域内経済循環と林業振興/真下道議ら芦別市を視察 | 13.08.30 |
芦別市は、約865平方キロという広大な市域の88%が森林です。
日本共産党の真下紀子道議らは8月30日、同市が進めている豊富な森林資源を生かした地域内経済循環の取り組みについて調査し、木質チップ原料の集積場やボイラー導入先のホテルを視察しました。
能登谷繁、太田元美の両旭川市議と松井邦男芦別市議らが同行、長野周史・市総務部政策推進課長が応対しました。
賦存量(t) | 利用可能量(t) | 比率 | |
---|---|---|---|
国有林 | 2,964 | 2,174 | 66% |
道有林 | 896 | 726 | 22% |
民有林 | 450 | 321 | 10% |
市有林 | 86 | 72 | 2% |
合 計 | 4,396 | 3,293 | 100% |
同市は、10年、市民や地場産業関係者が参加した「市クリーンエネルギー有効利用検討会」を組織し、(株)NERCなどの協力をえて実施した実証調査で、林地残材の賦存量は4396トン/年、そのうち3293トン/年が利用可能量とわかりました(表)。
「木質チップを年間2000トン以上焚いてくれるなら採算がとれる」と機運が高まり、市振興公社が経営するスターライトホテルや温泉施設チップボイラーの導入を決定しました。
現在施設で使用しているA重油の消費量は、78万4千リットルで年間6300万円。10%(630万円)は地元の燃料店の手数料収入になりますが、5670万円は東京の石油元請会社や海外に流出します。木質チップに変われば林地残材という未利用資源の活用、市内の経済循環の確立などにつながります。市内の造材業者では「職員を一人増やそうか」という話もあり、新たな雇用の創出が期待できます。
民間6社による「芦別木質バイオマス開発協同組合」(12年3月設立、12月に法人化)が林地残材の集収・運搬から木質チップ製造までを担います。
ホテルや温泉施設でのチップの年間消費量は約2500トン。継続してチップ原料を確保するためには、林地残材利用可能量の88%を占める国有林・道有林における整備事業が持続的におこなわれることが条件となります。
今年の秋以降、スイス製の中型チップボイラー2機を導入します。
今後、芦別材をつかった建物への助成のほか、学校施設や市立病院など市の公共施設に木質バイオマスボイラーなど導入し、森林資源を活用した域内経済循環の促進と林業振興、環境負荷の少ないまちづくりを進めます。
地元の木質バイオマスを活用した地域経済循環をつくるとりくみです。
実証調査、国・道の支援事業、地元民間企業がそれぞれの役割をよく議論しながら採算性の見通しを持ち、影響を受ける業種への配慮もしながら進めていました。
先進地の経験を生かして総合的です。これからが楽しみです。
(党道議団事務局長小田一郎))
(13年09月08日付「ほっかい新報」より)
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