08年度北海道予算編成等に関する要望書 |
08.01.17 |
2008年1月17日
日本共産党北海道委員会
委 員 長 西野 敏郭
日本共産党道議会議員団
団 長 花岡ユリ子
北海道知事
高橋 はるみ 様
厳寒のなか、灯油と石油製品の高騰は道民の家計を直撃し、中小企業や農業・漁業経営を圧迫しています。
道企画振興部がまとめた「最近の経済動向」(07年12月21日)によると、「大型店販売額」(10月、全店ベース)は、8か月連続で前年同月を下回り、企業倒産(11月)は件数・額ともに増加となりました。有効求人倍率は、全国が約1倍なのに対し、北海道は0.5倍という状況が長く続いています。
消費と雇用の低迷、経営の困難――ここに、道民の苦境がはっきり示されています。
背景に、「新自由主義」「構造改革」の政治があります。国土交通省が札幌や旭川など全国6か所を、タクシーの増車を抑制する「特定特別監視地域」に指定したことは、政府自身が、「新自由主義」にもとづく規制緩和政策の破綻を、事実上、認めたものです。
政府が、国民・道民の“暮らしを守る砦”となるべき医療・福祉は、高齢者への医療費負担増などにより、逆に庶民を苦しめる――。いまこそ道は、地方自治法第一条にいう、「住民の福祉の増進を図る」という本来の役割を発揮することが求められています。
国・総務省の意向にそった市町村財政のしめつけや自治体病院の再編・縮小、「財政立て直しプラン」による道職員・教職員給与の大幅カット継続は、道民の暮らしをいっそう疲弊させます。
メスを入れるべきは、財政危機の根本原因である大型公共事業であり、1社あたり最高で37億円もの大企業への支援です(企業立地促進条例)。
この夏に開かれる洞爺湖サミットでは、地球温暖化が主要議題となります。日本政府と開催地・北海道は、温暖化ガス「6%削減」のために積極的な役割を果たすかどうかかが、世界から注目されます。
道民が、いまも将来も希望をもって働き、暮らしていける北海道にするために、道が、国の悪政からの防波堤として役割を発揮するよう強く求めます。
記
①「6%削減」のために、道として積極的な数値目標を策定し、省エネルギーを推進すること。道内経済団体や各界と積極的に意見交換すること。
②「環境税」「炭素税」「森林税」などについて、道民的な合意をつくるために議論を始めること。
③太陽、風力、波力、地熱など自然エネルギーへの支援を、国と道で拡大すること。ペレットストーブなどの林産資源や、雪・氷など北海道の特性を生かした対策を、数値目標を示して普及・支援すること。
④バイオエネルギーについて、世界的な穀物需給や、道内の酪農畜産への影響を十分に考慮すること。
⑤自動車への依存度を高める道路特定財源は、一般財源化するよう国に求めること。都心への車の集中をふせぐ都市計画、地方に住んでも「交通権」が保障されるよう、公共交通の充実をはかること。
⑥子どもへの環境教育、道民への啓蒙をすすめること。
⑦過剰な警備にともなう人権侵害が発生しないよう充分配慮すること。
⑧サミット開催を理由としたミサイル配備など、軍事的な警備は認めないこと。
⑨米軍機やヘリ、艦船による首脳の来道は認めないこと。
①道民の暮らしと経営状況を調査し、具体策と必要な予算案を計上すること。
②低所得者向けの福祉灯油対策を充実するため、地域政策総合補助金を20億円増額すること。07年12月26日付「事務連絡」(厚労省保護係長)にのっとり、生活保護世帯も助成の対象とすること。
③ハウス農家や漁業用燃油にたいする助成制度をつくるなど支援を強化すること。燃油価格が一定基準を超えた場合の補てんや、ガソリン税の免税措置などを国に求めること。道立水産試験場の調査船による海水温調査に支障をきたさないこと。
④離島や、留萌・根室・宗谷など札幌と比べ灯油価格が特段に高い地域にたいし、輸送経費の助成など、傾斜的な支援をおこなうこと。
⑤元請け企業による下請け企業への“しわ寄せ”を防止すること。国に対し、独占禁止法、下請法の厳格な運用を求めること。中小企業の相談窓口の拡充、金融支援などを講じること。クリーニング店や浴場、運輸業者の特別の対策を強めること。
⑥暖房費がかさむ高齢者入所施設をはじめ、教育・保育、福祉施設などを運営する法人にたいし、負担増加分を助成すること。
⑦夕張市の福祉灯油実施について、他市町村を上回る特別の財政支援をおこなうこと。
⑧油急騰を引き起こした投機マネーへの国際的な規制を、日本政府にたいして求めること。
①中小企業振興資金の無担保無保証人融資の拡充など、中小企業・業者への金融対策を充実させること。保証料率について道信用保証協会と協議し引き下げること。道として保証料補給を拡大すること。
②外からの「大企業呼び込み型」の企業誘致制度を転換すること。正規雇用の拡大につながる企業の誘致(京都府など)、道内企業の受注拡大、地場産業の育成などをはかること。
③地元中小商店の営業を守り、商店街の振興策を拡充すること(空き店舗の活用や駐車場への補助など)。大型店への実効性ある規制と地域貢献を義務づけ、地元商店や商店街との共存をはかること。
④建設業、製造業などの下請け単価の切り下げなどの実態を調査し、元請への指導を強めること。公正取引委員会と協議すること。
⑤道の発注や契約で道産資材の活用を優先するとともに、地場中小企業への優先発注を拡大すること。道発注の工事について前払い金の支払い、手形期間などの調査を元請け、下請け双方から厳格に実態調査を行い、是正を指導すること。
⑥道労働局と連携し、「ネットカフェ難民調査」「登録型・日雇い派遣労働調査」を実施すること。
⑦道内企業と労働者(とくに5割が「非正規」といわれる青年、女性)の双方に、働くルールと権利を周知・啓蒙すること。インターネット相談などをふくめ、だれもが気軽に相談できる行政窓口を充実すること。若者の経済的自立のために、職業訓練制度と住宅・家賃補助制度を創設すること。
⑧道内12万人の季節労働者の生活を守り、地元での仕事確保のために、道として必要な財政措置を講じること。市町村のおこなう季節労働者対策事業に支援を強めること。国に対して特例一時金の50日復活を要請するとともに、「通年雇用促進支援事業」の抜本的な改善をふくめ、冬期の失業に対する公的就労と所得保障など実効ある対策を求めること。
⑨道立高校の現業部門の民間委託などによる公務職場でのワーキング・プアは、直ちに是正すること。道として公契約条例を制定し、日本政府にILO94号条約の批准を働きかけること。道が発注している企業、指定管理者や独立行政法人、その下請けで働いている労働者の実態調査をおこなうこと。
⑩雇用拡大につながる公共事業予算を確保すること。とくに入所希望者が急増している特別養護老人ホームやケアハウス、グループホーム、保育所の建設、老朽校舎の改築、公共住宅の拡充、公共施設のバリアフリー化や交通安全対策など、生活改善型の公共事業を積極的に行うこと。
⑪地元中小企業と建設労働者の仕事の確保のためにも、夕張市営住宅の集約・とりこわし事業について道が支援策を講じること。
⑫教員の採用増と消防・防災、保育・福祉・医療など公的分野で、安定した雇用を拡大させること。
①国にたいし、オーストラリアとのEPA交渉の中止を求めること。
②農業向け公共事業の見直しをすすめ、農政部予算の主力を価格・所得保障に振り向けること。道独自の価格・所得保障を実施すること。
③主食である稲作を守ること。政府備蓄米を早期に適正価格で購入するよう国にはたらきかけること。国とともに、主食用米価格の下落につながるクズ米の、実効ある流通規制をおこなうこと。
④畑作の振興をはかること。畑作4品について基幹作物と位置づけること。「品目横断政策」の交付金を引き上げること。
⑤酪農・畜産農家への、配合飼料高騰の緊急対策を講じること。道が乳価引き上げを斡旋すること。家畜ふん尿対策として、「土壌菌処理施設」など農家の努力が生かされた多様な施設も補助対象とすること。
⑥外国産馬の輸入を抑えて、軽種馬農家の暮らしと経営を守ること。
⑦BSEの全頭検査助成金を、国に求めること。米国産牛肉の輸入については日本と同水準の検査を前提にするとともに、輸入牛肉もトレーサビリティーの対象にするよう要請すること。
⑧農家の経営安定、担い手確保をはかること。市町村の担い手確保対策に道が支援すること。長期低利の借換の負債対策を行うこと。
⑨地産地消の促進をはかること。
①温暖化対策のうえでも、森林整備を推進すること。人工林の間伐のための雇用確保と道独自の助成を行うこと。日本製紙木材にたいし、自社林の大規模伐採計画を見直すよう求めること。
②道産材の利用率を早急に50%に引き上げること。そのため、道産材の公共事業の活用促進をはかること。道独自の価格安定対策を行うこと。林産加工業振興のために、超低利融資などの特別対策をとること。
③エゾシカとの共生、被害防止対策を進めること。
④治山ダム、大型砂防ダムを総点検し、魚道設置などの改良と、必要によってはダム撤去も検討すること。
⑤漁業資源の増大のために、魚つき保安林の拡大に引き続き努力すること。
⑥漁業系廃棄物のリサイクルに対する援助を国と道で行うこと。
⑦北方水域での「日本側操業」について、安全操業が確保されるように特段の対策をとること。日ロ間の漁業問題が領土問題と連動した交渉になるよう国に要求すること。地先沖合漁業協定での改善を迫るとともに、民間交渉である「春サケマス流し網漁業交渉」「貝殻島コンブ交渉」についても、政府として責任ある「漁業交渉」をするよう、国に求めること。
⑧トド被害への補償を国に求めるとともに、道としても、強化刺し網漁具の実用化を促進すること。
⑨オホーツク海域を中心とする油回収船を常備するよう国に求めること。
⑩漁業経営安定対策は、経営規模にかかわらず漁業者すべてを対象とし、国に予算措置を求めること。
①浪費型の巨大開発から、道民の暮らしと地元中小企業の仕事を増やす公共事業に転換すること。道営住宅と特養ホームの建設をはじめ、病院や学校など生活密着、災害対策型の事業を展開すること。
②豪雪への除排雪対策、坂道ロードヒーティングなど冬期の交通安全対策に十分な予算措置をすること。
③高齢者や障がい者が住みよい住宅に改造するために、道として住宅改造助成制度を創設すること。
④必要性が薄く、自然環境の破壊が懸念される高規格道路などの計画を見直すこと。
⑤広域農道計画の見直しをすすめること。農業用ダム、かんぱい事業、大規模林道については、事業評価を厳格におこない、見直し・中止もすること。
⑥サンルダムなど不要不急で自然を壊わすダム建設は中止すること。代替の対策を講じること。
⑦苫東、石狩湾新港の大水深岸壁工事は中止し、管理組合負担金(19,7億円、16,5億円)は凍結すること。
⑧江別市の野幌駅周辺の立体交差事業は中止を含む見直しをすること。
①特別養護老人ホームの新増設をすすめること。少なくとも在宅で入所を希望している待機者約6,900人分(2005年度調査)の建設を急ぐこと。
②低所得者の介護保険料、利用料の負担軽減をはかること。税制改正により介護保険料の負担が増えているもとで、道が負担軽減対策をもつこと。
③在宅介護の基盤整備と特別支援を確立すること。ホームヘルプサービスの介護報酬を広域、寒冷・豪雪、離島などをもつ北海道の特性に見合った額に改善させること。また、道独自に上乗せするなど支援を検討すること。グループホーム、デイサービスセンターの整備を促進すること。
④「道在宅福祉条例」を制定し、住宅改修・福祉除雪・配食サービスなどの道単独事業をおこなうこと。
①産科・小児科医不足解消のための緊急対策事業費を計上すること。住民が安心・安全に暮らせるよう、地域医療の基本である内科常勤医の確保、地元医師会と共同した夜間・救急医療の確立を図ること。
②道内15人の定員増に対応した医育大学入学を確保するとともに、抜本的な医師対策をすすめること。道内3医育大学での教育カリキュラムを充実し、地域医療・へき地医療に貢献する医療人を育てること。
③不足している看護師確保のために、看護師養成の定員増や復職支援、院内保育所への道助成増額など具体的支援策を行うこと。
④財政再建を理由にした自治体病院の再編はおこなわないこと。地元合意のない道の「広域化・連携構想案」は撤回すること。住民と医療関係者、市町村の意向を尊重し、地域医療を確保すること。
⑤美唄労災病院をはじめ、政策医療を担う道内労災、国立病院を縮小させないよう、国と両独立行政法人に求めること。
①後期高齢者医療制度にたいして、無料健診制度維持のために道費助成をおこなうこと。道民合意のない4月実施をおこなわないよう国に求めること。
②後期高齢者医療制度は応能負担を原則とし、国・道で利用者負担の大幅な軽減策を講じること。
③高齢者からの保険証取り上げや、病院追い出しなどの事態を生まないこと。
④65歳以上の障害者を医療助成制度から適用除外にしないよう道要領を改正すること。
⑤高すぎる国民健康保険料・税を引き下げるために、市町村への「国保財政健全化対策費補助金」を復活すること。機械的な国保証取り上げ(資格証明書の発行)を行わないよう市町村への指導を強めること。
①特定疾患対策事業(難治性肝炎や橋本病)を元へ戻し、患者の生きる希望を守ること。道老人医療費制度を復活すること。
②重度障害者医療費助成制度を元に戻すとともに、精神障がい者(1,2級)も対象とすること。精神障がい者も、通院医療費助成やタクシー料金の障がい者割引の対象とすること。
③「障害者自立支援法」について、国と道の責任で施設・事業所への報酬単価引き上げをおこなうこと。市町村がおこなう地域生活支援事業に財政保障をすること。国に「応益負担」の撤廃を求めること。
④バリアフリー新法にもとづき、安全・安心で便利なまちづくりをすすめること。道警・公安委員会は、「音響式」や残り時間が見える歩行者用信号を増設するなど、交差点の安全を確保すること。
⑤民間企業が障がい者の雇用を拡大するよう、道が支援すること。企業にたいし、障がい者の法廷雇用率を厳守させ、法定雇用率未達成の企業名を積極的に公表するよう国に求めること。道職員採用にあたっては、視力・聴力障がい者などとともに、知的障がい者の雇用を拡大すること。
①子育てをサポートするサークルやNPO法人などの活動を支援し、公的施設利用ができるように支援すること。親が子育てを相談できる体制のネットワーク化をはかること。
②育児休業取得、子育てと仕事の両立支援、再就職支援の目標をもち、企業に対しても施策の実現を求めること。
③児童の放課後対策の充実をはかること。埼玉県のように、道として学童保育の最低基準を策定すること。父母の負担が大きい民間学童クラブへの支援を拡充すること。
④保育所の新設と運営費の助成を拡充すること。待機児童と超過入所を解消すること。へき地保育所と季節保育所について、国基準に満たなくても道単独で補助し、保育所の存続を支援すること。
⑤営利企業が参入している「認定子ども園」について、子どもの成長と安全に支障はないか、そこで働く人の雇用条件が適正かなどを監査し、必要に応じて指導すること。
⑥児童虐待ゼロをめざし、児童福祉司の増員と、施設の拡充すること。「児童虐待防止ネットワーク」の全市町村への設置を急ぐこと。市町村の相談窓口の職員は専門家を配置すること。
⑦「ひきこもり」・不登校対策を強化すること。関係者の意見を十分配慮すること。
⑧医療的ケアが必要な児童・生徒の学校生活を保障すること。
⑨若年世代の中絶の根絶、性病予防に本格的にとりくみ、保健・教育の両面で実態にあった性教育の充実をはかること。
⑩改悪した母子医療費助成を復元すること。子どもの医療費無料化を、通院も小学6年生まで・所得制限なしで制度化すること。初診時一部負担金を引き上げないこと。
⑪公費による妊婦健診を、夕張市が5回実施できるように支援すること(現行2回)。どの市町村に住んでも厚労省通知にある「5回以上」の健診が保障されるよう、国と道で財政措置すること。
①入居希望者が募集戸数を大きく上回っている道営住宅の建設を大幅に増やすこと。道営住宅の改修・修繕予算を増やし、高齢者や障がい者らの願いにこたえてエレベーターの設置(改修)を早めること。
②公営住宅法施行令改定による機械的な家賃値上げはしないこと。入居者の経済状況を考慮すること。
③国と都市再生機構にたいし、UR住宅(道内9,218戸)の削減計画見直しを求めること。
④消費生活相談の必要な予算を確保し、相談体制の充実をはかること。多重債務問題にたいし庁内連携を図り、相談・解決のための体制を充実すること。
⑤交通事故の死亡者を減らし、ゼロをめざすこと。「歩車分離式」信号増設のための予算を拡充すること。
⑥ホームレスの自立支援策についての実施計画に基づく対策をとりこと。
⑦北海道新幹線建設にあたっては、並行在来線をJRの経営として存続すること。沿線住民の「足の確保」に努めること。
⑧「ひきこもり」・不登校対策を強化すること。関係者の意見を十分配慮すること。
⑨「人口30万人に1消防本部」という国の基準そのままの「消防広域化計画」(道内68→21本部)を、撤回あるいは凍結すること。住民が強く求める救急体制の充実と、地域に根ざした消防力の増進のために支援を強めること。
⑩公衆浴場の存続のため、道の支援を拡充すること。「福祉の湯」など市町村の事業を支援すること。
⑪ドメスティックバイオレンス(DV)対策を強化すること。
①アイヌの生活と権利を守り、差別をなくす施策を充実させること。アイヌ代表が参加し、民主的に構成される審議機関を設置すること。アイヌ人口の多い市町村に、アイヌの公選による行政機関を設置し、政策策定への参加を保障すること。
②アイヌ古老がアイヌ文化の保存継承活動に専念できるよう、特別手当制度を創設すること。
①国が災害被災者生活再建支援法を改正し、個人の住宅支援を盛り込んだことを踏まえ、道として上乗せ補助制度を創設すること。
②災害時の電気、飲料水、食料、汚物処理、通信線など、ライフラインの確保に万全を期すこと。耐震性のある水道管への取り替えを進めること。浄水場の耐震補強などへの補助制度創設を、国に求めること。
③超低気圧による高潮被害が起きないよう、護岸整備を推進すること。地震による津波浸水予測図の作成を急ぐこと。
④中越沖地震による刈羽原発の想定を超えたゆれを教訓とし、泊原発3号機の建設は凍結すること。泊沖の海底活断層および地質・地盤を再調査し、情報を公開すること。消防体制を抜本的に充実すること。
⑤幌延町の深地層研究所の地下施設建設は見直すこと。プルトニウム政策の中止を国に求めること。
⑥北電が昨年11月、道と地元自治体との協議入りを表明した泊原発でのプルサーマル計画(燃料はウランとプルトニウムの混合酸化物=MOX=)について、道は中止を求めること。
⑦全量MOX燃料による青森・大間原発について、函館市や漁業関係者らとともに、建設と計画の中止を求めること。
⑧JR北海道での連続した事故発生にたいし、保守点検の具体化と対策内容の提出を求めること。
①知床(世界自然遺産)の治山・砂防ダム、トドと漁業の問題の解決のために、科学者委員会の知見を尊重し努力すること。保護と賢明な利用を両立させるため、新たな管理計画を作成すること。大雪国立公園、日高山脈を世界遺産に登録するよう、国にはたらきかけること。
②苫東内の弁天沼と周辺湿地帯について、貴重な自然を保全すること。
③ウトナイ湖、美美川などの自然環境保全計画を策定すること。
④千歳市の長都沼の保全を開発局に申し入れるとともに、道として対策をとること。
⑤ゴミ減量化を進めること。焼却炉や処分場建設は住民合意を基本とし、ダイオキシン対策を強めること。
⑥アスベスト対策を強化すること。道立施設の調査を完了させ、除去を急ぐこと。
⑦登山者の多い大雪山系などに山岳トイレを整備すること。雨竜沼の木道整備を促進すること。関係団体と協力し、雪崩の研究と対策強化、避難小屋の設置、冬山にかんする教育活動などを進めること。
⑧シックハウス対策の強化をはかること。ホルムアルデヒドなど有害物質を学校、公営住宅、公宅など道立施設からなくすこと。
⑨バードストライク対策として、環境影響評価条例の対象に一定規模以上の風力発電を加えること。
⑩抜本的な外来種対策に取り組むこと(アライグマ、セイヨウオオマルハナバチなど)。
⑪企業の違法なばい煙排出を、きびしく規制すること。道苫小牧地方環境監視センターを廃止しないこと。王子製紙、北海道曹達、サニックスと公害問題が相次いだもとで、立ち入り体制を強化すること。
①JAS法にもとづく立ち入りや品質検査、表示規制をおこなうための道の体制を強化すること。200人に満たない食品衛生監視員を抜本的に増員すること。国にたいして、独立行政法人「農林水産消費技術センター」の体制強化を求めること。
②消費者の「知る権利」を保障するために、国にたいし食品表示の改善を強く求めること。「製造年月日」表示を復活し、食品添加物や遺伝子組み替え表示を制度化すること。
①道が自治体として本来果たすべき役割を堅持し、独法化をはじめとした民間化・民営化はやめること。民営化にあたっても、職員が解雇されたり、雇用条件が切り下がることがないようにすること。
②「職員数適正化計画」と一般職員・教職員の給与9%カット・4年間継続の計画は導入しないこと。
③一般競争入札を1千万円以上にする入札制度改革を急ぐこと。地元企業の受注機会拡大と透明性確保を両立させる入札制度をつくること。
④「財政建て直し」を理由とした道民・道職員への犠牲転化はせず、不要・不急の公共事業や大企業への補助金など「聖域」にメスを入れること。“4分短縮のために20億円の税金”を投入する千歳インターチェンジ事業は中止すること。
⑤他の都府県が実施している、資本金1億円以上の大企業への法人事業税の超過課税を導入すること。
⑥北電やNTTの電柱の道路使用料を国いいなりに軽減せず、1,8億円を確保すること。
⑦高校授業料や施設利用料など、道民の家計負担増になる公共料金の値上げはしないこと。
①天下り防止のための職員倫理の確立、再就職要綱の見直しを、早急におこなうこと。子会社などを経れば指名業者に「再々就職」できる現行の要綱を改め、関連会社を含めて天下りを禁止すること。道が許認可権限をもつ社会福祉法人や団体への天下りは、発注三部の場合と同様の制限を設けること。
②職場内で自由に意見が交換でき、問題ある行為に対する内部告発制度を早急に確立すること。
③指定管理者制度について、他府県のように団体の性格によっては「公募特例」を設けるなど、弾力的に対応すること。
④行政委員会委員の高すぎる報酬を、月額制から日額制に変えるなど、実態に見合った制度とすること。
①市町村合併は、あくまでも地元住民の判断によってすすめ、道「構想」は見直しすること。
②支庁再編にあたっては5支庁の実質廃止をせず、市町村の意向を十分ふまえること。
③地方自治の前進につながらない道州制特区推進法は、撤廃を求めること。
④地方分権の推進にあたっては、憲法の地方自治の原則、住民自治・住民参加にもとづくこと。
⑤地方交付税の財源保障機能と財政調整機能を維持するよう国に強く求めること。
⑥地方財政健全化法による市町村財政の“上からの”再建強制に、道は手を貸さないこと。連結決算の手法による住民サービス切り捨てや、民間化・民営化をおこなわないこと。
①道内自衛隊員の海外派兵につながる新テロ特措法、海外派兵法に反対すること。
②日本の平和憲法を尊守すること。憲法9条「改正」に反対すること。
③道内で事件・事故を繰り返している低空飛行を絶対に認めず、国と米軍に中止を求めること。
④矢臼別演習場での米海兵隊実弾射撃訓練の固定化・恒久化など、道内での米軍訓練は認めないこと。
⑤道内の全港湾、とくに道が直轄管理する空港・港湾の米軍による利用について、知事はキッパリ拒否すること。非核証明書を提出しない艦船の入港を認めない、「非核港湾条例」を制定すること。
⑥日本政府にたいし、犯罪者への特権を認める日米地位協定の早急な見直しを求めること。
①小学校1・2年生と、中学1年生で実施されている35人学級を義務教育すべてに拡大すること。30人学級導入を検討すること。教員の削減をやめ、採用を拡大すること。
②就学援助、授業料免除、奨学金の各制度を充実させ、子どもの学ぶ権利を保障すること。
③「競争」と子ども・保護者の負担を増大させ、地域の実情を無視した道立高校再編計画、入試制度改悪を見直すこと。定時制高校を存続すること。だれもが後期中等教育を受けられるようにすること。
④道立高校授業料を引き上げないこと。定時制高校の授業料を引き下げ、負担を軽減すること。
⑤スクールカウンセラーの配置を拡大し、あわせて道内事情に配慮した基準緩和を国に求めること。子どもと保護者、教職員の相談体制をつくること。保健室が児童・生徒の心と体のケアに重要な役割を果たしていることを踏まえ、養護教諭を増やすこと。
⑥学校での読書活動をすすめること。司書教諭を増やし、専門的に取り組める体制とすること。
⑦特別支援教育を担う教員や補助指導員を増やすこと。特別支援教育の専門教育と研修を、すべての教職員を対象におこなうこと。普通学級で障がい児を受け入れ、苦労している学校・教員への援助を強めること。
⑧学校給食のパンに使用する小麦は100%道内産とするなど、地産地消をさらに進めること。世界的な穀物価格高騰が給食へも影響するなかで、給食費減免制度を国、市町村とともに拡充すること。
⑨いじめ・いじめ自殺をなくするために、学校内での集団的とりくみ、学校・父母・地域の連携したとりくみとして促進すること。学校と通学における子どもたちの安全の確保をはかること。
①私学経費の5割を目途に公費でまかなうこと。道費上乗せ措置の削減計画をやめ、予算の単価と総額を増やすこと。授業料の値上げ、教職員の賃金低下をまねかないこと。
②私立高等学校授業料軽減補助事業を、充実・改善すること。生活保護世帯に授業料を全額助成すること。私学の生徒への奨学金事業を拡充すること。
③家庭科、芸術科、養護教員など専任教員の実態を調査し、不在の場合、解決をはかること。
④私学で遅れている育児・介護休暇制度や、有給休暇取得の実態などを調査すること。労働条件の改善のために指導すること。
⑤入学金の改善をはかるよう、道として対処すること。
①経済的理由で大学進学をあきらめることがないよう、道独自の奨学金制度を検討すること。「日本学生支援機構」が有利子奨学金を主力とするなかで、道は利子補てん制度をつくること。国と「機構」にたいし、返済免除や無利子枠の大幅拡大を求めること。
②医師対策の面からも、道立札幌医大の定員を大幅に増やすこと。札幌医大の学費減免制度を拡充し、世帯年収が低い学生の授業料を免除すること。
以 上