第3回定例道議会をふりかえって |
13.10.20 |
第3回定例道議会が10月4日、閉会しました。日本共産党の真下紀子道議は、相次ぐJR事故に対する高橋はるみ知事の姿勢や泊原発の浸水事故、原子力避難計画が策定されていない問題などを追及,また、東日本大震災の広域避難者支援や労働者の低賃金、道幹部の天下りなどを取り上げました。―般質問は5分、予算特別委員会の質問は21分と短い質問時間の中で、いくつかの貴重な成果を勝ち取りました。
「安全対策の徹底について、直接知事がJR北海道に強く求めるべき」――真下道議の9月25日の一般質問に対して、知事は「社長に直接強く求める」と応じ、10月1日、JR北海道の野島誠社長を道庁に呼びました。それまで直接申し入れをしてこなかった知事の姿勢に変化がみられました。
今年になっても相次いだJR車両事故を受け、真下道議は7月、紙智子参院議員らとJR北海道本社に安全対策を要望。8月には紙、大門みきし両参院議員らと監督官庁である国交省に要請しました。
さらに270か所のレールの異常の放置が明らかになり、9月26日には穀田恵二衆院議員、紙、大門、辰已孝大郎の3人の参院議員らとともにJR本社と苗穂工場を調査。同日夜、JR社員らと懇談しました。
一方、自民、民主、公明の各党がJR本社を調査、説明を受けたのは30日。日本共産党の先駆的な対応が際立ちます。予算特別員会でも「道は道民の安全を守る使命がある」とのべ、国に対して安全基準と対策の見直し、財政支援と監査体制の強化を求めるよう迫りました。また、共産党が提案した案文をベースに国への意見書を全会一致で可決させました。
大雨により、泊原発3号機の地震計8台のうち4台が浸水した事故(8月28日)についても、国会議員団と連携しました。笠井亮、宮本岳志両衆議秘書や菊地葉子小樽地区道政相談室長らと9月18日、泊原発を調査。その後、原子力規制庁の泊規制事務所から説明を受けました。
真下道議が一般質問で、北電が放射線管理区域まで浸水したことは「想定外」としていることは「極めて重大」と指摘したのに対し、知事は「何事も想定外とはしないといった安全意識が重要」と応じました。湧水ピットの溢水問題が国の原子力規制委員会の審査対象となりました。
泊原発30キロ圈内にある172の医療・福祉施設すべてで、避難計画がつくられていないことがわかりました。知事は26日、真下道議に対して「道の地域防災計画に基づき、関係町村で避難計画を鋭意策定している」と答えました。しかし1日の予算特別員会で、福祉施設への災害対応マニュアルの正式通知は27日だったことが判明。26日の質問を受けて、あわてて通知したと取られても弁解できません。避難計画策定の困難さも指摘。また、6割もの36学校が避難計画を整備していないことも明らかになりました。
30キロ圈の余市・仁木両町長との懇談のなかで、原発に依存しない再生可能エネルギーの普及拡大について懇談し、率直に意見交換した内容を質問に反映させました。また、芦別市の水質バイオマス熱供給も調査しました。
いずれも党地方議員団とも協力したものです。
一昨年の3・11以降、原発・エネルギー問題については毎定例会、必ず取り上げてきています。
神山悦子党福島県議団長が8月29日に来社した際、真下道議は大震災の自主避難者と懇談。
9月21日には避難者と議長との懇談を取り次ぎました。議長が直接面会したのは初めて。予算特別員会で、教育・子育て、健診体制や仕事の悩みなどに「きめ細やかな対応」を求めました。
一般質問で道発注の公共工事で働く労働者、予算特別員会で道庁の清掃業務で働く労働者の賃金底上げを求めました。
「設計労務単価を(1円でも)下回れば是正を要請」(一般)、「すべての受託事業者に適正賃金を要請」(予持)と前向き答弁衆引き出しました。
前述の泊30キロ圈の施設で避難計画がない問題や、泊3号機の浸水事故の質問は各紙が掲載。道幹部の天下り問題の質問も2日間にわたり報道されました。
09年、天下りの年齢上限を「67歳」から「65歳」に引き下げたにもかかわらず、特別職経験者2人が66歳になっても天下り先に居座り続けています。真下道議は「知事が協議に応じる形で要綱の抜け道を認めている」と厳しく指摘しました。
日本共産党は、国民を重要な情報から遠ざける「特定秘密保護法」案を容認する内容の意見案に反対。
自・公・民らの意見案は「権益のバランス確保、真に国と国民を守る法案に検討進める」要望するものです。真下道議は反対討論で暗黒法案の危険を明確にしました。
また道立様似高校の廃止が盛り込まれている条例案など3つの議案に反対しました。自民、民主、公明、フロンティア、大地の各会報はすべての議案に賛成。事実上のオール与党です。
(党道議団事務局長・小田―郎)
(「ほっかい新報」13年10月20日より)