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夕張再生 現地は/真下道議ら市長と懇談・調査 12.09.06

夕張再生 現地は

■再生計画の償還額・期間縮減 ■自然エネの推進を模索

北海道の鈴木直道夕張市長が財政再生計画の期間短縮や地域再生のための支援について国、道、道議会に要請するなど、「夕張再生」問題が新展開を迎えています。夕張は何を求めているのか―日本共産党の真下紀子道議、木村けんじ党道10区政策委員長らが調査・懇談(6日)しました。

真下道議ら市長と懇談・調査

鈴木市長と懇談する真下道議
鈴木市長(左から3人目)と懇談する真下道議(左端)=夕張市

真下道議らは1937年設置の老朽化した花園橋や倒壊の危険のある空き家などを熊谷桂子夕張市議の案内で調査しました。

市役所では真下道議が鈴木市長に、財政再生計画の償還額と期間の縮減について「夕張再生のために必要な提案です。実現のために努力していきたい」と呼びかけました。

夕張市位置図 鈴木市長は感謝の言葉を述べ、「行政サービスを圧縮し続け計画を淡々とこなせば、解決するのか。豪雪被害、地域格差の拡大など、さまざまな問題があり、市の財政破綻以降に生まれた子どもたちに、『夕張の責任』を求められるのか」と話しました。

真下道議は「財政再生団体になったとしても、憲法の下にいます。(市長の意見は)当然のお話です」と応じ、地域資源を使ったエネルギー問題に触れました。「美幌では木質チップボイラーで電源供給しており、雇用拡大にもつながっている。夕張でも市街地コンパクト化の過程で出る住宅廃材利用や集中暖房、あるいは小水力など検討してみたらどうでしょう」と提案しました。

鈴木市長は「すでに中小水力発電事業の取り組みがあり、エネルギー庁にいってきました。『道としてのプランが必要』と言われる」と率直に答えました。

真下道議は「再生可能エネルギーの推進は、道としても進めなければならない。そのモデルケースに夕張を位置付けられればいい」などと対話が深まりました。

夕張では4月に、幅広い市民が参加する超党派の「夕張市の再生を考える高齢者の会」に250人以上が集い、声をあげ始めました。夕張市で生まれ育った市民が次の世代に引き継ぐために立ち上がったことは、画期的なことです。

夕張市の財政再生計画

2010年、財政再生団体に移行した夕張市は、再生計画に従い償還を行っています。13年度からは利子を合わせ26年度までの14年間で358億円を償還しなければなりません。人口1万人余の市の44%以上が高齢者であり、額も期間もあまりに巨大です。

真下道議らはその「高齢者の会」の井形節雄会長らと懇談しました。

柴田静雄幹事長は、北炭閉山に伴って企業や国から莫大(ばくだい)な借金を背負わされた歴史にふれながら、「国では『夕張だけ特別扱いするな』という声が出ていると聞いているが、責任は国にもある」と要望しました。

この「特別扱い」について8月27、28日の党道委員会の政府交渉でも総務省の担当課長から出され、大門実紀史参院議員が「どこがそう見ているのか。国会答弁では、クレームを出している市町村はなかった」と厳しく指摘し、発言を撤回させていることを木村氏が話しました。

真下議員は「2006年に、『産炭地域活性化基金』が〝手切れ金〟のように取り崩され、ここでも国の責任が放棄された。この署名をした時の自民、公明の幹事長と経産大臣に責任がある。みなさんと一緒に頑張りたい」と呼びかけました。

(12年09月12日付「しんぶん赤旗」北海道・東北のページより)