列車の安全運行のためJR北海道に対し抜本的対策を求める要請書 |
13.05.08 |
2013年05月08日
北海道知事 高橋 はるみ 様
JR北海道は、2011年「特急スーパーおおぞら」のJR石勝線トンネル内での出火という重大事故を起こし、道内の列車運行に大きな不安を生じさせた。しかしその後も、今年3月24日には特急列車の床下に設置されている減速機から煙が出るトラブル、4月8日にはJR函館線八雲駅で、停車中の特急北斗の車床下から出火、大型連休の5月5日にはL特急スーパーカムイの床下から出火、Uターンラッシュと重なり1万3000人を超える乗客に影響が出るなど、事故・トラブルが頻発している。トラブル発生件数は、2011年度133件、12年度は2月末で165件と過去10年間で最悪となっている。
また、2011年度までの5年間に起きた全国の輸送障害の割合はJR北海道が全国JR6社の平均の2倍にも上り、走行距離100万キロ当たりの比較では、6社の5年間平均1.36件に対し、JR北海道は平均2.75件と最も多く、最少のJR四国の4倍にも上る。
一方で、JR北海道の営業利益に占める安全関連設備への投資比率は、09年度は10.4%で4番目、10年度は7.5%で5番目に低下していることが背景にあると指摘されている。
過去最高の事故・トラブルとなっているJR北海道の事態は安全な公共交通としての役割を果たしていないだけでなく、このまま放置すれば人命にも関わり、多くの乗客および本道を訪れる観光客に不安を与える異常な事態である。JR北海道が事故のたびに部品交換や点検周期を早めるなどの対策を取っているが、トラブルを食い止められておらず、抜本的な安全対策が緊急に求められる。道は、2010年第2回定例道議会予算特別委員会の質問に応じJR北海道に対して対策を求めたが、改善されるどころか、悪化の一途である。
よって、北海道としてJR北海道に対し、安全な列車運行の責任を果たすために抜本的対策を求めるよう、強く要請する。