08年度当初予算案について |
07.02.20 |
収支対策をおこなっても90億円の収支不足を生じる「綱渡り予算」といえる。
「財政再建」を理由に、知事自身の選挙公約にも反する道職員・教職員の人件費カットを4年間、継続しようとしている。道立高校寄宿料や授業料の引きあげなど道民に痛みを転嫁している。
同じ使用料・手数料でも、NTTや北電が負担する電柱の道路占有料は総額1.1億円引き下げられる。道民には負担増の反面、一部の大企業優遇姿勢が色濃くあらわれている。
公共投資も、「4分短縮に20億円」と批判されている千歳インターチェンジ建設などムダは見直し、学校耐震化を優先するなど、道民の安全と暮らし最優先に事業を精査すべきである。
日本共産党道議団は道民のみなさんと力を合わせ、AEDの全道立学校への設置、道央圏への高等養護学校の新設、道立羽幌病院での「助産師外来」の開設などを実現してきた。暮らし・福祉を守る道政に転換するために、いっそう奮闘するものである。
道は20日、第1回定例道議会(26日開会)に提案する総額2兆9千万円の2008年度予算案を発表しました。
7年連続3兆円を切る緊縮型予算ですが、高橋はるみ知事は記者会見で「山にたとえると、まだ2合目、3合目」と答え、今後も危機的状況の財政再建に向け、「聖域なくとりくむ」とのべました。
歳入では、収入の柱となる地方交付税は、前年度比1・6%増の7,140億円で、臨時財政対策債を含めると全体で7957億円です。
道税は、前年とほぼ同額の6080億円。道債は、新規発行分と借り換え分を合わせて7241億円とぜんねんより793億円(12・3%増)の大幅増加で、道債残高は5・5兆円、道民一人当たり約98万円の借金です。返済額は毎年、歳出の4分の1にのぼり、相変わらず借りては返す“自転車操業”状態が続いています。
歳出では、「08年度以降は実施しない」と公約したはずの道職員人件費を給料の独自縮減(一般職員で7・5%)などで6911億円に抑え、公共事業費では国の直轄・補助事業で399億円減らしています。
道は、さまざまな工夫と対策で財政の「健全化」にとりくんでいますが、結果として90億円の収支不足は解消できず、14年度までになぜ道債残高が5千億円減るのかについても「説明不足」の状態です。
知事の提案した08年度予算は、道民のくらしと福祉に大なたをふるい、大企業には甘く優しい内容になっています。
特徴の一つは、道民や道職員に痛みを押しつけていることです。使用料・手数料の改定では、高校授業料や道職員の公宅の家賃値上げで約11億円と4年前の2倍の増収を見込む一方、北電やNTTの電柱占用料を1億円も引き下げています。
第二は、無駄な大型開発事業を継続し、聖域化していることです。全国でも最低クラスの雇用状況が続いているのに見るべき施策をとらない一方で、大型開発では、苫東開発には20億円、石狩開発に16・5億円を投入。サンルダムや平取ダムには直轄負担金として54億円(道債分8億円)を費やしています。
公共事業の削減では「同の当初計画では影響が大きすぎる」と4年の削減期間を3年延長し、マスコミからも「経済界への配慮」との声があがっています。
(08年02月21日付「しんぶん赤旗」北海道のページより)