北海道知事 高橋 はるみ 様
2012年01月20日
- 日本共産党北海道委員会政策委員長
- はたやま和也
- 同 北海道議会議員
- 真下 紀子
- 同 南空知地区委員長
- 上田 久司
岩見沢市等豪雪災害に関する緊急要望
空知や石狩地域を中心とした記録的な豪雪により、住民生活、交通機関のマヒ状態が続き、屋根の雪おろし作業中の事故などで5人が死亡するなど、雪の事故による死傷者が119人を超える深刻な事態となっている。
また、住宅被害では半壊が1戸、農業用ビニールハウスの倒壊・一部損壊では36棟におよんでいる。
災害派遣要請に応えた自衛隊の除雪作業が開始されたものの、高齢者や障害者など社会的弱者にとって、この大雪は命にかかわる問題となっている。
日本共産党の調査にたいしても、岩見沢市民からは「病院に薬を取りに行けない」「灯油タンクが雪に埋まったままで給油できない」「雪おろしが危険」と悲鳴に似た要望が寄せられている。
除排雪にとどまらない対策、緊急の手立てが求められている。
除排雪作業のスピードアップに加えて、買い物や通院への支援、ヘルパー支援などで福祉と連携した支援、除雪ボランティアや他市町村からの支援体制など広域支援連携が求められている。
岩見沢市は本年度予算に除排雪費として8億円余りを計上しているが、底を突く見通しが明らかなため、6億円を一般会計予算に追加補正しているが、札幌管区気象台によると、積雪量は過去最も多かった1970年に匹敵する多さで、累積降雪量も平年の3倍に達するなど、引き続き大雪による被害拡大が予想される。
道は、国に対して財政的な支援を強く求めるべきである。
よって、以下の対策について緊急に要望するものである。
記
I.災害弱者対策に緊急に取り組み、住民の安全を確保すること
- 道として、福祉除雪部隊(福祉除雪員制度)を緊急に組織し、弱者世帯への声かけ運動、除雪支援を強化すること。市と協力して79歳以下を含めた独居老人や高齢者夫婦世帯、一人暮らしの難病患者、障害者についても調査を緊急に実施すること。ヘルパー事業所、民生委員、町内会などと連携した「声かけ・訪問」活動をおこなうこと
- 雪害救助員派遣制度や道路から玄関までの雪踏みをする「道ふみ支援員」制度、買い物支援員など創意ある全国各地の進んだ制度に学び緊急創設すること
- 臨時職員及び補助員の緊急採用をおこない社会的弱者支援をおこなうこと
- 社会的弱者世帯の玄関前除雪についても、自衛隊の災害派遣活動として要請すること
- 岩見沢では路線バスが3日連続運休し、通学、買物、通院に障害となり、住民から悲鳴があがっている。JRバスなどの遅延・運休の実態を公表し、交通の確保策を確立すること。
II.交通機関の運行維持と農業被害対策をとること
- 救急車など緊急車両、バスなど公共交通の運行確保のため、バスレーンの除排雪を強化すること
- バスの遅延・運休情報の公表と周知に努めること
- 園芸・果樹・畜産農業被害をつかみ、ビニールハウス復旧への特別支援対策について
- 被害の大きな農家にたいして、借入金の償還猶予と利子補給をおこない負担軽減策を講じること
- ビニールハウスの資材の円滑な供給に万全を期し、資材の不当な値上げがないように監視すること
- 建て直しに伴う除雪、倒壊ハウスの撤去や廃棄の経費、新たなハウスの設置にかかる人件費などで負担軽減をおこなうこと
- 共済の円滑な手続きを支援し早期の支払いを要請すること
III.災害救助体制について
- 豪雪被害自治体への道職員や他市町村からの応援など広域支援体制を構築すること
- 災害派遣要請が遅れた教訓にたち、災害派遣の「正式要請」「事前調整」にかかわる連携システムを再度見直し、関係機関による連携体制の整備をはかること
- 国にたいし豪雪被害の激甚災害指定を求めること
- 国や周辺自治体と連携し除雪機材の相互融通や不足しているダンプの確保をおこなうこと
IV.相談・通報窓口、相談体制の強化と周知、広報
- ワンストップで相談できる体制を市と連携して設置すること
- 市だけでなく振興局、保健所についても住民にたいして親身に相談にのること
V.財政支援
- 雪害に対応した除排雪予算の確保、雪害対策費について特別交付税措置の実施を求めるとともに、道として十分な雪害対策予算を確保すること
- 小泉内閣の「三位一体改革」で廃止された雪害救助員派遣制度への補助の復活を国に求めること
- 国道にかかわる通学路交差点の安全確保と排雪計画の前倒を求め、道道についても同様の対策をとること。道路除雪費補助金を十分に確保すること
以 上