| 
コンテンツ一覧戻る【税金使い「海外視察」】
【政務調査費を透明に「口利き」情報公開で歯止めを】
【自由闊達な論議の場に「答弁調整」せず真剣勝負】
【開かれ、親しまれる議会に審議を充実、広報道民に広く】
 |  |  
   
 
| 景色、食事…まるで観光案内 長野県をはじめ全国各地の知事が改革の流れを作り出しています。地方自治を担う「車の両輪」たる議会にも改革が求められています。しかし、オール与党化によるチェック機能の低下、さまざまな税金のムダ遣い、道民に見えない水面下での議会運営など、道議会への道民の批判が高まっています。日本共産党道議団は5日に「道議会改革の提言」を発表しました。
 「観光案内」の視察報告書
 
 道議会には4年間に120万円の範囲で議員が個人で海外視察できる制度があります。
| 2001年度北海道議会議員海外調査派遣旅費支出一覧(一部) |  
| 氏名 | 用務 | 期間 | 用務地 | 調査視察旅費 |  
| A | タリア芸術振興・観光振興施策調査 | 8月26日〜9月1日(7日間) | イタリア | 526,570 |  
| B | 513,390 |  
| C | 1,097,430 |  
| D | D議員 (9日間)
 | 1,197,810 |  
| E | 欧州芸術振興・観光振興施策調査 | 8月23日〜9月3日(12日間) | モナコ公園、イタリア、フランス | 1,113,770 |  
| F | 1,196,970 |  
| G | 1,196,970 |  
| H | 欧州地域振興・福祉政策等調査 | 9月5日〜9月12日(8日間) | ドイツ | 1,187,620 |  
| I | 1,173,800 | 
 2001年度は日本共産党を除く全会派から延べ52人が4290万円の視察旅費を使って海外視察をしました。
 視察旅費は100万円を超えるものが25人と半数近くで、なかには1,197,800円とほぼ満額を使い切るケースもみられ、航空機もエコノミークラスの3倍以上のビジネスクラス・スーパーシートを使用するなど「豪遊」もみられます。
 提出された視察報告書の中には、観光旅行かと思われるものもみられます。自民党道議7人がイタリア・フランスなどを訪問した「欧州芸術振興・観光振興施策調査」では、「エズ村は、一ツ星レストランが3軒もあり、地中海のすばらしい景色を見ながらの食事は格別である。・・・モナコに行く時は必ず立ち寄るべき眺望の村である」と、観光パンフレットと見間違えるような内容です。
 報告書とは言っても数ページに視察した場所を列記し簡単な感想を述べただけのものもみられます。
 個人視察の廃止を提案
 党道議団は94年に「行政視察の抜本的改善の提言」を発表し、個人での持ち点制の海外視察旅費の廃止を提言しました。
 今回改めて廃止を提案するとともに、「必要な場合は、必要な課題、視察先等について各派が合意した場合についてのみ実施する」ことを提案しています。
 全国的にも、神奈川県、長野県、京都府など5府県が海外視察旅費を凍結しており、5兆円(道民1人88万円)という借金をかかえる道としても見直しが求められています。
 視察場所決め「何を見るか」
 最近「調査報告書はより詳細な記述とし、閲覧に供する」「支払いを証明する領収書等を添付する」などの改善がはかられましたが、個人視察旅費そのものの見直しが求められています。
 委員会単位で行われる道内・道外視察についても、視察場所を決めてから「何を見るか」を決めるという逆立ちしたやり方がとられることが少なくありません。観光旅行と誤解を与えるような場合もあります。
 
 
| 党道議団の提言 |  
| 理事会であらかじめ視察のテーマを議論し、それにふさわしい場所と視察先を決める形にします。食糧費は原則として使用しないようにします。 |  
 |  
 
 
| 【政務調査費を透明に 「口利き」情報公開で歯止めを】
 | <2> |    
 
| 愛人の生活費にまで流用も 「議員の調査研究に資するための必要な経費」(地方自治法第100条)としての政務調査費は、道議会の場合、月額53万円(会派10万円、議員43万円)が交付され、収支報告書の提出が義務付けられていますが、1枚の紙のみで詳細な報告や領収書等の添付は、求められません。
 99年3月に、21道民クラブ所属の道議が「道政調査研究交付金」(当時)を愛人の生活費や支持者の子どもの架空給与に使ったことが明らかになり、批判をあびました。
 また札幌市議会では、自民党が議長の醜聞を掲載した道内誌を政務調査費で大量購入、配布した疑いが持たれたり、東京・品川区議会でも、政務調査で料亭・キャバレー通いが明らかになるなど、全国的にも政務調査費への批判が強まり、徹底した情報公開を求める声が高まっています。
 日本共産党道議団は、2001年3月の条例制定に当たり、「お手盛り」と批判の強かった5万円引き上げに反対するとともに、会派交付1本とするべきであり、第三者機関の意見を聞くことを提案しました。
 02年7月に01年度の収支報告書が公開されましたが、「透明性欠く政務調査費」「適正?あいまい使途ぞろぞろ」(「道新」7月2日付)など、1枚の収支報告書のみの公開に批判が高まり、「議員はすべて公開せよ」(「道新」7月3日付)、「第三者機関のチェックを」(「読売」7月2日付)との声があがりました。
 収支決算を見ると、議員分では残額を返納しているのは、日本共産党の6人を含め12人で、あとはすべて残額ゼロとなっています。
 
 
| 党道議団の提言 |  
| 政務調査費は全会派交付とし、より詳細な報告書と支出を証明する領収書等の添付を義務づけるとともに情報公開の対象とする。 日本共産党道議団は、希望する人には12月1日から収支報告書の詳細な内容と領収書等を閲覧できるようにしています。
 |  受注企業献金禁止が世論に
 道の官製談合にかかわって25人の道議が「口利き」を行っていたことが大きな批判をあびていますが、「口利き」がいかに公共工事をゆがめるかは、鈴木宗男氏の例からも明らかです。
 鳥取県などが、県議会議員からの働きかけを記録として残し、情報公開の対象とする措置をとっていますが、公開こそが「口利き」の最大の歯止めとなります。
 また、国・地方を通じて「公共工事受注企業からの献金の禁止」が大きな世論となっていますが、堀知事は道民の大きな批判のもとで99年から道の指名業者からの献金を辞退していますが、道議会としても実効ある措置が望まれます。
 
 
| 党道議団の提言 |  
| 公共事業の発注などに関する議員や外部からの働きかけの記録を残し、情報公開の対象にする。 公共事業受注企業からの献金を禁止する法的措置を国に求めるとともに、道議会としても決議する。
 
 |  
 |  
 
 
| 【自由闊達な論議の場に 「答弁調整」せず真剣勝負】
 | <3> |    
 
| 「すり合わせ」に反省の機運も 議会は本来、議員と知事などが真剣勝負でわかりやすい論議を展開する場です。
 ところが道議会では、再質問、再々質問まで質問者と答弁者の側が事前に一言一句まで「すり合わせ」をして、議場ではできあがった原稿を「読み合う」だけという場合が少なくありません。この過度の「答弁調整」が議会をつまらないものにしています。
 この傾向はとくに自民党が野党になった横路道政以後ひどくなり、「オール与党」になっても変わりません。
 答弁調整については、全国的にも反省の機運が高まっています。
 鳥取県の片山善博知事は、このような議会の状況を「学芸会」と批判し、答弁調整をやめて議場での真剣勝負に臨むことを宣言しました。
 当初、最大与党の自民党の抵抗でギクシャクしましたが、今では議会が非常に活発になり、県民の議会への関心が大いに高まったとのことです。さらに、職員の残業と紙代が大幅に節約されたとのことです。
 党道議団は、「通告制」に基づいて質問内容を通告しますが、一言一句すり合わせるようなことはせず、議場での闊達(かったつ)な論戦に努めています。
 政務調査費を本来の趣旨に基づいて有効に使って全道各地に足を運んで調査し、関係住民、団体などと懇談を重ねて質問内容を豊かなものにしています。
 
 
| 党道議団の提言 |  
| 「答弁調整」を極力なくし、議場での真剣勝負の議論を。 政務調査費を有効に使って旺盛な調査活動を行い、職員提案の条例案なども増やす。
 |  委員会の場もおもしろく
 
 
道議会は「本会議中心主義」との批判が強く、道民の声に基づく具体的な委員会での論議が不十分です。
| 予算特別委員会分科会における質問時間 |  
| 
95年6月〜98年7月 
| 
 | 延人数 | 時間=分 |  
| 自民党 | 149 | 7,039 |  
| 民主党 | 19 | 659 |  
| 21道民クラブ | 6 | 312 |  
| 公明党 | 17 | 400 |  
| 日本共産党 | 62 | 2,921 |  
| 新道政クラブ | 10 | 241 |  
| 無所属 | 3 | 98 |  
※日本共産党2人 | 持ち時間制 →
 導入
 | 
99年6月〜02年7月 
| 
 | 延人数 | 時間=分 |  
| 自民党 | 230 | 6,832 |  
| 民主党 | 183 | 4,660 |  
| 道民クラブ | 48 | 1,204 |  
| 日本共産党 | 121 | 2,637 |  
| 公明党 | 27 | 770 |  
| 道政会 | 11 | 215 |  
※日本共産党6人 |  とくに、国会でも一問一答でわかりやすい論戦を展開して人気の高い予算委員会は、道議会では会派の議員数に比例した「持ち時間制」が導入されたことで、時間に制限されず自由闊達な論戦をたたかわせることが困難になり、「答弁調整」がますますひどくなっています。
 これは日本共産党の「質問封じ」を意図して、「オール与党」の側が4年前に強行したものですが、その結果、予算委員会の共産党の質問時間が、2人から6人になっても逆に減らされる結果となっています。(表)
 月1回行われる常任委員会・特別委員会についても、必要に応じて現地調査・意見聴取など多様な形態を加えて活発化すべきです。
 
 
| 党道議団の提言 |  
| 予算特別委員会の「持ち時間制」を廃止し、自由闊達な論議を保障する。 |  |  
 
 
| 【開かれ、親しまれる議会に 審議を充実、広報道民に広く】
 | <4> |    
 
| 空転を正す 道議会は別名「空転議会」と呼ばれ、よくストップします。
 知事などが「答弁準備のため時間が欲しい」といってストップし、道民にも他会派の議員にも見えないところで「答弁調整」をして、再開されたら用意した原稿を読みあうだけ―。道民にも他会派の議員にもなぜそうなったのかわかりません。
 いつ再開されるかわからないため、傍聴者も減ってしまいます。
 一日空転すれば、議員の費用弁償約200万円をはじめ、職員の残業代など数100万円の道民の税金が余分に使われることになります。
 日本共産党道議団は、議場でわかりやすい議論を徹底して行うという立場から、ルールに基づいて再質問・再々質問、ときには特別発言までおこなって論戦をたたかわすとともに、無用な空転には反対してきました。
 
 
| 党道議団の提言 |  
| 道民の傍聴を促進するためにも、定時開会を厳守し、空転した場合などは、質問者をくり上げるなど審議の促進をはかる。 |  請願・陳情審査を促進
 道民の請願権に基づいて道議会には毎年100件を超える請願・陳情が提出されますが、実際に審査され、採択・不採択が決るのは16%程度で、68%はほとんど審査がおこなわれず廃案になってしまいます。(表1)
 党道議団は、約7割の請願の紹介議員になるとともに、請願審査を促進し、請願者の趣旨説明も他会派にも働きかけて数多く実現させています。(表2)
 憲法に保障された請願権に基づく請願を審査しないのは議会の任務放棄と言わなければなりません。
 
 
| 表1 請願・陳情審査状況 (95.6〜99.3)
 |  | 表2 会派別請願紹介状況 (99.6〜02.9.13)
 |  
| 
| 
 | 件数 | % |  
| 採択 | 21 | 12.7 |  
| 不採択 | 5 | 3.0 |  
| 議決不要 | 25 | 15.1 |  
| 取り下げ | 2 | 1.2 |  
| 継続 | 113 | 68.1 |  
| 合計 | 166 | 100.0 |  |  | 
| 
 | 議員数 | 紹介数 | 単独 | 共同 | 紹介率(%) |  
| 自民党 | 55 | 21 | 5 | 16 | 15.9 |  
| 民主党 | 33 | 40 | 20 | 20 | 30.3 |  
| 道民クラブ | 6 | 9 | 0 | 9 | 6.8 |  
| 日本共産党 | 6 | 93 | 84 | 9 | 70.5 |  
| 公明党 | 5 | 7 | 0 | 7 | 5.3 |  
| 道政会 | 1 | 7 | 0 | 7 | 5.3 |  
| 計 | 106 | 177 | 109 | 68 |  |  
| (実件数) |  | 132 |  |  |  |  
| (注1) | 議員数01.12.5現在 
 |  
| (注2) | 紹介率は共同紹介があるため、合計は100%以上になる 
 |  |  
| 党道議団の提言 |  
| 付託された委員会における請願・陳情審査の定例化など、請願・陳情審査を促進する。請願・陳情代表者から申し出があった場合、原則として説明を聴取する。 |  いまは年1回
 道民が道議会に関心を寄せ、道議会を訪れるようになるためには、道議会を道民に積極的に知らせる活動が欠かせません。
 これまで、議場コンサート、インターネットでの本会議の中継などもやられていますが、広範な道民を対象にした広報活動が必要です。
 埼玉県では、毎定例会後「県議会だより」を新聞折り込みで各家庭に配布していますが、北海道では、年4回の「広報ほっかいどう」に「道議会レポート」が1ページあるだけです。
 党道議団は、積極的に傍聴を呼びかけ、議会庁舎のバリアフリー化や手話通訳者の配置などを実現してきました。また年4回「道議会だより」を議員の選挙区で全戸配布しています。
 
 
| 党道議団の提言 |  
| 少なくとも年1回の道議会広報紙を「広報ほっかいどう」とともに全道民に配布し、道議会のテレビ中継についても検討する。 |  情報もっと公開を
 道情報公開条例は、透明度の点で全国でも高い水準にあると評価されていますが、議会の条例は「議会活動に著しく支障が認められるもの」は非開示とする、不服審査機関を議員で構成するなど、不十分さが見られるため改正が必要です。
 
 
 
| 党道議団の提言 |  
| 非開示情報を「政党および会派固有のもの」に限定し、不服審査機関は部外の有識者により構成する。 |  
 |  
 
 
| 〒060-0002 札幌市中央区北2条西6丁目TEL011-231-4111(内線33-181)FAX011-232-4763
 
  
 
 |  
 |  |