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道議団の動き
空知の農業用水発電/原発に代わる発電設備に期待 12.12.07

空知の農業用水発電

原発に代わる発電設備に期待

――真下紀子・はつらつ道政レポート

12月7日、全道一の管理エリアを持つ岩見沢市の北海土地改良区を訪ね、80kmに及ぶ北海幹線での小水力発電のとりくみと課題などを調査しました。

わずかな落差

小水力発電のとりくみについて説明を受ける
(右から)尾田、朝倉、川口の各氏から小水力発電のとりくみについて説明を受ける=7日

岩見沢市にある北海土地改良区は全長80kmの北海幹線をはじめ、空知管内の南北90kmもの広大な農地への農業用水路を管理しています。道内最大、全国でも有数の土地改良区です。

同改良区は今年4月に行政機関や農業団体などとともに北海地域小水力等発電検討協議会を設置し、導入可能性を検討し始めました。

北海土地改良区の尾田則幸専務、北海道空知総合振興局の朝倉裕泰主幹、北海道開発局札幌建設部岩見沢農業事務所の川口清美所長から説明を受け、建設予定地を視察しました。

固定価格買取制度の開始で期待が高まっている農業用水を活用した小水力発電。北海幹線は落差が28mと小さいため、水量の多さと効率の良い発電をどう確保するかが採算性に大きく反映するということです。利用期間の延長について洪水対策機能を担っているため、関係機関との調整が必要になるとのことでした。

課題も多いがやりがいも

小水力発電設備建設予定地を視察=7日
小水力発電設備建設予定地を視察=7日

有効落差が28mの北海幹線で実用化できるのか、課題は大きく見えますが、農業用ダムの落差や堰の落差にも着目し、農業用施設の有効活用に知恵を出していることがよく伝わってきました。農業経営に必要な土地改良の負担をなるべく軽くして農家を応援するためにも期待が集まっています。

通年発電が可能な本州と比べ、用水路の利用期間が4カ月の北海道で実用化に向けた新たな工夫が必要です。農業者が自然再生エネルギーにとりくむことのやりがいを国、道が知恵を出し合って支援することの必要性を実感しました。

年末に押し迫った道議会の予算特別委員会でも取り上げ、小水力発電促進のとりくみを強めるよう求め、こうした事業を応援していきます。

(12年12月30日付「真下紀子・はつらつ道政レポート」より・一部編集)