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談話

2012年道政展望/道民の新たな価値観で道政を変えよう

12.01.01

2012年道政展望

道民の新たな価値観で道政を変えよう

いのち・くらし最優先、原発ゼロの北海道へ

道議会議員 真下 紀子

2011年の年明けは、TPP反対の運動を各界に広げ、医療・介護の充実を求めながら、地方選挙に向け活動していました。1月23日には道議会改革のテレビ討論番組を収録し、議会改革論戦をリード。ひとりでも大きな道議団へと必死の活動でした。

3月11日に東日本大震災が起こり、地震・津波と原発事故のリアルタイムで届く映像に、その衝撃は計り知れないものでした。「すぐに東北には行けないけれど、北海道の被災地へ行くのが共産党議員ではないか」、道議団の決断で選挙活動を中断した私は13日に釧路、14日には厚岸・浜中へ被災調査に向かいました。最も切実な無堤区間やカキ養殖と水産加工場の被災の現状などを現地の町議の方々につぶさに案内いただき、早速3月30日の臨時道議会でとりあげ、一部予算化されました。私を送り出した後の旭川の皆さんは「真下さんは被災地に行っている」と胸を張り、大きく足を踏み出してくれたのです。

4月10日の選挙結果は24年ぶりのひとり議員。それでも6月には、気仙沼市、陸前高田市、住田町などを調査。現地の議員の方々と互いに励まし合いながら被災者からの要望の聞き取りや、市と東北電力への要請などにとりくんだことは、「被災地と心ひとつに」の原点となりました。

北電やらせ、世論ねじまげを告発

そして8月26日、北電の「やらせ」を告発したメールを記者会見で明らかにしたのです。やらせは08年プルサーマル問題だけでなく、00年の泊3号機の建設時から行われていたことも独自調査で明らかにしました。さらにやらせに加担していたのは北電社員だけでなく、OB、組合員、取引業者、原子炉の受注企業幹部、地元住民まで巻き込んでいたことまで明らかにしました。驚くことに北電はやらせを日常業務とする体質でした。

北電と道の検証は、上層部・組織的関与を認定しませんでした。しかし、北電の第三者委員会報告は「反対派の主張を打ち消す趣旨の発言は否定しがたい」とのべ、国の検証報告では、原子力安全保安院が指示した国と北電によるやらせを厳しく断罪し、道の関与も指摘したうえで、全国の事例を「安全神話は崩壊し、地に落ちた信頼回復は並大抵ではない」とまでのべました。

全国のプルサーマル建設、燃料変更の危険性を覆い隠すためには民主主議に逆らって世論操作も厭わない、国策の恐ろしい姿が国民の前に明らかにされたのです。

北電献金辞退
天下り自粛へ

3定は3分、4定は1分というわずかな本会議質問時間、でも徹底して追及し、事実を認めさせることができました。7年間で335万円にのぼる北電から知事への献金、返還はしないものの「一連のことから今後は辞退する」、道から北電への天下りは「自粛する」と転換させたのは世論の大きな変化と力でした。そして何より、北電が「プルサーマルのめどはない」、知事が「プルサーマルについては慎重に対応する」と表明せざるを得ないところまで追い込むことができたのは、道民とともに力を合わせた、スジを通す共産党の議席がなし得たのではないでしょうか。

来この間、東京新聞、日刊ゲンダイ、フライデー、財界サッポロ、クォリティ、別冊宝島のほかテレビなども、これまでには考えられないメディアが議会活動を紹介してくれました。粘り強い共産党道議団の追及に日が当ったのです。

問われる再稼働
道民安全無視か

3月の泊3号機の定期点検で北海道でも原発が全機停止する事態を回避するために、すでに自民党は幕引きを図り再稼働に向けて準備を進めようとしています。

野田政権と組合に遠慮して原発停止を求められない民主党、電力不足を吹聴し原発推進の反省なく自然エネもという公明党、こうした蠢きが始まっています。

泊沖の海底断層は70kmに及ぶ可能性があり、地震対策の欠落した再稼働は許せません。新年は安全無視の再稼働か厳格な調査と運転中止を求める攻防が本格化します。道民安全無視の道政・政党でいいのか、大きく鋭く問われます。

総選挙では比例議席奪還を

「やらせの告発はなぜ共産党だけに」、多くのマスコミ人は問いました。その答えはこれからの活動でも示していこうではありませんか。

新しい12年は、「安全神話」と「成長神話」にしばられた古い枠組みを脱して、道民のいのち・くらし第一、原発ゼロの北海道をめざすとりくみを力強く進める年です。

12年、道民のいのちとくらし最優先、原発ゼロの北海道めざして、共産党議席を増やしたい。

せまる総選挙で必ず比例議席奪還しましょう!

命くらし第一の道政へ

12年は、「税と社会保障の一体改革」、TPPなど道民のいのち・くらしが危機にさらされます。その中で自公道政及び民主党と、広範な道民との矛盾・対立は一層深まらざるをえないでしょう。

高齢化が進む道営住宅。2階以上は手すりもついていない――昨秋の決算委員会で現地調査に基づいてとりあげて2階以上のバリアフリー化(手すりつき、ユニットバス化、オイルサーバー)が進展することになりました。

住まいの貧困とともに「政治の貧困」を強く感じました。

道民の世論と運動こそ、くらしを守る道です。力を合わせて改善をせまりましょう。

99%の声届けて

これまでの「原発神話」「成長あってこそ神話」は、1%の富裕層の肥大、他方で99%層の貧困の累積を進め、また東京一極集中と農山漁村の衰退・過疎化を進めました。

「貧しいのは自己責任」「財政が赤字だから」と、住民には自己責任をおしつける人間不在の社会、絆をずたずたにする効率第一主義社会を根本から見直し、転換をはかる時代に立ち向かう時です。

人権の尊重、いのち第一・公平・平等の社会をつくるため、国政と道政の転換をせまろうではありませんか。

(「ほっかい新報」11年12月25日、12年01月01日合併号より)

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