【真下紀子道議の2013年第1回臨時会質疑】 | 13.02.07 |
知事から提案されました、国の緊急経済対策の実施に伴う道の補正予算案について伺ってまいります。
まず、直轄事業負担金の使途の詳細について伺います。
今回の補正予算は、減災、防災と言いながら、2013年度予算の前倒しで、これまで手がつけられてこなかった社会資本の老朽化・長寿命化対策が中心となっております。
しかし、知事が今回提案されている約227億円に上る国直轄事業負担金については、その内訳が全く示されておりません。
知事は、2009年の第2回定例会で、直轄事業負担金については、情報公開と事前協議が重要との立場を示しましたが、国に対し、どのように説明を求めているのでしょうか。
今回、緊急性や地域経済への波及効果が疑わしい大型公共事業などについて、内容がわからないままに負担金を計上し、推進することは、知事の姿勢に反するのではないかと思いますが、知事の見解を伺います。
次に、病院や社会福祉施設などの耐震化・安全対策について伺います。
去る2日に発生した地震では、小中学校の天井が破損するなどの被害が出ました。
国は、全国の小中学校の耐震化率を93%まで引き上げるための予算を計上しています。
一方、道における小中学校の耐震化率は、昨年4月時点で約73%で、国の目標から大きくかけ離れている現状にあり、打開が急がれています。
道においても、他県が既に実施している助成制度を参考に、独自の助成措置を設け、耐震化率100%を目指すべきと考えておりますが、この問題については、今後、改めて議論したいと思います。
さて、今回の補正予算には、医療施設と社会福祉施設の耐震化のため、基金の積み増しが盛り込まれています。この基金の活用によって、どこまで耐震化が進むと知事はお考えか、耐震化の現状とあわせてお答えください。
次に、エネルギー対策について伺います。
私が、かねてから、現地調査を重ねて、求めてきた、農業用水路を活用した小水力発電の調査費が計上されておりますが、自然エネルギーのポテンシャルが全国一の本道において、地域の資源を活用した木質・畜産バイオマスや、風力、太陽光、雪氷エネルギーなどの再生可能エネルギーの普及拡大を今後どのように進めていこうとお考えでしょうか。
それぞれのエネルギーごとの推進計画や工程表の策定状況、送電網や蓄電設備等の整備の見通しについて伺います。
次に、燃油価格高騰対策について伺います。
国の補正予算において、農林水産省予算には、燃油価格や飼料価格の高騰対策が盛り込まれておりますが、厚生労働省予算には、介護・福祉施設向けの燃油補助、低所得者向けのいわゆる福祉灯油への助成が盛り込まれておりません。厳しい寒さが続く北海道で、今まさに必要とされているのは燃油価格の高騰対策ではないでしょうか。
2007年度の冬に、道は、福祉灯油として3億円の特別予算を計上するなど、積極的な対策を行い、国からの特別交付税も確保できました。
今回、国が実施しないのであれば、道民の安全を守るため、まず、道が福祉灯油による支援を行うべきではないでしょうか、見解を伺います。
以上、再質問を留保し、私の質問を終わります。
最初に、直轄事業負担金についてでありますが、補正予算における直轄事業は、防災力の向上を図るための水害・土砂災害対策や地震・津波対策、老朽化した農業用施設や漁港施設の長寿命化、耐震化など、緊急性の高い防災・減災事業を中心に、必要な事業を前倒ししながら、集中的に行うものであります。
今回の国の経済対策は、極めて短期間で取りまとめられたものであり、道予算については、対策を機動的に実施するため、関係部において、国が実施を予定している事業の概要を聞き取り、所要額を計上したものでありますが、今後、さらに詳細を把握し、適切に対応してまいります。
次に、医療施設及び社会福祉施設の耐震化についてでありますが、道では、これまで、医療施設耐震化臨時特例基金、及び、社会福祉施設等耐震化等臨時特例基金により、耐震化整備に取り組んでまいったところでありますが、現時点では、4カ所の災害拠点病院と、55カ所の社会福祉施設が未整備となっているところであります。
このため、道では、これらの施設に対して整備の働きかけを行った結果、交付要件である平成25年度中の着工が可能な災害拠点病院の八雲総合病院と、4カ所の社会福祉施設の耐震化を図ることといたしているところであります。
道といたしましては、今後とも、残る災害拠点病院や社会福祉施設について、国の補助制度を活用するなどして、できるだけ早期に耐震化が図られるよう、積極的に働きかけをしてまいります。
次に、新エネルギーの導入促進についてでありますが、道では、省エネ・新エネ促進行動計画において、多様なプロジェクトの実現や、エネルギーの地産地消の導入促進など、取り組みの柱に沿った工程表を盛り込むとともに、毎年度の重点的な取り組みを示す施策の展開方針を定め、計画の推進管理を行うこととし、太陽光や風力、バイオマスなど、新エネルギー種別ごとの地域の賦存量の把握や、一村一エネ事業などを通して、地域の取り組みの支援に努めてまいったところであります。
また、新エネルギーの導入拡大に向けては、系統への接続拡大のための送電網の強化や、出力の安定化を図る蓄電池の開発などの基盤整備が必要でありますことから、国に対し、新エネルギーの開発導入への支援措置の拡充を要請し、今般、所要の予算措置が講じられたところであります。
今後とも、国との緊密な連携のもと、こうした予算を積極的に活用しつつ、本道における新エネルギーの着実な導入に努めてまいります。
最後に、灯油などの購入経費に対する支援についてでありますが、道内の灯油価格は、原油価格の上昇とともに、寒波などの影響による需要の増加などにより、価格の高騰が続いており、とりわけ低所得世帯の生活への影響は大きいものと認識をいたします。
道では、本年度においても、低所得の高齢者や障がいのある方々などの灯油等購入費の冬期間の増嵩経費を助成する市町村に対し、地域づくり総合交付金により、支援を行っているところであります。
また、今回の灯油価格の高騰の現状を踏まえ、先般、国に対し、低所得世帯の灯油等購入経費に対し助成することや、介護保険施設等の介護給付費などを、灯油等の石油価格高騰の実態に即して引き上げることなど、必要な措置を講ずるよう要望してきたところであり、今後とも、国に働きかけをしてまいります。
以上でございます。
経済性と環境への配慮も不十分な高規格道路なども含まれており、人からコンクリートへ逆戻りするだけではありませんか。経済対策を掲げながら、補正予算の1500億円の約9割が公共事業の前倒しに充てられる、いびつな提案と言えます。また、その効果も限定的と言わざるを得ません。
地方の財政に配慮したとして創設された元気臨時交付金も、後の世代にツケを回す借金です。過大な公共事業で道の借金を膨らませた、いつか来た道に戻るわけにはいきません。
また、新エネルギー分野では、農業用水路での小水力発電調査費は1000万円の予算化にとどまっています。道が支援し、道内企業や地域金融機関が参入できる、地産地消・地域循環型の経済にシフトできる予算こそ必要です。
経済対策を実効あるものにするためには、雇用の改善と賃金の大幅引き上げ、社会保障の充実こそが必要です。基金の積み増しだけではなく、住民の福祉の増進を実効あるものとする補正予算とすべきであり、賛成することはできません。
以上申し上げて、質疑を終わります。
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[日本共産党道議団編集]