補正予算案について 花岡ユリ子道議団長の談話 |
07.06.14 |
道内の失業率は5・5%と相変わらず全国で最下位クラスです。厳しい雇用状況に加えて、国による定率減税の廃止などによる住民税の増税と、それに連動する国保科(税)や介護保険料の負担増で、道民のくらしはこれまでにない厳しい状況に直面しています。
このような中での高橋知事の2期目の政策(補正)予算には、一言で言って「国の悪政の防波堤となって、道民福祉やくらしを守る」(地方自治法)という姿勢が伝わってきません。
わが党がくり返し要求してきた医師の確保や、AEDの全道立学校への配備など、一部評価できる部分もありますが、全体的には、ムダと環境破壊が指摘されている高規格道路や大規模林道、大水深岸壁などの大型公共事業や、全国でも上位の大企業への誘致補助金の継続などが目立ち、中小企業や地場産業への実効性ある支援はみられません。子育て支援も、最も大きな要求である乳幼児医療費無料化の年齢引き上げは見送られています。子どもの命にかかかる学校施設の耐震化に対して、「金がない」と道独自の補助を拒否しながら、わずか4分の時間短縮のために千歳市のインターチェンジ建設に20億円(今年度は2千万円の調査費)をポンと投入する姿勢は許せません。
今回、道債残高は道民一人あたり約100万年となり、実質100億円もの歳入不足を生じたことについて「衝撃を受けた。反省している」「行財政改革を前倒し、深握りする」との知事の言葉は無責任にひびきます。
日本共産党道議団は、道民の願いに応え、今こそ「道民生活応援の予算への切り換え」に奮闘する決意です。
(07年06月15日付「しんぶん赤旗」北海道のページより)
道は13日、今年度の補正予算案を発表しました。知事選前の「骨格」予算と合わせた一般会計の総額は2兆9142億円。前年度当初比5・6%僧で、夕張市への低利融資約360億円などを除くと、同2・8%減の「緊縮型」となっています。
主な歳入は、地方交付税が1・1%減の7030億円、国からの税源委譲で道税が14・6%増の6081億円、国庫支出金が5・7%減の3395億円です。
道債の発行は、借り換え時期の集中で、19%増の総額6448億円に膨らみました。
歳出面では、公債償還費が20・9%増の7221億円、公共事業費は11・2%減の3784億円となっていますが、道の投資単独事業は9・9%増の921億円となっています。
道債残高は、予算規模の約2倍弱に当たる過去最高の5兆6千億円で、道民一人当たりの借金は約99万円と史上最大となり、返済額は毎年、歳出の四分の一に上り、借りては返す“自転車操業状態”です。
道の場合、決算時の赤字が約600億円になると、財政再建団体に転落するといわれています。2007年度の収支が今後も変動しないとすると、道が推計した中長期の収支見直しでは、08年度以降、毎年500億円前後の歳入不足が発生するとされています。
予算編成段階で、道政史上初めて歳入不足が発生し、不足幅が実質100億円となったことについて、高橋はるみ知事は記者会見で「収入不足が拡大したことに衝撃を受けた。最高責任者として反省している」と述べざるをえませんでした。
高橋道政のもとで道民の生活がかつてなく厳しさを増す中、道民の求めるさまざまな要求が道民自身のねばり強い運動と日本共産党議員団の質問によって、第二回定例道議会に提出された補正予算案に反映されました。
地域医療を守るため医師確保が急がれる中、党道議団が提案した、医師を道職員として採用し地域に派遣する「地域医療支援派遣医師確保事業」に、2800万円の予算が計上されました。
高校PTAなど関係者から強い要望があったAED(自動体外式除細動器)は、道内すべての道立学校に設置されることとなりました。
入札の方法が改善され、1千万円以上の公共工事は一般競争入札を導入するとした全国知事会提案のレベルまで厳しくする方向が示されました。
全国最低の、幹部に昇任する女性職員の数が今年度15人となり、昨年比で4人増えました。
障害者自立支援法関連では全国的な運動の広がりも反映し、応益負担は撤回されていないものの約四十四億円の支援対策推進費と工賃倍増集中対策事業が予算化されます。
トド被害対策の強化刺し網普及や、上川支庁でのペレットストーブ普及啓発等の新規事業も実現しています。
(07年06月15日付「しんぶん赤旗」北海道のページより)