2012年度北海道予算編成等に関する要望書 |
12.01.20 |
北海道知事 高橋 はるみ 様
2012年01月20日
野田首相は年頭会見で、「ネバー・ギブアップ」を強調し、「社会保障と税の一体改革」に意欲を示しました。民主党の政権公約に照らして、消費税増税に「大義」がないことは明らかです。
野田政権の「暴走」は、消費税増税にとどまりません。沖縄県民の願いを無視して、新基地建設の書類搬入を12月28日未明に断行しました。国と地方合わせて約1千兆円の借金にもかかわらず、最新鋭戦闘機の導入と整備新幹線3路線を含む大型公共事業推進を決めました。
3.11東日本大震災から10か月がたちました。被災地の復旧・復興と、原発ゼロの日本をつくることが、被災地の住民と多くの国民の願いです。しかし、被災者は2重ローン問題などがいまだに解決されず、失業給付期限が切れるなど新たな困難に直面しています。
政府は原発稼働期間を原則40年、さらに20年も延長できる法案を通常国会に提出しようとしています。「原子力ムラ」の利益に沿い、原発に依存しない社会の実現を願う福島県民と国民に背を向けるものであり、認めるわけにはいきません。
政府の「暴走」のもと、いまほど道民の命と安全、福祉、暮らしを守るという地方自治体の責務にたった行政運営が求められているときはありません。その立場から、2012年度北海道予算に関して要望するものです。
記
4月からの「新基準値」案は、放射線セシウムの年間被ばく上限を5ミリシーベルト→1ミリシーベルトと引き下げたが、食品による内部被ばくだけで1ミリシーベルトを認めることになるなど問題が指摘されている。そこで、以下の点を国に求めるとともに、道としての実施を求める。
道のTPPの影響試算によると、農業と関連分野だけで2兆1千億円の減少、3万3千戸が離農し17万人以上が雇用を失うとしている。また漁業生産額は530億円、木材製品出荷額は33億円減少し、公共事業の分離分割発注が「非関税障壁」とされ、地元企業が官公需を受注できにくくなる。さらに、保険外診療の拡大などで地域医療と国民皆保険制度が崩れかねないこと、食の安全や共済事業への影響なども危惧されている。全道民の力を集めてTPPに反対を貫くこと。
政府は北海道新幹線を含む整備新幹線の未着工3区間について、着工を認可することを決めた。道知事は、函館市長を訪ねるなどして沿線自治体首長の「同意」を強引に取り付けた。しかし、国と地方で約1千兆円の借金をかかえ、消費税を10%に引き上げる一方で、新幹線建設に巨額な税金を投入することは、国民・道民の理解を得られるものではない。以下、提起する。
以 上