日本共産党 北海道議員団ホームページ
議員ごあいさつ 道議会での取り組み 道議団の動き 申し入れ/談話/声明 提言 リンク
 
談話
   
道政を見る 08.04.16

大企業優遇、道民に痛み

 第1回定例道議会は3月26日、総額2兆9000億円の新年度予算案を日本共産党と民主党を除く費成多数で原案通り可決し、閉会しました。
 党道議団は、「財政再建」の名で次々と道民に痛みを押しつける高橋はるみ道政に対し、現場に足を運んで調査した道民の暮らしや医療、福祉の切実な要求を突きつけて実現を迫りました。

浪費型事業 道民にツケ

 高橋知事は、国に追従して浪費型の公共事業をくり返して抱え込んだ巨額な借金のツケを、道民に露骨に押しつけようとしています。
 使用料や手数料の改定では、高校授業料や寄宿舎、各種道立施設や運動場、試験研究機関の検査料など、あらゆる値上げが強行されました。
 道職員への4年連続の給与カット(単年度340億円減)は、地方経済にも大きな影響を与えるものです。
 その一方で、知事の大企業優先、無駄な公共事業温存の姿勢はますます強まるばかりです。
 「4分短縮に20億円も」とメディアも批判する千歳インターチェンジ建設への調査費計上を強行しました。
 電柱の占用料の改定では、大幅な値下げをして、北電やNTTなどに一億円もまけてやりました(4月から引き下げるのはわずか5都道県)。
 地球温暖化防止問題では、福田康夫首相主催の懇談会で「産業競争力をゆがめるような(温暖化防止の)ルールづくりは避けてほしい」との大企業のいい分を擁護する問題発言を行いました。
 「あまりにも企業寄りの発言だ」と厳しく撤回を求めた共産党の真下紀子道議に対し、知事はまったく反省の態度を示しませんでした。
 サミット開催地の知事の資費が問われかねない重大な問題です。
 弱いものは強いものに食われても仕方がないとした「構造改革」路線のもとで、貧困と格差が拡大し、大きな社会問題となっている非正規雇用の正規化にも、高橋知事は消極的な態度に終始しました。

正規雇用増 踏み込まず

 真下道端が、トヨタ北海道が12年間で4億8000万円もの雇用助成金を受けながら、期間工が1100人もいる実態を明らかにし、「助成基準の年収130万円では結婚できない。せめて200万円以上に改正を」と基準引き上げを迫りました。
 しかし高橋知事は「所得条件をなくし、健康保険、厚生年金のみを要件とする」とたんたんとのべるだけで、正規雇用増にはまったく踏み込みませんでした。

ムダと不正をチェック

 財政難を理由に、暮らし、福祉に関する予算が大幅に削減されるなか、日本共産党道議団は無駄と浪費、不正にメスを入れ、切実な道民要求を取り上げ、高橋はるみ知事に実現を迫りました。

特定財源「転用」 真下道議が追及

 ミュージカルの上演や豪華な米軍将校住宅の建設など、道路と無関係なものに道路特定財源が使われていることに、国民の批判が高まっています。
 北海道でも、土木現業所の改築費用に「転用」されていることが党道議団の調査で初めてわかりました。同じ建物の建設に、道路とは別の河川改修工事や砂防工事、漁港整備事業などからの「転用」も判明しました。
 真下紀子議員は「道路整備という本来の目的以外に使うべきではない」と追及。高橋知事は答弁に立てず、建設部長は「問題ない」と居直りましたが、道民からは「納得できない」と怒りの声がわきあがっています。

元副知事ら天下り要綱違反

  道が出資する関与団体に天下りしている道職員のうち7人が、道の定めている年齢制限を超えていることが、党道議団の調査でわかりました。7人のうち5人は、元副知事など特別職と元教育長で、年齢制限を15歳も超えている人もいます。
 花岡ユリ子議員は「道職員の給与は大幅に引き下げながら、OBには甘すぎる」「知事の責任でルールを守らせるべきだ」と追りました。
 高橋知事は「要綱の厳格な運用に最大限努力する」とのべるだけで、みずから解決する姿勢をまったくみせません。
 「テレビで見ました。80歳でも天下り先にしがみつくのは許せない」(道民)、「天下りを追及できるのは共産党だけです。一般職員のためにも頑張ってほしい」(道職員)と多くの激励が寄せられています。

手帳の不正交付 質問は共産だけ

 札幌市の耳鼻科医師が関与し、聴覚障害者に手帳が不正に交付された疑惑が全道に拡大しています。厚生労働相が道などに対し、医師の告発を含む真相解明を指示するなど、制度の根幹を揺るがす事態に至っています。
 党道議団は、関係者からの聞き取りや独自に調査し、一般質問で真下議員、予算特別委員会で花岡議員が徹底追及しました。結果、6年以上前から複数の自治体が医師の診断書に対して、疑惑を指摘していたことが明らかになりました。
 両議員の追及に、高橋知事はその事実を認め、「具体的対応に結びつけられず、深く反省している」と陳謝しました。
 北海道新聞は、党道議団の奮闘を「道民の怒り、道議に届かず。質問は一人だけ」と報じました(3月17日付)。
 いずれの質問も、新聞やテレビで大きく報道され、日本共産党の存在感を示すものとなりました。

道民の暮らし守る立場で

 「(教員免許の)更新講習が『踏み絵』の役割を果たすようであってはならない」―。2月26日の道議会定例会初日、日本共産党の花岡ユリ子道議の声が、本会議場に響きました。

教員免許更新や 授業料値上げも

 政府・与党が、昨年強行した教員免許更新制度の導入に対し、道議会の民主党も反対しませんでした。道教組の大口久克書記長は「教員の身分を守り、教育への行政の介入を許さず、子どもたちを守る立場は道議会で共産党だけ」と語ります。
 高校授業料値上げ条例案に反対したのも共産党道議団だけです。
 真下紀子道議は、障害児のための特別支援教育で、「(岩手県などのように)支援員を道単独で加配すべきだ」と充実を求めました。
 後期高齢者医療制度について、花岡道議は「年金がひと月1万5000円未満のお年寄りから保険料を徴収するために資格証明書を発行する制度だ」と告発。道側は「明らかに悪質な滞納者」以外は「実情を十分に考慮」すると答えました。

地域医療充実や 軽油の免税でも

 真下道議は、人工透析ができない地域が広がっている問題を指摘。常勤産科医師1人と助産師11人とのチームで年間300件以上の出産を扱っている町立芽室病院の取り組みを紹介し、地域医療の充実を求めました。
 花岡道議は「C型・B肝炎患者への助成と救済の拡大を」「精神障害二級のみなさんまで、重度障害者医療費助成の対象に」と訴えました。
 両道議は、医師不足や自治体病院再編・縮小問題、介護保険給付費の11億円減額補正(2007年度)など、国のやり方に追随して社会保障費を抑制する道の姿勢を厳しくただしました。
 「(補助金で)合併を強力にすすめるのでなく、地域住民に意思を尊重する」(真下氏)、「上からの消防広域化でなく、消防力の充足率を高めるべきだ」(花岡氏)と、日本共産党は、住民自治を守る立場で問題点を明らかにしてきました。
 真下道議は、飼料用穀物や燃油高騰に苦しむ酪農家、ハウス農家の実態を取り上げました。「耕起と一体の除雪は免税軽油の対象となる」との答弁を引き出しました。
 花岡道議は、小樽港と釧路港に、米軍艦船が日米地位協定にも「違反」する方法で入港した事態を追及し、「状態として通常だが、手続きとして通常でなかった」(道危機管理監)と答弁不能に追い込みました。
 党道議団は、行政のチェック機能をしっかり果たしました。真下道議は一般費問で「大臣より高い特別職の出張旅費」の見直しを要求。旅費を大臣並みにとどめた条例案に、日本共産党を除く全会派が賛成しました。

(本稿は、三上博介党道議団事務局長、小田一郎事務局長代理が担当しました)

(08年04月12〜16日付「しんぶん赤旗」北海道のページより)



〒060-0002 札幌市中央区北2条西6丁目
TEL011-231-4111(内線33-181)FAX011-232-4763
renraku