道 省・新エネルギー行動計画Ⅱ期案の問題 |
道経済部は2月9日から3月9日まで省エネルギー・新エネルギー促進行動計画第Ⅱ期(13〜22年度)の素案をパブリックコメントしました。その問題点をえぐってみました。
北海道の省エネ計画案(11−21年度)をいくら読んでも、フクシマ事故の教訓、「安全神話」による反省をふまえた内容が一切みあたらないのは悲しい。
世界と日本の文明論的な転換と探究や次代を担う子どもたちの苦悩と悲しさがみえない。
省エネ・新エネ計画案には「脱原発」も「脱原発依存」のダの字もない。条例は、原発を「過渡的エネルギー」と位置づけているが、フクシマをへてなお、菅前首相の打ち出した「脱原発依存」すらみえない、寂しい限りだ。
福島県に続き、山形県では県ビジョン(山形県エネルギー戦略素案 12.1.23)として脱原発をかかげている。滋賀県なども続いているのに、道は固執だ。
地域経済と社会に密着した再生可能エネルギーはデンマークでもドイツでも光輝いているが、その位置づけが明確にみえない。再生可能エネルギーの割合は8.7%、全国の5.7%を上回ると胸をはるが、パルプの回収黒液に大きく依存したもの。千葉大の試算では北海道は47県中43位の低位にある。
道の24年度予算案をみても、自然エネルギー関連の予算・事業は全く伸びていない。むしろ減少ぎみである。素案には目標すら示されていない。20%以上など明確な目標をかかげるべきである。
また、メガソーラー、大型風車の誘致に対して、道の補助金交付を予定しているが、地域経済と断絶した構造にある場合は、苫前町のように(「道新」12.1.28)恩恵は立地する町に吹かない危険性が高い。これの認識がない。デンマーク、ドイツのように地域にねざすように是正する方策の検討こそ示すべきである。
素案は、第Ⅰ期計画の延長にすぎず、しかもⅠ期の総括と反省もみえない。素案について住民説明会を主要都市で開くよう提案する。
また、国の計画が新年度に新しく策定される。国の論議、道民論議をへて新しい案の策定をこそ検討すべきである。
(S)
(12年04月01日付「ほっかい新報」より)
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