2007 年1 月24 日
日本共産党北海道委員会
委 員 長 西野 敏郭
日本共産党道議会議員団
団 長 大橋 晃
北海道知事
高橋 はるみ 様
いま、全国的にも北海道でも格差社会と貧困の広がりが一大社会問題となっています。全国で「景気回復」が言われても、道民にはその実感はなく、有効求人倍率も全国平均を大きく下回っています。「ワーキングプア」、「フリーター漂流」(いずれもNHK スペシャル)など、格差社会化を告発したドキュメント番組では、いずれも北海道が舞台となり、全国に衝撃を広げました。「働きたいのに仕事がない。何とかしてほしい」の声が渦巻いています。函館市では生活保護を受けられなかった男性が自殺するという痛ましい事件も起きています。
昨年、道内では郵便局や鉄道、学校、病院がつぎつぎと地域から姿を消しました。財政破たんした夕張市では幹部職員など、全職員の約半数の150人の職員が早期退職せざるをえなくなり、雇用不安に拍車がかかっています。この問題では、残った市職員の給与が生活保護基準以下になるとの試算もあり、まさに「まさに出るも地獄、残るも地獄」の事態となっています。
個人道民税の税制改正による道民負担は、単年度で2005 年度が約35 億円、06 年度が112 億円、07年度が164 億円もの大増税となり、昨年は納税通知書を受け取った道民からの苦情が各市町村に殺到しました。
この苦境は、自然にもたらされたものではありません。
会社や人生、さらには地域や学校までも「勝ち組」「負け組」に二分し、差別や「リストラ」を当たり前のように言う「新自由主義」の政策や「小さな政府」、「道庁コンパクト化」の名のもとにすすめられた「構造改革」「三位一体」改革によって、道民と地域にもたらされたのがこれらの「痛み」です。このたいへんなときにこそ、地方自治法第一条にいう「住民の福祉の増進を図る」という本来の役割を発揮することが求められています。
さらに基幹産業である農林漁業の再建をはじめ、住民に身近で、しかも地元の雇用と仕事の確保につながる事業のための財源をつくり、北海道経済の活性化と道民所得の向上をはかり、財政再建にもつなげていくべきです。
しかし、高橋知事は、「財政立て直しプラン」を強行に推し進め、重度障がい者などへの医療費助成の改悪や道営住宅家賃の減免制度の改悪、道の仕事を民間に開放し、大幅なリストラを断行するなど、道民の願いに逆行してきました。一方で、財政危機の根本原因である大型公共事業にはメスを入れず、1 社あたり最高で37 億円もの支援ができる「企業立地促進条例」で大判振る舞いをしています。さらに札幌市でも行っている大企業への法人事業税の超過課税をしていません。
北海道の資料による法人2 税の推移を見ると、法人2 税が道税全体に占める割合は1991 年で、36.2%だったのが、05 年度は24.8%に下がり、法人2税分の減税額は580 億円にもなります。道民にはまこれから毎年160 億円も増税になるのに、法人は580 億円の減税――「これでいいのか」が、道民の本音です。
道民と労働者、子どもたち、障がい者が希望をもって働き、くらせる北海道にするため、北海道が国の悪政の防波堤としての役割を発揮するよう、強く要求いたします。
記
①夕張市の財政再建計画策定にあたっては、犠牲をすべて夕張市民に強いる「財政再建」一本やりの枠組み案は根本的に見直すこと。また、財政破たんの歴史的構造的要因とその責任を明らかにし、国、道が再建に向けた積極的な役割を果たすこと。
②救急医療、医師確保、除排雪、高齢者ヘルパー派遣事業、「敬老パス」や養護老人ホームなど、廃止が計画されている福祉施策を道の代行事業として存続させることを含めて確保をはかり、住民が暮らし続けられるようにすること。
③夕張など、雇用状況のきびしい産炭地のため、地域雇用創造推進事業を活用し、雇用確保をはかること。
④地域の実情を無視した小中学校統廃合計画を見直し、夕張高校存続をはかること。
⑤市は道々などの公衆トイレ8ヵ所全部の廃止方針を打ち出したが、市外や観光客の利用もあり、道々管理上も必要なものと認めて、道移管し、存続をはかること。
①中小企業・業者に対する金融対策の充実をはかること。中小企業振興資金の無担保無保証人融資の思い切った拡充をはかること。保証料率の引き下げを北海道信用保証協会に強く求めること。当面制度融資について引き下げの拡大を行うこと。また、道の保証料補給を拡大すること。
②大企業を外から呼び寄せるこれまでの企業誘致制度を抜本的に見直し、道内企業との連関や地域での雇用に役立つ企業の誘致や地場産業の導入をはかること。
③地元中小商店の営業を守るとともに、空き店舗の活用や駐車場確保への補助など商店街の振興策の拡充を求めること。
④大型店の実効性ある規制を行い、地元商店や商店街との共存をはかること。
⑤道の発注や契約で道産資材の優先活用をすすめるとともに地場中小企業への優先発注を拡大すること。
⑥建設業、製造業などの下請け単価の切り下げなど、下請けいじめの実態を調査し、元請への指導を強めるなど、改善をはかること。道の発注する工事について前払い金の支払い、手形期間などの調査を元請け、下請け双方から厳格に実態調査を行い、是正を指導すること。
⑦若者たちが希望をもって働ける北海道にするため、道としても安定した雇用確保対策を講じること。「30 人(少人数)学級」実現めざす教員採用や、「誘致企業」や大企業での正規雇用確保をはじめ、抜本的な対策を講ずること。
⑧道内13万人の季節労働者のくらしと地元で働ける仕事確保へ、雇用保険の特例一時金の削減に反対を貫くこととあわせ、国の「通年雇用促進支援事業」の積極的な活用をはかること。
道として必要な財政措置を講じ、市町村の自主的なとりくみを尊重しながら、道内すべての地域でこれが活用されるようにすること。夕張市など財政的に困難な市町村については、国に特別な配慮を求めるとともに、道として積極的な財政支援を行うこと。
⑨「道行政の減量化」「効率化」の名による道立高校の現業職民間委託計画を見直し、道民や子どもたちへのゆきとどいたサービス、教育条件を保障すること。
⑩「公共事業予算200 億円削減」と言いながら、その一方で浪費型巨大開発事業は温存という公共事業政策を改め、道民の暮らしに役立ち、地元中小企業の仕事を増やし雇用確保につながる公共事業予算の確保をはかること。
特に、入所希望者が急増している特別養護老人ホームやケアハウス、グループホーム、保育所の建設、老朽校舎の改築、公共住宅の拡充、公共施設のバリアフリー化や交通安全対策など、生活改善型の公共事業を積極的に行うこと。
⑪若者の就職支援の一環として、職業安定所から斡旋された企業への面接に行く際の交通費を二分の一補助する制度をつくること。
⑫欧米ではすでになくなっている募集欄に年齢・性別の記入を求めることを止めるよう、企業に要請すること。
①オーストラリアとのFTAを含めたEPA協定に向けた交渉は、「食料自給率向上という考え方を捨てるべきだ」という財界の戦略にそったもので、さらにアメリカとの協定へとすすむものであり、北海道農業を直撃するオーストラリアとの交渉は即時中止するよう求めること。
②農業向け公共事業の見直しをすすめ、農政部予算の主力を価格・所得保障に振り向け、道独自の価格・所得保障を思い切って拡充すること。
③主食である稲作を守ること。政府備蓄米購入を適正価格で早めるとともに、国産米による200万トンのゆとりある備蓄政策を国にはたらきかけること。
④畑作の振興をはかること。畑作4品について基幹作物と位置づけ、「品目横断政策」をとる場合でも価格政策の強化を組み合わせるよう国に求めること。
⑤酪農・畜産の振興をはかること。家畜ふん尿施設について、「土壌菌処理施設」など農家の創意工夫が生かされた多様な施設も補助対象とするなど、堆肥などへの有効利用がはかられるようにすること。
⑥外国産馬の輸入を抑えて、軽種馬農家の暮らしと経営を守ること。
⑦BSEの発生原因及び感染ルートの究明を引き続きすすめること。米国産牛肉の輸入については日本と同水準の検査を前提にするとともに、輸入牛肉も、トレーサビリティーの対象にするよう、国に要請すること。
⑧農家の経営安定、担い手確保をはかること。市町村の担い手確保対策に道の支援をはかること。
長期低利の借換の負債対策を行うこと。
⑨地産地消の促進をはかること。
⑩台風や豪雪被害などにより倒壊したビニールハウスの復旧のため道の補助制度を創設すること。
①道産材の利用率を早急に50%に引き上げること。そのため、道産材の公共事業の活用促進をはかること。道独自の価格安定対策を行うこと。
②森林整備をはかること。間伐を必要とする人工林に対して、必要な雇用の確保と道独自の助成を行うこと。
③エゾシカとの共生、被害防止対策を進めること。
④林産加工業のために超低利融資などの特別対策をとること。
⑤全道の治産ダムを点検し、改良・魚道設置、撤去などを促進すること。
⑥漁業資源の増大のために魚つき保安林の拡大に引き続き努力すること。
⑦漁業系廃棄物のリサイクルに対する援助を国と道の責任で行うこと。
⑧段差解消など、お年寄りに優しい漁港づくりを促進すること。
⑨北方水域での「日本側操業」について、安全操業が確保されるように特段の対策をとること。
日ロ間の漁業問題が領土問題と連動した交渉になるよう国に要求すること。地先沖合漁業協定での改善を迫るとともに、民間交渉である「春サケマス流し網漁業交渉」「貝殻島コンブ交渉」についても、政府として責任ある「漁業交渉」をするよう、国に求めること。
⑩トド被害対する被害補償を国に求めるとともに、道としても、強化刺し網漁具の実用化を促進すること。
⑪燃油価格の高騰により経営難に陥っている漁業者への経営支援をはかること。
①道営住宅の建設や特養ホームの建設、学校の耐震改修、橋梁の耐震改修など、生活密着、災害対策型の公共事業を増やすこと。
②豪雪に対する除排雪対策、坂道ロードヒーティングなど、冬期の交通安全対策に十分な予算措置をすること。とくに交通量の多い坂道のロードヒーティングが自治体の予算減を理由に止められている所増えているので、再開のための対策を早急にとること。
③高齢者や障がい者が住みよい住宅に改造するために、道として住宅改造制度を創設すること。
④必要性が薄く、自然環境が懸念され、地元や自然環境保護団体などから批判の強い道路計画を見直すこと。
⑤広域農道計画の見直しをさらにすすめること。農業用ダム、かんぱい事業、大規模林道については、公共事業評価を厳しく行い、見直し、中止もすること。
⑥むだなダム計画を中止すること。
⑦橋梁工事は工事発注前に総額を議会に提案すること。下部工事が総額では十数億円もかかり議会審査が必要なものが、柱を別々に発注することで審査をのがれていた事例があったのは許されない。
⑧苫東新会社は、新計画に基づく分譲が難しくなっている。事業の再評価などを実施し、中止を含む見直しを行うこと。
⑨大型砂防ダムの総点検を行い、その結果に基づいて、改良、魚道設置、場合によっては撤去などを検討すること。
⑩江別市の野幌駅周辺の立体交差事業は中止を含む見直しをすること。
①特別養護老人ホームの新増設をすすめること。
特養の待機者は05 年度の道の調べで20,729 人と平成14 年度の調査より、5,460 人増えている。少なくとも在宅を中心に緊急に入所を希望している待機者約7千人分の建設をめざすこと。
②低所得者の介護保険料、利用料の負担軽減をはかること。
昨年の税制改正により、これまで非課税世帯で負担軽減対象だった方たちが、課税対象になり、介護保険料の負担を受ける方々が増えているもとで、道が負担軽減策を持つことが強く求められていることもあり、新規事業を創設すること。
③在宅の介護基盤整備と特別支援を確立すること。
ホームヘルプサービスの介護報酬を広域、積雪寒冷、離島などをもつ北海道の特性に見合った額に改善すること。また、道独自に上乗せするなど支援を行い、在宅サービス体制を確立すること。
痴呆性老人グループホーム、デイサービスセンターの整備を促進すること。
④「北海道在宅福祉条例」を制定し、住宅改修・福祉除雪・配食サービス促進のための道単独事業を行うこと。
①医師対策をすすめること。とりわけ安心してお産や子育てができる北海道にするために、産科・小児科不足をなくす医師確保対策を緊急に講ずること。
②不足している看護師確保のために、「第6次看護職員需給見通し」を見直すとともに、看護師養成の定員増、院内保育所への道助成実施など具体的支援策を行うこと。
③公立病院の再編を行う場合でも、住民・自治体の意向を十分踏まえたものとすること。
①高すぎる国民健康保険料を引き下げるために、国保財政支援のための必要な予算を確保し、機械的な国保証取り上げ(資格証明書の発行)を行わないよう市町村への指導を強めること。
②市町村への「国保財政健全化対策費補助金」の廃止を撤回すること。
①特定疾患対策事業(難治性肝炎や橋本病)を元へ戻し、患者さんの生きる希望を守ること。
②重度障害者医療費助成制度を元に戻し、一昨年からの乳幼児・母子医療費への1割負担をやめること。道老人医療費制度の廃止は撤回すること。
③「障害者自立支援法」について、道独自対策として利用者負担軽減策や事業者に対する激変緩和策、および福祉サービスの基盤整備を行うこと。
④障がい者の日常生活用具の拡充をはかること。
電動車椅子利用者に対し、携帯電話を日常生活用具給付品目に加えるなど、日常生活用具給付事業の拡充につとめること。
⑤障がい者の社会参加を促進し、安全で便利なまちづくりをすすめること。
鉄道駅舎のエレベーターやエスカレーター、国の基準にかなった点字ブロックの設置などを早急にすすめること。
⑥障がい者の雇用拡大をはかること。
民間企業での障がい者の雇用がはかられるように、道の支援策をとること。企業に対し、障がい者の法廷雇用率を厳守させるとともに、法廷雇用率未達成企業名を積極的に公表するよう、国に求めること。
障がい者の雇用拡大のため、道職員採用にあたっては、視力・聴力障がい者などの職域の拡大につとめるとともに、知的障がい者の雇用を率先して行うこと。
①暖房用灯油価格高騰は、平均受給額5 万2000 円という道内102 万の国民年金世帯をはじめ、道民のくらしを直撃し、不安を広げている。緊急対策として、1975 年に実施した「福祉灯油」(10 万世帯、3000 円)も参考に、「特別燃料手当」などを実施すること。
②市町村には「福祉灯油」制度を奨励し、今年度は特別に実績の2分の1まで補助を実施すること。
①地域の実情を無視し、「競争」を強め、子どもたちと父母、地域に耐え難い負担を強いることになる道立高校再編計画や入試制度改悪を見直すこと。
②「少人数・40 人以下学級」の対象学年を拡大すること。
③国の「就学費」導入を理由に道が平成18 年度から行った生活保護世帯に対する授業料軽減助成の削減をやめ、安心して高校に通学できるようにすること。
①子ども未来づくり条例にもとづき、目標と予算の裏づけをもって実施計画を策定し、進捗状況も含めて実効性を検証すること。
②子育て支援をはかること。子育てをサポートするために活動する子育てサークル、女性団体、NPO 法人などの活動を支援すること。公的施設利用ができるように支援すること。子育て相談体制のネットワーク化をはかること。
③育児休業取得、子育てと仕事の両立支援、再就職支援施策の目標をもち、実効性を検証すること。あわせて企業に対しても施策の実現を求めること。
④児童の放課後対策の充実をはかること。学校へ通う子どもたちの安全を確保し、健全な文化と遊びを作り育てる上でも、学童保育を位置づけ、支援をはかること。
⑤保育所の新設をはかり、運営への助成を拡充すること。保育所の待機児童解消、定員超過の解消のため、とくに待機児童の多い都市部について道として特別の対策をとること。へき地保育所及び季節保育所に対し、国基準の満たないところにも道単独で補助し、保育所の存続がはかられるよう支援すること。
⑥児童虐待防止のとりくみを強化すること。「児童虐待防止ネットワーク」の全市町村への設置を急ぐこと。市町村の相談窓口の職員は専門家を配置すること。
⑦「ひきこもり」対策を強化すること。
⑧医療的ケアが必要な児童・生徒の学校生活を保障すること。
⑨若年世代の中絶根絶、性病予防に本格的にとりくみ、保健・教育の両目で実態に即した性教育の充実をはかること。
① 入居希望者が募集戸数を大幅に上回っている道営住宅の建設を大幅に増やすこと。道営住宅の改修・修繕予算を増やし、入居者の要望にこたえること。高齢者の入居率が高まっている現状をふまえて、エレベーターの設置(改修)を早めること。
②公営住宅法施行令改正による家賃値上げについては、入居者の生活状況を考慮し、機械的に適用させないこと。
③ドメスティックバイオレンス(DV)対策を強化すること。
④消費生活相談の必要な予算を確保し、相談体制の充実をはかること。
⑤交通事故の死亡者をさらに減らし、ゼロを目指すために信号機設置のための予算を確保すること。
⑥ホームレスの自立支援策についての実施計画に基づく対策をとりこと。
⑦アイヌ対策の充実をはかること。アイヌの生活と権利を守り、差別をなくす施策を充実させるため、アイヌ代表が参加し、民主的に構成されるアイヌ問題審議会を設置すること。
アイヌ文化を受け継いできた古老の生活を保障し、保存継承活動に専念できる環境をつくるために、アイヌ古老への特別手当制度を創設すること。
アイヌが伝統文化継承のために河川で行うサケ・マス捕獲を許可し、手続きを簡略にすること。
⑧公衆浴場の存続のため、道の支援を拡充すること。「福祉の湯」など市町村の事業を支援すること。
①アスベスト対策の強化をはかること。道立施設の調査を完了させ、除去を急ぐこと。
②被災者生活再建支援制度を拡充し、住宅本体の建て替え及び補修の費用も助成するよう国に求めるとともに、道の上乗せ補助制度を創設すること。
③災害時の電気、飲料水、食料、汚物の処理、通信線の確保など、ライフラインの確保に万全を期すこと。
④耐震性のある水道管への取り替えを促進すること。浄水場などの耐震補強に対する国の補助制度の創設を求めること。
⑤台風並みの超低気圧による高潮被害が増えているもとで、高潮被害が起きない護岸整備を推進すること。地震による津波浸水予測図の作成を急ぐこと。
⑥原発依存のエネルギー政策を改め、再生可能エネルギーの導入を促進すること。道民合意の得られていない泊原発3号機の建設は中止すること。プルトニウム政策の中止を国に求めること。ウランとプルトニウムの混合酸化物(MOX)を燃料とする計画をやめるように北電に求めること。風力発電など新エネルギーの導入、省エネルギーの導入を促進すること。
⑦幌延町の深地層研究所の地下施設建設は見直すこと。
①知床の世界自然遺産の指定によって解決の迫られる治山・砂防ダム、トドと漁業などについて、科学者委員会の意見を踏まえ、最大限の努力をすること。屋久島や白神山地などの経験を踏まえ、保護と賢明な利用を両立させるため、新たな管理計画を作成すること。
②知床につづいて、大雪国立公園、日高山脈を世界遺産に登録するよう、国にはたらきかけること。
③ウトナイ湖、美美川等の自然環境保全計画を策定すること。
④千歳市の長都沼について、保全を開発局に申し入れるとともに、道として対策をとること。
⑤ゴミの減量化に取り組み、焼却炉や処分場建設は住民合意を基本とすること。
⑥ダイオキシン対策を強化すること。
⑦大雪山系など登山者の多い山に山岳トイレを整備すること。雨竜沼の木道整備を促進すること。
⑧十勝ラリーについては、環境保全に万全を期すこと。知事の名誉大会長就任、各種補助金については慎重に検討すること。
⑨シックハウス対策の強化をはかること。ホルムアルデヒドなど有害物質を学校、公営住宅、公宅など道立施設からなくすこと。
⑩風力発電によるバードストライクが多発していることから、道の環境影響評価条例の対策に一定規模以上の風力発電を加えること。
①道職員を大幅に削減して、道が自治体として本来果たすべき役割を放棄したり、民間化を加速させる「コンパクト道庁」はやめること。2005 年から10年間で知事部局職員30%(6000人)削減する職員数適正化計画は見直すこと。
②国が押し進めようとしている地方交付税削減に断固として反対すること。
③受注企業からの企業献金の自粛宣言を行うこと。
④5億円以上に限られている一般競争入札を1千万円以上とするよう、入札制度改革をはかること。
⑤財政建て直しは、道民・道職員に犠牲を転化せず、不要・不急の公共事業や大企業への補助金見直しなど、聖域に抜本的にメスを入れること。
①道警の捜査用報償費等不正・流用疑惑について、道民の不信は払拭されていない。知事は、4費目以外も含め道警裏金問題の真相解明に責任をもつこと。
②天下り防止のために職員倫理確立及び再就職要綱の見直しについて、実効ある対策を早急に講ずること。職場内で自由に意見が交換でき、問題ある行為に対する内部告発制度を早急に確立すること。福祉法人など道が許認可権限を持つ団体への天下りは、発注三部の場合と同様の制限を設けること。また、談合が決して得にならないことを明確に認識させるためにも、談合違約金(賠償金)を契約額の20%以上に引き上げるなど、罰則を強化すること。
③指定管理者導入には、他府県のように団体の性格によっては「公募特例」を設けるなど、弾力的に対応すること。
④道の施設(直営、外郭団体など準直営)の民営化にあたっては、職員が解雇されたり、雇用条件が切り下がることがないようにすること。
①市町村合併は、あくまでも地元住民の判断によってすすめ、道構想は撤廃すること。
②支庁再編にあたっては、自立や広域連合を選択する市町村の意向を十分ふまえたものとし、「強制」にならないように配慮すること。
③道州制とっく推進法は、地方自治の前進につながらず、国の行革や北海道特例見直しに利用される可能性が強いことから、撤廃を求めること。
④地方分権の推進にあたっては、憲法の地方自治の原則にもとづき、住民自治・住民参加を拡充すること。
⑤地方交付税の財源保障機能と財政調整機能を維持するよう国に強く求めること。
① 防衛省昇格により海外業務が自衛隊の本体業務になったことをいいことに、道内自衛隊の海外派兵を増やそうという動きには、道民の命を守る点からも反対すること。道民を戦争に動員しようとするいかなるくわだてにも反対すること。
②日本の平和憲法を尊守すること。憲法9条「改正」には反対すること。
③来年、沖縄に配備されるF22戦闘機は空対空戦だけではなく、対地攻撃能力を持ったステルス戦闘機で、当初言われていたF15戦闘機とは質的に違うもの。危険な低空飛行が拡大する可能性が強い。一度受け入れれば訓練内容が肥大化・変容するのは避けられないので、在日米軍再編にともなう当初説明と違う内容となる米軍戦闘機訓練の受け入れ容認姿勢を抜本的に見直すこと。
④道内で繰り返し事件・事故を起こしている低空飛行は、パイロットのちょっとした操縦ミスで大惨事に直結するもので、米軍も本国では演習空域以外では認められていない。北海道上空での低空飛行訓練は絶対に認めない姿勢で国と米軍に中止を求めること。
⑤米海兵隊矢臼別演習場での実弾射撃訓練については内容が次々と変化・改悪されているもので、中止を求めること。訓練の固定化、恒久化は絶対に認めないこと。
⑥米艦船の道内港湾の利用や、道が管理する空港・港湾の利用は知事としてキッパリ拒否すること。非核証明書の提出しない艦船の入港を認めない非核港湾条例を制定すること。
①小学校1、2年生に実施されている35人学級を、3年生以上にも拡大すること。
②学校、及び通学における子どもたちの安全の確保をはかること。学校で、子どもの安全を守る職員の配置を促進すること。
③学童保育の役割を積極的に評価するとともに、放課後の子どもの居場所と活動の場を小学校単位でつくり、集団下校できるような体制を。
④定時制高校の授業料を引き下げ、親と子どもの負担を軽減すること。
⑤スクールカウンセラー廃置のため、準ずる規定内での拡充をはかるとともに、道内事情に配慮した基準緩和を国に求めること。また、子ども達や保護者、教職員の相談体制をつくること。
⑥図書館司書廃置をすすめ、読書活動をすすめること。司書教諭配置の場合、専門的に取り組めるよう配慮した体制とすること。
⑦特別支援教育についてはモデル事業を行っている現場などの実態に即し、教職員加配や補助指導員などの人員配置を行うこと。特別支援教育にあたっての専門教育、研修をすべての教職員を対象に行い、理解を深め、実践できるようにすること。
⑧学校給食での地産地消をいっそう進めること。中でもパンに使用する小麦は100%道内産を使用するように対策をとること。
⑨地方文化・芸術・次世代への継続事業などの支援拡充をはかること。
⑩いじめ・いじめ自殺をなくするために、学校内での集団的とりくみ、学校・父母・地域の連携した取組みを促進すること。
⑪改正された教育基本法について、
①私学は高校の2 割、幼稚園の8 割を占めており、公教育の重要な一翼を担っている。その役割にふさわしく、私学経費の5割を公的助成で賄えるようにめざすこと。
②ゆきとどいた教育を求める道民の願いに応え、新年度の私学予算の単価と総額を増額すること。
③私立高校において40人学級がのこされているので、この解消をはかるために特別の支援策を検討すること。
④家庭科、芸術科、養護教員など専任教員が不在である実態を調査し、その解決をはかるよう支援すること。
⑤私学において遅れている育児休業制度、介護休暇制度、有給取得の実態などを調査し、労働条件の改善をはかるよう指導すること。
以 上