北電 電気料金大幅再値上げ/道民から怒りの声次々 | 14.09.26 |
北海道電力が昨年9月の電気料金値上げから1年もたたない7月に示した再値上げ案――。しかも、家庭向け平均17.03%、企業向け平均22.61%という大幅な値上げに道民から怒りの声が上がっています。
(北海道・越智朋子)
4人家族でオール電化住宅に住む旭川市の高橋さん(52)は、北電の説明会で示された試算表を見てがくぜんとしました。
北海道の電力消費のピークである冬季には、月1万7千〜8千円増で年間では約11万円増となるものだったからです。
値上げのことが夢にまで出てきたという高橋さんは「値上げ後は家のローンより電気代の方が高くなる月もあり、払えるのか不安で仕方ない。北電に『安い』と勧められてオール電化にしたのに。原発が再稼働しなければ値上げとまるで脅しのよう。原発ゼロを願う多くの道民の声も無視している」と憤ります。
北電は発電量の44%が原発で関西電力に並び全国で一番依存度が高く、一貫して「原発を再稼働させることが最優先」の姿勢です。消費者庁、経済産業省が開催した公聴会でも、参加者から「原発以外の道すじを示せ」「道民負担の前に経営努力が先だ」と厳しい意見が多数出ました。
北海道医師会が行ったアンケートでは、約8割の病院が「経営に影響あり」と答え、「存続の危機」「地域医療を確保できない」という切実な声も上がっています。
北海道勤労者医療協会本部の木村周二総務部長は「急性期病院でベッド数450床の勤医協中央病院で2千万円以上の負担増となる。全国一律の公定価格である診療報酬を引き上げることができないから、電気料値上げは全て病院の負担となり、経営を悪化させる。北電は、真剣に消費者が負担増とならないように検討しているのか」と話します。
道が行った「電気料金の再値上げに伴う影響予測調査」でも9割以上の企業が「影響がある」とし、6割の企業が「経常利益減少」と回答しています。
札幌市でコンビニを経営する女性(54)は「年間60万円以上も増える。もう経費削減はできない。後は、自分たち夫婦がも口と店に出て人件費を削るしかない」といいます。
日本共産党北海道委員会は「電気料金再値上げの撤回」を求める署名を作成し、全道で署名を訴えています。
北空知にある赤平市の党後援会が署名用紙を持って「しんぶん赤旗」読者や後援会員などを訪問すると「増税、物価高の中、給与は下がり、少しでも安いものをと努力しているのに厳しい」(子育て中の母親)「そもそも人間がコントロールできない原子力を使っていることが容認できない」(子どもと孫が福島にいる男性)など怒りの声が相次ぎました。
日本共産党の真下紀子道議の追及で、北電が社員を電力事業とは直接関係のない企業に〝ウラ出向〟させ、その給与を道民の電気料金を原資として負担している疑惑も浮上しています。
木村恵・赤平市議候補は「市の公共施設でも1000万円の負担増。地域経済にも悪影響を及ぼす。値上げの根底には原発依存があり、自然エネルギー、低エネルギー社会への転換こそ必要です」と話しました。
(14年09月26日付「しんぶん赤旗」北海道・東北のページより)
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