4議席後初定例会、「共同」貫いた共産党
6月道議会(2定)をふりかえって
道議会第2回定例会が7月10日、閉会しました。日本共産党は4議席に躍進した後の初の定例会で、平和と民主主義を守り、道民の願い実現の立場で論戦に臨みました。
予算に対案示す
予算案の組み替え動議を9年ぶりに提出。高橋はるみ知事が選挙公約を盛り込んだ「政策予算」に対し、対案を示したのは共産党だけです。
真下紀子団長は提案説明で、国内外の投資や海外観光客の需要に頼る「北海道版トリクルダウン」だと批判。①医療・福祉と子育て支援の拡充②雇用と第一次産業、中小企業支援③原発ゼロと工程表による再生可能エネルギーの推進――など5つの柱で組み替え理由を示しました。
道民の声で全会一致を追求
共産と民主、結志会がそれぞれ、「戦争法案」成立阻止の立場で意見案を提出し、自民・公明は意見案すべてに反対し否決。民主と結志会は党略を優先させ、自ら提出した意見案だけに賛成しました。
宮川潤道議は、全会一致を実現するために「今国会での徹底審議を求める」と提案説明し、共産党は3件すべてに賛成し、道民の願いを前進させる立場で奮闘しました。
「介護に笑顔を!」道連絡会が提出した請願に、共産党議員が紹介議員となり、「介護報酬全体の引き上げが必要」とした意見案として、全会一致で可決されました。
歴史検証と戦争法阻止
真下道議が、共産党道議団として9年ぶりの代表質問に立ちました。
「11万人を超える北海道の戦没者に報いるためにも…戦争法案は廃案にすべき」「(アイヌ民族の土地を収奪した)北海道の開拓は東アジア侵略の第一段階となった」――歴史認識と戦争法案阻止を全面的に取り上げた質問は、自民党席からのヤジで騒然となるなかでも議場を圧倒しました。
道内からも派兵されてイラク戦争やアフガン戦争等に行った自衛官のうち54入が自殺し、武力行使と一体の「兵たん」や武器使用により、自衛隊員が殺し・殺される危険が増大すると指摘されながら、知事は「隊員の安全を願う」と他人事のような答弁を繰り返しましたが、真下道議の再々質問に「徹底した審議を十分尽くすべき」と答えざるを得ませんでした。
日ロサケ・マス流し網漁が来年から「禁止」となる事態を受け、代表質問で取り上げました。真下道議が「対策本部の立ち上げ」を要求し、「北洋漁業対策本部」が始動しました。
旭川肢体不自由児療育センターの改築について、知事は「(利便性が高まるよう)利用者らの意見を聞く」と答弁。保護者や関係者の長年の運動と真下道議らの共同が実りました。
道住入居者、自主避難者の願い代弁
宮川道議が一般質問に、菊地葉子、佐野弘美両道議が予算特別員会で質問しました。関係者から直接聞き取り、質問に反映させました。
宮川道議は、北電の電気料金値上げにより、オール電化道営住宅の入居者負担が大きくなっていると質問。公営住宅の入居は低所得が前提であり、「負担の軽減」を求めました。
福島原発事故による長期避難者が将来に見通しがもてるように、国に法整備を求めるべきと訴えました。
「医療難民・介護難民を生んではならない」との立場から、介護報酬引き下げや地域医療構想について取り上げました。
「よく取り上げてくれた」
菊地道議は、国民健康保険と介護保険、訪問看護、ギャンブル依存症、私学助成、女性の登用等を取り上げました。
復旧の見通しも示さない日高線と、赤字路線切り捨てを進めようとするJRの姿勢について質問。知事は、”安易な廃線に反対”との立場を表明しました。
後志2次医療圏唯一の周産期母子医療センターである小樽協会病院が、7月から分娩休止となりました。分娩再開を求める署名が5万を超えたと紹介、「地元の熱意にこたえる」よう強く求めました。
佐野道議は、北電の新型電力計「スマートメーター」による電磁波について質問。電磁波過敏症に苦しんでいる方々から「よく取り上げてくれた」と歓迎の声が寄せられています。
質問と調査、議会改革で存在感
質問の土台は調査活動です。この間、JR日高線の災害現場や、JR深川駅と南小樽駅のエレベータ設置等で現地を訪ねました。定例会後も真下、菊地両道議は日ロ漁業問題で根室市を訪問(写真)。「根室新聞」が1面で報じました。
4議員全員の質問が一般紙で取り上げられました。遠藤連議長に提出した「道議会改革の提言」で示した提案――「答弁調整」の廃止、議員報酬・政務活動費の自主削減――について「道新」が紹介しました。
議会質問に厚みが出ただけでなく、組み替え予算の提案、意見案の取りまとめ、議会改革などあらゆる場面で存在感を示したと評価しています。
(党道議団事務局長・小田一郎)
(15年08月02日付「ほっかい新報」より)