最低賃金の大幅引き上げを求める要請書 |
13.08.19 |
2013年08月19日
北海道労働局長 羽毛田 守 様
北海道地方最低賃金審議会会長 道幸 哲也 様
2013年度の最低賃金について、中央最低賃金審議会の小委員会が引き上げ額を平均で14円、北海道については11〜22円という「低額目安」を示したことは重大です。円安による生活必需品の値上がり分さえ吸収できない恐れもあります。
北海道の現在の最低賃金は時間額719円で、最大22円の引き上げが実現しない限り生活保護との「逆転現象」が解消されません。逆転現象がある10都府県は今年度の解消が見込める目安額が提示されましたが、北海道だけ「2年以内の解消を目指す」とされたことは見過ごせません。
2012年の就業構造基本調査によると、北海道の非正規雇用率は42.8%で沖縄県に次いで2位、5年前の調査から4.6ポイントも上昇しています。男性非正規労働者の63.7%、女性では89.3%が年収200万円未満です。こうした「働く貧困層」(ワーキングプア)が増え続ける最大の要因が、低すぎる最低賃金です。
道内常用雇用者の8割以上が中小企業で働いています。大企業による下請中小企業への「買いたたき」など不公正な取引に厳しく対処するとともに、政府が、最低賃金引き上げのための大胆な中小企業支援策をとることが欠かせません。
2010年6月に閣議決定された「新成長戦略」で、2020年までに「全国平均1000円」まで最低賃金を引き上げることが明記されましたが、政府と日本経団連は、この目標達成に責任を負う立場にあります。
「経済労働白書」は、非正規雇用の増加が低所得者層の増加につながり、国内需要の押し下げ要因になっていると分析しています。最低賃金を引き上げ、北海道経済の6割を占める個人消費を拡大することは、低迷する北海道の地域経済の再生にもつながります。
その立場から、下記のとおり要請するものです。
記
以上