【真下紀子道議の2つの意見案に対する反対討論】 | 13.07.05 |
意見案第1号「北海道の自衛隊体制の充実・強化を求める意見書」では、「北方防衛を任務とする陸上自衛隊」の充実・強化を求めていますが、北海道の自衛隊は、「北の守り」に専念する部隊では、決してありません。
旭川の陸上自衛隊第2師団は、2004年、「自衛隊初の戦地派遣」となったイラクへの派兵の第一陣に選ばれました。
また、安倍政権はいま、新「防衛大綱」の策定を進め、“アメリカといっしょに海外で戦争する国”を目指しています。
矢臼別演習場で、演習場外への誤射事故を起こした米海兵隊の訓練に続き、来週月曜日、8日から、米軍と自衛隊の共同訓練が千歳基地を舞台に行われますが、北海道の自衛隊を、“アメリカといっしょに海外で戦争する部隊”にしてはなりません。
皆さん、アジア23カ国で、軍事同盟に入っているのは、日本と韓国の2カ国だけになっています。
かつてアメリカと軍事同盟を結んでいた現在のASEAN諸国は、紛争があっても外交交渉で解決する立場を堅持し、アメリカと友好関係を保っています。
北東アジアにも、この「ASEANウェイ」を広げるとともに、日本も、日米安保条約を廃棄して、アメリカと本当に、対等・平等の関係とする友好条約を締結することが、憲法9条を礎(いしずえ)としてきた日本の進むべき道ではないでしょうか。
地域経済についても、自衛隊頼みでなく、防衛費や米軍への思いやり予算を国民生活と地域経済の振興にこそ回すべきです。
このため、意見案第1号には反対です。
次に、意見案第9号は、「道路の整備に関する意見書」です。
道路の整備において、優先すべきは、15%にとどまる橋の修繕率の向上や、トンネル等の老朽化・長寿命化対策であり、また、冬の交通確保や安全対策・除排雪などの拡充です。
しかし、安倍政権は、「国土強靭化」に今後10年間で200兆円を要し、その具体策として、全国1万4000キロの高速道路網をつなぐとしています。
意見書案が第1に要請している「高規格幹線道路ネットワークの早期形成」は、その一環です。
今年度、本道における高規格道路13カ所の事業費は608億円、道負担は109億円にも上ります。
消費税の増税を見込んだ高規格道路やダムなど大型事業へのバラマキは、国と地方の財政難をさらに深刻なものとするものであり、道が、危機的状況にある道財政の再建を目指していることからも、いったん立ち止まって考えるべきです。
橋やトンネルだけではなく、上・下水道設備や学校等の公共施設の長寿命化や耐震化、公営住宅や特養ホームの増設など、住民の安全と暮らしに寄与する事業にこそ、公共事業予算の力点を移すべきと考えます。
以上で、反対の立場からの討論とします。
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[日本共産党道議団編集]