道予算編成及び当面する道政執行に関する要望書 |
07.06.12 |
2007年6月11日
日本共産党北海道委員会
委 員 長 西野 敏郭
日本共産党道議会議員団
団 長 花岡ユリ子
北海道知事
高橋 はるみ 様
5月29日に総務省が発表した道内の完全失業率は3・8%と、全国ワースト3位の実態にあるなど、道内は依然として厳しい雇用実態にあります。
こうした中で6月からの定率減税の廃止による住民税の増税は、とりわけ所得の少ない高齢者の場合、住民税の非課税限度額が昨年廃止された影響が今年も続きます。6月には、定率減税全廃による増税に加え、非課税限度額廃止に伴う増税が上乗せされることになります。
まさに社会的弱者を文字通り見捨てて、生きていけなくなる政策を国がとっている、政府による棄民政策ともいうべき冷酷非情な事態がすすんでいるのはきわめて重大です。
政府による棄民政治の防波堤、地方自治法第1条の2に示されている「住民の福祉の増進をはかる」ことを前提にした道政執行となるよう、下記の通り強く要望します。
記
①青年の正規雇用の拡大のために、道の企業誘致補助金を受けている企業の雇用者は、正規雇用に限ること。
②夕張市の福祉・雇用などの切実な要求に応え、第2次対策をとること。
③建設季節労働者の特例一時金の復元を国に強く求めるとともに、道としても季節労働者の雇用と生活を保障する独自の支援策を講ずること。
①公立病院を存続し、地域医療の確保に万全を期すこと
②不足している看護師の確保のために、「第6次看護職員需給見通し」について看護師不足の実態を反映させた見直しを行うこと。看護師養成の定員増や院内保育所への道の助成拡充、潜在看護師の復帰対策など、具体的な計画を立て、対策とること。
③来年スタートする北海道後期高齢者医療制度については、高い保険料の軽減策として、道として広域連合に対して10億円の助成等をとるとともに、保険証の一方的とりあげをしないよう指導すること。
①憲法9条を改定して、日本を「海外で戦争する国」につくりかえる動きには、断固反対すること。
②農業向け公共事業の見直しをすすめ、農政部予算の主力を価格・所得保障に振り向け、道独自の価格・所得保障を思い切って拡充すること。
③千歳に移転予定の米軍機訓練に対し、住民の安全確保と情報公開が徹底されるよう、道として国に対し、強く要請すること。
④地球温暖化防止のために、道としても先進的な対策をとること。
①私学助成の道費上乗せ措置の削減計画を見直し、予算の拡充を図ること。
②「少人数学級」の対象をさらに拡大すること。
③高校20校廃止、分校化13校など、地元合意のない高校再編計画を撤回すること
①道営住宅の建設、特養ホームの建設、学校の耐震改修など、生活に密着し地元企業に仕事が回り雇用効果の大きい公共事業を優先的に行うこと。
②必要性が薄く、自然環境破壊が問題視され、地元や自然保護団体などの反対が強い高速道路計画(根室、忠類、富良野、余市など)は抜本的に見直すこと。
③官製談合事件で理事らが逮捕された「緑資源機構」による大規模林道工事(道内3路線)は自然破壊と税金の無駄遣いであり、即刻中止すること。
④行政をゆがめる「口利き」を防止するために、鳥取県などのように議員などの「口利き」情報を公文書に記録し、公開するなどの条例を制定すること。
⑤政官業の癒着を無くすため、天下りと企業献金を禁止すること。
①北海道の農家の半分以上を支援対象からはずす「品目横断的経営安定対策」を根本的に見直し、米、麦、大豆、ビート、馬鈴薯、乳製品などに生産費を保障する価格支持制度の再確立を国に求めること。
②道内の水産物の「地産地消」を奨励し、地場の水産加工業の育成・強化を図るとともに、燃油価格の高騰により経営難に陥っている漁業者への支援を図ること。
③日本海地域の漁業振興を図るため、ニシンやサクラマスなどの資源増大への取組みに対する
④BSEについて国が生後20ヵ月以下の国産牛の検査用補助を来年7月に打ち切ることについて、生産者だけでなく消費者などからも不安の声が強まっている。全国一の牛乳の生産地である北海道として、国に補助の継続を求めるとともに、打ち切られた場合は京都や山形、宮崎のように道独自に全頭検査を続けること。
⑤トドによる被害の補償を国に求めるとともに、道としても独自の支援策を強めること。
⑥荒廃した森林の再生と整備、及び道産材の利用促進を図ること。
①180の市町村を5年間で60に削減する「合併構想」を撤回するとともに、長野県や福島県のように、合併を選択せず自立を目指す自治体にも具体的な支援を行うこと。
②市町村振興のための政策補助金の復元、自治を高める統合交付金制度をつくること。
③夕張市など旧産炭地域をはじめとする疲弊した地域に対し、地域の再生や活性化に向けた取組みを支援すること。
①国の特別天然記念物のタンチョウが、高濃度の水銀汚染にさらされていることが明らかになった。調査した寺岡酪農学園大教授らによると「人間なら視力や運動機能の低下、繁殖障害を引き起こすレベル」と指摘している。
生態や飛来地の状況を調べ、道は環境省などと協力して原因究明を急ぐとともに、他の生物への汚染についても調査すること。
①陸自東北方面隊が道内63団体・個人の派兵反対運動をつぶさに監視していたことは、集会・結社及び言論出版などの表現の自由を保障した憲法21条、13条などにも違反するものであり、道として問い合わせを行うなど、事実関係を調査するとともに、監視活動の即時中止を求めること。
以 上