3月道議会をふり返って |
道議会の12年度第1回定例会は最終日の3月23日、12年度一般会計予算2兆7410億円などを可決し(日本共産党は反対)閉会しました。定例会では、「社会保障・税の一体改革」や泊原発1、2号機の再稼働問題、TPP交渉など野田政権が進める暴走に、高橋はるみ知事と議会各派が.どういう態度でのぞむのかが厳しく問われました。また、震災がれきや孤立死・困窮死対策など、道民の安全と福祉が最優先される予算が組まれるのかが焦点となりましたが、道民の期待は裏切られる結果となりました。
真下紀子党道議は、消費税の3%から5%への増税(97年)により、14年間で道内勤労者の可処分所得が46万円から39万にまで減ったと指摘、知事は、野田内閣がめざす10%に増税された場合の影響について、道民負担が1兆1570億円になると答えました。道税収入(4900億円)の2倍を超えます。
知事は3月30日、定例記者会見で、「(消費税増税の閣議決定は)大変評価させていただきたい」と答え、「増税賛成」を鮮明にしました。
真下道議は原発・エネルギー問題を取り上げ、山形県知事が「卒原発」を掲げつつ、原発1基分の電力を、県内の風力・大陽光・小水力の各発電でまかなうための工程表と数値目標を示していることを紹介。「原発のない北海道」への道筋を示すよう求めました。
高橋知事は、「新エネルギーは中長期的に主要なエネルギー源の一つ」と答えるにとどまり、泊1、2号機の再稼働については、「まずは(国からの)詳細な説明をいただき…」と、国にゲタを預けるだけです。
新幹線札幌延伸について、知事は「まずは正式な認可・着工が重要」「着工後、早急に沿線自治体による協議会を設置する」と述べたのに対し、真下道議は。新幹線建設や経営分離後の並行在来線の運営にどれだけ税金を投入するのか、「情報開示しないまま政策決定するのは、住民自治と相容れない」と批判しました。
予算特別委員会でサンルダムのやらせ疑惑を取り上げました。道開発局が昨年6月〜7月に実施した意見募集では、112通のうち賛成意見が111通。「全国に水害が発生。計画を推進すべき」など同一または酷似した文章がのべ114件確認され、道は「類似した文章が見受けられる」と認めました。
さらに真下道議の厳しい追及で「同じFAXから送られたものがある」ことがわかり、委員から「やらせか」とどよめきが起きました。
HBCテレビと読売が報道、共同通信が全国に配信しました。
「やらせ」疑惑が浮上したサンルダム建設をいったん凍結し、治水対策を総合的に見直すことが求められています。
恵庭、石狩、小樽、夕張、美唄、滝川、砂川、歌志内、深川、旭川、士別、富良野、稚内、根室 |
札幌市白石区で1月に発生した姉妹の孤立死事件をとりあげ、電気、ガスと並ぶ主要なライフラインである水道事業について質問。道内35市すべてが水道料金の減免規定を定めているものの、孤立死事件があった札幌、釧路両市を含む21市で減免実績がないことが分かりました。
32市は検針をすべて外部委託しており、滞納者の状況を把握する機会が限られています。
真下道議が「減免は行政としてできること」とただしたのに対し、道は「取り組みを強化する」と応じました。
震災がれきの放射線基準を、国が示した240ベクレルから道独自の100ベクレルに変更した「科学的根拠」について、知事は示すことができませんでした。焼却灰についても「管理期間を何年と定めるのは難しい」「他の廃棄物と混合して焼却されるので(17倍〜33倍という濃縮度は)低い値になる」と答え、道民の安全を求める声に答えられませんでした。真下道議が道民への説明と情報公開を求めたのは当然です。
(2011.4.1) | |||||
※政令市(札幌)、中核市(旭川、函館)を除く。 | |||||
区分 | 棟数 | 耐震診断済み | 耐震診断未実施 | ||
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うち改修時期未定 | うち改修予定なし | ||||
公立 | 199 | 29 | 6 | 170 | 136 |
民間 | 113 | 13 | 5 | 100 | 77 |
合計 | 312 | 42 | 11 | 270 | 213 |
東日本大震災から1年、保育所、水道、橋梁の耐震化の推進を求めました。真下道議が、道道で緊急避難道路に指定されている橋梁のうち、未耐震の16か所あると質問し、道は「12年度中に耐震化する」と答えました。
保育所の耐震化は全道で5割に達していません。水道の耐震化計画策定状況は基幹管路で18%、浄水場と配水池で1%にとどまります。市町村への財政支援などを含む取り組み強化が求められます。
真下道議は、十勝の帯広養護学校、中札内高等養護学校を視察し、特別支援教育について質問しました。体温調整がむずかしい子どもや、パニック後のクールダウンが必要な子どものことなどをリアルに示し。環境整備を求めました。
文科省が、全国の小中学校と高校全児童・生徒分を配った放射能副読本。真下道議が、文科省が作成を委託した「日本原子力文化振興財団」は東京電力、中部電力などの役員が名を連ね、実際の作成委員長は、食品のセシウム新基準の意見募集で、厳格化に反対の立場から意見の投稿を求めるメールを送っていた(やらせ)と指摘したのに対し、道教委は「承知していない」と答弁。
副読本の配布を押し付けないよう求めたのに対し、「生徒に配布するかどうかは市町村教委と学校の判断」と答えました。
“放射線は危険でない”かのような誤った内容の副読本を活用させないために、自治体での運動が大事です。
日本共産党は、新年度一般会計予算案について、介護保険料抑制や孤立死対策の手立てもなく、防災対策も貧弱であり、反対しました。
道立看護学院や高等技術専門学校、農業大学校、漁業研修所の授業料軒並みアップ提案、道職員や教職員等の給与独自縮減の延長に反対したのは日本共産党だけです。自民党の緊急事態に対する法整備を求める意見書に反対したのも、日本共産党だけ。
自民、公明、フロンティア、大地は知事提案にすべて賛成。民主は一般会計予算案に反対した他は、すべてに賛成しました。
(12年04月08日付「ほっかい新報」より)
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