日本共産党 北海道議員団ホームページ
ホーム
道政スポット
荒瀬ダム撤去に学ぶ/サンル中止ヘフォーラム 14.05.10

荒瀬ダム撤去に学ぶ

札幌サンル中止ヘフォーラム

サクラマスの遡上(そじょう)数が日本一といわれる北海道北部の天塩川水系のサンル川で建設中のサンルダムは、環境破壊だけでなく、ダムによる治水・利水効果に疑問の声があがっています。

昨年、北海道でサンル川のサクラマスを守ろうと結成された「サクラマスまもり隊」(小野有五代表)は10日、札幌市内で、フォーラム「ここまできたダムの撤去」を開催しました。

熊本県八代市在住の環境カウンセラーの、つる詳子さんが「日本最初のダム撤去とその現状と課題」と題して講演。2012年9月に解体工事(工期6年)が始まった熊本県の荒瀬ダム(球磨川流域)撤去問題について報告しました。

つるさんは、荒瀬ダム建設にともない、球磨川の水質悪化でアユ漁が衰退し、水害解消どころか大洪水がたびたび発生したことに、住民が「水害はもうこりごり」と立ち上がったことがダム撤去の一番の理由だったと紹介。「撤去後の環境への影響の調査を行い、ダムなしで治水を考える機会にしていきたい」とのべました。

後半の対話フォーラム「ダム撤去と私たち」で、小野さんはアメリカのダム撤去の事情について報告し、サンルダム建設の問題点を指摘。北海道山女魚(ヤマメ)を守る会の榊原大地さんは、砂防ダムのスリット化による河川の変化について報告しました。

つるさんは「荒瀬ダムの失敗を、北海道で繰り返してほしくない」とのべ、「再生の一歩を踏み出したばかりです。私たちおとなには、この運動を子どもに伝える責任があります」と話しました。

サンルダム

北海道下川町の山間を流れるサンル川に、国が建設を計画している多目的ダム。総事業費は538億円。サンル川は、天塩川の支流である名寄川の支川。日本有数のサクラマス遡上(そじょう)河川で、ダム建設による資源の減少が危ぐされています。

(14年05月13日付「しんぶん赤旗」北海道・東北のページより)