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道議会での取り組み


2007年決算特別委員会

【真下紀子道議、行政委員会委員の報酬、天下りと雨宿り、北電役員の政治献金などについて高橋知事にただす】 07.11.14

2007年11月14日 決算特別委員会 知事総括質疑概要

質問者 日本共産党 真下紀子 議員

行政委員会委員の報酬について

○真下紀子委員

 私は、総括質疑保留事項のうち、初めに行政委員会について伺います。
 昨日の第1分科会総務部所管質疑におきまして、総務部長は、行政委員会委員は、職務の性格として、総会への出席のほか、業務や、関係団体の会議や打ち合わせなどに参加をしていると答え、職務の性格を踏まえて月額報酬が適当と答えました。しかし、詳細な職務を把握しているということには至っておりませんでした。また、職務日数についても把握できていなかったというのが、きのうの段階の答弁でした。
 そこで、私は、月額報酬となっている行政委員会委員のすべての職務日数の把握を行い、実態をまず精査してみることが必要と考えますが、知事はいかがお考えか、伺います。

○高橋知事

 行政委員会の委員の皆さん方の勤務状況などについての御質問でございますが、昨日の分科会において、行政委員会委員の報酬のあり方に関し議論があったと聞いているところであります。
 行政委員会の委員の報酬につきましては、その職ごとの職責や職務内容に応じて定められているところであります。
 私といたしましては、必要に応じ、業務内容や勤務状況について、その全体状況を把握してまいりたいと考えております。

○真下紀子委員

 全体状況を把握してまいりたいということですが、今、必要な時期だと思いますから、ぜひお願いをしたい。
 昨日、ある行政委員会において月に1度も委員会に出席しなかったことを確認できた委員が平成16年度から18年度の3年間で延べ12人と私は指摘をいたしました。その後、質疑がありまして、昨日の総務部長の答弁を踏まえまして、改めて精査をしたところ、委員会出席のほかの職務が1カ月の間全くなかった委員が、私が調査可能な範囲でも、3年間で、4カ月にわたり、延べ4人いたということがわかりました。
 ですから、総務部長がほかに仕事があるということをおっしゃったのですけれども、にもかかわらず、4人の方は1度もその職務についていなかったということがわかったわけです。知事はこういった実態を御存じだったのかどうか。昨日の議論は聞いたということですけれども、それが初めてだったのかどうか、伺いたい。
 あわせて、月に1度も職務がないにもかかわらず、月額報酬として支給されるということはあっていいはずがないというふうに私は思うわけです。わずかな資料から私が確認しただけでも、こういう状況です。日額となっている審議会委員は、委員が月に1度も出席しなければ報酬は出ないことになっています。
 また、道職員は、先ほど来議論になっていますけれども、2年間の期限つきで10%の賃金カットにこれまで我慢してきました。今回の提案では、今や道庁内では詐欺事件とやゆされているようですけれども、今後、9%削減を4年も続けるという賃金カットを強いられようとしているわけです。連日働いて、有給休暇もなかなかとれずに、メンタルヘルスが壊されている道職員と比べてみて、問題がないと言えるような状況ではないというふうに私は思います。
 日額報酬の審議会委員や道職員とのバランス、整合性をどのように考えるのか、伺います。

○高橋知事

 行政委員会委員についての御質問でございますが、御指摘の行政委員会委員の勤務状況等につきましては、昨日の分科会の後に、私自身、承知をいたしたところであります。
 また、行政委員会の委員につきましては、それぞれの分野において、知事から独立した執行機関の委員として、行政責任を担いながら、その業務を遂行しているものでありまして、非常勤であっても、委員の任期において定期的かつ恒常的に事案対応を行うといったことなどから、報酬は月額としているところであります。
 こうした点で、知事の諮問を受け、答申などを行う審議会委員とは異なるのではないかと考えております。
 このように、行政委員会委員と審議会委員、さらには常勤の道職員の報酬額や給与額については、その職ごとの職責や職務内容に応じて定められているものと考えているところであります。

○真下紀子委員

 職責の違いについては私も理解しているつもりですけれども、月額報酬から日額にした場合、最大で約1億8000万円の節税効果が見込まれると考えられますけれども、知事は節税効果についてはどのようにお考えか、伺います。

○高橋知事

 報酬に関しての節税効果についてでありますが、仮に、現在の月額で支給しております報酬を日額にした場合に、報酬総額は相当程度減少するものと考えておりますが、現時点でその実額については承知はいたしておりません。

○真下紀子委員

 議会で、総務部長は、月額報酬が適当と答えておりましたし、テレビでも、労働委員会事務局長が、報酬が高いという批判は当たらないと話していましたけれども、果たして道民からの理解が得られるだろうかという思いを私は強くしています。
 私は、実態に応じた支給を提案しているのであって、それをやめなさいと言っているわけではないわけです。けさ、PTAの役員をしているという道民の方から電話があったのですけれども、私は、その役員をしているときには有給をとって職務をやっている、納得がいかない思いだということを切々と語られておりました。また、これはひどいという多くの感想が私どものところにも寄せられてきています。
 私が調べたところでは、ある行政委員会では、1年平均で月3回、多くても6回しか勤務日数がない実態があります。また、すべての委員会に、出席だけの委員もいるわけで、時給換算で12万円から15万円という事態が生じていると考えられます。これでは、道民に対して説明責任が果たせないのではないかと考えますが、知事は道民への説明責任をどのように果たそうとしているのか、お考えを伺います。

○高橋知事

 行政委員会委員の報酬額の見直しについてでありますが、行政委員会委員は、法に基づき設置される職であり、人事行政や教育行政を初めとした各行政分野において、専門的な知識、見識を持つ有識者の方々に就任いただいている職であります。
 委員が御指摘の場合にあっても、行政委員会委員につきましては、委員会や会議などの出席以外にも、行政運営に深くかかわっていただいているところであり、これらの職務の内容などを踏まえると、報酬については月額によることが適当と考えているところであります。

○真下紀子委員

 職務の内容を踏まえるとということですけれども、詳細な把握はされていないわけですよね。職責の違いについてはわかりますけれども、職務の内容についてはこれから調べるということなので、その上で御判断されることをぜひお勧めしたいと思います。
 地方自治法では、議員以外の者に対する報酬は、その勤務日数に応じてこれを支給するとした上で、条例によればこの限りではないことになっていますが、逆に言えば、条例を変えれば道の責任で日額に変更できるわけです。
 部長は、他の都府県と比較して同様だからというふうにお答えになっておりましたけれども、知事は、財政再建団体入りを回避しなければならないということで、これまでにも、特定疾患や障害者医療などの道民サービスを削ってきました。お年寄りには大きな負担を強いてきたのではなかったかと思います。
 私は、知事の政治姿勢としては、行政委員会を聖域にすることはないというふうに思っているわけですけれども、行政委員会委員の月額報酬については他の都府県並みでいいのか、道の逼迫した財政状況の中で本当にそれでいいのかということをお伺いしたいと思います。

○高橋知事

 他の都府県との比較についての御質問でございますが、委員が御指摘のとおり、地方自治法では、非常勤職員に対する報酬につきましては、その勤務日数に応じて支給することが基本とされているところでありますが、職務の内容などによっては、月額または年額で報酬を支給することも認められているところであります。
 非常勤の行政委員会委員の報酬額につきましては、それぞれの職における職務内容や職責に応じ、専門性や困難性などを勘案し、月額で支給することとしているところであります。
 なお、他都府県との比較についても、報酬額を定める際の参考といたしております。

○真下紀子委員

 分科会質疑でも申しましたけれども、行政委員会委員の方は、大変お忙しい中、その専門性を生かして道行政に協力していただいているということは私も承知しております。そういった方だからこそ、知事の方から御説明して御理解をいただければ、日額にしていくことは可能ではないかなというふうに私は思います。
 ただ、きのうの段階で、初めて行政委員会委員の職務実態について道民の知るところとなったわけですから、私は、見直す時期に来ているとは考えますが、すぐにとは言いません。しかし、検討の余地はあるのではないかと思いますので、見解を伺っておきます。

○高橋知事

 行政委員会委員の報酬額についてでありますが、行政委員会委員につきましては、委員も今おっしゃられたとおり、各行政分野における専門的な知識、見識をもとに職務を行っているところであり、それぞれの職における職務内容などを踏まえると、報酬額については月額が適当と考えているところであります。
 しかしながら、私といたしましては、必要に応じて、業務内容や勤務状況について、その全体状況を把握してまいりたいと考えているところであります。
 また、今後とも、道の厳しい財政状況の中、道民生活への影響を踏まえつつ、あらゆる経費について聖域なき見直しを講じてまいらなければならないものと考えているところであります。

○真下紀子委員

 あらゆる分野というところでは、道民の声をよく聞いて選択していただきたいということは申し上げておきますけれども、行政委員会については検討の余地があるという答弁だったと思いますので、次に移ります。

幹部職員の天下りと雨宿りについて

○真下紀子委員

 天下りと雨宿りについてです。
 知事は、道の再就職要綱の年齢基準や報酬基準の改正についてどのように考えているのか。あわせて、特に、昨今の道の厳しい財政状況から考えますと、年齢基準の引き下げや報酬の引き下げも真剣に検討すべきではないかと考えますけれども、お答えください。

○高橋知事

 再就職要綱に定める基準などについての御質問でありますが、要綱の適用となる団体への再就職につきましては、在職期間や給与に関し、それぞれ上限とする基準を設け、その運用に努めているところでありますが、私といたしましては、今後とも、道民の方々から御批判や誤解を招くことのないよう、適正な水準を維持していく必要があるものと考えます。
 また、在職期間や給与基準についてでございますが、在職期間については、再就職者が長期にわたり在職し続けることによる道民の方々の御批判を招くことなどを考慮し、上限を設定いたしております。
 さらに、給与基準につきましては、社会経済情勢等を見きわめつつ、特別職の報酬の改定とあわせて見直しを行ってきているところであり、道財政の厳しい状況を踏まえ、平成18年度、19年度の2カ年間につきましては、道の給与独自縮減措置と同様の措置を講じることとし、要綱を改正いたしたところであります。
 いずれにいたしましても、今後とも要綱の厳格な運用に努めてまいりたいと思います。

○真下紀子委員

 関与団体への道の財政支援額は、減少したとはいえ、昨年度で約2000億円もあるわけです。そこへの道職員の天下りが416人にもなる。天下りを保証するために関与団体があると疑われかねない状況というのは早急に改善すべきだと思います。要綱を厳格に守っていてもこういう状況だということを踏まえた上で御答弁ください。

○高橋知事

 職員の再就職についての御質問でございますが、関与団体を含め、各種団体等への再就職につきましては、それぞれの団体等が、道職員として長年培われてきた知識や経験などを個別に考慮した結果として、採用に至っているものと認識をいたしているところであり、一概に否定されるべきではないものと考えておりますが、職員の再就職に当たっては、道民の方々からの御批判などを受けることのないよう、要綱の厳格な運用に努めるとともに、世論の動向を十分に注視してまいりたいと考えております。

○真下紀子委員

 私も、一概に否定しているわけではないのです。年齢、そして報酬の金額を見直す必要があるのではないかというふうに言っているわけです。
 そこで、団体に再就職をしている道職員OBのうち、66歳以上の方が31人いて、そのうち、要綱適用団体に天下りしている23人の年俸が約1億円にもなることが初めて判明したことを知事はどう受けとめるのか、伺います。
 あわせて、準ずる団体への天下りの年俸も加えると、団体への天下り組への報酬というのは、年間で約1億4000万円から1億5000万円にもなるということがわかりました。役員の年齢制限を65歳まで引き下げる要綱改正に踏み出すべきと考えますけれども、お答えください。

○高橋知事

 再就職者の状況に関して、団体等に再就職をしている66歳以上の役員についてなどの御質問でございますが、平成18年度末において再就職要綱の適用団体に在職をする役員数及び報酬額は御指摘のとおりであり、23名の役員のうち、2名が要綱上の年齢基準を超えて在職している状況にございますが、その他の役員については要綱の各基準を遵守しているものであります。
 私といたしましては、要綱で定める基準を超える取り扱いを行っている団体に対しては、今後とも、要綱に沿った形で強く協力を要請してまいる所存であります。
 また、団体等に再就職した職員の在職期間についてでありますけれども、団体における役員等の在職期間につきましては、基本的には、その団体の自主性のもとに設定されるべきものと考えております。
 道におきましては、再就職者が長期にわたり在職し続けることにより、道民の方々の御批判や誤解を招くという面なども考慮し、原則として、役員については67歳、職員については65歳を上限とする基準を再就職要綱で設定いたしているところであります。
 いずれにいたしましても、私といたしましては、今後とも、要綱の厳格な運用を図るとともに、各団体においてこの基準が適切に遵守されるよう努めてまいりたいと考えます。

○真下紀子委員

 財政効果は大変高いわけですから、ぜひ、早期に決断をして、年齢引き下げを実施することを求めて、次に、雨宿りについて伺います。
 道が提出した雨宿りに関する資料が非常に不正確なものであったことがわかりました。平成15年度から平成17年度の退職者の再就職先と再々就職先の関係が、関連会社かどうかということが不明だと報告されていた8人のうち、少なくとも5人が実際には関連会社に再々就職していたということがわかったわけです。真相を隠したと疑われても仕方がないような状態ではないかと思いますけれども、知事はそのことをどう受けとめますか。

○高橋知事

 職員の再就職先と再々就職先との関係に関する調査についての御質問でございますが、関連会社を含めた指名登録業者以外の企業につきましては、要綱上、再就職についての制限は設けていないところであります。
 こうした中、御依頼のあった今回の調査につきましては、私どもとしてできる限りの把握に努めたところでありますが、結果として、調査時点において把握し切れなかった点があったものと認識をいたしております。

○真下紀子委員

 はっきりした5人の方についてですけれども、5人のうち、3人が水産林務部出身でした。それも、そろって水産試験場長を務めた技術者であります。雨宿りの問題で水産林務部の名前が出てくるのは初めてです。知事はこのことをどう受けとめているのか、伺います。

○高橋知事

 職員の再々就職についての御質問でございますが、道職員として長年培ってきた知識や経験、技術力などの能力面はもとより、再就職した企業における勤務実績などがそれぞれの企業において個別に評価された結果として、そのような再々就職につながったものと考えているところであります。

○真下紀子委員

 なぜ、水産林務部の名前が初めて出てきたことが重要かといいますと、水産林務部の名前が出てきたことで、発注3部が雨宿り問題でそろい踏みとなったのです。雨宿りのやみのレールが敷かれておりまして、そのレールが指名登録業者につながっているのではないかという、こういうシステムになっていることがはっきりしてきたわけです。
 しかし、そういったところでもきちんと調べればわかるはずなのに、各部も、それを取りまとめる方の総務部も極めて残念な調査しかしていなかった、十分ではない調査しかしていなかったということですが、その原因の一つとして、知事が常々、日本一厳しい再就職要綱だと胸を張っていることに原因があるのではないかと思いますけれども、この点の認識はいかがですか。

○高橋知事

 調査についての重ねての御質問でございますが、指名登録業者ではない企業につきましては、業務上、その詳細な実態の把握は要しないことから、これまで調査を行っていない中で、調査の御依頼がありましたことから、企業のホームページを確認するなど、関係部において、関連会社か否かの把握に努めたところであります。その結果として、調査時点において把握し切れなかったものであり、私は、関係部に対し、早急に精査するよう指示をしてまいります。

○真下紀子委員

 知事も、精査をする必要があるという認識に立ったということでは、一歩前進なのかなというふうには思います。
 しかし、個人の力量によって会社に再就職をしたり再々就職をしたりということですけれども、実際に、雨宿りという形で、軒下にこそこそっと隠れるように関連会社で2年間を過ごすということは、本人にとっても、また、彼を雇用する企業にとっても非常にかわいそうであり、能力が生かされないのではないかというふうに思うわけです。
 道民が不信感を抱かぬためにも、知事は、この際、思い切って関連会社への天下りも禁止することを決断すべきではないかと考えますけれども、いかがでしょうか。

○高橋知事

 要綱の見直しについての御質問でございますが、要綱におきましては、再就職者の在職時の地位やその権限による道に対する影響力を排除するという観点から、過去5年間に在職した所属と密接な関係のある指名登録業者につきましては、再就職すること自体を2年間制限いたしておりますが、それ以外の企業につきましては、再就職についての制限はなく、道への営業活動を2年間自粛する旨を定めているところであります。
 御指摘の関連会社につきましては、指名登録業者に該当する場合は要綱の制限が適用となるものでありますが、関連会社であることをもって制限の対象とはならないものと考えております。
 私といたしましては、再就職者の有無にかかわらず、道と企業等との関係において公務の公平性を確保することは当然のことであると考えているところであり、今後とも、道民の方々から御批判や誤解を受けることのないよう、指名登録業者などへの再就職について要綱の厳格な運用に努めるとともに、再就職を取り巻く情勢の変化などを十分に注視してまいりたいと考えております。

○真下紀子委員

 要綱は変えないという知事の揺るぎない決意表明だったと思うわけですけれども、やはり、要綱を早期に変えることを重ねて求めて、次の質問に移ります。

原発の安全性について

○真下紀子委員

 原発の安全性についてです。
 北電の泊原子力発電所では事故が相次ぎ、泊原発2号機には震度計が設置されていなかったことも発覚し、道民に不安を広げております。
 全国的にも、東北電力の女川原発で緊急停止に至る事故が10日に発生し、原発を初め、火力発電所での事故やトラブルが相次ぎ、今後は、原発の安全性については一層厳しい行政の監視の目が必要となると考えますけれども、知事の認識を初めに伺います。

○高橋知事

 原発の安全性に対する認識についてでありますが、原子力発電所は、電力の安定供給のため必要不可欠な施設であり、何よりも安全性が厳しく求められる施設であると認識をいたしております。
 このため、道といたしましては、これまでも、北電に対し、中越沖地震を踏まえた耐震安全性の確保を求めるとともに、ぼやなどの一連の事象が発生するたびに、地元4町村と現地確認などを実施し、必要な申し入れを行ってきたところであります。
 私自身も、10月30日に行われた原子力防災訓練の際に、泊発電所を視察し、厳重な監視のもと、3号機の建設工事が粛々と進められている実情などを把握したところであり、また、改めて、現地で4町村の首長の方々と意見交換をしたところであります。
 今後とも、道と地元4町村及び北電により締結している安全協定に基づく立入調査などを通じ、安全対策などについてしっかりと確認をし、地元の方々や道民の皆さん方の安全、安心の確保に努めてまいる所存であります。

北電役員全員からの知事への政治献金について

○真下紀子委員

 そこで、道民の安心、安全の確保に努めていくという知事の政治姿勢として、北電と知事との政治資金をめぐっての関係について数点伺ってまいります。
 第3回定例会の予算特別委員会総括質疑において、花岡ユリ子議員が、平成16年度と平成17年度の知事の政治資金収支報告書によって、北電の役員すべてから、役員の格付と献金金額が符合し、ほぼ同じ日付で献金され、企業献金の衣がえではないかと質問いたしました。
 それに対して、高橋知事は、献金はあくまで個人の意思によるものと答弁するにとどまり、北電役員全員からの献金を重ねて認めなかったわけです。
 しかし、12日の決算特別委員会の知事政策部所管の質疑では、調査した限りでは、北電役員全員から、一糸乱れず、役付に応じて連続して知事に献金していたということを知事政策部は一転して認めています。
 そこで質問したいと思います。
 個人献金との認識ではあっても、北電役員全員から3年連続して献金を受け取っていたという事実はお認めになりますか。

○高橋知事

 私の政治資金に関して、個人からの寄附についての御質問でございますが、私の政治団体には多くの個人の方々から寄附をいただいているところでございますが、北電の役員をされている方々からも、それぞれ個人のお立場として、これまでも御寄附をいただいているところであります。

○真下紀子委員

 個人献金との認識ではあるけれども、役員全員から連続して献金を受け取っていたという事実を認めたということでいいですか。

○高橋知事

 個人からの寄附についての改めての御質問でございますが、先ほどお答えを申し上げましたとおり、私の政治団体には多くの個人の方々から寄附をいただいているところでありますが、北電の役員をされている方々からも、それぞれ個人のお立場として、これまで御寄附をいただいているところであります。

○真下紀子委員

 連続していること、全員ということについて否定をされなかったのですから、受け取っているということで、お認めになったのだと思います。
 そこで、北電は公益企業ということになっていますが、公益企業には、社会性、法的責任だけではなく、高い倫理的責任が求められていると承知をしております。そのため、北電は企業献金を自粛してきたと思いますが、知事の認識はいかがでしょうか。

○高橋知事

 献金に関連しての御質問でございますが、北海道電力においては、平成11年の政治資金規正法の改正以前に政治献金を中止していたという報道があったことについては承知いたしているところでありますが、このことがそうだとすればーーそうかどうかについてはよくわかりませんが、北海道電力としてのお考えがあってのことと受けとめているところであります。

○真下紀子委員

 そのとおりだと思いますけれども、公益企業ということで私が指摘をいたしました、社会性、法的責任だけでなく、高い倫理的責任が求められているという公益企業に対する認識についてはいかがですか。

○高橋知事

 企業は、それぞれの立場で、高い公益性のもとに事業展開をしておられる、このように認識をいたしております。

○真下紀子委員

 それでは、知事の政治団体からの収支報告書に基づいて作成した一覧表を知事にお示しして、本当にこれが個人献金の枠を超えていないのかどうか、北電の組織としての力が加わっているような状態ではないかどうかを御一緒に検証してみたいと思います。
 知事は個人献金ということを言い張っていらっしゃるわけですけれども、知事政策部は、平成16年度、17年度の2年間にわたって、会長が10万円、社長が5万円、副社長が3万円、常務と常任監査役がそれぞれ2万円を、ほぼ同一の日に献金されたと答えています。
 今回は、平成18年度を入れて一覧表にしていますが、まず、この一覧表に間違いがないことを確認していただきたいと思いますので、ごらんください。委員の先生にも見えるように……。
 これで間違いはございませんか。

○高橋知事

 ここからではちょっと見えないのでありますが、事前に委員から見ておけというふうに聞いておりますものと同じであるとすれば、お示しの件は、北電の役員をされている方々からの御寄附の一覧表であろうかと思います。その寄附につきましては、あくまでもそれぞれ個人のお立場で御支援をいただいたものであると理解いたしております。

○真下紀子委員

 私は、個人献金ではないとは一言も言っていません。個人献金との認識でということで議論を進めているわけですから、知事、その点は誤解のないようにお願いしたいと思います。
 それで、平成16年度と17年度については、人事が変わっていませんから、同じということで、このように、AからQまで、全員、同じ金額が並んでおります。
 しかし、この後、人事が変わりまして、平成18年度になりますと、昇進した方がいらっしゃいます。黄色のところのHとJの方です。常務のときから2年間続けて2万円を寄附していたわけですけれども、副社長になりまして、前任の副社長と同じく3万円になりました。
 ピンクのところをごらんください。知事、ごらんください。見えますか。ごめんなさいね。
 では、資料の方をごらんになっていただければいいかと思いますけれども、色がついていますので、ピンクのところをごらんください。
 M、N、O、Pは、2年間、取締役だったので、1万円でした。そして、常務になりましたから、これが前任の常務取締役と一緒の2万円に変わります。いずれも、6月12日、同一日に献金がされております。
 今度は、昇進した方ではなくて、退任した方の方をごらんいただきたいと思います。青い色をつけました。
 C、D、Eですけれども、3人の副社長は、これまで、そろって同一日に3万円ずつ毎年献金しておりましたけれども、1人の方は2万円に減ります。1人の方は3万円ですけれども、お一人の方は献金しなくなっております。献金月も、3月ということですが、ばらばらに変わります。
 もう1人、退任された方で、黄色と黄色の間の白い部分のIさんですけれども、退任をしまして、2万円から1万円に減額し、日付も変わります。まるで、退任すると、縛り、拘束が外れたかのように、退任した方については金額も日付も違うのです。
 北電役員の平成18年度の献金実績は、人事の変化に伴って、役付どおりの献金額で、1人を除いて、同一日に献金をしています。役員人事に見事に符合しているわけです。つまり、北電は、現職役員に限って、役付と献金金額が符合して、同じ日に献金をしているということになります。
 私は、北電の一糸乱れぬすばらしい組織力が反映されているものと考えるところです。これを見ても、知事は、偶然だ、個人の意思だけの献金だから組織性は全く感じないという認識でしょうか、いかがですか。

○高橋知事

 いろいろと御説明をいただいて、ありがとうございました。
 事実について確認はできないところでありますが、いずれにいたしましても、個人からの寄附につきましては、あくまで個人のお考えによるものであり、金額についても、それぞれの方の御判断によるものではないか、このように考える次第であります。

○真下紀子委員

 個人献金ではないと私は言っていません。個人献金だと認めています。その上で、個人献金なのに不自然になっているから、聞いているわけです。
 客観的事実を積み重ねますと、これは、形を変えた、単に衣がえをしただけの企業献金にほかならないということを多くの方がお認めになったのではないかというふうに思います。
 3年連続で、北電の役員すべてから役職に応じた企業献金が続いているのが事実です。これは間違いがありません。なぜなら、知事政策部に確認をしました。知事も確認してみてください、事実かどうかはわからないというのであれば。
 個人献金といいながら、退任と同時に献金行動が変わってしまいます。政治資金規正法22条の7の1項で禁止している組織の影響力が献金行動を拘束していると言えるのではないかと考えます。そういった疑いを持たれるような事態ではないかと考えますが、いかがですか。

○高橋知事

 個人の寄附についての重ねての御質問でございますが、私の政治活動あるいは私の考え方に共鳴をし、御支援をいただいた個人からの御寄附と、このように認識をいたしているところであります。

○真下紀子委員

 そのことを否定するわけではありません。
 役員になる前に献金をしていた人はいないと知事政策部は認めています。政治資金問題に詳しい上脇神戸学院大学教授は、個人献金の形をとっているが、ランクづけや寄附の日付が同じということは、実質的には、経営陣の意思統一のもと、組織的に行われた可能性が極めて高いとした上で、役職につく前に献金していないとすれば、役職中の献金は規正法に抵触する疑いもあると述べています。知事はいかがお考えか、伺います。
 わからないと言っても構いません。

○高橋知事

 寄附に関連しての重ねての重ねての重ねての御質問でございますが、先ほど来お答えを申し上げておりますとおり、それぞれの方が、それぞれ個人のお立場で、私の政治活動などに御賛同をいただき、それを寄附という形として御支援いただいている結果ではないか、このように考えております。

○真下紀子委員

 言明はできないと思います、疑いが濃いという段階ですからね。  それでは、北電以外に、役員全員が献金をしているほかの公益企業というのは、知事への寄附の中に入っていますか。

○高橋知事

 個人献金に関連してでありますが、お尋ねのような事例はないのではないかと考えております。

○真下紀子委員

 北電だけが特別なのですよね。特別扱いされているのです。
 献金されている現職の北電役員の主な仕事や担当が興味深いと私は思いました。総括質疑にふさわしいと思います。原子力推進本部所属という方が13人中5人いるのです。その内訳は、原子力推進本部の本部長、本部長代理、副本部長の4名の方と、発電本部長もいます。これは知事は御存じでしたか。

○高橋知事

 承知しておりません。

○真下紀子委員

 ぜひ調べてみてください。すぐおわかりになると思います。
 先ほど質問しましたように、原発や火力発電というのは一層厳しい行政の監視の目が必要な分野になっています。さきに御答弁いただいたように、北電は公益企業でもあります。
 連続する泊原発事故に特に責任がある立場の原子力推進本部の仕事に携わる幹部から、幾ら個人名とはいえ、献金を受け取っているのはいかがでしょうか。
 連続して事故を起こしている側の北電に対して、安全協定に基づき立入調査もするというのが道のさっきの御答弁だったのではありませんか。こういった形では、道と電気事業者としての北電との緊張関係が崩れていると言われるものではないかと思います。知事は、手心を加えていたなどと思われては不本意だと思うのです。
 この際、知事は北電役員からの献金を辞退することを御提案したいと思いますけれども、いかがですか。

○高橋知事

 寄附に関連しての何回目かの御質問でございますが、北電役員をされている方々からの寄附につきましては、先ほど来申し上げておりますとおり、あくまでも個人のお立場として、私の公約に共感をし、新生北海道を築いていきたいという私の強い思い、そして私自身の政治活動に賛同していただいた結果であると認識をいたしております。

○真下紀子委員

 私は、知事がこの組織性を認めると思って答弁を求めているわけではありません、認めると大変なことになりますからね。
 しかし、平成17年12月の第4回定例会で私が質問したときも、6人の北電幹部から献金を受けていたことを指摘しております。このときは、役員全員であったかどうかということは確認できませんでしたけれども、北電役員からの献金というのは、企業献金を禁止した後、個人献金に衣がえをして続いているということではないかと思います。極めて組織性が高いと多くの方が確信をされたのではないかと思います。
 また、北電の近藤社長が、役員の取り決めに関して、取り決めをしているのかどうかということについては明確に否定をしておりません。知らないと言っているだけなのです。なぜ、ないと言わないのでしょうか。
 私が調べたところによりますと、北電役員経験者で、北電関連会社の現職として活躍されている方々も、同じ日付で1万円ずつ献金していることも確認しておりますけれども、関連会社まで含んだすばらしい北電の組織力を感じたということを申し上げ、こういった疑惑を持たれるような献金は辞退すべきではないかと老婆心ながら知事に申し上げて、質問を終わりたいと思います。

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[日本共産党道議団編集]


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