日本共産党北海道委員会
委員長 大和田 基夫
日本共産党道議会議員団
団長 大橋 晃
道知事 堀 達也 殿
今年の収穫が終わろうとしているいま、道内の米やタマネギ生産農家にかってない営農への不安が広がっています。
米作農家は際限ない米価暴落に加え、本年度の日照不足や低温障害の影響で、地域によっては大幅な減収となっています。道内特産物であるタマネギも、輸入等の影響で48000トンを廃棄して、価格対策の道を選ばざるをえない事態においこまれています。
道の農家経営調査でも示されていますが、米価の大暴落のなかで米生産農家に広がる経営の危機的事態、今年2回にわたる廃棄や4年連続の価格暴落に追い込まれているタマネギ生産農家など、こうした深刻な事態は国の失政の結果です。
こうした事態は北海道農業の維持と道内経済の発展にとっても、これ以上放置できません。
以上の立場から、生産農家の営農を支えるため次のような対策を緊急に実施されるよう、強く要請いたします。
要請事項
- 制度資金の返済延期を求める農家の要望にこたえ、各種制度資金の償還猶予を実施するよう各関係機関に働きかけること。
- 生産費を償える生産者米価を実現するために、米価の下支え制度の確立を国に強く要請すること。米価暴落の価格補てん対策として、当面、価格暴落分や自主流通米の流通経費の助成として、60キロ当たり3000円を道独自に補償すること。また無利子の営農資金を貸し付けること。
- 米価暴落の原因である輸入米(ミニマム・アクセス米)の削減・廃止を国に強く要請すること。
- 「米政策の見直し(中間報告)」は、超安値の米づくりと稲経の廃止まで打ち出した米つぶしです。道は、国の新たな米政策の検討にあたっては、生産者や生産団体の意見を十分聞き入れ対応すること。
- タマネギ価格暴落の原因である急増する輸入タマネギに対して、セーフガードを発動するよう、国に要請すること。
- タマネギ48000トンの廃棄にともなう生産農家の減収補てん対策として、運搬費やコンテナ使用料などへの助成を道として緊急におこなうこと。「野菜需給調整機構からの交付金1キロ当たり30円(国15円、生産者15円)」の国の比率を高めるよう国に要請し、道独自に予算を組み支援策を行なうこと。
- タマネギの野菜価格安定事業の「保証基準額」の引き上げ、および道費(補給金交付額)を大幅に増額して価格安定事業の対象枠を拡大すること。
- 現在、道農業予算の中で価格支持関連予算は2%弱です。食料基地・北海道農業と家族経営を守り発展させるため、農業土木に偏重している現行道農政部予算の枠組みを改め、価格・所得予算の割合を抜本的に引き上げ、来年度農業予算の編成をおこなうこと。
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