基地の街 岩国は
米軍思いやり予算でナイター球場
市民街づくり計画作れず下水遅れ
米海兵隊岩国基地をかかえる山口県岩国市は、米軍厚木基地(神奈川県)の空母艦載機部隊を岩国基地へ移転する計画について、市民の賛否を問う住民投票を実施しました。投票資格のある住民の過半が、受け入れ「反対」を表明しました。
道議団は、千歳基地への米軍F15訓練移転計画とのたたかいに生かすため、現地で関係者から話を聞きました。
市幹部からも話を聞いて
岩国市役所を訪問し懇談する(左から)
花岡、真下両道議と三上事務局長=5月11日
「岩国住民投票を力にする会」代表の吉岡光則さん(山口県高教祖前委員長)と吉田達彦党県議団事務局長の案内で、建設中の海上滑走路や埋め立て土砂を運ぶ100億円のベルトコンベヤー、弾薬庫や家族住宅などを視察しました
市役所では、総務部長や基地対策担当部長と懇談しました。両部長は、今回の艦載機受け入れについて「海上への滑走路移設は基地の騒音と安全性の問題を改善・除去するためのはずでした。ところが厚木の艦載機が来るというのでは裏切られたという気持ちです」と率直に話しました。
上空を飛ぶFA18戦闘攻撃機は、千歳に移転予定のF15戦闘機よりもさらに爆音が大きく、夜間離着陸訓練(NLP)が開始されれば、市民は今の倍以上(100機以上)の恒常的なごう音と墜落事故の危険にさらされていくことになります、
新滑走路の先には、世界遺産に登録された観光地・宮島、厳島神社(広島県)があります。広島県西部住民の会と行政主導の岩国基地増強計画反対連絡会も立ち上げられ、移転反対運動が広がっています。
岩国基地では、米軍家族のために学校は18人学級、ナイター設備のある野球場が整備されています。家族住宅と基地を結ぶために建設された橋はフリーダムブリッジ(自由の橋)と名づけられていますが、自由に行き来できるのは米軍だけ。これらの施設は日本の思いやり予算によって造られています
次の議会で取りあげたい
一方で岩国の子どもたちには、いまだ少人数学級は実現していませんし、ナイター付き野球場もありません。街づくり計画もつくれないため、下水道整備は県下最下位、バキュームカーがひっきりなしに走っています。
私たちは、「視察で学ぶところは大きく、千歳基地へのF15移転と矢臼別での演習拡大に反対する道民運動を広げ、第2回定例議会でも頑張りたい」と決意を新たにしています。
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