米軍訓練移転
道内大都市を含む陸上部の2/3が危険空域に
花岡議員が知事の認識ただす
「(米軍機が)北海道第2の都市の旭川市に墜落すれば、大災害は避けられない」―――沖縄の負担軽減を理由に強行されようとしている米軍機訓練の本土移転にからみ、道北部訓練空域使用の可能性が浮上しているのを受けて、日本共産党の花岡ユリ子道議はこのほど、第3回定例道議会の一般質問で、空域利用に伴う危険性を明らかにしました。
沖縄でできない訓練が北海道で
旭川市や釧路市などの道内大都市を含む陛上部の3分の2の空を覆う、広大な訓練空域・・・
【図1】自衛隊機の訓練空域(塗りつぶした部分)
(注)防衛庁資料より
使用が浮上している訓練空域はA(アルファー)と呼ばれ、旭川市や釧路市などの道内大都市を合む陸上部の3分の2の空を覆う、広大な訓練空域【図1】。「米軍機はこれまで訓練で利用していませんでした」 (道危機対策局担当者)。
花岡議員は、「沖縄本島や周辺の主要な島々の陸地の上には米軍の訓練空域はない」【図2】ことを明らかにし、矢臼別への米海兵隊移転に続き、米軍機移転でも沖縄でできない訓練が北海道でやられようとしているもので、「沖縄の負担軽減に名を借りた訓練強化以外の何物でもない」と厳しく追及しました。
米軍機訓練移転予定の機種にはF15戦闘機のほか、F16戦闘機も入っています。2000年11月に米軍三沢基地所属のF16戦闘機2機が松前沖で“日米共同統合訓棟”中に接触事故を起こし、墜落しています。
【図2】沖縄周辺の米軍訓練空域・水域
沖縄県「沖縄の米軍基地のすがた(2004年3月版)」より
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危険度合い計り知れない
〜移転受け入れ撤回を
花岡議員は高橋はるみ知事に対し、「移転訓練により頻繁に利用されるようになれば、危険の度合いは計り知れない」とのべ、「地元の代表として訓練移転受け入れ姿勢を撤回する必要がある」と強く迫りました。
高橋知事は、「訓練空域については、日米間において訓練内容が協議された上で、示される」とのべ、訓練空域の米軍使用を否定できませんでした。また、訓練・事故などの対応については、「連絡協議会(仮称)を通じて対応していく」として、道独自の対策については、明らかにしませんでした。
花岡議員は、高橋知事は、米軍機訓練の危険性か本当に認識した上で受け入れ姿勢に転じたのか大変疑問です。もし、認識せずに受け入れ表明したのならはなはだ遺憾。今後も米軍訓練の危険性と知事の姿勢を厳しく追及していきたい」と語っていました。
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