道が発注工事の賃金/2次下請け以下も調査 | 12.10.03 |
「公共工事の下請け賃金を引き上げて、官製ワーキングプアをなくすべきだ」という声の高まりの中で、北海道の高橋はるみ知事はこのほど、道が毎年実施している「建設工事下請等状況調査」で、2次以下の下請け業者も調査対象とする考えを示しました。道議会予算委員会で、日本共産党の真下紀子道議の質問に答えたものです。
道発注工事で働く4次下請けの土木作業員の男性(42)は、「俺の日給は9000円、20代の同僚は8500円。親方からは『元請けが安く出すから給料を上げられない』と言われている」と話します。
公共工事の積算に使われる土木作業員の設計労務単価は1万1000円であり、この男性の賃金はこれを18%、男性の同僚は23%も下回っていることになります。
道の調査対象はこれまで、元請けと1次下請けまでで、2次は「必要に応じて」調査するだけ。3次や4次下請けの実態は把握していませんでした。
知事が「2次以下も調査対象とする」と表明した背景には、建設労働者の粘り強い運動がありました。
毎年、道との交渉で「設計労務単価を大幅に下回る公共工事の労賃を引き上げろ」と追及してきた建交労道本部の俵正好書記長は「真下道議の質問で、一定の改善方向が答弁されました。今後は、公共事業の発注者である国や道、市町村が元請け業者に『要請』ではなく『指導』できるようにするためにも、『公契約法』『公契約条例』の制定で官制ワーキングプアを解消することが大事です」と話しています。
(12年10月21日付「しんぶん赤旗」北海道・東北のページより)
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