全ての道立高校にAED(自動体外式除細動器)設置を
全国で最低水準の打開を − 花岡ユリ子道議が提案 −
道内では7月に私立高校生が部活中に死亡しました。当該市の道立高校には道費でのADE設置は1台もないことから、道教育委員会に対して設置を求める切実な要望が学校やPTAに寄せられています。
道立高校のADE設置の推進を求めた花岡ユリ子議員の一般質問に、吉田洋一道教育長は「導入に向け幅広く検討する」と答弁しました。
文部科学省は、全国の公立小中高校、特殊教育学校に関するAED設置状況を調査し、発表しました。
全国では06年度中の設置予定は全国で8016校、18・7%にとどまっています。しかし、道内はさらに低く、217校、8・5%の設置予定にすぎません。
中でも全国の高校では100%設置が14府県、90%設置以上が15県となって過半数に達し、平均でも54・9%です。
北海道は全国で32位
道立高校では運動中の心肺停止に関心が高まっていますが、241校中、設置済みが18校、予定を含めても40校、17・1%にとどまっており、設置率は全国で32位です。設置予定の財源はAED予算としてではなく、寄贈や運営費の運用などのため不確定です。
青森県ではライフサポートチェーン(救命の連鎖)事業として県費で100%の県立高校に設置を終了しました。テニス部部員の突然死があった和歌山県でも全校設置が進んでいます。
徳島県では、設置されたAEDによって教職員、生徒の2人が救命されています。学校数の多い愛知県、兵庫県でも設置は9割を超えている一方で、マスコミでも地域格差が指摘されています。
PTA、校長と懇談 ――真下紀子議員――
真下道議は、高校PTA役員の、生出 栄・東神楽町議とともに、校長、PTA会長などと懇談しました。そこでは「どの高校にも設置してほしい」「道は財政難というけれど、子どもたちのいのちの問題ですから、急いで全校に設置してほしい」と直接声をうかがってきました。花岡議員は、これらの声を紹介し、道内での設置が格段低いと指摘、設置促進を求めました。
吉田教育長は厳しい道財政を理由に予算計上には言及しませんでしたが、国に設置の支援を求めるとともに、民間企業や団体の協力も含め「導入に向けて幅広く検討する」と答弁しました。
AEDとは
心臓がけいれんし、血液を送るポンプとしての役割が果たせなくなり、死亡につながる「心室細動」を電気ショックを与えて正常な状態に戻す「除細動」をするための救急器具
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