平取ダム建設予定地周辺/「堤防整備こそ必要」 | 12.10.24 |
建設工事の再開が懸念されている北海道の平取(びらとり)ダム(平取町)について、日本共産党の紙智子参院議員は24日、ダム予定地周辺を調査し、地元住民らの意見を聞きました。
本体工事を凍結して建設の是非を検証中の平取ダムについて、事業主体の北海道開発局は、建設は「妥当」という「検証」結果を北海道に示し、意見を求めています。道は29日までに「知事意見」を回答する予定で、道開発局はそれを受けて国土交通省に建設再開を求める構えです。
平取ダム下流の二風谷(にぶたに)ダムは運用11年目で土砂の堆積が進み、すでに当初計画の堆積量(1430万m3)を超える1630万m3の土砂やヘドロがダム湖にたまり、貯水機能は大きく低下しています。
平取ダム予定地近くを視察した紙議員に対し、貫気別(ぬきべつ)地区に住む井澤敏郎さん(64)は「沙流(さる)川はその名の通り砂が大量に流れる川。新しいダムも砂で埋まります。洪水対策にはダム建設ではなく、堤防の整備こそ必要」と訴えました。
二風谷ダム管理所では土砂の堆積状況や、サクラマスがダムを乗り越えるための魚道を調査しました。
「100年で550万m3」と見積もっていた土砂の堆積が、すでに1630万m3に達しているという説明に、紙議員は「満水時に大雨が来たらどうなるのか。上流に平取ダムをつくるというが、こんな無責任な計画はない」と話していました。
調査には花井やす子衆院北海道9区国政事務所長、真下紀子道議も参加しました。
(12年10月25日付「しんぶん赤旗」より)
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