【真下紀子道議の反対討論】 | 12.10.05 |
私は、議案第6号、第8号、第23号、第25号、第26号、第28号及び第29号について、反対の立場から討論を行います。
議案第6号は、北海道国民健康保険調整交付金の交付に関する条例の一部を改正する条例案です。
国民健康保険法の改正により、国の定率負担を2%引き下げ、その分を都道府県調整交付金に加え、7%から9%に引き上げられました。引き上げられた2%――道予算で約70億円分について、国は交付税措置をするとしておりますが、その確実な保証はありません。
また、道は、医療費の共同事業に係る拠出超過の負担軽減のほか、市町村の収納率向上や医療費適正化対策に活用するとしておりますが、道民の負担能力を超えた無理な徴収や、適正化という名の医療費抑制につながるのではないかとの懸念はぬぐい切れません。
また、都道府県調整交付金の2%引き上げは、広域化の地ならしとも見えます。全国の知事会、市長会、町村会が求めているのは、国の財政責任、国庫負担の拡充であります。国は、地方の声にこそ、こたえるべきです。
以上の理由から、本議案に賛成することができません。
議案第8号は、北海道立学校条例の一部を改正する条例案です。
美唄工業、札幌稲西、中川商業、稚内商工の四つの道立高等学校の廃止、札幌拓北高校と札幌篠路高校の統廃合に伴う条例改正であり、道教委みずからが、教育の地域間格差を拡大させる機械的な高校統廃合を進めることとなると言わざるを得ません。
よって、反対です。
高橋知事になってから、わずか10年の間に、道立高校は34校も減っています。全国では、既に、東京都や静岡県などで、独自に高校の少人数学級化に踏み出しており、道及び道教委は、道立高校の機械的な縮小、廃止を見直し、少人数学級化を真剣に検討することを強く求めます。
議案第23号は、道営土地改良事業に伴う地方公共団体の負担金に関する件ですが、そのうち、雄武中央地区は、国営雄武ダムに関する事業です。
賛成している農家は一部であり、累積する地元負担が雄武町の財政硬直化の一因ともなっており、賛成できません。
同じく、新ひだか町の日高中部地区は、既に舗装道路が何本もあるにもかかわらず、さらに立派な農道の建設は、むだな公共事業との批判を免れません。
議案第25号は、林道事業に伴う地方公共団体の負担金に関する件ですが、そのうち、長万部町の豊津黒岩線は、幅が4メートルもの道路が逆に山を壊しているとの地元意見が上がり、また、10億円を超える総事業費のうち、25%もの地元負担が町財政を圧迫しており、反対です。
議案第26号は、函館本線の野幌駅周辺の立体交差事業について、江別市の負担分の議決を得る案件です。
総事業費は153億円、道負担は58億円と見込まれ、見直しもなされないままであり、賛成できません。
議案第28号及び第29号は工事請負契約の締結に関する件ですが、2010年度に国から権限移譲された路線であり、それまで北海道開発局が施工してきた5路線にかかわるものであります。
まず、議案第28号は、道道美唄富良野線のうち、美唄市と芦別市を結ぶ15.6キロメートルの改良区間におけるトンネル工事の請負契約です。
札幌圏と富良野圏を結ぶ道路は、既に道道岩見沢三笠線が整備されており、時間的な短縮はわずか二、三分と言われています。多くの市民から要望はなく、改良区間の工事費は総額で約120億円と膨大であり、反対です。
また、議案第29号は、道道北進平取線のうち、厚真町内の1.6キロメートルの改良区間におけるトンネル工事の請負契約です。
空港や医療機関へのアクセスのため必要としておりますが、現場付近は土砂崩れが多い地帯であり、あえて危険なところにもう一本道路をつくるのかという地元の声もあります。改良区間の工事費に総額30億円もつぎ込むことに反対です。
権限移譲された路線について、単純に事業を継続することなく、改めて、知事みずからが路線整備の必要性を検証すべきです。
以上、反対の立場からの討論といたします。
領土問題の解決は、歴史的事実と国際的な道理に基づく、冷静な外交交渉こそが唯一の解決の道です。
尖閣諸島は、日本政府による1895年の領有行為が国際法で認められています。
日中双方が、物理的対応や軍事的対応を厳しく戒め、日本政府は、領土に関する外交問題の存在を認め、中国政府と国際社会に対し、領有の正当性を堂々と主張すべきです。
竹島については、日本共産党は、既に1997年に、日本が領有権を主張するということは歴史的根拠があるという見解を発表しています。同時に、島根県に編入した1905年当時の韓国は、外交権が奪われていたことを考慮しなければなりません。
侵略戦争と植民地支配への反省と謝罪を行い、日韓両国が冷静に話し合う土台を築くことが肝要です。
千島列島については、1875年に、日ロ間で締結した樺太千島交換条約をもとに、全千島を日本の領土と画定された歴史的な事実に立ち、2国間交渉と国際社会への働きかけを進めるべきです。
しかしながら、日本政府は、歴代、国際法にのっとった日本の領有の正当性を主張する外交努力を怠ってきました。今回の出来事は、そうした弱点が象徴的にあらわれたと言わざるを得ません。冷静な外交的努力と、各国民の相互理解を妨げ、緊張を高めるいかなる対応も自制しなければなりません。
意見書案では、毅然とした対応方針のもと、領土、領海に関する必要な法制度の整備や海上保安庁等の体制強化を早急に行うことを求めています。
しかし、海上保安庁法は8月に改正を行っていることから、自衛隊を速やかに領域警備に派遣できるための法整備につながるのではないかという懸念はぬぐい切れません。
日本が、アジアの一員として、コミュニティー・ツー・コミュニティーを高める努力をすることが今こそ必要であると申し述べます。
以上で、反対の立場からの討論とします。
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[日本共産党道議団編集]