、道が果たすべき役割というものを今後も後退させることのないように、強く申し上げておきたいと思います。
 実は、私も、この小児総合保健センターは就職の選択肢の一つであったものですから、なおのこと、思いが強くありますので、小児医療の前進のために、これからも皆さんが御努力されるよう重ねてお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

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