2008年度北海道予算編成等に関する要望書 |
08.01.29 |
2008年1月29日
日本共産党北海道委員会
委 員 長 西野 敏郭
日本共産党道議会議員団
団 長 花岡ユリ子
北海道知事
高橋 はるみ 様
厳寒のなか、灯油と石油製品の急騰が道民の家計を直撃し、運送業者や農業・漁業経営を圧迫しています。さらに、小麦やトウモロコシなどの国際価格高騰により、食料品の値上げが相次いでいます。
個人所得が低迷するなかで、物価が上昇するという事態のもとで、行政は、医療や福祉の充実、中小・零細企業への支援などを手厚くしなければなりません。
ところが政府・与党は、高齢者の医療費負担増などで社会保障費を抑制し、他方、不要不急の道路建設を拡大・温存する道路特定財源の一般財源化に背を向け続けています。
いまこそ道は、「住民の福祉の増進を図る」(地方自治法第1条)という本来の役割を発揮することが、求められています。
市町村財政のしめつけや自治体病院の再編・縮小、「財政立て直しプラン」による道職員・教職員給与の大幅カット継続は、道民の暮らしをいっそう疲弊させます。メスを入れるべきは、財政危機の根本原因である大型公共事業であり、1社あたり最高で37億円もの大企業への支援です(企業立地促進条例)。
この夏、洞爺湖サミットが開かれます。議長国・日本と開催地・北海道は、温暖化ガス「6%削減」のために積極的な役割を果たせるか、世界から注目されます。
道民が希望をもって働き、暮らしていける北海道にするために、道が、国の悪政からの防波堤として役割を発揮するよう強く求めます。
記
太陽、風力、波力、地熱など自然エネルギーへの支援を、国と道で拡大すること。林産資源を活用したペレットストーブなど、北海道の特性を生かした対策を、数値目標を定めて普及・支援すること。企業が温暖化ガス削減の数値目標をもち、実行するための制度を、他県に先駆けて導入すること。
また、王子製紙、北海道曹達、サニックス、出光石油と公害問題が相次ぐなか、道苫小牧環境監視センター廃止の方針を見直すこと。
介護・福祉施設や教育・保育施設などを運営する法人、漁家・農家らにたいし、燃料費の負担増加分を助成すること。
福祉灯油事業向けに地域政策総合補助金を20億円増額すること。生活保護世帯を含む生活困窮者を、広く助成の対象とすること。
公務と民間の“賃下げスパイラル”を招き、個人消費をいっそう冷え込ませる道職員の賃金9%削減案は撤回すること。
歳入・歳出とも「聖域」を設けず、▽北電やNTTの電柱の道路使用を軽減せず1,8億円を確保する、▽他の都府県が実施している資本金1億円以上の大企業にたいする法人事業税の超過課税を導入する――など実施すること。
道が発注する事業について、道産資材の活用と地場中小企業への優先発注を拡大すること。元請から下請への前払い金の支払い、手形期間などについて厳格に調査し、発注者責任を果たすこと。
道立施設や独立行政法人など、道の関連職場で働く非正規職員の労働条件の調査をおこない、問題点があれば、ただちに改善すること。
道営住宅や特養ホームの建設(在宅で入所を希望している高齢者は約6,900人、2005年調査)をはじめ、病院や学校の耐震化などの事業を促進すること。
平取ダムなど不要不急で自然を壊わすダム建設や、苫東、石狩湾新港の大水深岸壁工事を中止すること。 “4分短縮のために20億円”を投入する千歳I.C.事業はやめること。
財政再建を理由にした自治体病院の「広域化・連携構想案」を撤回し、地元住民と医療関係者、市町村の意向を尊重すること。道立病院に指定管理者制度を導入せず、道立を維持すること。
産科・小児科医師確保の緊急事業を立ち上げ、夜間・休日の救急医療体制への助成措置を拡充すること。
泊原発3号機の建設は凍結すること。泊沖の海底活断層および地質・地盤を再調査し、情報を公開すること。消防体制を抜本的に充実すること。
道は住民の安全を最優先する立場にたち、北電・泊原発のプルサーマル計画を認めないこと。
私学経費の5割を目途に公費でまかなうこと。道費上乗せ措置の削減計画をやめ、予算の単価と総額を増やすこと。私立高等学校授業料軽減補助事業を、充実・改善すること。
以 上