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道議団の動き
補助金団体に24幹部天下り/真下道議の質問で判明 12.08.23

補助金団体に24幹部天下り

真下道議の質問で判明道議会委

北海道の課長級以上の幹部職員24人(2010年度末)が、道が補助金等を支出している公益法人12団体のうち11団体に、実質的な代表の役職である理事長や専務理事、事務局長などとなって天下りしていることがわかりました。

北海道包括外部監査における監査対象法人への道職員の天下り実態(道人事課提出資料)
印=理事職(理事長、専務理事、常務理事、副会長理事)
印=事務局長
監査対象法人(団体)役職名人数継続
(指定席)
(財)道高等学校奨学会 事務局長
事務局次長
2名
(財)アイヌ文化振興・研究推進機構 専務理事
事務局次長
2名
(財)道環境財団 専務理事 1名
(財)道地域活動振興協会 常務理事
事務局長
2名
(財)道青少年育成協会 常務理事
事務局長
2名
(財)道地域医療振興財団 常務理事
総務局長
3名
(財)道生活衛生営業指導センター 専務理事
事務局長
2名 ◎ ○
(財)道障害者スポーツ振興協会
(財)道中小企業総合支援センター 理事長,専務理事,常務理事,総務部長等 6名 ◎ ○
(社)道青果物価格安定基金協会 事務局長 1名
(社)道酪農検定検査協会 専務理事 1名
(社)道栽培漁業振興公社 副会長理事
栽培推進部長
2名
6人が天下った道中小企業総合支援センターの入ったビル
6人が天下った道中小企業総合支援センターの入ったビル=札幌市中央区
真下紀子道議
真下紀子道議

天下っているのは(財)北海道中小企業総合支援センターヘ6人、(財)北海道地域医療振興財団へ3人、次いで6団体へ各2人、3団体へ各1人となっています。(表参照)

さらに、この11の天下り団体のうち8団体では、長期にわたり同一の主要ポストを道の天下りが独占する「指定席」があることも道は認めました。「指定席」の「持ち主」は、ほとんどが元道の部長級や次長級の幹部職員です。

道が補助金等を支出している団体(10年度末で121)には、目的に応じて道の監査委員や出納局が定期的に監査や検査をすることが義務付けられています。

ところが、公益法人12団体には、06年度から10年度までの5年間に、約922億円もの多額の補助金が投入されているにもかかわらず、道が補助金の効果をまともに検証していませんでした。

11年度の「北海道包括外部監査の結果報告書」は次のように指摘しています。12公益法人について「事業の効果測定について確認したところ、すべての所管部で具体性のある効果測定が行われていなかった」。

このように、まともな監査・検査が長年されてこなかった理由の一つが天下りの存在です。複数の元道職員が「やがて自らも天下りする可能性がある団体に対する厳しい指摘は『遠慮する』のが役人の性(さが)」と証言します。

第2回定例道議会予算特別委員会(7月3日)で日本共産党真下紀子道議の追及に、立川宏総務部長は、天下りについては「再就職要綱の手続きを踏むとともに情報を公開することが大事」とこれまでの見解を繰り返しながらも、道包括外部監査の報告書が「(これらの)団体においては、なぜ道退職者が必要かについても具体的に記載すべき」だと記述している点について、「道としてどう対応するか整理したい」と答えざるをえませんでした。

道に重い説明責任

真下議員の話

11年度の包括外部監査報告書によって、道が補助金を支出している団体にたいして、長年にわたって天下りが行われ、そのいくつかは「指定席」となっていたという構造的な問題が明らかになりました。道自身の監査では見逃してきたことが厳しく問われています。元は道民の税金である補助金が有効・適切に活用されているのかどうか、道は重い説明責任を負っています。今後も厳しいチェックが必要です。

(12年08月23日付「しんぶん赤旗」北海道・東北のページより)