北海道から「原発ゼロ」の大波を/泊再稼働阻止に向けて |
野田内閣は、大飯原発3号機の再稼動に続き、全国の原発の再稼動について順次判断する考えを表明。原子力安全・保安院の評価待ちとなっている泊原発1、2号機について、北海道電力社長は「11月までに間に合えば」と期待を表明しました。
世論調査で再稼働反対が6割近くにのぼり、住民理解は得られていません。
安全神話を復活させ電力不足で国民をおどすやり方は、まったく安全無視の何ものでもありません。
闘いはこれから。〝大飯の次は泊(原発)〟は断じて許しません。
本来、第3者で行われるべき泊原発の安全チェックが、すべて原発推進勢力にまかされていたことが、日本共産党の真下紀子道議会議員の質問(6月27日)で判明しました。
ストレステスト(安全評価)を原子炉メーカーの三菱重工業が担当、活断層調査は北海道電力の子会社・北電総合設計が実施していました。
しかも、北電子会社には道職員が天下り、道の原発政策を審査する「有識者検討会議」委員には原発マネーが寄付されていました。
ストレステストはやり直し、原発マネーを受け取った専門委員は選ばない仕組みが必要です。
札幌市議会では、日本共産党が他会派と共同提出した「大飯原発の再稼働を行わないことを求める意見書」を、民主党が自民、公明とともに否決してしまいました。
過半数が再稼働に反対し8割以上が電力不足が生じても「我慢できる」とする国民の願いに背を向けたものです。
井上ひさ子市議の質問に「事故原因の徹底検証や安全対策、新たな原子力規制体制といった全ての対策が講じられるまでは、議論を開始すべきではない」と答弁した上田市長の立場とも全く矛盾、まさに原発推進勢力としての姿勢が浮き彫りとなりました。
「再稼働なし」「原発ゼロ」の決断でこそ、夏は乗り切れます。
この夏が一昨年と同じ猛暑だとしても最大電力需要は506万kw。泊原発207万kwがなくても、北電の電力供給力401万kw(道内企業等の自家発電84kwを除く)に、本州からの送電など電力融通(60万kw)、電源開発や道がもつ水力発電能力(28万kw)の活用と、道内企業などの自家発電能力(最大262万kw)をふやすなら、単純合計でも751万kwを超えます。北電が供給力に風力や大陽光を算入していないので、さらに供給能力は高まります。
冬についても、最大電力は579万kw(10年1月)ですが、定期検査中(5月20日から10月22日)の厚真4号機(火力・70万kw)が再稼働すれば、ピーク時も乗り切れます。
なによりも北海道は、国の調査でも再生可能エネルギーポテンシャル(可能性)が20億円と高く、自然エネルギーの宝庫です。
いわゆる原発マネーといわれる電源開発促進税収は毎年約3500億円にのぼります。この予算を、大陽光発電など再生可能・自然エネルギーの普及拡大にふりむけるなら「原発ゼロ」の日本と北海道に大きな展望が開けるでしょう。
各紙の世論調査からわかるように、電気使用が制限されても「我慢できる」77%(「毎日」6/4)、「不便があってもよい」60%(「日経」5/28)、「我慢できる」82%(「JNN世論調査」)と、省エネ・省電力の機運が高まっていることです。電力需給の情報公開と省エネ・省電力の取り組みを支援する仕組みが大切です。(C)
(12年07月08日付「ほっかい新報」より)
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