【私立校耐震化、洪水防災、原子力防災、ヨウ素剤服用の意義などただす】 | 12.10.02 |
質問者 日本共産党 真下紀子 議員
真下紀子君。
公立、私立を問わず、学校は、地域の避難所に指定されていることも多く、その耐震化は急務の課題です。
そこでまず、道が所管する私立学校の耐震化の状況について、全国との比較もあわせて伺います。
また、東日本大震災で問題となった、天井パネルや照明などの非構造部材の耐震化の状況がどうかということもあわせて伺います。
なお、天井パネルなどの非構造部材の耐震点検や、それを踏まえた対策の実施状況につきましては、現在、文部科学省において、各学校の現況を取りまとめているところでございます。
以上でございます。
東日本大震災の発生以降、国は、公立に比べて低い私学の耐震化を急ぐために、集中対策プランをつくって、2011年度補正予算、2012年度予算において、予算措置が大幅に拡充されたと聞いておりますが、耐震対策に関する国の補助制度は、現在、どのようなものになっているのか、伺います。
また、昨年の東日本大震災を踏まえ、私立学校施設の防災機能強化関連予算を見直しまして、平成23年度第3次補正予算といたしまして150億円、平成24年度予算といたしまして125億円が計上されたほか、制度内容についても、非構造部材の耐震対策への補助の創設や、耐震改修事業に対する長期低利融資の創設など、その拡充が図られたところでございます。
以上でございます。
他県においては、国の補助に加えて、県単独による支援措置を行っていると承知しています。その内容がどのようなものか、伺います。
以上でございます。
私学の耐震化の取り組みが進まない要因について、道はどのようにお考えか、伺います。
また、特に高等学校につきましては、建設年次が古い建物が多くございますことから、耐用年数等を勘案いたしまして、改築等により対応したいとする意向を持つ学校があるものの、高等学校の改築等につきましては、国庫補助制度の対象とはなっていないことなども、耐震化が進まない要因の一つになっているものと考えているところでございます。
以上でございます。
具体的に、避難所指定がされている道内の私学の耐震化の状況がどうなっているのか、お示しいただきたいと思います。
また、避難所の指定で大半を占めております私立高等学校について見ますと、指定されているものが36校で70棟、このうち、耐震性があるものについては39棟で、耐震化率は55.7%となっているところでございます。
以上でございます。
先進国に見習って、速やかな道独自の補助制度の創設など、一層、私学の耐震化に取り組むべきと考えますが、どのように対応するのか、伺います。
また、国に対しましては、今後とも、耐震化の補助率の引き上げや、補助対象に改築工事を加えるなどの助成制度の拡充を行うよう、粘り強く要望してまいりたいと考えております。
9月11日から12日、岩見沢市の南利根別川などがはんらんし、先日、日本共産党として、道に対して、河川の調査や改修などについて要望したところです。
水害から道民の命を守るという立場で伺います。
水防法15条に基づき、洪水ハザードマップの作成が必要な市町村が、全道に136市町村ありますが、未作成の市町村が13市町村と、約1割残されております。
ハザードマップの作成に当たって、市町村に対して、道はどのような支援や働きかけを行ってきたのか、まず伺います。
道といたしましては、マップは、洪水時の人的被害を抑える上で有効な手段と考えておりまして、未整備の市町村に対し、引き続き、作成に当たっての指導助言を行うなど、さまざまな機会を通じて働きかけてまいる考えでございます。
市町村は、どのような判断で避難勧告を発令しているのか、また、これまで、道内の災害において、要援護者に対する避難準備情報が発令されたケースがあるのかどうか、お示しください。
また、避難行動に時間を要する要援護者に対する避難準備情報につきましては、平成22年7月、8月の大雨洪水警報発令時及び本年5月の洪水警報発令時に、延べ6町において発令されているところでございます。
道といたしましては、避難勧告等の発令が今後とも適時的確に行われるよう、マニュアルの作成に未着手の36市町村に対し、引き続き、その整備を働きかけてまいる考えでございます。
国のほうは、災害時要援護者の避難支援ガイドラインを改定して、市町村に対して、災害時要援護者の避難支援のための全体計画、それから、災害時要援護者名簿、個別計画の策定、整備を求めておりますが、災害時における住民対策が十分とは言えない状況です。
住民の避難は、一義的には、確かに市町村が担うものですが、道は、避難対策についてどのような役割を果たし、また、今後、どのように取り組んでいくのか、危機管理監に伺いたいと思います。
このため、道におきましては、本年6月に行いました、北海道地域防災計画の見直しにおきまして、災害時の要援護者対策として、その実態把握や福祉避難所の充実強化などを進めることを位置づけ、市町村等を対象とした説明会の開催や、関係機関が連携した効果的な取り組み事例の紹介を行いますとともに、防災ハザードマップの作成に要する基礎的な資料を提供するなどいたしまして、市町村の取り組みを支援してきたところでございます。
今後も、こうした取り組みに加えまして、先ほど御答弁申し上げましたが、的確な避難発令のためのマニュアルの整備などを市町村に促しますとともに、地域の共助を担う自主防災組織の充実や、今年度から新たに実施をいたしております、道民参加型のシェイクアウト訓練[1]の拡充、こういったものを通じまして、防災意識の啓発を図ることなどにより、住民の避難対策の強化に取り組んでまいりたいと考えております。
最初に、避難訓練についてです。
私は、9月4日の保健福祉委員会で、泊原発災害時の要援護者の避難や、被曝医療機関の指定、医療機関の連携等について質問いたしました。保健福祉部のほうから、道として、要援護者の避難計画の策定を支援するとの答弁でした。
そこで伺いますが、入院患者や、在宅、入所の障がい者や要介護者を初めとした要援護者の人数及び施設数を明らかにした上で、10月の避難訓練で、実際に要援護者を対象とした訓練を行う必要があると考えるのですが、どうでしょうか。
今月24日に実施をいたします防災訓練におきましては、社会福祉施設のうち、7施設に入所しております要援護者の方々、あるいは職員の方々の参加を見込んでおりまして、屋内退避のほか、車いす、ストレッチャーなどに対応した福祉車両や自衛隊の特殊車両、さらにはヘリコプターにより、30キロメートル圏外の避難所まで搬送する訓練を実施することといたしまして、それに向けた準備を進めているところでございます。
次ですけれども、原子力規制委員会は、10月に、UPZを、これまでの8キロメートルから10キロメートル圏から、30キロメートル圏に広げるとしております。30キロメートル圏の自治体が原子力防災計画を策定することは当然ですけれども、30キロメートル圏外の小樽市、札幌市などは、UPZ圏内と同等の扱いとすべきだと考えるところです。
さらに、国から、拡散シミュレーションが示された際には、道として、UPZを拡大する方向で見直すべきと考えますけれども、いかがでしょうか。
一方、国におきましては、現在、福島原発の事故を踏まえた原発事故を想定し、各発電所ごとに、放射性物質の拡散シミュレーションを実施しておりまして、道といたしましては、それが示された時点で、原子力防災計画に反映をしてまいりたいと考えております。
泊原発の地元4町村と別の枠組みで、後志管内の16市町村と道、北電は、安全確認協定を結ぶとしておりますが、こうした考え方ではなくて、福島原発事故の被害の広がりを考えれば、地元と隣接の区別は意味を持たないということがわかったわけですから、立入調査や、施設の変更などの事前了解など、後志管内の20自治体が同じ権限を持って当然だと考えます。
道は、協定の当事者の一人として、4町村と16市町村で差のない協定を結ぶように、しっかりとした役割を果たすべきと考えますが、いかがでしょうか。
その結果、町村側からも意見を述べる仕組みが欲しい、また、16市町村同一の協定を結びたい、4町村とは、これまでの取り組みの歴史も異なり、必ずしも知識も十分ではないなどの意見を踏まえまして、協定案を取りまとめたものでございます。
現在、各市町村において、この案をベースに御議論いただいておりますが、今後、市町村で、協定に関する考え方を整理していただき、その上で、北電との協議が調った段階で、協定を締結してまいりたいと考えております。
以上です。
緊急被曝時において、住民の命と尊厳を守り、被害を軽減することは、原発がある限り、必ず備えておかなければならない最低限の準備です。
そこでまず、原子力災害時の安定沃素剤の予防服用の意義と効果について、道がどのように考えているのか、伺います。
こうした中で、安定沃素剤の予防服用は、甲状腺への放射線被曝を低減する効果があるとされておりまして、内部被曝による健康被害の予防措置の一つとして有効であると考えられているところでございます。
それで、住民の健康と命を守る決断だということで、福島第一原発から45キロメートル離れた三春町が、実際に、安定沃素剤の配布と服用を住民の95%に実施しました。今、そのことが大変注目を集めておりまして、国の見直しにも反映をされている状況です。朝日新聞、NHKなどでも、るる、本当に詳細に、感動的に伝わってまいりました。実際には、七つの市と町で配布をされ、内服は4町で実施されたということだそうです。
重要な予防措置なのですけれども、本道における安定沃素剤の保管状況と、緊急被曝時の服用については、どのように準備をされているのか、お示しください。
安定沃素剤につきましては、現在、岩宇4町村[3]内にございます岩内地域保健室と診療所に保管をしており、服用に当たりましては、国の原子力災害対策本部から服用指示を受けた道の災害対策本部が、町村に対して配布を指示し、住民が避難をしている救護所などにおきまして、副作用等について医師が説明を行った上で、服用させることとしているところでございます。
しかし、先ほど、三春町の実例が見直しの根拠になりつつあると言ったのですけれども、今回の福島第一原発の事故を踏まえて、安定沃素剤の予防服用に関して、極めて深刻な実態と課題が明らかとなってきたわけです。実際に服用できるようにということで、議論がされております。
そこで、実際にどうだったかということなのですけれども、民間事故調、政府事故調、国会事故調では、どのような実態が報告されて、それぞれがどのように検証され、課題を指摘しているのか、お示しください。
こうしたことから、政府事故調におきましては、各自治体等が独自の判断で住民に服用させることができる仕組み、事前に住民に安定沃素剤を配布することの是非等につきまして、見直すことが必要であるとの指摘がなされておりまして、一方で、国会事故調におきましても、適切な時間内に沃素剤の服用ができるように、備蓄や事前配布を行うほか、沃素剤の服用指示が対象住民に適切に届くように、準備、訓練を行うなど、緊急時の不手際が発生しないような体制を構築するとの指摘がなされているところでございます。
本道においても、同様の議論がされていたと承知をしております。2011年の11月には、北海道原子力防災計画の課題抽出に係る有識者専門委員会から報告が出されました。私が、この委員の方たちのうち、3人の方が原子力業界から寄附を受けていたということを指摘した委員会ですけれども、この報告書の53ページに、「日本人の特徴を考慮した服用方法の検討」という記載がありますが、どういう議論を経て、どういう意味で記載をされたのか、伺います。
有識者専門委員会では、こうした考え方などを踏まえまして、欧米人に比べて海藻類の摂取が多い日本人の安定沃素剤の服用の方法について、国において検討する必要があるとの考え方が示されたところでございます。
以上です。
以上です。
何か、ちょっとかみ合っていませんから、申し上げますけれども、この有識者専門委員会の課題抽出議論の過程で、安定沃素剤の予防服用について、第2回の委員会で、有識者の一人――この方は核医学の専門家で、スペシャリストです。その方が、安定沃素剤について、「普通の昆布だしのみそ汁を毎日飲んでいれば、そんなものは要らない」「特に、日本人は、毎日沃素をとっている」「あえて安定沃素剤を飲まなくても、十分なヨードが甲状腺に常にいる」、こう述べたのです。
これに対して、座長――原子力工学の専門家で、スペシャリストです。その座長が、「非常に実践的な対処方法」「そのとおりだ」と太鼓判を押して応じていますが、ここにも科学的な根拠があると道はお考えにならない、こういうことでよろしいですか。そういう見解が国で出されたことはないということでよろしいのですね。
一方で、原子力災害時の措置として、沃素の含有量が多い食品を摂取することにより、放射性沃素の甲状腺への蓄積を抑えることについては、国の見解としても、否定的な考え方が示されております。
昆布などの食品摂取による、放射性沃素の甲状腺への集積抑制について、原子力災害時の措置として適切ではないと。三つの理由を明らかにして、明確に、適切ではないと書かれておりますよね。間違いないですね。
実は、先ほど申し上げましたように、こうした議論が、わざわざ、この委員会の報告の中に反映されて、国に提案するということを座長が示しております。どうしてこうなったのですか。
どうしてか、多分、答えられないと思います、道のほうは。
こういうことは、原子力、放射能に携わっている専門家であれば、放射能防護の常識なのですよね。知らないはずがないのです、座長も、それから核医学の専門家の方も。それなのに、事務方には道が入っていますが、何の異論もなく決まっていっているわけです。
なぜ、これは違いますよ、原子力安全委員会の見解と違いますよということを言える人がいなかったのですか。
こうしたことも踏まえて、日本人の特徴を考慮した服用方法を検討する意義があるとして、専門委員会として報告書が取りまとめられたものと考えております。
以上です。
しかし、この場合は、そうではないのじゃないですか。原子力安全委員会の意向とも違う。それから、道の緊急被ばく医療活動実施要領においては、甲状腺への取り込み予防として実施するという規定があるわけですね。そういう中で、極めて異質な議論が、有識者専門委員会の中で行われていたのじゃないかと思うのです。
安定沃素剤の予防服用について、2012年3月の原子力安全委員会のワーキンググループで見直し作業に入っている中では、対象は40歳以上にも広げたい、それから、三春町の例を入れながら、さまざま問題を解決していく必要があるということを言っていますけれども、原子力施設事故初期における重要な防護策として、明確に、安定沃素剤の予防服用について規定をしております。ですから、この問題のそもそものところがここから出発しなければ、昆布だしのみそ汁で事足りるわけじゃないのです。
私は、これがなぜ異質だと言うのかといいますと、これだけじゃないからなのです。
笑わないでくださいね、皆さん。「大人はヨードで被曝しません。そういうときは、ノリを巻いたおにぎりを配るとか、もっと当たり前のことを、柔軟に、その場で大人が考えるということです。それも啓蒙になる」と言っているのです。啓蒙するためにこういうことをおっしゃっているのですね。これに対して、座長が、「これは非常にいい御指摘だと思います。」「大人に配っても余り効果はないのですね。非常に重要で、的を射た御指摘だ」と繰り返しているのです。
啓蒙のためにやり、座長が太鼓判を押す、こんなことがあっていいのでしょうか。私は、有識者専門委員会のあり方をもう少し問わなければならないと思いますし、委員を選任した知事の責任というのを問わなければならないと思います。
国のほうでは、見直しが必要とされていますけれども、道として、今後どうするのか、伺います。
現在、国では、委員が御指摘のように、こうしたことを踏まえ、安定沃素剤に係る見直しの検討を行っているところでございまして、道といたしましても、今後、国の検討内容を踏まえ、安定沃素剤の予防服用の方法等について、検討を進めてまいりたいと考えております。
今回、三春町では、安定沃素剤というものの存在すら知らなかったところ、わずか2日間で、95%の住民に整然と投与したわけですね。そのことが評価されています。数々の課題があります。でも、そういった状況の変化もありますので、知事に、この委員会のあり方を含めてお伺いしたいと思います。お取り計らいをお願いいたします。
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